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審決分類 審判    G06K
審判    G06K
管理番号 1160506
審判番号 無効2006-40006  
総通号数 92 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2007-08-31 
種別 無効の審決 
審判請求日 2006-05-23 
確定日 2007-06-25 
事件の表示 上記当事者間の登録第3098193号実用新案「多伝送パネルメモリカード」の実用新案登録無効審判事件について、次のとおり審決する。   
結論 実用新案登録第3098193号の請求項1乃至6に係る考案についての実用新案登録を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1.手続の経緯
本件実用新案登録第3098193号に係る考案は、平成15年5月29日に実用新案登録願2003-3104号として出願されたものであって、平成15年9月17日に、その考案について実用新案登録がなされたものである。

これに対して、平成18年5月23日に審判請求人・八達創新科技股▲分▼有限公司により無効審判の請求がなされたところ、被請求人(実用新案登録権者)・陳建源外1名より平成18年10月10日付けで審判事件答弁書が提出され、その後、請求人より平成18年11月24日に上申書が提出されたものである。

2.本件考案
本件実用新案登録第3098193号の請求項1乃至6に係る考案(以下、それぞれ「本件考案1」乃至「本件考案6」といい、それらをまとめて「本件考案」という。)は、明細書及び図面の記載から見て、その実用新案登録請求の範囲1乃至6に記載されたつぎのとおりのものである。

「【請求項1】 メモリカード本体にコントロールチップ、メモリチップ、メモリカードパネル、接続パネルを有し、前記コントロールチップ、メモリチップにメモリカードパネル及び接続パネルが電気的に接続していることを特徴とする多伝送パネルメモリカード。
【請求項2】 上記コントロールチップについてはメモリカードコントローラー、一フラッシュコントローラーユニット、低電圧差信号伝送機能パネル、低電圧差信号伝送ロジック物理パネル、低電圧差信号伝送コントローラーが包括される請求項1に記載の多伝送パネルメモリカード。
【請求項3】 上記メモリチップは複数のフラッシュメモリによって構成される請求項1に記載の多伝送パネルメモリカード。
【請求項4】 上記おいて、このうち当該メモリチップは複数の読み込みメモリによって構成される請求項1に記載の多伝送パネルメモリカード。
【請求項5】 上記パネルはUSBもしくはこれと同機能を備える電子電機工程師協会IEEEが制定した1394基準シリーズの接続パネルに連結された請求項1に記載の多伝送パネルメモリカード。
【請求項6】 上記メモリカード本体と接続パネルの相互連結については、当該接続パネルは軸体を円心に回転する請求項1に記載の多伝送パネルメモリカード。」

なお、請求項4における「上記おいて」という記載は「上記において」の誤記であると認める。

3.請求人の主張の概要
請求人は、下記甲第1号証乃至甲第5号証を提出し、審判請求書、平成18年11月24日付け提出の上申書において、本件考案は、甲第1号証乃至甲第4号証に記載された考案と同一、若しくはそれらの考案に基づいて、当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、実用新案法第3条第1項第3号、若しくは同法第3条第2項の規定により、実用新案登録を受けることができないものであり、同法第37条第1項第2号に該当し、無効とされるべきであると主張している。

〔証拠方法〕
甲第1号証:特開2001-166858号公報
甲第2号証:特開2001-307038号公報
甲第3号証:実用新案登録第3092866号公報
甲第4号証:実用新案登録第3089717号公報
甲第5号証:実願2003-3104(実用新案登録第3098193号)実用新案技術評価書

4.被請求人の主張の概要
被請求人は、上記請求人の主張に対して、平成18年10月10日付け提出の答弁書において、下記(a)乃至(b)を主張し、本件考案は、甲第1号証、若しくは甲第3号証の考案とは同一ではなく新規性を有しており、また、本件考案は、甲第1号証及び甲第3号証、甲第4号証に記載された考案に基づいて、当業者がきわめて容易に考案をすることができたものとはいえないので、実用新案法第3条第2項の規定に違反するものではないから、同法第37条第1項第2号には該当せず、本件無効審判の請求は成り立たない旨主張している。

