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審決分類 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する F16C
管理番号 1089957
審判番号 訂正2003-39180  
総通号数 50 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2004-02-27 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2003-08-28 
確定日 2003-11-12 
訂正明細書 有 
事件の表示 実用新案登録第2505124号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。   
結論 実用新案登録第2505124号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。
理由 1、請求の要旨
本件審判請求の要旨は、実用新案登録第2505124号(平成2年11月13日実用新案登録出願、平成8年5月16日実用新案権の設定の登録)の明細書中の実用新案登録請求の範囲の請求項2の登録実用新案を、本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり、即ち次のように訂正することを求めるものである。
「ヌスミの底近傍を滑らかな曲線状とすると共に該底近傍の曲線部の端から軸表面にかけて直線状の駆け上がりとした請求項第1項記載の動圧流体軸受。」(実用新案登録公報第1頁左欄第9行?第11行)とあるを、「回転軸の表面又は該回転軸を嵌挿するスリーブの内表面に動圧発生溝を形成し且つ該動圧発生溝近傍に潤滑流体充填用ヌスミを形成してなる動圧流体軸受において、前記ヌスミを回転軸に形成し、前記ヌスミの底近傍を滑らかな曲線状とすると共に該底近傍の曲線部の端から軸表面にかけて直線状の駆け上がりとした動圧流体軸受。」と訂正する。

2、当審の判断
請求人はかかる訂正請求は、明りょうでない記載の釈明を目的として為したもので、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、その訂正も願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であると主張する。
そこで検討するに、請求項2のものは、独立項たる請求項1のものを引用する形式で記載されている。
請求項1のものは、「回転軸の表面又は該回転軸を嵌挿するスリーブの内表面に動圧発生溝を形成し且つ該動圧発生溝近傍に潤滑流体充填用ヌスミを形成してなる動圧流体軸受において、前記ヌスミを回転軸に滑らかな曲線状に形成すると共に該曲線状の底(軸の径の最小の位置)から前記動圧発生溝近傍に到るまで滑らかな曲線状のヌスミとしたことを特徴とする動圧流体軸受。」であるから、「曲線状の底(軸の径の最小の位置)から前記動圧発生溝近傍に到るまで滑らかな曲線状のヌスミとした」こと、即ち「ヌスミ全体を滑らかな曲線状とした」ことが必須であることが明らかである。
これに対して、請求項2のものは請求項1のものを引用しているにも拘わらず、「ヌスミの底近傍を滑らかな曲線状とすると共に該底近傍の曲線部の端から軸表面にかけて直線状の駆け上がりとした」という限定を付しているから、「ヌスミの一部は直線状である」ことが必須となっている。
したがって、請求項1のものを引用して記載された請求項2のものは齟齬を包含した記載であるということができる。
一方、明細書及び図面を参照して請求項1のものを見ると、これは第1,3,4,5図示の実施例に基づく記載であることが明らかであり、同じく請求項2のものを見れば、これは第2図(b)、第5図の実施例に基づく記載であることが明らかであって、共に産業上の利用分野及び解決しようとする課題も同一である。
そうしてみると、かかる訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内で為されたものであって、明りょうでない記載の釈明を目的とするものであり、実用新案登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

3、むすび
したがって、本件審判請求は、特許法等の一部を改正する法律(平成5年法律第26号)附則第4条第2項において読み替えられた、特許法等の一部を改正する法律(平成5年法律第26号)改正前の実用新案法第39条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とし、且つ、同条第2項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
発明の名称 (54)【考案の名称】
動圧流体軸受
(57)【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】回転軸の表面又は該回転軸を嵌挿するスリーブの内表面に動圧発生溝を形成し且つ該動圧発生溝近傍に潤滑流体充填用ヌスミを形成してなる動圧流体軸受において、前記ヌスミを回転軸に滑らかな曲線状に形成すると共に該曲線状の底(軸の径の最小の位置)から前記動圧発生溝近傍に到るまで滑らかな曲線状のヌスミとしたことを特徴とする動圧流体軸受。
【請求項2】回転軸の表面又は該回転軸を嵌挿するスリーブの内表面に動圧発生溝を形成し且つ該動圧発生溝近傍に潤滑流体充填用ヌスミを形成してなる動圧流体軸受において、前記ヌスミを回転軸に形成し、前記ヌスミの底近傍を滑らかな曲線状とすると共に該底近傍の曲線部の端から軸表面にかけて直線状の駆け上がりとした動圧流体軸受。
【考案の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
この考案は、電気機器や事務機器等の回転駆動装置で使用される回転軸を支承する動圧流体軸受に関する。
〔従来の技術〕
