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審決分類 審判 全部申し立て   C02F
管理番号 1083250
異議申立番号 異議2000-73864  
総通号数 46 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2003-10-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-10-10 
確定日 2003-07-18 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 登録第2604052号「整水器」の請求項1ないし5に係る実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 訂正を認める。 登録第2604052号の請求項1ないし5に係る実用新案登録を取り消す。
理由 1.手続きの経緯
本件実用新案登録第2604052号考案は、実願平4-89421号(出願日平成4年12月28日)の分割出願として、平成8年12月27日に実用新案登録出願(実願平8-14060号)され、平成12年2月4日にその実用新案登録の設定登録がなされたものである。
これに対して、その後安藤三千男及び松下電工株式会社より実用新案登録異議の申立てがなされ、平成12年12月19日付け取消理由通知がなされ、その指定期間内の平成13年3月5日付けで訂正請求書が提出されたが、この訂正請求書に対し平成14年3月25日付けで訂正拒絶理由を兼ねた取消理由通知がなされたところ、平成13年3月5日付け訂正請求書が取下げられると共に、平成14年6月4日付けで再度訂正請求書が提出されたものである。
2.2.訂正の適否についての判断
(1)訂正の内容
平成14年6月4日付けの訂正請求は、実用新案登録請求の範囲の減縮、明りょうでない記載の釈明及び誤記の訂正を目的として、次のとおり訂正するものである。
(1-1)訂正事項A:実用新案登録請求の範囲を、その減縮を目的として次のとおりに訂正する。
「【請求項1】一端側にアルカリ性の生成水が選択された状態を示すアルカリ水表示ランプを、他端側に酸性の生成水が選択された状態を示す酸性水表示ランプを配設し、該両表示ランプの間に、浄水が選択された状態を示す浄水表示ランプを配設した表示部を本体の一面上に備え、該表示部により切替スイッチの状態を表示する整水器において、上記アルカリ水表示ランプが複数個隣接してなり、該表示部は浄水表示ランプ側から一端側にかけてアルカリ性の度合いが徐々に大きくなることを示すようにアルカリ水表示ランプを配列し、しかも、切替スイッチの状態を、上記表示ランプのいずれかの点灯により表示したことを特徴とする整水器。
【請求項2】一端側にアルカリ性生成水が選択された状態を示すアルカリ水表示ランプを、他端側に酸性の生成水が選択された状態を示す酸性水表示ランプを配設し、該両表示ランプの間に、浄水が選択された状態を示す浄水表示ランプを配設した表示部を本体の一面上に備え、該表示部により切替スイッチの状態を表示する整水器において、上記酸性水表示ランプが複数個隣接してなり、該表示部は浄水表示ランプ側から他端側にかけて酸性の度合いが徐々に大きくなることを示すように酸性表示ランプを配列し、しかも切替スイッチの状態を、上記表示ランプのいずれかの点灯により表示したことを特徴とする整水器。
【請求項3】一端側にアルカリ性生成水が選択された状態を示すアルカリ水表示ランプを、他端側に酸性の生成水が選択された状態を示す酸性水表示ランプを配設し、該両表示ランプの間に、浄水が選択された状態を示す浄水表示ランプを配設した表示部を本体の一面上に備え、該表示部により切替スイッチの状態を表示する整水器において、上記アルカリ水表示ランプが複数個隣接してなり、該表示部は浄水表示ランプ側から一端側にかけてアルカリ性の度合いが徐々に大きくなることを示すようにアルカリ水表示ランプを配列し、また上記酸性水表示ランプも複数個隣接してなり、上記表示部は浄水表示ランプ側から他端側にかけて酸性の度合いが徐々に大きくなることを示すように酸性水表示ランプを配列し、しかも、切替スイッチの状態を、上記表示ランプのいずれかの点灯により表示したことを特徴とする整水器。
【請求項4】上記表示部の表示ランプは単一の切替スイッチにより切り替え可能としたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の整水器。
【請求項5】上記表示部の表示ランプにはそれぞれに対応した押しボタンが配設されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の整水器。」
(1-2)訂正事項B:訂正事項Aに伴い実用新案登録請求の範囲と整合性を図るために、考案の詳細な説明の段落【0006】を明りょうでない記載の釈明を目的として、次のとおりに訂正する。
「本願考案は、一端側にアルカリ性の生成水が選択された状態を示すアルカリ水表示ランプを、他端側に酸性の生成水が選択された状態を示す酸性水表示ランプを配設し、該両表示ランプの間に、浄水が選択された状態を示す浄水表示ランプを配設した。そして、各ランプのある表示部を本体の一面上に備え、該表示部における表示ランプのいずれかの点灯により切替スイッチの状態を表示すると共に、上記アルカリ水表示ランプが複数個隣接してなり、該表示部は浄水表示ランプ側から一端側にかけてアルカリ性の度合いが徐々に大きくなることを示すように配列したことを特徴とする整水器を提供せんとするものである。