(a)
「本件実用新案の「メモリカードパネル(84)」と「接続パネル(85)」は、メモリカード本体(80)に対して、互いに反対位置となる両端側に配されているとともに、電気的な接点が互いに反対面に位置するように構成されている(本件実用新案公報の図4及び図5を参照)。」と主張した上で、
「本件実用新案の「メモリカードパネル(84)と接続パネル(85)とがメモリカード本体(80)に対して、互いに反対位置となる両端側に配されている構成」、及び「メモリカードパネル(84)と接続パネル(85)の電気的な接点が互いに反対面に位置するように配されている構成」で明らかに相違するものであり、本件考案は甲第1号証の考案とは同一でなく新規性を有している。」と主張している。

(b)
「甲第4号証において、本件実用新案の接続パネルに該当するUSBプラグが回転する構成は、甲第4号証の段落番号0018の「USBプラグを必要に応じて押し出し、水平回転、或いは回転方式で突出させて使用に供することができ、また、スロット中に収容することができ、並びにもとのメモリカードの寸法、外観に影響を与えず、且つ位置決めが容易で、使用が簡便な効果を有する。」との記載から明らかなように、使用の際にのみ回転させて突出させ、通常時は収納するための回転連結構造にすぎない。
これに対して本件実用新案の回転連結構造は、段落番号0012の最終2行の「接続パネル285をコンピュータメインマシンに接続して多角度性の変化を与え、空間の制限を設けない」との記載から明らかなように、使用時に際しての空間の有効利用のための構造(適宜角度に折り曲げて接続可能とすることで、狭い空間でのメモリカード本体の使用を可能とする)である。」と主張した上で、
「本件実用新案のメモリカード本体に対する接続パネルの回転連結構造は、甲第4号証の構造とは目的及びそれによる効果が全く異なるものであり、甲第4号証に記載の内容をもって、本件考案の回転連結構造がきわめて容易に考案し得たものでない」と主張している。
また、「本件考案と甲第3号証の考案とは、「メモリカード本体と接続パネルの相互連結について、当該接続パネルが軸体を円心に回転する構成」で相違しているので、同一ではなく新規性を有している。」とも主張している。

5.甲第1号証乃至甲第5号証の記載事項
請求人が提出した、本件出願前に頒布された刊行物である甲第1号証乃至甲第4号証、及び甲第5号証には、以下の事項が記載されている。

(a)甲第1号証(特開2001-166858号公報)
甲第1号証刊行物(以下、「刊行物1」という)は、平成13年6月22日に特許庁より頒布された公開特許公報であって、以下の点が記載されている。

(ア)「【0007】
【発明の実施の形態】以下図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0008】図1に示した本発明の回路図のように、一つのマイクロコントロールユニット(10)と一つのメモリーモジュール(20)が本発明に含まれる。マイクロコントロールユニット(10)が同時に二組のI/Oインターフェイスを備える。一組のI/Oインターフェイスは、コンピュータの相応するインターフェイスハブとの接続用で、本実施の形態においてはUSBインターフェイスである。もう一組のI/Oインターフェイスは、HOSTインターフェイスとして製品との接続に用いられる。本発明の実施の形態において、それはSPIフォーマットである。またメモリーモジュール(20)として、フラッシュメモリー或は読出し専用メモリーが適用できる。本発明の実施の形態においては、メモリーモジュールはいくつかのフラッシュメモリーを適用する。
【0009】前述のマイクロコントロールユニット(10)に関する内部構造は、図2を参照されたい。図2に示すように、マイクロコントロールユニット(10)には、一つのマイクロプロセッサー(11)、一つのメモリーインターフェイス(12)、一つのUSBインターフェイスコントローラ(13)、一つのHOSTインターフェイスコントローラなどが含まれる。前記マイクロプロセッサー(11)には、関連するファームウェアがインストールされているので、各種データの出し入れ転換処理ができる。前記メモリーインターフェイス(12)は、メモリーモジュール(20)、マイクロプロセッサー(11)、USBインターフェイスコントローラ(13)とHOSTインターフェイスコントローラ(14)間の接続インターフェイスとなる。 ・・・(後略)・・・」

