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審決分類 審判    B65B
審判    B65B
管理番号 1088180
審判番号 無効2003-40008  
総通号数 49 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2004-01-30 
種別 無効の審決 
審判請求日 2003-04-14 
確定日 2003-12-01 
事件の表示 上記当事者間の登録第3090248号実用新案「バンド式梱包機におけるバンド詰り防止装置」の実用新案登録無効審判事件について、次のとおり審決する。   
結論 実用新案登録第3090248号の請求項1及び2に係る考案についての実用新案登録を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1.手続の経緯
本件登録実用新案第3090248号の考案は、平成14年5月24日に実願2002-3068号として出願されたものであって、平成14年9月11日に実用新案の設定登録がなされたものであり、平成15年4月14日に本件登録実用新案に対する無効審判請求がなされたものである。
なお、本件登録実用新案権者である被請求人からは、無効審判請求に対する答弁書は提出されていない。

2.請求人の主張
請求人は、下記の甲第1号証?甲第5号証を提出するとともに、本件の請求項1に係る考案は、甲第1号証あるいは甲第2号証に記載された考案であるか、あるいは、甲第1号証及び甲第2号証に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるので、実用新案法第3条第1項第3号あるいは実用新案法第3条第2項の規定に違反して実用新案登録をされたものであると主張し、さらに、本件の請求項2に係る考案は甲第1号証乃至甲第4号証に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるので、実用新案法第3条第2項の規定に違反して実用新案登録がなされたものであると主張している。

甲第1号証:実公平3-12642号公報
甲第2号証:特開平7-172404号公報
甲第3号証:特開昭59-152127号公報
甲第4号証:特開平11-283096号公報
甲第5号証:「新しいJISにもとづく目で見るシーケンス制御の実際 改訂版」藤原司著、啓学出版(株)、第91?113頁、1979年2月20日改訂3版発行

3.被請求人の主張
被請求人は、答弁書を提出していない。

4.本件考案
無効審判が請求された考案は、実用新案登録請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定される次のものである。(以下、「本件考案1及び2」という。)

【請求項1】ロッカーローラと駆動ローラの間を経由してバンドを導き、該バンドを送り・引き戻しし、切断・溶着して梱包する半自動バンド式梱包機において、前記駆動ローラの排出側領域に、バンドをガイドするとともにバンドの波打ちにより半径方向に揺動可能なバンドガイド42と、該バンドガイド42の揺動を検出して駆動系に停止信号を送るセンサー49を設けたことを特徴とするバンド式梱包機におけるバンドの詰り防止装置。
【請求項2】バンドガイド42が端部を支点部材43により傾動可能に支持される一方、バンドガイド42の近傍にはセンサーとしてマイクロスイッチ49が位置され、該マイクロスイッチにはばね53で後退側に付勢された操作片52が設けられ、その操作片52がバンドガイド42の支点部位と変位した位置に設けた爪部420と係合され、バンドガイド42が揺動したときに、爪部420を介して操作片52が動かされマイクロスイッチ49が働くように構成されている請求項1に記載のバンド式梱包機におけるバンドの詰まり防止装置。