また、上記酸性水表示ランプが複数個隣接してなり、該表示部は浄水表示ランプ側から一端側にかけて酸性の度合いが徐々に大きくなることを示すように配列し、しかも、切替スイッチの状態を、上記表示ランプのいずれかの点灯により表示したことにも特徴を有する。
また、上記アルカリ水表示ランプが複数個隣接してなり、該表示部は浄水ランプ側から一端側にかけてアルカリ性の度合いが徐々に大きくなることを示すように配列し、また上記酸性水表示ランプも複数個隣接してなり、該表示部は浄水ランプ側から一端側にかけて酸性の度合いが徐々に大きくなることを示すように配列し、しかも、切替スイッチの状態を、上記表示ランプのいずれかの点灯により表示したことにも特徴を有する。
また、上記表示部の表示ランプは単一の切替スイッチにより切り替え可能としたことにも特徴を有する。
また、上記表示部の表示ランプにはそれぞれに対応した押しボタンが配設されていることにも特徴を有する。」
(1-3)訂正事項C:考案の詳細な説明の段落【0021】の記載の「アルカリ性濃度が大となり」を誤記の訂正を目的として「アルカリ性濃度が大となる」と訂正する。
(1-4)訂正事項D:訂正事項Aに伴い実用新案登録請求の範囲と整合性を図るために、考案の詳細な説明の段落【0036】の「配設したので、」の記載を、明りょうでない記載の釈明を目的として「配設し、しかも切替スイッチの状態を、上記表示ランプのいずれかの点灯により表示したので」と訂正する。
(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
訂正事項Aは、請求項1乃至3のそれぞれに「しかも、切替スイッチの状態を、上記表示ランプのいずれかの点灯により表示し」という技術的事項を追加するものであるから、実用新案登録請求の範囲の減縮に該当する。そして、この技術的事項は実用新案登録明細書の段落【0028】に記載されているから、実用新案登録明細書に記載した事項の範囲内でなされたものであり新規事項の追加に該当せず、また当該訂正によって実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。
訂正事項B乃至Dは、訂正事項Aに伴い実用新案登録明細書の記載の整合性を図るための明りょうでない記載の釈明や誤記の訂正に該当するものであり、しかも実用新案登録明細書に記載した事項の範囲内でなされたものであるから新規事項の追加に該当せず、また当該訂正によって実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。
(3)むすび
以上のとおり、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成11年法律第41号)附則第15条の規定による改正後の特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第2項の規定により準用され、同附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年改正法による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
3.実用新案登録異議申立てについての判断
3-1.本件訂正考案
上記訂正は、これを認容することができるから、訂正後の請求項1乃至5に係る考案(以下、それぞれ「本件訂正考案1乃至5」という)は、上記「1.(1-1)訂正事項A」に示す事項により特定されるとおりのものである。
3-2.引用例と主な引用例の記載事項
(1)引用例1:三洋電機株式会社製のアルカリイオン成水器「アルカリ生活HL-AL1」の商品カタログ(1992年6月現在の商品)
この「カタログ」は、「アルカリ生活」という商品名の「整水器」に関するものであり、次の点が開示されている。
(a)「アルカリイオン水、酸性水、浄水を生成します。水質の切り替えはボタンひとつ。」
(b)「そこで「アルカリ生活」は、便利な5段階pH(アルカリ濃度)調節機能をつけました。」
(c)表示ランプは、「アルカリ」「浄水」「酸性」の3種類であり、「切替」というスイッチについて、「アルカリ、酸性、浄水を切り替えします。」と記載されている。
(d)「調節」というスイッチについて、「アルカリ濃度を調節します」と記載されている。
(e)「アルカリ」「浄水」「酸性」の表示ランプのうち、「アルカリ」の表示ランプが点灯している写真が開示されている。
(2)引用例2:実公昭63-10868号公報
(a)「かかる装置では、・・・アルカリ水のpH値の測定手段を具備していないため、生成された水が飲料用として適切なpH値の範囲内にあるか否かの判断が出来ず、安全性の面において非常に問題があった。」(第1頁第1欄第17行乃至第22行)
(b)「使用する指示薬のpH値に対する変色色調に対応して、例えばリトマス液の場合は、赤、黄、黄緑、緑、青、紫の順に色見帯13、13a・・・を円周上に配列せしめ、色見帯13、13a・・・の外周位置には各色見帯13、13a・・・に対応するpH値を付記せしめている。」(第1頁第2欄第17行乃至第23行)
(c)第1図には、円周上に「酸性4、6、中性7、アルカリ性8、9、10」と表示されたPH比色の表示部が図示されている。
(3)引用例3:特開平4-338419号公報
「また、硬さキー15に対応しLEDで点灯表示する硬さ表示器16aが操作部8に設けられており、例えば硬さキー15を1回押したときには「軟らかめ」の表示器が点灯する。そして、2回目を押すと「軟らかめ」が消えて「やや軟らかめ」の表示器が点灯し、3回目を押したときには次に移って「標準」、4回目では「やや硬め」、5回目には「硬め」の表示器が点灯する。さらに、硬さキー15が押されると再び「軟らかめ」の表示器が点灯し、以下循環的に5段階の硬さ表示器16aの点灯が繰り返されて1つの硬さを選択して設定する。」(第3頁第3欄段落【0011】)