(イ)「【0012】 ・・・(中略)・・・ メモリーカード(30)に前述したマイクロコントロールユニット(10)とメモリーモジュール(20)が組み込まれている。また、その先端にインターフェイスとしてのピンハブがある。その中、四組のピンはマイクロコントローラユニット(10)のUSBインターフェイスコントローラ(13)につながるUSBインターフェイスであって、残りのピンはマイクロコントローラユニット(10)のHOSTインターフェイスコントローラ(14)につながるHOSTインターフェイスである。
【0013】コンピュータのUSBインターフェイスに接続するために、該当メモリーカード(30)に変換アダプタ(40)が用意される。この変換アダプタ(40)をコンピュータのUSBインターフェイスに挿し込むことでコネクトする。 ・・・(後略)・・・」

(ウ)「【0016】上述した説明から、本発明がUSBインターフェイスとHOSTインターフェイスを併せ持ったメモリーカードを提供することが理解される。 ・・・(後略)・・・」

したがって、刊行物1には、上記の(ア)?(ウ)、及び図1、2の記載を参照すると、下記の考案(以下、「刊行物1に記載された考案」という)が記載されている。

メモリカードにマイクロコントロールユニットとメモリーモジュールが組み込まれ、前記メモリカードの先端にHOSTインターフェイス、及びUSBインターフェイスを有し、前記マイクロコントロールユニットに一つのマイクロプロセッサー、一つのメモリーインターフェイス、前記USBインターフェイスにつながる一つのUSBインターフェイスコントローラ、及び前記HOSTインターフェイスにつながる一つのHOSTインターフェイスコントローラが含まれ、前記メモリーインターフェイスを介して、前記マイクロプロセッサー、前記メモリーモジュール、前記USBインターフェイスコントローラ、及び前記HOSTインターフェイスコントローラが電気的に接続され、
前記メモリモジュールは、いくつかのフラッシュメモリ、或は読出し専用メモリーによって構成されることを特徴とする二組のI/Oインターフェイスを備えるメモリカード。

(b)甲第2号証(特開2001-307038号公報)
甲第2号証刊行物(以下、「刊行物2」という)は、平成13年11月2日に特許庁より頒布された公開特許公報であって、以下の点が記載されている。

(エ)「【請求項1】 一つのマイクロコントロールユニットと、
外部接続のコンピュータ或いは製品がマイクロコントロールユニットを通してデータの読み書きを行う、一つのメモリーモジュールと、
マイクロコントロールユニットを通してメモリーモジュールと接続し、データのI/Oをコントロールし、コンピュータと接続するために、異なったインターフェースハブの規格に準拠する、一組以上の接続インターフェースと、
デジタル製品と接続し、データの記録保存機能を提供する、一つの製品インターフェースとより構成することを特徴とする、
マルチインターフェースを有するメモリーカード。」

(オ)「【0031】<ハ>使用状態
図5は、本発明のマルチインターフェースを有するメモリーカード50の使用状態を示すものである。前記メモリーカード50は、USBコネクタ64或いはIEEE1394コネクタ65を介し、対象とするコンピュータの該当拡張スロットにプラグインすることができる。また、変換アダプタ60の内部にあるメモリーカード50は、USBコネクタ或いはIEEE1394コネクタを介してコンピュータとの接続を完了する。」

したがって、刊行物2には、下記の考案(以下、「刊行物2に記載された考案」という)が記載されている。

マルチインタフェースを有するメモリカードであって、USBコネクタあるいはIEEE1394コネクタを介してコンピュータと接続することを特徴とするメモリカード。

(c)甲第3号証(実用新案登録第3092866号公報)
甲第3号証刊行物(以下、「刊行物3」という)は、平成15年4月4日に特許庁より頒布された登録実用新案公報であって、以下の点が記載されている。

(カ)「 【0011】
図3を参照すると、本考案において開示されている2重インタフェースメモリカードデバイスにおける回路のブロック図が説明されている。メモリカードが2つのディジタルデータ伝送インタフェース、アプリケーションシステムインタフェースおよびUSBインタフェースを有していることが見てとられる。データがシステムコネクタ150を介して、適用された(applied)システムからメモリカードへ伝送された後、データは内部メモリ160に保存される。メモリカードが適用されたシステムから取り出されると、以前に設計されたUSBの低い高さのコネクタ100が、コンピュータの主ユニットのUSBインタフェースと接続するために使用されることができる。すなわち、メモリカードがコンピュータのUSBスロットソケットに挿入されるとすぐ、USB導線ワイヤおよびUSBインタフェースカードリーダを介することなく、データがコンピュータ主ユニットに伝送されることができる。その場合、2重インタフェースコントローラ140は、関連する適用されたシステムインタフェースをUSBインタフェースに変える機能を提供している。」