5.当審の判断
(1)甲第1号証及び甲第3号証に記載された事項
a.甲第1号証(実公平3-12642号公報、以下、「引用例1」という。)には、以下の事項が記載されている。
(記載ア)
「そこで本考案は、叙上のごとき問題点を解決するために開発されたもので、シュータガイドのバンド供給方向後方を開放するよう回動自在に設け、梱包機上面テーブル上の被梱包物の有無にかかわらずジャムしようとするバンドに加わる力を解放し、ジャムを防止し、さらに、前出のフィードカバーの回動では解消できないジャムが発生し得る場合にも、これを検知して、フィードローラの回転を一旦停止し、円滑に梱包作業を行い得るようにすることを目的とするものである。」(第7欄第44行?第8欄第9行参照)
(記載イ)
「本考案においては、上記目的を達成するため、バンド通過路に臨む梱包用バンドの供給及び引締めを行うフィードローラ23と対を成し該フィードローラ23のバンド供給方向後方に配置した従動ローラ24と、バンド先端と供給端の把持機構、及びバンド重合部の接着、切断機構を作動せしめるカム軸17と、前記バンド先端把持機構にバンド通路を成すバンドシュータ35を介して配設された前記一対のローラを備える梱包機において、前記フィードローラ23の4分の1円の前記バンド先端把持機構側の左上に位置する外周面上に前記バンドシュータ35を設け、前記フィードローラ23の4分の1円の前記従動ローラ側の右上に位置する外周面に臨みバンド通過路を形成するシュータガイド58を設け、このシュータガイド58のバンド供給方向前方端を、前記バンドシュータのバンド供給方向後方端に臨ませ、前記シュータガイド58のバンド供給方向後方を開放するよう回動自在に設けると共に、前記シュータガイド58の回動を検知する検知手段を設け、該検知手段の回動検知信号で、前記フィードローラ23の回転を停止するよう構成したことを特徴とする。」(第8欄第11?33行参照)
(記載ウ)
「このシュータガイド58のバンド供給方向前方端を、前記バンドシュータ35のバンド供給方向後方端に臨ませて配置され、第1図A二点鎖線のごとくピン52上に、フィードローラ23の前記外周上面で、このシュータガイド58のバンド供給移動後方を開放するよう回動自在に取り付けられている。」(第10欄第21?27行参照)
(記載エ)
「また、第1図Cに示すようにシュータガイド58の後方部が前記環状バンドにより押し開きアップした時、該シュターガイド58の後部が当接する適切な位置にセンサー65を取付け、該センサーはONしたときにフィードローラの正転を停止させ、OFFすると再び正転を開始するように設ける。」(第10欄第33?39行参照))
(記載オ)
「この最終工程のバンド供給に際し、供給されるバンドにその進行を阻止するバンドと各機構との摩擦などの外力が作用すると、バンドをフィードユニット70方向へ押し戻す反作用が働くが、シュータガイド58は比較的弱い抗力のトーションスプリング79により、フィードローラ23方向へ軽く付勢されているにすぎないので、前記外力はバンドを介してシュータガイド58のバンド供給方向後方の後端部を、第1図A二点鎖線のごとく上方へ押し上げ、この押し上げた分だけたるんだバンドがバンドシュータ35のバンド通過路47内に保持され、前記外力が一瞬解放されることになる。」(第12欄第2?14行参照)

b.甲第3号証(特開平59-152127号公報)には、梱包機において揺動部の動きをリミットスイッチに伝達するリンク機構が開示されている(甲第3号証の第3図参照)。
ピン26(本件考案「支点部材」に相当)により傾動可能なリンク23の揺動は、リンク24(本件考案「操作片52」に相当)を介してマイクロスイッチ30に伝達されるが、前記リンク24が、スプリング28(本件考案「ばね53」に相当)により後退側に付勢されていること、リンク23の支点部位であるピン26と変位した位置に設けた切欠両端(本件考案「爪部420」に相当)とピン25を介して係合していることが、甲第3号証には開示されている。

(2)対比・判断
(2-1)本件考案1について
(2-1-1)本件考案1が引用例1に記載された考案であるかについての検討
本件考案1の「詰り防止装置」は、半自動バンド式梱包機におけるバンドの詰りを防止するためのものであるが、引用例1に記載された発明も、同様に、半自動バンド式梱包機におけるバンドの詰りを防止するための詰まり防止装置である。
そして、引用例1記載のフィードローラ23は梱包用バンドの供給及び引締めを行うものなので、本件考案1の「駆動ローラ」に相当し、また、フィードローラ23と協動して作用する従動ローラ24は、本件考案1の「ロッカーローラ」に相当し、また、引用例1記載の半自動バンド式梱包機も、本件考案1の半自動バンド式梱包機と同様に、バンドを送り、引き戻しし、切断・溶着して梱包するものであるので、本件考案1のバンドの詰まり防止装置の対象となるバンド式梱包機は、引用例1に記載された考案のバンド式梱包機に相当する。
次に、バンドの詰まり防止装置の具体的構成について検討すると、引用例1記載の考案のシュータガイド58は、バンドをガイドするとともに、バンド供給方向後方を開放するよう回動自在に設けられているので、本件考案1の「バンドをガイドするとともにバンドの波打ちにより半径方向に揺動可能なバンドガイド42」に相当し、また、引用例1記載の考案においては、シュータガイド58の回動を検知する検知手段を設け、検知手段の回動検知信号でフィードローラ23の回転を停止するように構成されているが、これは、本件考案1における、「バンドガイド42の揺動を検出して駆動系に停止信号を送るセンサー49を設けた」ことに相当する。
してみると、本件考案1は、引用例1に記載された考案であり、実用新案法第3条第1項第3号の規定により実用新案登録をすることができないものである。

