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審決分類 審判 訂正 (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降) 訂正しない D06F
管理番号 1081499
審判番号 訂正2002-39257  
総通号数 45 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2003-09-26 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2002-12-02 
確定日 2003-07-23 
事件の表示 実用新案登録第2123867号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1.手続の経緯
実用新案登録第2123867号に関する本件審判請求の要旨は、願書に添付した明細書及び図面を、審判請求書に添附した訂正明細書のとおりに訂正することを求めるものである。これに対し、当審において訂正拒絶理由を通知したところ、平成15年3月7日付け手続補正により上記審判請求書に添附した訂正明細書についての補正がなされた。

2.平成15年3月7日付け手続補正による補正の適否について
(1)手続補正の内容
上記手続補正は、審判請求書に添附した訂正明細書について、次の補正を行うものである。
(イ)平成14年11月29日付け提出の審判請求書に添附した訂正明細書第5頁第16行の「待機中又は上昇、下降中に」との記載を、「上昇中に」と補正する。
(ロ)平成14年11月29日付け提出の審判請求書に添附した訂正図面の第3図及び第6図を、審判請求前の対応図面(出願公告時の第9図及び第12図)に一致するように補正する。

(2)判断
上記補正事項(イ)は、訂正明細書の請求項1中の「上昇時の非圧縮時に」という記載に対応して、訂正明細書中の記載を整合させる補正であり、また、上記補正事項(ロ)は、図面上の明らかな誤記等の軽微な瑕疵を補正するものである。

(3)むすび
したがって、上記手続補正は訂正明細書の内容を実質的に何ら変更するものではなく、審判請求書の要旨を変更するものではないから、特許法等の一部を改正する法律(平成5年法律第26号)附則第4条第1項の規定によりなおその効力を有するとされ、同附則第4条第2項の規定により読み替えて適用される改正前の実用新案法第41条において準用する特許法第131条第2項の規定に適合するものである。

3.審判請求の適否について
(1)訂正の内容
上記のとおりの補正が認められるので、本件審判請求は、願書に添付した明細書及び図面を、手続補正書に添附した訂正明細書のとおりに訂正しようとするものであって、その訂正内容は次のとおりである。

a.実用新案登録請求の範囲の請求項1において、
「【請求項1】洗濯物の衣類等から、弾性膜を備えた加圧体で水分を圧搾により脱水する脱水機において、
加圧体の上昇、下降、待機時の非圧搾時に同加圧体を回転させる加圧部回転装置を有することを特徴とする脱水機。」とあるのを、
「【請求項1】洗濯物の衣類等から、弾性膜を備えた加圧体で水分を圧搾により脱水する脱水機において、
前記脱水機は、前記加圧体の上昇時の非圧搾時に前記加圧体を回転する加圧部回転装置を備え、
前記加圧部回転装置は、
前記加圧体を支持するプレス板と、
前記プレス板と所定の間隔を隔てて配置される架台と、
前記プレス板に押し付けられた状態で前記加圧体に対して回転力を付与する回転付与手段と、
一端が前記架台に対して回転自在にかつ他端が前記回転付与手段に対して回転自在に取付けられるエアシリンダと、
一端が前記架台に対して回転自在でかつ他端が前記回転付与手段に対して回転自在に取付けられ、前記加圧体が上昇して前記プレス板が前記回転付与手段に接触するときに前記プレス板と前記エアシリンダとの間に振り角βを形成し、かつさらに前記加圧体が上昇する過程で前記プレス板に回転力を発生する振り角形成手段と、を備えたことを特徴とする脱水機。」と訂正する。

b-1.明細書(考案の詳細な説明の項)第6頁第15行?第20行の
「このため本考案は、洗濯物の衣類等から、弾性膜を備えた加圧体で水分を圧搾により脱水する脱水機において、加圧体の上昇、下降、待機時の非圧搾時に同加圧体を回転させる加圧部回転装置を備えてなるもので、これを課題解決のための手段とするものである。」を、
「このため本考案は、洗濯物の衣類等から、弾性膜を備えた加圧体で水分を圧搾により脱水する脱水機において、前記脱水機は、前記加圧体の上昇時の非圧搾時に前記加圧体を回転する加圧部回転装置を備え、前記加圧部回転装置は、前記加圧体を支持するプレス板と、前記プレス板と所定の間隔を隔てて配置される架台と、前記プレス板に押し付けられた状態で前記加圧体に対して回転力を付与する回転付与手段と、一端が前記架台に対して回転自在にかつ他端が前記回転付与手段に対して回転自在に取付けられるエアシリンダと、一端が前記架台に対して回転自在でかつ他端が前記回転付与手段に対して回転自在に取付けられ、前記加圧体が上昇して前記プレス板が前記回転付与手段に接触するときに前記プレス板と前記エアシリンダとの間に振り角βを形成し、かつさらに前記加圧体が上昇する過程で前記プレス板に回転力を発生する振り角形成手段と、を備えてなるもので、これを課題解決のための手段とするものである。」に訂正する。

