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審決分類 審判    A63H
管理番号 1084967
審判番号 無効2003-40002  
総通号数 47 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2003-11-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 2003-02-07 
確定日 2003-10-06 
事件の表示 上記当事者間の登録第3084480号実用新案「節句人形」の実用新案登録無効審判事件について、次のとおり審決する。   
結論 実用新案登録第3084480号の請求項1乃至4に係る考案についての実用新案登録を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1.手続の経緯
本件登録第3084480号実用新案の請求項1乃至4に係る考案は、平成13年9月3日に実用新案登録出願され、平成13年12月19日にその実用新案権の設定の登録がなされたものであって、当該審判請求後の平成15年6月5日付けで職権により実用新案登録無効理由を通知したものである(実用新案法第41条において準用する特許法第153条第2項)。

2.本件考案
本件登録第3084480号実用新案の請求項1乃至4に係る考案(以下、「本件考案1乃至4」という。)は、本件考案1乃至4は、実用新案登録明細書及び図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲の請求項1乃至4に記載された次の事項により特定されるとおりのものと認める。
「【請求項1】人形の頭の高さと人形の胴体の高さが、1:1の比率をもって構成され、人形の両足が、ハの字を成して前面に広がる素足により構成され、人形全体が座り姿態の木目込み人形により構成されることを特徴とする節句人形。
【請求項2】人形の頭は、ふっくらした幼子の幼顔と、手描きによる頭髪と、を顕現した子供頭により構成されることを特徴とする請求項1記載の節句人形。
【請求項3】人形の両足の親指が反り上り形態により構成されることを特徴とする請求項1記載の節句人形。
【請求項4】人形の胴体に被着される衣裳が、下着と陣羽織と、により構成されることを特徴とする請求項1記載の節句人形。」

3.請求人の主張
請求人友部すみは、本件考案1乃至4の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めたものである。
そして、請求人は、本件考案は、本件の出願前に頒布された刊行物に記載された考案に基づいて当業者が極めて容易に考案することができたものであるから、本件考案の登録は、実用新案法第3条第2項の規定に違反してなされたものであり、無効とされるべきであると主張し、該主張を立証すべく、甲第1号証(新作「悠久の雛」、「にんぎょう日本」9月号、社団法人日本人形協会、平成10年8月20日、第25巻第9号、p.18)及び甲第2号証(北村哲朗編、第72図御所人形狐面後被り、第70図御所人形鳥刺し「日本の美術」、至文堂、昭和42年3月1日、NO.11)を提出している。

4.当審の判断
ア.無効理由通知
当審において、本件の出願前に頒布された後述する引用例1乃至8を提示し、本件考案1乃至4は、当該引用例1乃至8に記載された考案に基づいて当業者が極めて容易に考案をすることができたものであるから、本件考案1乃至4の登録は、実用新案法第3条第2項の規定に違反してなされたものであり、無効とされるべきであるとし、職権により、平成15年6月5日付けで実用新案登録無効理由を通知した。
被請求人は、これに対して指定期間内に意見書を提出していない。
そして、上記各引用例と、それぞれの本件考案1乃至4に関連する考案は以下のとおりである。
(1)引用例1:新作「悠久の雛」、「にんぎょう日本」9月号、社団法人日本人形協会、平成10年8月20日、第25巻第9号、p.18(=請求人友部すみの提出した甲第1号証)
人形の頭の高さと人形の胴体の高さが、略1:1の比率をもって構成され、人形全体が座り姿態の木目込み人形により構成される節句人形。

(2)引用例2:北村哲朗編、第72図御所人形狐面後被り、第70図御所人形鳥刺し「日本の美術」、至文堂、昭和42年3月1日、NO.11(=同甲第2号証)
ふっくらした幼子の幼顔を顕現した人形の頭の高さと人形の胴体の高さが、略1:1の比率をもって構成され、人形の両足が、素足により構成される人形。

(3)引用例3:実願平1-23009号(実開平2-114092号)のマイクロフィルム
人形の頭の高さと人形の胴体の高さが、略1:1の比率をもって構成される人形。

(4)引用例4:特開昭59-218182号公報
ふっくらした幼子の幼顔を顕現した人形の頭の高さと人形の胴体の高さが、略1:1の比率をもって構成され、人形の両足が、素足により構成され、人形全体が座り姿態の木目込み人形により構成される人形。

