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審決分類 審判    B65D
審判    B65D
管理番号 1093258
審判番号 無効2003-40014  
総通号数 52 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2004-04-30 
種別 無効の審決 
審判請求日 2003-09-10 
確定日 2004-02-16 
事件の表示 上記当事者間の登録第3076136号実用新案「容器」の実用新案登録無効審判事件について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は請求人の負担とする。
理由 〈1〉手続の経緯
本件登録実用新案第3076136号は、平成12年7月13日に出願され、平成12年12月27日に設定登録(請求項の数9)がなされたものである。
これに対して、請求人ダイヤフ-ズ株式会社は、平成15年9月10日に本件実用新案登録の請求項1、2に係る考案に対して本件無効審判を請求し、被請求人マルイ包装株式会社は、平成15年11月10日に実用新案登録請求の範囲の請求項2、8を削除する訂正書および答弁書を提出している。

〈2〉本件考案
上記訂正により請求項2が削除されたので、本件無効審判請求に係る考案は、実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである。

【請求項1】
「容器本体と、この容器本体の蓋体と、容器本体に蓋体を開閉自在に連結するヒンジ体とが、合成樹脂にて一体成形されてなる容器において、容器本体と蓋体の周縁部の対向面に、容器本体及び蓋体の一方に凸起または凹溝が、他方に前記凸起または凹溝に対応する凹溝または凸起が形成され、前記凹溝は一端側が開口して前後方向に向かって形成され、一方の凸起は他方の凹溝に、その凹溝の開口から前後方向にスライドさせて挿脱可能であるが、凸起が凹溝に挿入されると開蓋方向には係止され蓋体の開放が係止されることを特徴とする容器。」(以下、「本件考案」という。)

〈3〉審判請求人の主張
請求人は、甲第1号証を提出して、本件考案は、甲第1号証に記載された考案であるから、実用新案法第3条第1項第3号に該当し、実用新案登録を受けることができないものであり、さらに、本件考案は、同号証に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、同法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないものであるので、本件実用新案登録は同法第37条第1項第2号により無効とすべきである旨、主張している。

〈4〉当審の判断
(1)甲第1号証及びその記載事項
請求人の提出した甲第1号証及びその記載事項は、次のとおりである。

甲第1号証:特開平10-120058号公報
(a)「合成樹脂シート素材によって容器本体(1)と蓋体(2)とが折曲部(3)において折り畳み自在に連結成形されている容器であって、両体(1),(2)の外周縁部分(1E),(2E)の何れか一方に、膨出基部(41)よりも頂部(42)側が平面方向において突出している大径部(43)を有する膨出突起(4)を設け、何れか他方に、該膨出突起(4)における前記頂部(42)の全体を受け入れる大きさとした凹入部(50)と、前記膨出突起(4)と係合する凹入部であって凹入基部(51)よりも底部(52)側を平面方向に突出させた大径部(53)を有する凹入係合部(54)とを連続させて形成した膨出凹部(5)を形成してなる合成樹脂シート製容器。」(特許請求の範囲の【請求項1】)
(b)「前記膨出突起4はヒンジ部3の軸線方向と平行する内外面に面する両側壁が図4、図5に示すように膨出基部41より斜め外側に向けてそれぞれ延びてその頂部42に至る側が大径部43となるように蟻溝形に形成してある。」(公報段落番号【0011】)
(c)「蓋体2の外周縁部分2Eの遊端縁部分に形成され、前記容器本体1の膨出突起4と係合する膨出凹部5は、膨出突起4の大径部43を受け入れて、膨出突起4が移動可能な大径の凹入部50と、この凹入部50に連続していて前記膨出突起4と係合する凹入係合部54とからなっている。」(公報段落番号【0012】)
(d)「図6は別の実施例について示したもので、該実施例は容器における左右の外周縁部分に突起4と凹部5とを設けたものである。即ち、容器本体1における外周縁部分1Eの左右の側縁部分に膨出凹部5、5を設け、外周縁前面部分に嵌合突起6を設ける一方、蓋体2の外周縁部分2Eの左右の側縁部分に膨出突起4、4を設け、外周縁前面部分に嵌合凹部7を設けてある構造としたものである。その他の点については、前記第1実施例と同様としてある。」(公報段落番号【0015】)