b-2.同第7頁第8行に「第9図」とあるのを、「第3図」と、同頁第11行及び第13行に「第10図」とあるのを、「第4図」と訂正する。

b-3.同第7頁第15行?第10頁第6行に「1個又は複数個装着され、…この実施例の場合も待機中でなく」とあるのを削除する。

b-4.同第10頁第6?7行に「上昇又は下降時に」とあるのを、「第2図、第3図に示すように、上昇時に」と訂正する。

b-5.同第10頁第12行に「第8図及び第9図」とあるのを、「第2図及び第3図」と訂正する。

b-6.同第10頁第14行に「第8図」とあるのを、「第2図」と訂正する。

b-7.同第11頁第8行に「第8図及び第9図の実施例は待機中又は上昇、下降中に」とあるのを、「第2図及び第3図の実施例は上昇中に」と訂正する。

c-1.明細書(図面の簡単な説明の項)第12頁第8行に「第1」とあるのを削除する。

c-2.同第12頁第9?第14行に「第2図は…説明する側面図、」とあるのを削除する。

c-3.同第12頁第14行に、「第8図及び第9図」とあるのを、「第2図及び第3図」と訂正する。

c-4.同第12頁第15行に「第3」とあるのを削除する。

c-5.同第12頁第16行及び第17行に「第10図」とあるのを、「第4図」と訂正する。

c-6.同第12頁第17行に「第11図及び第12図」とあるのを、「第5図及び第6図」と訂正する。

c-7.同第12頁第20行に「第14図及び第15図」、「第13図」とあるのを、「第8図及び第9図」、「第7図」と訂正する。

d.図面第2図?第7図を削除し、第8図?第15図の図番を繰り上げて、第2図?第9図とする。

(2)訂正拒絶の理由
一方、平成15年1月7日付で通知した訂正拒絶理由の概要は、次のとおりである。
『上記訂正事項a.において、「加圧部回転装置」は「前記加圧体に対して回転力を付与する回転付与手段」を備えるとする訂正、並びに、「加圧部回転装置」は「振り角形成手段」を備えるとする訂正は、願書に添付した明細書及び図面に記載した事項の範囲内でしたものとすることはできない。
よって、本件審判請求は、特許法等の一部を改正する法律(平成5年法律第26号)附則第4条第1項の規定によりなおその効力を有するとされ、同附則第4条第2項の規定により読み替えて適用される改正前の実用新案法第39条第1項ただし書きの規定に適合していない。』

(3)訂正の適否
(3-1)上記訂正事項a.において、「加圧部回転装置」は、「前記加圧体に対して回転力を付与する回転付与手段」を備えるとされたが、願書に添付した明細書には、「回転付与手段」という用語の記載はないし、それについて何らの説明もない。
請求人は、「回転付与手段」は「フリクションパッド76」、「回転ローラ6」及び「フリクションローラ24」が「加圧体53に対して回転力を付与する手段」であり、願書に添付した明細書及び図面には、プレス板に押し付けられた状態で加圧体に対して回転力を付与する回転付与手段が記載されている旨主張しているが(意見書第4頁第7?第5頁第26行)、「フリクションパッド76」は、フリクションパッド76、エアシリンダ71,72、ブラケット74及びフリクションパッドホルダ75とで構成する機構がプレス板52に押し付けられることによって生じる力をプレス板に伝えるものではあっても、フリクションパッド76自らが加圧体に対して回転力を付与しているものではないから、「回転付与手段」ということはできないし、「回転付与手段」が「回転ローラ6」及び「フリクションローラ24」であるとするならば、「回転ローラ6」及び「フリクションローラ24」に関する記載が削除された訂正明細書及び図面の記載と整合しない。
また、プレス板に押し付けられた状態で加圧体に対して回転力を付与する回転付与手段としては、「回転ローラ6」及び「フリクションローラ24」以外にも種々想定し得るものであるところ、願書に添付した明細書に記載のないものまで包含されることとなるのは明らかである。
よって、上記請求人の主張を採用することはできない。
したがって、願書に添付した明細書及び図面には「回転付与手段」が記載されているとはいえず、「加圧部回転装置」は「前記加圧体に対して回転力を付与する回転付与手段」を備えるとする訂正は、願書に添付した明細書及び図面に記載した事項の範囲内でしたものとすることはできない。