(2-2)本件考案2について
(2-2-1)本件考案2が、引用例1に記載された考案からきわめて容易に考案された考案であるかについての検討
(引用例1記載考案との対比)
すでに検討したように、本件考案2の請求項1を引用して特定した部分は、引用例1に全て記載されている。
そこで、本件考案2と引用例1記載の考案とを対比すると、引用例1に記載された考案のシュータガイド58、ピン52及びセンサー65は、それぞれ、本件考案2のバンドガイド2、支点部材43及びマイクロスイッチ49に相当し、引用例1記載の考案のシュータガイド58も本件考案2のバンドガイド2も、ピン52(支点部材43)により傾動可能に支持されている。そして、引用例1記載の考案のセンサー65のスイッチの種類は特定されていないが、センサーがONの時にはフィードローラの正転を停止させ、OFFの時は正転を再び開始させる機能を有しているセンサーである。
してみると、両者は、「バンドガイドが端部を支点部材により傾動可能に支持される一方、バンドガイド42の近傍にはセンサーが位置され、バンドガイド42が揺動したときに、センサーが働くように構成されている請求項1に記載のバンド式梱包機におけるバンドの詰まり防止装置。」である点で一致し、以下の点で相違している。

相違点1:
本件考案2においては、センサーとしてマイクロスイッチを用いているのに対し、引用例1記載の考案においては、センサーの種類が特定されていない点。
相違点2:
本件考案2においては、バンドガイドの揺動とセンサーの作動を関連づける具体的な構成が「マイクロスイッチにはばねで後退側に付勢された操作片が設けられ、その操作片がバンドガイドの支点部位と変位した位置に設けた爪部と係合され、バンドガイドが揺動したときに、爪部を介して操作片が動かされマイクロスイッチが働くように」なっているのに対し、引用例1記載の考案においては、作動機構の具体的構成に関する記載がない点。

(進歩性についての判断)
上記相違点を検討する。
相違点1について:
引用例1に記載された考案のセンサーは、シュータガイド58(バンドガイド)が揺動したときにその動きによって、センサーをON、OFF作動させるものである。
一般にこうした機能を持つセンサーとしてマイクロスイッチは広く使用されているので、マイクロスイッチと特定した点に格別のものはない。
相違点2について:
一般に、マイクロスイッチのON、OFF操作を、マイクロスイッチに設けたヒンジレバーの動きによって行うものはよく知られた形式のマイクロスイッチであり、ヒンジレバーを操作する操作片を設けるとともに、操作片の動きによりON、OFF操作を行わせることは周知のことである。(例えば、甲第3号証に示されたものが周知例である。)
本件考案2においては、バンドガイドの揺動によりマイクロスイッチを操作するのであるから、バンドガイドに設けた爪部を操作片と係合させて操作するようにすることに格別の困難があったとは認められず、その際、支点部位であれば変位を検知できないことは明らかであるので、支点位置から変位した位置に爪部を設けることは当業者が当然選択できたものと認められる。
よって、本件考案2は、引用例1に記載された考案から当業者がきわめて容易に考案できたものと認められる。

6.むすび
以上のとおりであるから、本件考案1は甲第1号証に記載された考案であり、本件考案1にかかる実用新案登録は、実用新案法第3条第1項に違反してなされたものであり、また、本件考案2は、甲第1号証に記載された考案から当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであり、同法第3条第2項の規定に違反してなされたものであるので、いずれも同法第37条に該当し、無効とすべきものである。
審判に関する費用については、同法第41条で準用する特許法第169条第2項の規定で更に準用する民事訴訟法第61条の規定により、被請求人が負担すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2003-10-06 
結審通知日 2003-10-09 
審決日 2003-10-21 
出願番号 実願2002-3068(U2002-3068) 
審決分類 U 1 111・ 121- Z (B65B)
U 1 111・ 113- Z (B65B)
最終処分 成立  
特許庁審判長 吉国 信雄
特許庁審判官 山崎 勝司
山崎 豊
登録日 2002-09-11 
登録番号 実用新案登録第3090248号(U3090248) 
考案の名称 バンド式梱包機におけるバンド詰り防止装置  
代理人 小倉 正明  
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