(5)引用例5:特開昭58-46979号公報
ふっくらした幼子の幼顔を顕現した人形の頭の高さと人形の胴体の高さが、略1:1の比率をもって構成され、人形の両足が、素足により構成され、人形全体が木目込み人形により構成される人形。

(6)引用例6:実願昭62-25878号(実開昭63-133288号)のマイクロフィルム
ふっくらした幼子の幼顔を顕現した人形の頭の高さと人形の胴体の高さが、略1:1の比率をもって構成され、人形の両足が、ハの字を成して前面に広がる素足により構成され、人形全体が座り姿態をとりうる人形。

(7)引用例7:特開平10-118340号公報
ふっくらした幼子の幼顔を顕現した人形の頭の高さと人形の胴体の高さが、略1:1の比率をもって構成され、人形の両足が、ハの字を成して前面に広がる素足により構成され、人形全体が座り姿態をとりうる人形。

(8)引用例8:特開平8-155149号公報
ふっくらした幼子の幼顔を顕現した人形の頭の高さと人形の胴体の高さが、略1:1の比率をもって構成され、人形の両足が、ハの字を成して前面に広がる素足により構成され、人形全体が座り姿態をとりうる人形。

イ.対比・判断
本件考案1(前者)と上記引用例1に記載された考案(後者)とを比較すると、両者間には、次の一致点と相違点がある。

[一致点]
人形の頭の高さと人形の胴体の高さが、略1:1の比率をもって構成され、人形全体が座り姿態の木目込み人形により構成される節句人形。

[相違点]
ア.人形の頭の高さと人形の胴体の高さの比率が、前者では、1:1であるのに対して、後者では、略1:1であるが正確には定かでない点、
イ.前者では、人形の両足が、ハの字を成して前面に広がる素足により構成されているのに対して、後者では、人形の両足が足裏を相互にくっつけていて、素足か否か定かでない点。

[相違点の判断]
相違点アについて、
一般に、人形の頭の高さと人形の胴体の高さの比率を略1:1とすることは、上記引用例1乃至8にみられるように、本件出願日前によく行われたことであって、後者において、前者が採用している相違点アの、前記比率を1:1とした点は、当業者が通常の創作活動で行う範囲のものと認められ、その点で格別の技術的意義があるものといえない。
この点に関して、本件明細書において、「バランスが良好な人形ができる」としているが、見た目のバランスがいいか否かは、見る人の主観に依るのであって、全ての人が普遍的に感得するものでない、また、客観的な物理的バランスをいうのであれば、前記比率が1:1のものがそれ以外のものに比べて格段に優れているものでもない。

相違点イについて、
人形全体が木目込み人形により構成される人形であって、人形の両足を素足ににより構成することは、上記引用例4及び5に記載されているように周知であり、また、一般に、人形の両足が、ハの字を成して前面に広がる素足により構成され、人形全体が座り姿態をとりうるように構成することも、引用例6乃至8に記載されているように周知であるから、後者において、前者が採用している相違点イに係る構成は、当業者が格別困難性なく想起できることと認められる。
そして、前者から期待できる作用効果は、後者から期待でき、または予期できる程度のものである。
したがって、本件考案1は、その出願前に上記引用例1乃至8に記載された考案に基づいて、当業者が極めて容易に考案をすることができたものである。
また、木目込み人形の頭髪を手描きすること、人形の親指を反り上がり形態とすること、及び人形の胴体に被着される衣装を下着と陣羽織とにより構成することは、いずれも、当業者が適宜なす程度のことにすぎないから、本件考案2乃至4も、上述したと同様な理由により上記引用例1乃至8に記載された考案に基づいて当業者が極めて容易に考案をすることができたものである。

よって、本件考案1乃至4は、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができない。

5.結論
以上のとおりであるから、本件1乃至4の実用新案登録は、実用新案法第3条第2項の規定に違反してされているから、同法第37条第1項第2号に該当し、無効にすべきものである。
審判に関する費用については、実用新案法第41条で準用する特許法第169条第2項の規定でさらに準用する民事訴訟法第61条の規定により、被請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2003-08-07 
結審通知日 2003-08-12 
審決日 2003-08-25 
出願番号 実願2001-6581(U2001-6581) 
審決分類 U 1 111・ 121- Z (A63H)
最終処分 成立  
特許庁審判長 砂川 克
特許庁審判官 鈴木 秀幹
番場 得造
登録日 2001-12-19 
登録番号 実用新案登録第3084480号(U3084480) 
考案の名称 節句人形  
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