(3-2)上記訂正事項a.において、「加圧部回転装置」は、「一端が前記架台に対して回転自在でかつ他端が前記回転付与手段に対して回転自在に取付けられ、前記加圧体が上昇して前記プレス板が前記回転付与手段に接触するときに前記プレス板と前記エアシリンダとの間に振り角βを形成し、かつさらに前記加圧体が上昇する過程で前記プレス板に回転力を発生する振り角形成手段」を備えるとされたが、願書に添付した明細書には、「振り角形成手段」という用語の記載はないし、それについて何らの説明もない。
請求人は、「フリクションパッド76がプレス板52に接触する時点でエアシリンダ71に振り角βを与えておく必要があり、エアシリンダ72がこの振り角βを与える役割を担う振り角形成手段であることは明白である」旨主張している(意見書第6頁第12?15行)。
そこで、願書に添付した明細書及び図面を参照してみると、「振り角β」に関する記載は、第8図及び以下の(イ)、(ロ)のみである。
(イ)「次に第8図及び第9図により第3実施例を説明する。この実施例の場合も待機中でなく上昇又は下降時にプレス板52の上面にフリクションパッド76をエアシリンダの力にて押し付け、その振り角βによりプレス板52を回転させるものである。そして回転距離はプレス板52の上昇距離×tanβである。」(公告公報第5欄第26?31行参照)、
(ロ)「第8図に示す状態の時、エアシリンダ71とエアシリンダ72に、図示されないコントローラと電磁弁によりエアが送られると、プレス板52の上面にフリクションパッド76が押し付けられ、エアシリンダ71はフリクションパッド76の摩擦力を発生させつつ、プレス板52の上昇により圧縮させて角度β丈回転をする。一方エアシリンダ72は、プレス板52を回転させる力を発生させる。」(公告公報第5欄第38行?第6欄第4行参照)。
これらの記載によれば、「振り角β」は、エアシリンダ71,72、ブラケット74、フリクションパッドホルダ75及びフリクションパッド76とで構成される機構において、図示されないコントローラと電磁弁によりエアが送られることにより調節されたエアシリンダ71および72のそれぞれの長さ、並びに、ブラケット74におけるエアシリンダ71,72の連結位置及びその連結位置間の距離によって定まるものであって、エアシリンダ72のみでは振り角βを形成し得るものではないし、また、プレス板に回転力を発生させるためには、エアシリンダ71の圧縮も必要となるから、「エアシリンダ72」のみが、「前記加圧体が上昇する過程で前記プレス板に回転力を発生する」ものであるともいえないから、「振り角形成手段」なる用語が「エアシリンダ72」を指すものとすることはできない。
しかも、「振り角形成手段」に関しては、その構造について、「一端が前記架台に対して回転自在でかつ他端が前記回転付与手段に対して回転自在に取付けられ、」と記載されているだけで、専ら、その機能が特定されているのであるから、「振り角形成手段」という用語は、願書に添付した明細書及び図面に示された「エアシリンダ72」(エアシリンダ72を含んだ上記の機構)以外の同等の機能を果たす機構も含む、広範な概念を表す用語というべきものである。
よって、上記請求人の主張を採用することはできない。
したがって、願書に添付した明細書及び図面には「振り角形成手段」が記載されているとはいえず、「加圧部回転装置」は「振り角形成手段」を備えるとする訂正は、願書に添付した明細書及び図面に記載した事項の範囲内でしたものとすることはできない。

4. むすび
以上のとおりであるから、本件審判請求は、特許法等の一部を改正する法律(平成5年法律第26号)附則第4条第1項の規定によりなおその効力を有するとされ、同附則第4条第2項の規定により読み替えて適用される改正前の実用新案法第39条第1項ただし書きの規定に適合していない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2003-05-27 
結審通知日 2003-05-30 
審決日 2003-06-11 
出願番号 実願平1-130161 
審決分類 U 1 41・ 841- Z (D06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 阿部 寛  
特許庁審判長 田中 秀夫
特許庁審判官 千壽 哲郎
和泉 等
登録日 1996-06-20 
登録番号 実用新案登録第2123867号(U2123867) 
考案の名称 脱水機  
代理人 大場 充  
代理人 大場 充  
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