(4)引用例4:特開平3-207486号公報
(5)引用例5:実願昭56-35457号(実開昭57-151361号)のマイクロフィルム
(6)引用例6:松下電工株式会社製のアルカリイオン整水器「ミズトピアTK731」の商品カタログ(平成4年3月現在の商品)
(7)引用例7:「松下電工Service Guide ビューティ・ライフ」松下電工株式会社、平成4年9月発行、No.10
(8)引用例8:特公平4-31754号公報
(a)「この操作パネル70にはスタート釦71および抽出量指定手段72を構成する1個の指定操作釦72Aが設けられている。また、操作パネル70には前記指定操作釦72Aの押釦操作回数に(よ)り指定抽出量が段階的に表示される5個の表示ランプ73、73A、73B、73C、73Dが設けられており、1回の押釦操作により最少抽出量すなわち・・・1lが指定されて表示ランプ73が点灯し、・・・6回の押釦操作で1lの抽出量が指定されて表示ランプ73が点灯するようにサイクル的に表示されるよう構成している。」(第4頁第7欄第14行乃至第30行)
(b)「また抽出量指定手段72は1個の指定操作釦72Aの押釦操作により複数の表示ランプ73、73A、73B、73C、73Dをサイクル的に表示するようにしたから操作が簡単である。」(第6頁第11欄第35行乃至第39行)
(9)引用例9:特開平2-293086号公報
「この実施例のイオン水生成器1では、基準水において、所定のイオン濃度を得るための電圧値Vnを、イオン水生成器1の濃度切換スイッチ24乃至28に対応して予め設定し、中央演算器36へインプットしている。例えば、切換スイッチ25はアルカリイオン濃度pH8を得る場合のものであって、・・・また切換スイッチ26はアルカリイオン濃度pH9を得る場合のものであって、そのときの設定された電圧値Vnは24V等のようにである。
従って、イオン水生成器1の使用者は、イオン濃度の設定に際し、自分の好みに応じて前記切換スイッチ24乃至28を操作するだけでよい。」(第4頁左下欄第11行乃至右下欄第3行)
(10)引用例10:実願昭52-38780号(実開昭53-134842号)のマイクロフィルム
(11)参考証拠1:1992年6月12日付け「電波新聞」
(12)参考証拠2:「イオン整水器の商品テスト結果」平成4年10月、国民生活センター
3-3.当審の判断
(1)本件訂正考案1について
引用例1の「カタログ」には、「このカタログの内容は1992年6月現在のものです。」と表示され、また、三洋電機(株)製の商品名「アルカリ生活」の整水器(医療用具承認番号(04B)0517)が本件出願日(遡及日の1992年12月28日)以前に既に販売されている事実も参考資料1及び2から明らかである。そして、この引用例1に開示の「アルカリ生活」の整水器は、上記引用例1の(a)乃至(d)に示すとおり、「酸性水表示ランプ、浄水表示ランプ、アルカリ水表示ランプ」からなる「水質表示部」を切替スイッチで表示切り替えすることができると共に、pH(アルカリ濃度)を5段階に表示する「アルカリ水濃度表示部」を調節スイッチで表示切り替えすることができるものであり、しかもこの「アルカリ水濃度表示部」は、引用例1の上記(b)によれば、pH(アルカリ濃度)が弱から強の5段階に表示される表示ランプからなる表示部である。また引用例1の上記(d)によれば、調節スイッチでアルカリ水の濃度を表示する表示ランプが点灯するものであるから、この「アルカリ水濃度表示部」は、「一端側にかけてアルカリ性の度合いが徐々に大きくなることを示すようにアルカリ水表示ランプを配列し、しかも、調節スイッチの状態を、上記表示ランプの点灯により表示した」という構成のものと云うことができる。
そうすると、この「アルカリ生活」の整水器は、本件訂正考案1の記載ぶりに則って整理すると、「一端側にアルカリ性の生成水が選択された状態を示すアルカリ水表示ランプを、他端側に酸性の生成水が選択された状態を示す酸性水表示ランプを配設し、該両表示ランプの間に、浄水が選択された状態を示す浄水表示ランプを配設した「表示部」とpH(アルカリ濃度)を5段階に表示する「アルカリ水濃度表示部」とを本体の一面上に備え、該表示部により切替スイッチの状態を表示すると共に、該アルカリ水濃度表示部により調節スイッチの状態を表示する整水器において、上記アルカリ水濃度表示ランプが複数個隣接してなり、該表示部は一端側にかけてアルカリ性の度合いが徐々に大きくなることを示すようにアルカリ水濃度表示ランプを配列し、しかも、調節スイッチの状態を、上記表示ランプの点灯により表示したことを特徴とする整水器。」の考案(以下、「公知考案」という)と云うことができる。
そこで、本件訂正考案1と上記公知考案とを対比すると、両者は、「一端側にアルカリ性の生成水が選択された状態を示すアルカリ水表示ランプを、他端側に酸性の生成水が選択された状態を示す酸性水表示ランプを配設し、該両表示ランプの間に、浄水が選択された状態を示す浄水表示ランプを配設した表示部を本体の一面上に備え、該表示部により切替スイッチの状態を表示する整水器」という点で一致し、次の点で相違していると云える。
相違点:本件訂正考案1では、「表示部」の複数のアルカリ水表示ランプを「浄水表示ランプ側から一端側にかけてアルカリ性の度合いが徐々に大きくなることを示すように配列し、しかも、切替スイッチの状態を、上記表示ランプのいずれかの点灯により表示した」のに対し、公知考案では、複数のアルカリ水濃度表示ランプを「一端側にかけてアルカリ性の度合いが徐々に大きくなることを示すように配列し、しかも、調節スイッチの状態を、上記表示ランプの点灯により表示した」点
