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審決分類 審判    E04H
管理番号 1098173
審判番号 無効2003-40017  
総通号数 55 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2004-07-30 
種別 無効の審決 
審判請求日 2003-10-28 
確定日 2004-05-10 
事件の表示 上記当事者間の登録第3090050号実用新案「共同住宅」の実用新案登録無効審判事件について、次のとおり審決する。   
結論 登録第3090050号の実用新案登録を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 (一)手続きの経緯
1)出願 平成14年5月16日(実願2002-2845号)
2)実用新案登録 平成14年9月4日(実用新案登録第3090050号)請求項の数4
3)無効審判請求 平成15年10月28日
4)答弁書 平成16年1月14日
5)上申書(請求人) 平成16年1月28日
6)無効理由通知書 平成16年2月2日起案
7)実用新案登録訂正書、意見書 平成16年3月5日

(二)訂正の内容について
本件実用新案登録第3090050号は、平成16年3月5日付け実用新案登録訂正書により、請求項1、請求項2、請求項3が削除された。
(三)請求人の主張及び提出した証拠方法
請求人は、登録第3090050号実用新案の明細書の請求項1?4に係る考案についての登録を無効にする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めている。
そして、その理由として、平成15年10月28日付け無効審判請求書において、本件登録実用新案の請求項1に係る考案は、甲第1号証に示す通り、その出願前に公然実施された考案と同一である。また、甲第2号証に示す通り、その出願前に頒布された刊行物に記載された考案と同一である。また、甲第2号証と甲第3号証とから明らかな通り、その出願前に公然知られた考案と同一である。よって、本件登録実用新案の請求項1に係る考案は、実用新案法第3条第1項第2号又は第3号又は第1号の規定により、実用新案登録を受けることができないものである。本件登録実用新案の請求項4に係る考案は、その出願前に頒布された甲第5号証に記載された考案に基づいて、当業者が極めて容易に考案をすることができたものであり、実用新案法第3条第2項の規定により、実用新案登録を受けることができないものである。よって、本件実用新案登録は実用新案法第37条第1項第2号の規定により無効とすべきであると主張している。
甲第1号証:名古屋市建築主事による第01-04009号の「検査済証」及び「確認済証」並びに、その対象である「建築確認申請書(及び添付図面)」(「検査済証」の日付:平成14年3月6日)
甲第2号証:大東建託株式会社発行のカタログ「デフィ」 表紙、3頁、5頁、裏表紙(2001.10.20,000の記載有り)
甲第3号証:週刊新聞「住宅新報」2001年11月9日(手書き)号の抜粋
甲第5号証:大東建託株式会社発行のカタログ「ニューマリッチRCレガリア」 表紙、2頁、6頁、裏表紙(2000.2.15,000の記載有り)

(四)被請求人の主張
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めている。
そして、答弁書及び平成16年3月5日付け意見書において、甲第1号証の間取りに関する記載のある「建築確認申請書(及び添付図面)」は、閲覧の対象になっておらず、閲覧の対象となっている「建築計画概要書」(乙第1号証)には、間取りに関する開示事項はないし、甲第5号証は、頒布日が特定されていないし、甲第2号証と甲第3号証との外観写真が一致しているとしても、そのことのみから直ちに甲第2号証が頒布され公知になっていると断定するのは論理の飛躍であり、さらに、甲第2号証の「2001.10.20,000」と甲第3号証の記事「10月22日」とが直接に結びつかず、出願前「頒布された刊行物」とはいえないし、甲第2号証では、1階と2階の間取りの構成は「略同一」ではなく、無効の理由がない旨主張している。