(2)対比・判断
本件考案に係る「容器」は、特に、「凹溝は一端側が開口して前後方向に向かって形成され、一方の凸起は他方の凹溝に、その凹溝の開口から前後方向にスライドさせて挿脱可能である」(以下、「構成A」という。)、を主要な特徴とするものと解される。

そして、本件明細書において本件考案の作用・効果として記載されている、以下(ア)?(ウ)の事項はすべて上記構成Aを前提としたものと認められる。
(ア)「…前記凸起5は、開口7から凹溝6内に挿入される。具体的には、閉蓋すると、凸起5と凹溝6は合致する位置となるので、蓋体3を後方にスライドさせると、凸起5は開口7から凹溝6内に挿入され、凸起5が凹溝6内に挿入されると開蓋方向には係止され蓋体3の開放が係止され、閉蓋状態を維持する。…」(明細書段落番号【0018】)
(イ)「しかして、前記実施の形態に係る容器1は、蓋体3を閉蓋すると、凸起5と凹溝6が合致する位置となるので、凹溝6の開口7が凸起5の少し前方とした位置から蓋体3を後方にスライドさせると、凸起5は開口7から凹溝6内に挿入される。…蓋体3を容器本体2に被せるだけで、外力を加えないときは、凸起5と凹溝6が合致する位置として形成されているので、蓋体3はその凹溝6の開口7が凸起5の少し前方に越える位置とするだけで、蓋体3の復元する後方へのスライドで凸起5は凹溝6に自然に挿入される。」(明細書段落番号【0020】)
(ウ)「特に、凹溝が開口を有する場合には、凹溝の開口が凸起の少し前方とした位置から蓋体を後方にスライド(このスライドは蓋体の復元力で行ってもよい)させると、凸起は開口から凹溝内に挿入され、蓋体の開放が阻止され閉蓋状態が維持され、この閉蓋状態から蓋体を前方にスライドさせると凸起が凹溝から抜け出し蓋体の開放が可能となる。…」(明細書段落番号【0031】)

しかるに、上記甲第1号証記載事項(a)?(d)によれば、甲第1号証には「容器本体と蓋体の周縁部の対向面に、容器本体及び蓋体の一方に膨出突起(本件考案における「凸起」に相当)または膨出凹部(本件考案における「凹溝」に相当)が、他方に前記膨出突起または膨出凹部に対応する膨出凹部または膨出突起が形成され」なる構成は示されているものの、上記本件考案の構成A「凹溝は一端側が開口して前後方向に向かって形成され、一方の凸起は他方の凹溝に、その凹溝の開口から前後方向にスライドさせて挿脱可能である」に相当する事項は、記載も示唆もされていない。さらに、甲第1号証の他の記載事項を精査しても、本件考案の上記構成Aに相当する事項も見いだすことができない。
また、本件考案は上記構成Aを前提に上記(ア)?(ウ)に記載した作用・効果を奏するものと認められるので、甲第1号証において「容器本体と蓋体の周縁部の対向面に、容器本体及び蓋体の一方に膨出突起または膨出凹部が、他方に前記膨出突起または膨出凹部に対応する膨出凹部または膨出突起が形成され」なる構成が示されているからといって、このことから直ちに、上記構成Aとすることが、当業者であればきわめて容易に想到し得るものとすることもできない。
したがって、本件考案は甲第1号証に記載された考案とすることはできず、さらに、同号証記載の考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものとすることもできない。

〈5〉むすび
上記のとおり、請求人が主張する理由および提出した証拠方法によっては、本件考案の実用新案登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2003-12-11 
結審通知日 2003-12-16 
審決日 2004-01-06 
出願番号 実願2000-4945(U2000-4945) 
審決分類 U 1 121・ 121- YA (B65D)
U 1 121・ 113- YA (B65D)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 鈴木 公子
特許庁審判官 山崎 豊
溝渕 良一
登録日 2000-12-27 
登録番号 実用新案登録第3076136号(U3076136) 
考案の名称 容器  
代理人 清水 定信  
代理人 甲斐 寛人  
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