すなわち、上記相違点は、要するところ、本件訂正考案1では、アルカリ水濃度を表示する「複数のアルカリ水表示ランプ」を、切替スイッチで表示切替えが可能な「表示部」に設けたのに対し、上記公知考案では、該「複数のアルカリ水濃度表示ランプ」を、調節スイッチで表示切替え可能な「アルカリ水濃度表示部」として別個に設けた点と言い換えることができるから、公知考案の切替スイッチと調節スイッチとでそれぞれ切り替え可能な両方の「表示部」を一つの「表示部」にまとめ、この表示部を単一の切替スイッチで切り替え可能とすることが当業者にとって技術上困難であるか否かの観点からさらに検討する。
ところで、本件訂正考案1の目的や効果について、本件明細書には、「このように、酸、アルカリの切替や浄水、整水の切替及び各水素イオン濃度の切替など、多種の設定をしてはじめて必要とする水が得られる。これらの切替スイッチは独立して配設されているので、目的の水を得るために行う各切替スイッチの操作が煩雑なだけでなく、各切替スイッチ毎の切替状態を確認する必要があり、現在の選択された水の状態を直感的に判断することが困難である。
本考案は上記した課題を解決することのできる整水器を提供することを目的とする。」(本件公報段落【0005】)及び「以上説明してきたように、本願考案は、一端側にアルカリ性の生成水が選択された状態を示すアルカリ水表示ランプを、他端側に酸性の生成水が選択された状態を示す酸性水表示ランプを配設し、該両表示ランプの間に、浄水が選択された状態を示す浄水表示ランプを配設したので、アルカリ水と酸性水の間に浄水が存在するという本来の水素イオン濃度関係が目に見える位置関係として直感的に把握出来る効果に加え、アルカリ性、あるいは酸性、または両方の度合いが浄水側から端部側にかけて徐々に大きくなるように表示したので、表示された位置が浄水から離れるにしたがって浄水とは性質において差がある水であることを表現出来、多様な性質の水を間違いなく容易に選択出来る効果がある。」(本件公報段落【0036】)と記載されている。
そうすると、本件訂正考案1の上記相違点は、アルカリ水や浄水等その水質の把握の容易化やその水質の濃度(アルカリ水のpH濃度)の把握の容易化のために、酸性水、浄水、アルカリ水の度合い(濃度レベル)を示す各表示ランプを一つの「表示部」にまとめるに際し、その表示部を「浄水表示ランプ側から一端側にかけてアルカリ性の度合いが徐々に大きくなることを示すように配列し」たいわゆる「レイアウト」がその特徴の一つであると云えるから、この表示部の「レイアウト」の観点から上記相違点を検討すると、pH濃度により「酸性水、浄水、アルカリ水」を表示する場合、そのアルカリ水の度合いを「浄水側から一端側にかけてアルカリ性の度合いが徐々に大きくなることを示すように表示を配列」する「レイアウト」は、例えば上記引用例2にもみられるとおり、周知・慣用手段であり、またこの表示部の「レイアウト」が上記公知考案の「アルカリ水濃度表示部」でも採用されていることは前示したとおりである。
してみると、本件訂正考案1の上記相違点のうち表示部の「レイアウト」の点は、pH濃度表示のいわば常套手段を採用して当業者が極めて容易に設計することができた程度のことと云うべきである。
次に、本件訂正考案1の上記相違点の他の特徴である「単一の切替スイッチ」について検討すると、この点のねらいは、本件明細書の「単一の切替スイッチにより切替可能とすると、操作性が向上するとともに、構成が簡略化されコスト的に有利である。」(本件公報段落【0037】)という記載によれば、その操作性の向上や構成の簡略化等にあると云えるところ、例えば上記引用例3及び8にもみられるとおり、段階的なレベルを表示する複数の「表示ランプ」を1個の操作釦の操作で切り替える工夫は、整水器に限らず各種分野で必要に応じて汎用されている周知・慣用手段であり、そしてこのような工夫をすれば操作性の向上や構成の簡略化等という効果を奏することも当業者に自明な事項である。
以上の観点から、改めて上記公知考案の「切替スイッチ」や「調節スイッチ」についてみると、これら両スイッチも、その機能面や技術面からみれば共に段階的なレベルを表示する複数の表示ランプを切り替える「切替スイッチ」であることに変わりはないから、これら両スイッチをまとめて1個の切替スイッチとする技術上の障害はないと云うべきであり、本件明細書にも単一の切替スイッチとするに際し技術上の障害があったとか等の記載又は示唆はない。
そうすると、その操作性の向上や構成の簡略化等の観点から切替スイッチを1個とすることは前示したとおり汎用されている周知・慣用手段であるから、上記公知考案の「切替スイッチ」と「調節スイッチ」をまとめて1個の切替スイッチとする程度のことも例えば上記引用例3及び8にもみられる周知・慣用手段を参考にすれば必要に応じて当業者が極めて容易に設計することができたことと云うべきである。
してみると、本件訂正考案1の上記相違点のうち「単一の切替スイッチ」の点も、当業者が極めて容易に設計することができたことと云うべきである。
したがって、本件訂正考案1は、上記公知考案と例えば引用例2、3及び8にもみられる周知・慣用手段に基づいて当業者が極めて容易に考案をすることができた程度のものとするのが相当であるから、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないものである。
(2)本件訂正考案2について
この考案は、「表示部」の酸性水表示ランプの箇所に、本件訂正考案1の上記「アルカリ水表示ランプ」と同様の工夫を施したものであるが、上記の工夫を酸性水表示ランプの箇所に施す場合と、本件訂正考案1のようにアルカリ水表示ランプの箇所に施す場合とで技術上格別の差異があるとは認められない。
