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審決分類 審判    H04M
管理番号 1132637
審判番号 無効2005-40002  
総通号数 76 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2006-04-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 2005-06-24 
確定日 2006-02-06 
事件の表示 上記当事者間の登録第3109303号実用新案「携帯電話用飾り具」の実用新案登録無効審判事件について、次のとおり審決する。   
結論 登録第3109303号の実用新案登録を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1.手続の経緯
本件登録実用新案第3109303号(平成16年7月14日出願)は、平成17年3月30日に実用新案権の設定登録後、平成17年6月24日付で請求人株式会社ジョリマリエより、請求項1に係る考案の実用新案登録につき登録無効の審判請求を受けたものであって、被請求人に無効の理由が通知されたが、被請求人から答弁書の提出がなかったものである。

2.本件考案
本件登録実用新案第3109303号の請求項1に記載された考案は、その実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
裏面に仮接着用の粘着剤を塗布した透明フィルムと、
該透明フィルムに接着されるフラット状の粒状構成子で形成した光輝片、
及び光輝片の下面に配置され且つ透明フィルムと接着する色シート
からなる携帯電話用飾り具であって、
前記光輝片が花柄等の飾りパターンを形成し、色シート剥離後光輝片裏面に接着剤を塗布すると携帯電話に直接貼着できることを特徴とする携帯電話用飾り具。」(以下、「本件考案」という。)

3.請求人の主張(要点)
請求項1に係る考案は、その出願の日前の出願であって、その出願後に出願公開がされた甲第1号証の出願の願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の考案者が甲第1号証の出願の発明者と同一でなく、且つこの出願の時において、その出願人が甲第1号証の出願の出願人と同一ではないので、実用新案法第3条の2の規定により実用新案登録を受けることができないものであり、その実用新案登録は実用新案法第37条第1項第2号の規定に該当し無効とすべきである。

(証拠方法)
甲第1号証:特願2003-355292号(特開2005-119085号)

4.被請求人の主張
被請求人に、上記請求人が提出した審判請求書副本を送達し、期間を定めて答弁を求めたが、答弁書の提出がなかった。

5.甲第1号証の記載事項
請求人が証拠として提示した甲第1号証には、下記の事項が記載されている。

a.「【請求項1】
透明ないし半透明の粘着フィルムないしシートよりなる粘着紙と、
その粘着面に表面側が貼り付けられた複数の宝飾用粒子素材と、
粘着紙の背面において前記各粒子素材をサンドイッチした状態で粘着紙に貼着されたパターン保護用の剥離紙とを備えたことを特徴とする手芸用宝飾ユニット。
・・・中略・・・
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項記載の手芸用宝飾ユニットを用いた加飾用加工方法であって、
前記ユニットより剥離紙をはがして各粒子素材を前記粘着紙の裏面に粘着保持した状態で、粘着紙上に露出している各粒子素材の裏面にそれぞれ接着剤を塗布し、塗布作業後粘着紙を表面として加飾対象物品表面に仮固定し、接着剤硬化後粘着紙をはがすことで、前記粒子素材をその模様パターンに保持した状態で加飾対象物品表面に貼着固定するものであることを特徴とする手芸用宝飾物品の加工方法。」(第2頁の特許請求の範囲)

b.「【0015】
以下本発明の好ましい実施の形態につき添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明が適用される粒子素材を示すものである。図における粒子素子1は透明ないし各色に着色された着色透明の天然または人工の宝石素材をダイヤモンドカット形状などの多角形状に成形加工した裏面平坦な断面台形状の粒子本体2と、粒子本体2の裏面にコーティングされた反射体となる座体3からなるもので、この粒子素材1の大きさは実際には直径2?6mm程度の各種大きさの粒子となっている。 座体3はアルミ、銀などの薄板であり、本体2に入光された光を効率よく反射させて輝きをもたらす機能及び、後述する接着剤に対する接着台座としての付着をもたらすためのものである。
【0016】
各粒子素子1は所定の模様パターンで集合配列され、図2、及び図3(a)に示すように、透明ないし半透明の弱粘着フィルムないしシートよりなる粘着紙4の粘着面4aに表面側が固定され、その裏面に台紙兼用の剥離紙5でサンドイッチされ、宝飾ユニット6として完成する。そして、この宝飾ユニット6を透明ビニール袋などに入れて個別に店頭販売することができる。
【0017】
一例として、図2(a)は各色及び各大きさの粒子素子1をハート形模様と花柄模様に集合した状態を示し、(b)は花柄と虹などの模様に集合した状態を示し、(c)は各種花柄模様を散らした状態を示すものである。」(第3頁第49?第4頁第18行)

c.「【0021】
経時後に接着剤9が完全硬化したならば、粘着紙4を表面から引き剥がせば、接着剤9の接着力との差によって粘着紙4のみが引き剥がされ、(e)に示すように、粒子素子1のみが加飾対象物品10の表面に強固に固定されたまま残置され、加工が終了する。
【0022】
図4は一例として、加飾対象物品10が携帯電話である場合の適用例を示すもので、図示例では図2(a)に示されるハートと花柄が転写されているほか、適宜な花模様を表面の各部に配置している場合を示し、オリジナルの電話に比べて視覚的には携帯電話表面に輝きを持つハートや花柄の模様が立体的に象嵌され、豪華な外観となる。」(第4頁第43行?第5頁第1行)