音響機器やビデオデッキ或いは事務機器等では高速回転する回転軸表面又は該回転軸を支承するスリーブ表面にヘリングボーン形溝やラセン溝或いは平行溝等を形成し、回転時のポンピング作用によって生じる空気や潤滑油等の動圧を利用した動圧流体軸受が使用される。このような動圧流体軸受では潤滑用の水や油を溜めておくためのスペースが必要であるが、従来の動圧流体軸受では、通常回転軸表面或いは回転軸を嵌め入れる円筒体内面の対向表面に潤滑油を保持させる構造としてある。即ち、第6図及び第7図に示すように、回転軸11の動圧溝11aと動圧溝11bとの間の径を少し細くしてヌスミ12を形成するか或いは回転軸11を嵌め入れるスリーブ13側の動圧溝11aと動圧溝11bとの間の内径を大きくしてヌスミ12を形成し該ヌスミ12を潤滑油溜まりとしてもよい。
或いは実開昭59-128924号や特開昭63-243521号で開示されているように、回転軸を嵌挿している円筒体の底面を閉鎖し回転軸と円筒体との隙間を潤滑油溜まりとしたものもある。
〔考案が解決しようとする課題〕
動圧流体軸受の回転軸或いは回転軸を嵌め入れる円筒体内周面に形成した潤滑油用のヌスミ12には、重要な役割の一つとして潤滑流体(油、グリース、水等)の補給源としての役目がある。しかし従来の如くヌスミ部に潤滑流体を充満させたとしても実際潤滑用として補給されるのは軸受部入口近くの僅かな量であって大部分はそのまま溜留したり漏洩するため補給効率が悪かった。この考案はかかる課題を解決するためになされたものである。
〔課題を解決するための手段〕
即ち、この考案は上記課題を解決するために、▲1▼回転軸の表面又は該回転軸を嵌挿するスリーブの内表面に動圧溝を形成し且つ該動圧溝近傍に潤滑流体充填用ヌスミを形成してなる動圧流体軸受において、前記ヌスミを回転軸に滑らかな曲線状に形成すると共に該曲線状の底(軸の径の最小の位置)から前記動圧溝近傍に到るまで滑らかな曲線状のヌスミとしたことを特徴とする。
或いは▲2▼前記ヌスミの底近傍を滑らかな曲線状のヌスミとすると共に該底近傍の曲線部の端から軸表面にかけて直線状の駆け上がりとしたことを特徴とする。
〔作用〕
上記手段とすると、回転軸が回転する場合、軸表面に形成されたヌスミの表面の任意の軸半径をrとすると、そこでの遠心力fは回転軸の回転角速度をωとして、f=m・ω^(2)・r、で表されるから遠心力fは軸表面に近づくにつれて大きくなり、潤滑剤には動圧溝のある軸表面方向への力が作用し潤滑油は徐々に動圧溝方向へ移動する。こうして潤滑油は動圧溝へ無駄なく補給されるようになる。
〔実施例〕
以下、この考案の具体的実施例について図面を参照して説明する。
第1図はこの考案の動圧流体軸受の回転軸の主要部を示す。回転軸1の表面には例えばヘリングボーン型の動圧溝1a、1bが形成され、これら2か所の動圧溝1a、1bの間は表面全周に渡ってなめらかな曲線状のヌスミ2が形成してある。このヌスミ2の曲線形状は円弧状或いは楕円弧状とすることが好ましいが、これらに限らず例えば双曲線状や放物線状であっても良い。尚、このようにヌスミ2を設ける場合、該ヌスミ2の形状を第2図(a)に示すように中央を尖った山形のV字状のヌスミ2′とすることも考えられる。しかしこのような形状とすれば応力集中の問題があるため同図(b)に示すように、底部2a近傍のdの範囲を滑らかな曲線状の円弧或いは楕円弧等の一部とし、駆け上がり部分を直線としても良い。
而して、回転軸1が回転する場合、軸表面に形成されたなめらかな曲線状のヌスミ2の表面の任意の軸半径をrとすると、そこでの遠心力fは回転軸の回転角速度をωとして、f=m・ω^(2)・r、で表されるから遠心力fは軸表面に近づくにつれて大きくなり、第3図の矢印に示すように潤滑剤には動圧溝のある軸表面方向への力が作用し潤滑油は徐々に動圧溝1aや1b方向へ移動する。こうして潤滑油は前記動圧溝1aや1bへ無駄なく補給されるようになる。
上記実施例の場合、動圧発生用の溝1aや1b等は第4図に示すように、スリーブ3の間に嵌挿した回転軸1に形成しても良いし、第5図に示すように、回転軸1′には曲線状のヌスミ2のみを形成し動圧溝1aや1bはスリーブ3に形成しても良い。或いはまた一方の動圧溝は回転軸1に、他方の動圧溝はスリーブ3に形成しても良い。
尚、これら回転軸1やスリーブ3の材質は鉄やアルミ合金等の金属でも樹脂でも良いが、特に回転軸1やスリーブ3を樹脂を射出成形して製作すれば動圧溝を該スリーブ3側に形成する際軸1の外径表面やスリーブ3の内径側に同時に成形出来るので合理的である。また前記回転軸1に形成したヌスミ2は動圧溝の形成箇所に応じて2か所以上形成しても良い。
〔考案の効果〕
この考案の動圧流体軸受は以上詳述したような構成としたので、回転軸に形成したヌスミに充填した潤滑油はその殆どを有効に補給することが出来る。また動圧軸受部の潤滑も良好となり寿命も長くなり軸受の長期信頼性を向上させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案の動圧流体軸受の回転軸の主要部を示す図、第2図(a)は不適当な変形実施例図、同図(b)は好ましい変形実施例図、第3図はこの考案の動圧流体軸受を回転させた時のヌスミ部分における潤滑油の移動を示す図、第4図と第5図はこの考案の動圧流体軸受の回転軸とスリーブとの実施例の組合せを示す図、第6図と第7図は従来の動圧流体軸受の回転軸とスリーブとの組合せを示す図である。
1……回転軸
1a、1b……動圧溝
2……ヌスミ
3……スリーブ
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2003-10-31 
出願番号 実願平2-118711 
審決分類 U 1 41・ 853- Y (F16C)
最終処分 成立  
前審関与審査官 秋月 均森林 克郎  
特許庁審判長 村本 佳史
特許庁審判官 町田 隆志
常盤 務
登録日 1996-05-16 
登録番号 実用新案登録第2505124号(U2505124) 
考案の名称 動圧流体軸受  
代理人 山崎 宏  
代理人 大森 忠孝  
代理人 山崎 宏  
代理人 大森 忠孝  
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