もっとも、上記公知考案には、上記認定のとおり「アルカリ水濃度表示部」はあるものの「酸性水濃度表示部」に相当するものがないのも事実であるが、「整水器」において、「アルカリ水表示部」と「酸性水表示部」とはその機能等が互いに対峙する密接な関係にあることは当業者に自明な事項であるから、「アルカリ水表示部」について当業者が極めて容易に想到することができる事項であれば、技術上格別の差異を考慮する必要がある場合はともかくも、そうでない本件訂正考案2の「酸性水表示部」の場合については、同様に当業者が極めて容易に想到することができる事項であると云うべきである。
したがって、本件訂正考案2も、上記公知考案と例えば引用例2、3及び8にもみられる周知・慣用手段に基づいて当業者が極めて容易に考案をすることができた程度のものとするのが相当であるから、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないものである。
(3)本件訂正考案3について
この考案は、「表示部」のアルカリ水表示ランプと酸性水表示ランプの両方の箇所に、本件訂正考案1の上記「アルカリ水表示ランプ」と同様の工夫を施したものであり、両方の箇所に上記工夫を施すに当たり技術上の工夫をさらに施したというものでもない。
してみると、本件訂正考案1と本件訂正考案2のそれぞれが当業者にとって極めて容易に考案をすることができた程度のものであれば、「表示部」の両方の箇所に同じ工夫を施した本件訂正考案3も、同様に当業者が極めて容易に考案をすることができた程度のものとするのが相当であるから、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないものである。
(4)本件訂正考案4について
この考案は、「表示部の表示ランプは単一の切替スイッチにより切り替え可能とした」という点をさらに特定するものであるが、本件訂正考案1と上記公知考案との相違点の摘示や本件訂正考案1の進歩性の点でも、前示のとおり、既に本件訂正考案1も「単一の切替スイッチ」であるという前提で判断を行っているから、本件訂正考案4については、上記「(1)本件訂正考案1について」で述べたとおりである。
したがって、本件訂正考案4も、上記公知考案と例えば引用例2、3及び8にもみられる周知・慣用手段に基づいて当業者が極めて容易に考案をすることができた程度のものとするのが相当であるから、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないものである。
(5)本件訂正考案5について
この考案は、「表示部の表示ランプにはそれぞれに対応した押しボタンが配設されている」という点をさらに特定するものであるが、整水器において、アルカリ水の濃度を個々の押しボタンで切り換えることも、例えば上記引用例9にもみられるとおり、周知・慣用手段である。
してみると、「表示部」の各表示ランプに押しボタンを設けることは、周知・慣用手段の追加という程度のことであるから、当業者であれば必要に応じて極めて容易に設計することができたことと云うべきである。
したがって、本件訂正考案5も、上記公知考案と例えば上記引用例2、3、8及び9にもみられる周知・慣用手段に基づいて当業者が極めて容易に考案をすることができた程度のものとするのが相当であるから、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないものである。
4.むすび
以上のとおり、本件訂正後の請求項1乃至5に係る考案についての実用新案登録は、拒絶の査定をしなければならない実用新案登録出願に対してなされたものと認める。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第7項の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第3条第2項の規定により、上記のとおり決定する。
発明の名称 (54)【考案の名称】
整水器
(57)【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 一端側にアルカリ性の生成水が選択された状態を示すアルカリ水表示ランプを、他端側に酸性の生成水が選択された状態を示す酸性水表示ランプを配設し、該両表示ランプの間に、浄水が、選択された状態を示す浄水表示ランプを配設した表示部を本体の一面上に備え、該表示部により切替スイッチの状態を表示する整水器において、上記アルカリ水表示ランプが複数個隣接してなり、該表示部は浄水表示ランプ側から一端側にかけてアルカリ性の度合いが徐々に大きくなることを示すようにアルカリ水表示ランプを配列し、しかも、切替スイッチの状態を、上記表示ランプのいずれかの点灯により表示したことを特徴とする整水器。
【請求項2】 一端側にアルカリ性の生成水が選択された状態を示すアルカリ水表示ランプを、他端側に酸性の生成水が選択された状態を示す酸性水表示ランプを配設し、該両表示ランプの間に、浄水が選択された状態を示す浄水表示ランプを配設した表示部を本体の一面上に備え、該表示部により切替スイッチの状態を表示する整水器において、上記酸性水表示ランプが複数個隣接してなり、該表示部は浄水表示ランプ側から他端側にかけて酸性の度合いが徐々に大きくなることを示すように酸性表示ランプを配列し、しかも、切替スイッチの状態を、上記表示ランプのいずれかの点灯により表示したことを特徴とする整水器。