(五)無効理由について
1.本件実用新案登録考案
前記のとおり訂正されたので、本件の削除後の請求項に係る考案(以下、「本件考案」という。)は、請求項1を引用して記載されていたのを独立形式で記載すると、以下のとおりのものである。
「複数の住宅が集合してなる共同住宅において、下階の住宅及び上階の住宅にて組を構成し、各組の下階に下階住宅用の玄関を設けるとともに、該玄関に隣接して上階住宅用の玄関及び上階住宅に通ずる階段を設け、上記各組の住宅の上階及び下階の間取りを略同一にすることを特徴とする共同住宅。」
2.引用刊行物記載の考案
請求人の提出した甲第2号証である、大東建託株式会社カタログ「デフィ」(当審が先に無効理由通知において引用した刊行物1。以下「刊行物1」という。)は、無効理由通知において記載したように、平成16年1月28日提出の上申書に添付された、甲第3号証についての補足書面で日付がはっきりした、甲第3号証の週刊新聞「住宅新報」2001年(平成13年)11月9日号の抜粋には、「単身者向け集合住宅 新工法の「デフィ」 大東建託 大東建託は10月22日から、新開発のテクニカル・ウッド工法を採用した単身者向け2階建て集合住宅「デフィ」=写真=を発売した。・・・2階住戸の玄関を1階に設け、専用室内階段でアクセスできる独自のフラット形式を採用した。・・・」と、外観写真とともに記載されており、該外観写真は、刊行物1の3頁の外観写真と同じであり、甲第3号証の「デフィ」は、刊行物1の「デフィ」と同じものであると認められる。となると、一般的にカタログは、製品の販売に先立って配布されること、また、刊行物1の裏表紙には、「2001.10.20,000」という記載があることから、刊行物1は、少なくとも2001年(平成13年)10月22日には、公知となっていたと解するのに何ら問題がない。そして、刊行物1には、3頁の外観写真、同外観写真左上の「ブリックタイプ/4戸並び」、5頁の「フラットタイププラン 『デフィ』に採用した「フラットタイププラン」とは、1階住戸だけでなく2階住戸の玄関も1階に配置し、専用屋内階段にて2階住居スペースまでアクセスする」の各記載及び5頁の各図面から明らかな「1階に1階玄関を設けるとともに、該玄関に隣接して2階玄関及び2階に通ずる階段を設ける」という事項を参照すると、刊行物1には、「8戸の住戸が集合してなる集合住宅において、1階住戸及び2階住戸にて組を構成し、各組の1階に1階玄関を設けるとともに、該玄関に隣接して2階玄関及び2階住戸に通ずる階段を設ける集合住宅」という考案(以下、「刊行物1記載の考案」という。)が記載されている。
また、同じく、請求人の提出した甲第5号証である、大東建託株式会社カタログ「ニューマリッチRCレガリア」は、裏表紙に、「2000.2.15,000」の記載が有り、上記刊行物1と同一会社のカタログであり、刊行物1と同様の記載と解することに何ら問題がないから、甲第5号証は、少なくとも2000年2月には、公知となっていたと解される(以下「刊行物2」という。)。そして、刊行物2には、表紙の「大東建託の『レガリア』は今までの中層集合住宅の概念を変える、<ダブルフラット形式>を採用した全く新しいタイプのマンションです。」、6頁の「<ダブルフラット形式>は、1階と2階住戸の玄関を1階廊下に、3階4階住戸の玄関を3階廊下に面して配置することで各住戸までの共用アプローチを短縮。」の各記載及び同頁中程の、「フラット形式上階住戸 4階建てタイプの場合の2階・4階住戸プランです。」、「フラット形式下階住戸 4階建てタイプの場合の1階・3階住戸プランです。」の各記載と各図面から明らかな「下階に下階住戸玄関を設けるとともに、該玄関に隣接して上階住戸玄関及び上階住戸に通ずる階段を設ける集合住宅において、4階建てタイプの場合の上階(2階・4階)及び下階(1階・3階)のプランを略同一にする」という事項を参照すると、刊行物2には、複数の住戸が集合してなり、下階の住戸及び上階の住戸にて組を構成してなる集合住宅において、「各組の下階に下階住戸用の玄関を設けるとともに、該玄関に隣接して上階住戸用の玄関及び上階住戸に通ずる階段を設け、上記各組の住戸の上階及び下階のプランを略同一にする」ことが記載されている。
3.対比・判断
本件考案と、刊行物1記載の考案とを対比すると、刊行物1記載の考案の「8戸の住戸」、「1階」、「2階」、「1階住戸」、「2階住戸」、「1階玄関」、「2階玄関」、「集合住宅」は、各々、本件考案の「複数の住宅」、「下階」、「上階」、「下階の住宅」、「上階の住宅」、「下階住宅用の玄関」、「上階住宅用の玄関」、「共同住宅」に相当するから、両者は、複数の住宅が集合してなる共同住宅において、下階の住宅及び上階の住宅にて組を構成し、各組の下階に下階住宅用の玄関を設けるとともに、該玄関に隣接して上階住宅用の玄関及び上階住宅に通ずる階段を設ける共同住宅の点で一致し、下記の点で相違している。
相違点:本件考案では、各組の住宅の上階及び下階の間取りを略同一にするのに対し、刊行物1に記載された考案では、そのようなことは、明記されていない点。
しかしながら、刊行物2には、本件考案及び刊行物1に記載された考案と同様な、複数の住戸が集合してなり、下階の住戸及び上階の住戸にて組を構成してなる集合住宅(本件考案の「共同住宅」に相当。)において、「各組の下階に下階住戸(本件考案の「下階住宅」に相当。)用の玄関を設けるとともに、該玄関に隣接して上階住戸(本件考案の「上階住宅」に相当。)用の玄関及び上階住戸に通ずる階段を設け、上記各組の住戸(本件考案の「住宅」に相当。)の上階及び下階のプラン(本件考案の「間取り」に相当。)を略同一にする」ことが記載されており、かつ、共同住宅において、各組の住宅の上階及び下階の間取りを略同一にする程度のことは、当業者がきわめて容易になしうる設計的事項にすぎない。
そして、全体として、本件考案によってもたらされる効果も、刊行物1及び2に記載されたものからして、当業者であれば予測することができる程度のものであって、格別なものとはいえない。
4.むすび
したがって、本件考案は、刊行物1及び2に記載された考案に基いて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものと認められるから、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができない。

(六)結論
以上のとおりであるから、本件考案の登録は、実用新案法第3条第2項の規定に違反してされたものであり、同法第37条第1項第2号の規定に該当し、これを無効にすべきものである。
審理終結日 2004-03-16 
結審通知日 2004-03-19 
審決日 2004-03-30 
出願番号 実願2002-2845(U2002-2845) 
審決分類 U 1 111・ 121- Z (E04H)
最終処分 成立  
特許庁審判長 鈴木 憲子
特許庁審判官 木原 裕
山田 忠夫
登録日 2002-09-04 
登録番号 実用新案登録第3090050号(U3090050) 
考案の名称 共同住宅  
代理人 浅野 勝美  
代理人 加川 征彦  
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