6.当審の判断
6-1.先願発明について
上記甲第1号証の記載a?cを含む明細書及び図面の記載からみて、甲第1号証には、下記の発明が記載されている。なお、甲第1号証の記載「【0021】 経時後に接着剤9が完全硬化したならば、粘着紙4を表面から引き剥がせば、接着剤9の接着力との差によって粘着紙4のみが引き剥がされ」に照らせば、先願発明の粘着面(4a)が仮接着用であることは明らかである。

「裏面に仮接着用の粘着面(4a)を備えた透明な粘着紙(4)と、
該透明な粘着紙(4)に接着されるものであって、裏面平坦な断面台形状の粒子本体2と、粒子本体2の裏面にコーティングされ反射体となって輝きをもたらす座体3で形成した粒子素子(1)、
及び粒子素子(1)の下面に配置され且つ粘着紙(4)と接着する剥離紙(5)からなる携帯電話用宝飾ユニットであって、
前記粒子素子(1)が花柄等の飾りパターンを形成し、剥離紙(5)を剥離後、粒子素子(1)の裏面に接着剤(9)を塗布すると携帯電話に直接貼着できることを特徴とする携帯電話用宝飾ユニット。」(以下、「先願発明」という。)

6-2.対比
本件考案と先願発明とを対比する。
イ)先願発明の「粘着面(4a)を備えた透明な粘着紙(4)」、「宝飾ユニット」は、それぞれ本件考案の「粘着剤を塗布した透明フィルム」、「飾り具」に相当することが明らかである。
ロ)また、先願発明の「剥離紙(5)」は「シート」の一種であること、及び先願発明の「粒子本体(2)」は「粒状構成子」の一種であることが明らかである。

そうすると、両者は、以下の点で一致し、相違する。

(一致点)
裏面に仮接着用の粘着剤を塗布した透明フィルムと、
該透明フィルムに接着される粒状構成子、
及び粒状構成子の下面に配置され且つ透明フィルムと接着するシート
からなる携帯電話用飾り具であって、
前記粒状構成子が花柄等の飾りパターンを形成し、シート剥離後粒状構成子裏面に接着剤を塗布すると、携帯電話に直接貼着できることを特徴とする携帯電話用飾り具。

(相違点1)
本件考案の粒状構成子が「フラット状の粒状構成子で形成した光輝片」であるのに対し、先願発明の粒状構成子は「裏面平坦な断面台形状の粒子本体(2)と、粒子本体(2)の裏面にコーティングされ反射体となって輝きをもたらす座体(3)で形成した粒子素子(1)」である点。

(相違点2)
本件考案のシートが「色シート」であるのに対し、先願発明の剥離紙(5)には「着色」について明示がない点

6-3.判断
上記相違点1、2について検討する。

(相違点1)について
先願発明の粒子素子(1)の裏面は、裏面が平坦(即ち、フラット)な粒子本体2の裏面にコーティングされたものなのだから、コーティング表面である粒子素子(1)の裏面もまた、フラット状であることが明らかである。また、先願発明の座体(3)は、「反射体となって輝きをもたらす」ものであるとともに、粒子本体(2)が着色透明のダイヤモンドカット形状(【0015】の記載参照)なのだから、これらから形成される先願発明の粒子素子(1)全体は、光り輝くことが自明である。よって、これら「フラット状」及び「光り輝く」の点において、先願発明の粒子素子(1)全体は、本件発明の光輝片と実質的に差異のないものである。

(相違点2)について
甲第1号証の段落【0016】記載によれば、先願発明の宝飾ユニットは、粘着紙と台紙兼用の剥離紙とが裏表になった宝飾ユニットとして店頭に並べられるのだから、台紙兼用の剥離紙に適宜色を施すこと、商品の見栄えを良くし、客の気を引く等のための常套手段として本願出願前に周知慣用のものである。
よって、本相違点は微差に過ぎない。

7.むすび
以上のとおりであるから、本件考案は先願発明と実質的に同一であり、しかも本件考案の考案者が上記先願発明の発明者と同一であるとも、また、本件出願の出願時に、本件出願の出願人が上記先願の出願人と同一であるとも認められないから、本件考案についての実用新案登録は、実用新案法第3条の2の規定に違反してなされたものであって、同法第37条第1項第2号に該当し、無効とすべきものである。
審判に関する費用については、実用新案法第41条において準用する特許法第169条第2項の規定でさらに準用する民事訴訟法第61条の規定により、被請求人が負担すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2005-12-14 
結審通知日 2005-12-16 
審決日 2005-12-27 
出願番号 実願2004-4842(U2004-4842) 
審決分類 U 1 114・ 161- Z (H04M)
最終処分 成立  
特許庁審判長 羽鳥 賢一
特許庁審判官 小林 紀和
山本 春樹
登録日 2005-03-30 
登録番号 実用新案登録第3109303号(U3109303) 
考案の名称 携帯電話用飾り具  
代理人 西村 教光  
代理人 金子 幸彦  
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