【請求項3】 一端側にアルカリ性の生成水が選択された状態を示すアルカリ水表示ランプを、他端側に酸性の生成水が選択された状態を示す酸性水表示ランプを配設し、該両表示ランプの間に、浄水が選択された状態を示す浄水表示ランプを配設した表示部を本体の一面上に備え、該表示部により切替スイッチの状態を表示する整水器において、上記アルカリ水表示ランプが複数個隣接してなり、該表示部は浄水表示ランプ側から一端側にかけてアルカリ性の度合いが徐々に大きくなることを示すようにアルカリ水表示ランプを配列し、また上記酸性水表示ランプも複数個隣接してなり、上記表示部は浄水表示ランプ側から他端側にかけて酸性の度合いが徐々に大きくなることを示すように酸性水表示ランプを配列し、しかも、切替スイッチの状態を、上記表示ランプのいずれかの点灯により表示したことを特徴とする整水器。
【請求項4】 上記表示部の表示ランプは単一の切替スイッチにより切り替え可能としたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の整水器。
【請求項5】 上記表示部の表示ランプにはそれぞれに対応した押しボタンが配設されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の整水器。
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、切替選択の状態を使用者がわかりやすく把握することができる整水器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、水道水等を電気分解してアルカリ水と酸性水とを生成分離できるように構成した整水器の一形態として、同一の吐出口から、アルカリ水と酸性水及び浄水を吐出可能とした整水器が提示されている。
【0003】
かかる整水器にあっては、内部に活性炭層や中空糸膜層を形成した浄水器によって水道水等を浄化し、浄化した水をカルシウムタンク内を通過させてカルシウムを浄化水中に溶出させ、その後、整水器の電解槽に送水し、電解によってアルカリ水酸性水とをアルカリ水生成空間と酸性水生成空間とに分離生成し、その後、カルシウムイオンを多量に含んだアルカリ水と、酸性水とを、それぞれアルカリ水導出流路と酸性水導出流路とを通して外部に導出し、それぞれの用途に応じて使用できるようにしている。よって電解槽へ電圧を印加している状態では吐出口からアルカリ水を吐出し、他の酸性専用排水口から酸性水を吐出させているが、使用者の使い勝手を考慮して、電解槽への印加電圧の極性を反転させれば、同一吐出口から酸性水を吐出させることも可能である。
【0004】
また、かかる整水器は、オン動作によって電解槽へ電圧を印加し、電解作用を行わせるための浄水・整水切替スイッチを具備しているものもある。従って、同スイッチをオフすれば、整水器の吐出口から浄水を吐出可能としている。
すなわち、上記吐出口からは、電解槽への電圧の印加の有無や極性の切換状態によって、浄水、アルカリ水、酸性水のいずれもが吐出可能となっている。
また整水器の付加価値をあげるために、電解槽の電解能力を制御して使用者が好みにあわせてアルカリ性あるいは酸性の濃度いわゆるペーハー値を設定可能にしたものも多い。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
このように、酸、アルカリの切替や浄水、整水の切替及び各水素イオン濃度の切替など、多種の設定をしてはじめて必要とする水が得られる。これらの切替スイッチは独立して配設されているので、目的の水を得るために行う各切替スイッチの操作が煩雑なだけでなく、各切替スイッチ毎の切替状態を確認する必要があり、現在の選択された水の状態を直感的に判断することが困難である。
本考案は上記した課題を解決することのできる整水器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願考案は、一端側にアルカリ性の生成水が選択された状態を示すアルカリ水表示ランプを、他端側に酸性の生成水が選択された状態を示す酸性水表示ランプを配設し、該両表示ランプの間に、浄水が選択された状態を示す浄水表示ランプを配設した。そして、各ランプのある表示部を本体の一面上に備え、該表示部における表示ランプのいずれかの点灯により切替スイッチの状態を表示すると共に、上記アルカリ水表示ランプが複数個隣接してなり、該表示部は浄水表示ランプ側から一端側にかけてアルカリ性の度合いが徐々に大きくなることを示すように配列したことを特徴とする整水器を提供せんとするものである。
また、上記酸性水表示ランプが複数個隣接してなり、該表示部は浄水表示ランプ側から一端側にかけて酸性の度合いが徐々に大きくなることを示すように配列し、しかも、切替スイッチの状態を、上記表示ランプのいずれかの点灯により表示したことにも特徴を有する。
また、上記アルカリ水表示ランプが複数個隣接してなり、該表示部は浄水ランプ側から一端側にかけてアルカリ性の度合いが徐々に大きくなることを示すように配列し、また上記酸性水表示ランプも複数個隣接してなり、該表示部は浄水表示ランプ側から一端側にかけて酸性の度合いが徐々に大きくなることを示すように配列し、しかも、切替スイッチの状態を、上記表示ランプのいずれかの点灯により表示したことにも特徴を有する。
また、上記表示部の表示ランプは単一の切替スイッチにより切り替え可能としたことにも特徴を有する。
また、上記表示部の表示ランプにはそれぞれに対応した押しボタンが配設されていることにも特徴を有する。
【0007】
さらにはこの表示ランプは単一の切替スイッチにより切替可能とすると、操作性が向上するとともに、構成が簡略化されコスト的に有利である。
また各表示ランプにはそれぞれに対応した押ボタンが配設された構成にも特徴を有す。この場合、詳細な水の設定においてもダイレクトに選択出来、操作性が格段に向上する。
【0008】
【実施例】
本考案に係る整水器Aを、以下、実施例を参照して具体的に説明する。
【0009】
図1に、本考案に係る整水器Aを、システムキッチンの流し台B上に載置した状態を示し、図2に整水器Aの内部構造を概念的に示す。
図2に示すように、整水器Aは、そのケーシング10の内部に、浄水器11と、カルシウムタンク12と、電解槽13と、制御部14とを内蔵しており、また、その表面に、図1及び図2に示すように、操作盤15を取付けている。
【0010】
また、図2において、活性炭部と中空糸膜部とを具備する浄水器11の流入口11aは、原水配管16aによって湯水混合栓等を取付けた蛇口等の水道水供給部17に接続されており、同原水配管16aの中途には、上流側から下流側に、順に、流路切替弁50と、安全弁51と、逆止弁52と、定流量弁53と、熱水流入防止機構54とが介設されている。
【0011】
一方、同浄水器11の流出口11bは、第1浄水供給管16bを介してカルシウムタンク12の流入側12aに接続されており、一方、カルシウムタンク12の流出側12bは、カルシウム成分付与後の第2浄水供給管16cを介して電解槽13の流入口13aに接続されている。
【0012】
電解槽13内には、隔膜18によって、第1の生成空間19と第2の生成空間20とが区画形成されており、それぞれの空間19,20内には電極21,22が配設されている。そして、この電極21,22に制御部14を介して正負の電圧を印加することによって、電解槽13内で電気分解を行い、それぞれの空間19,20内にアルカリ水と酸性水とを生成することができる。
【0013】
電解槽13は、それぞれ、各生成空間19,20と連通する二つの流出口13b,13cを具備しており、一方の流出口13bは第1の導出管16dの上流端と接続されており、同アルカリ水導出管16dの他端には吐出口23が形成されており、他方の流出口13cは第2の導出管16eの上流端と接続されており、第2の水導出管16eの他端には吐水口23aが形成されている。
なお、電解槽13に印加する電圧は反転自在なので、ある方向に電圧を印加すれば第1の生成空間19にアルカリ水が生成し、吐出口23からアルカリ水が取水出来、印加方向を反転すれば、第1の生成空間19に酸性水が生成し、吐出口23から酸性水が取水出来る。
【0014】
また、図2に示すように、制御部14に接続した操作盤15には、電源スイッチPSや切替スイッチ24が設けられており、同スイッチ24の操作により、電解槽13内の電極21,22に電圧を印加自在に制御して浄水、酸性水、アルカリ水を吐出口23から吐出可能としている。
【0015】
また、図2に示すように、本実施例では、電解槽13のアルカリ水生成空間13の流出口13bには配管接続部Jの基端が接続されており、同配管接続部Jの先端には、選択的に、第1導出管16dの他に、第2導出管16fを接続可能な構成としている。
【0016】
そして、図2において、配管接続部Jに第1導出管16dを接続した場合には、図1に示すように、フレキシブル管からなる第1導出管16dは、整水器Aの近傍に配設されているので、その吐出口23は、流し台BのシンクSの隅部上に位置することになる。
【0017】
一方、図2において、配管接続部Jに、第1導出菅16dに代えて、第2導出管16fを接続した場合には、図2に示すように、第2アルカリ水導出管16fは、蛇口を形成する水道水供給部17に一体的に連結した流路切替弁50に設けた第4連絡流路50nの流入口に接続されるので、同連絡流路50nの流出口をなす取出口50eは、蛇口の下方をなす流し台BのシンクCの中央部に臨むことになる。
【0018】
上記した整水器Aの構成において、操作盤13に電解槽状態表示部Dを設け、電解槽13の使用量をリアルタイムで表示可能にしている。
【0019】
本考案は上記した構成において操作盤15の表示部の配置及び切替スイッチの作用に構成上の特徴を有す。
以下上記した整水器の制御部14と操作盤15の詳細を具体的に説明する。
【0020】
操作盤15は、図2,図3に示すように、切替スイッチの選択状態を示す表示部が備えられており、一端側にアルカリ水の選択状態を示すアルカリ水表示ランプL5,L6,L7を、他端側に酸性水の選択状態を示す酸性水ランプL1,L2,L3を、それぞれ一列状に配置し、両表示ランプの間に浄水の選択状態を示す浄水表示ランプL4を配置している。
【0021】
上記アルカリ水表示ランプL5,L6,L7は端側にいくにつれアルカリ性濃度が大となる(pH値が大きい方向)状態を示し、酸性水表示ランプL1,L2,L3は端側にいくにつれ酸性濃度が大となる(pH値が小さい方向)状態を示すように配列してある。
【0022】
したがって、pH値において、一列状に順序良く配列されたことになる。
24は切替スイッチであり、操作することで制御部14を介し電解槽の電圧印加状態を切替るとともに、表示ランプLI?L7の表示を制御する。
【0023】
さらに、本実施例では、図2及び図3に示すように、操作盤15に電解槽状態表示部Dを具備しており、洗浄スイッチ71のオン動作後の電解槽13の累積使用量等の状態をリアルタイムで表示することができる。
【0024】
この場合、操作盤15上に設けた電解槽状態表示部Dは、中央から左右方向に、対称に配列した、複数のアルカリ水表示ランプA1?A5と酸性水表示ランプB1?B5とから形成されている。
【0025】
従って、電解槽の使用に伴って、いずれか表示ランプが点灯して状態遷移を正確に表示することになり、前述した実施例の場合と同様に、整水器の使用者の使用勝手を著しく向上することができる。
【0026】
なお、使用量表示は累積表示でも良いし、一方の使用が他方の洗浄とみなされるので、アルカリ水側の表示ランプが要洗浄に近づくにつれて積極的に酸性水を利用することで、点灯する表示ランプを中央に移動させることもできる。
【0027】
ついで、上記構成を有する整水器Aの使用方法について、図1ないし図3を参照して説明する。
【0028】
電源スイッチPSを押した後、切替スイッチ24を押して、必要とする水の選択を行なう。この際、濃度表示ランプL1?L7のいずれかが点灯するので、表示ランプL1?L7の点灯位置を必要とする水に該当する位置に来るまで移動させる。
水道水供給部17を形成する蛇口を開くと、第1浄水供給管16bに配設した圧力スイッチ28が作動して、上記切替スイッチ24により選択された水を得るように制御部が機能し、吐水が開始する。
【0029】
たとえば表示ランプL6を選択した場合は、吐出される水が中程度のアルカリ水になるように電解槽13に電圧が印加され電解作用を開始する。この際、アルカリ水生成中表示ランプL8が点灯するとともに、電解槽状態表示部Dも点灯する。
【0030】
従って、水道水が、原水配管16a→浄水器11→カルシウムタンク12→解槽13→配管接続部J→第1導出管16dを通して流れ、所望濃度のアルカリ水をコップE内に注入することができる。
なお、配管接続部Jに、第1導出管16dに代えて、第2導出管16fを接続した場合には、所望濃度をアルカリ水を蛇口の直下から吐出することができる。この水は健康のために適した飲用として利用する。
【0031】
そして、いったん、水道水供給部17である蛇口を閉じると、再度、蛇口を開けるまでアルカリ水は生成されない。
【0032】
又表示ランプL4が点灯するように切替スイッチ24を操作した場合は、第1浄水供給管16bに配設した圧力スイッチ28が作動して、浄水モードとなり、水道水が、原水配管16a→浄水器11→カルシウムタンク12→非通電状態の電解槽13→配管接続部J→第1アルカリ水導出管16dを通して流れ、浄水をコップE内に注入することができる。
【0033】
なお、配管接続部Jに、第1アルカリ水導出管16dに代えて、第2アルカリ水導出管16fを接続した場合には、浄水を水道水供給部17である蛇口の直下から吐出することができる。この水は薬の服用等に用いるのに適している。
【0034】
また本装置はアルカリ水のみならず、酸性水も積極的に使用する、即ちアルカリ水,酸性水のいずれも同一の吐出口から採水される、いわゆる両用ないし、リバーシブルタイプの整水器であるので、例えば表示ランプL1を選択した場合は、吐出される水が強い酸性水になるように電解槽13に電圧が印加される。具体的には電解方向が上記アルカリ水生成時の場合と反転し電解の強さも大きくする。この際、酸性水生成中表示ランプL9が点灯するとともに、電解槽状態表示部Dも点灯する。
水の流路は上記表示ランプL6,L4を選択した場合と同じであるが電解槽13に印加される電圧の方向が反転するので、第1、第2の導出菅16d,16fには所望の酸性水が導出される。この水は殺菌等の用途に好適である。
【0035】
また、上記した実施例では、単一の切替スイッチ24で各制御とそれに見合う表示を切替可能としているいがこの切替スイッチ24に代えて表示ランプL1?L7にそれぞれ押しボタンがあっても良い。この様に構成するとダイレクトに必要とする水を選択出来、操作性が格段に向上する。
【0036】
【考案の効果】
以上説明してきたように、本願考案は、一端側にアルカリ性の生成水が選択された状態を示すアルカリ水表示ランプを、他端側に酸性の生成水が選択された状態を示す酸性水表示ランプを配設し、該両表示ランプの間に、浄水が選択された状態を示す浄水表示ランプを配設し、しかも切替スイッチの状態を上記表示ランプのいずれかの点灯により表示したので、アルカリ水と酸性水の間に浄水が存在するという本来の水素イオン濃度関係が目に見える位置関係として直感的に把握出来る効果に加え、アルカリ性、あるいは酸性、または両方の度合いが浄水側から端部側にかけて徐々に大きくなるように表示したので、表示された位置が浄水から離れるにしたがって浄水とは性質において差がある水であることを表現出来、多様な性質の水を間違いなく容易に選択出来る効果がある。
【0037】
さらにはこの表示部は単一の切替スイッチにより切替可能とすると、操作性が向上するとともに、構成が簡略化されコスト的に有利である。
また各表示ランプのそれぞれに対応して押ボタンこを配設すると、詳細な水の設定においてもダイレクトに選択出来、操作性が格段に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案に係る操作盤を具備する整水器の設置状態を示す斜視図である。
【図2】 同整水器の概念的構成を示す構成説明図である。
【図3】 同整水器の操作盤を示す正面図である。
【符号の説明】
15 操作盤
24 切替スイッチ
L1?L7 表示ランプ
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2002-08-06 
出願番号 実願平8-14060 
審決分類 U 1 651・ 121- ZA (C02F)
最終処分 取消  
前審関与審査官 斉藤 信人豊永 茂弘斎藤 克也  
特許庁審判長 沼沢 幸雄
特許庁審判官 山田 充
野田 直人
登録日 2000-02-04 
登録番号 実用新案登録第2604052号(U2604052) 
権利者 九州日立マクセル株式会社
福岡県田川郡方城町大字伊方4680番地
考案の名称 整水器  
代理人 松尾 憲一郎  
代理人 内野 美洋  
代理人 西川 惠清  
代理人 松尾 憲一郎  
代理人 森 厚夫  
代理人 内野 美洋  
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