(キ)「【0020】
・・・(中略)・・・ 図9を参照すると、メモリスティックカード、SDカードなどのような上述のUSBインタフェースコネクタを持ち、また、アプリケーションシステムを持つメモリ記憶装置に対するシステムブロック図が示されている。その中で、システム500Aは、上述のUSB平面電極接点504、通常のアプリケーションシステムに対するコネクタ505、データをUSB信号とアプリケーションインタフェース信号に変える2重インタフェース信号スイッチを持つコントローラ506およびメモリアレイのグループ507を備えている。
【0021】
・・・(中略)・・・ 図10を参照すると、USB信号を読み込み、書き込みを行うために備えられているUSB信号接触端300があり、異なるメモリカードに依存する異なる仕様を備えているメモリスティックカード(アプリケーションシステム)のインタフェース端400があることが、メモリスティックカードの断面図から見てとれる。すなわち、メモリ記憶装置は、2つの異なるインタフェース端、USBインタフェース端とアプリケーションインタフェース端を有することができ、その中で、USBインタフェース端は、ホスト端信号に接続されているインタフェースおよびデバイスとアプリケーションシステムの間で信号を接続する、MMC、SD…などのようなアプリケーションインタフェース端として働いている。」

(ク)「図9」には、500Aが、2重ポートUSBメモリカードシステムを示すことが記載されており、「図10」には、その両端に薄く扁平な接続端構造をした「アプリケーションインタフェース端400」、及び「USBインタフェースコネクタ」を備えている2重インタフェースメモリカードの横断図が記載されている。

よって、上記(カ)?(ク)の記載、図9、及び図10を参酌すると、メモリカードがコントローラ、メモリアレイのグループを有し、その両端に薄く扁平な接続端構造をした、USB信号接触端、及びメモリスティックカード(アプリケーションシステム)のインタフェース端を有することが認められることから、刊行物3には、下記の考案(以下、「刊行物3に記載された考案」という)が記載されている。

メモリカードが、データをUSB信号とアプリケーションインタフェース信号に変える2重インタフェース信号スイッチを持つコントローラ、メモリアレイのグループを有し、メモリカードの両端に薄く扁平な接続端構造をした、USB信号接触端、及びメモリスティックカード(アプリケーションシステム)のインタフェース端を有し、前記コントローラ、メモリアレイのグループ、USB信号接触端、及びメモリスティックカード(アプリケーションシステム)のインタフェース端が電気的に接続していることを特徴とする2つの異なるインタフェースを有するメモリカード。

(d)甲第4号証(実用新案登録第3089717号公報)
甲第4号証刊行物(以下、「刊行物4」という)は、平成14年11月8日に特許庁より頒布された登録実用新案公報であって、以下の点が記載されている。

(ケ)「【要約】
【課題】 USBプラグを具えたメモリカードの提供。
【解決手段】 USBプラグ、基板、少なくとも一つのフラッシュメモリ及びブリッジ、及び矩形框体を呈する一つのモジュールを具え、該モジュールが一体射出成形され並びに基板が該モジュール中に固定され、該モジュールの一側辺にピンが配置され、該側辺の対辺にスロットが設けられ、該スロット内にUSBプラグが収容され、該スロットによりUSBプラグが該モジュール外に案内されて引き出され、該USBプラグを具えたメモリカードが、双インタフェースデータ伝送機能を有し、該ブリッジチップを利用し、どの種類のインタフェースがデータをこれらフラッシュメモリとアクセスするかを判別すると共に、USBプラグにより本考案が携帯可能なモバイルディスクとされる。」

(コ)「【0013】
【考案の実施の形態】
・・・(中略)・・・ このCFカードはさらにタイプ1とタイプ2の二種類の型式があるが、いずれも同一規格に属し、いずれも50個のピン110を具えている。
・・・(中略)・・・
【0015】
図3は第1実施例の分解斜視図である。この押し出し式USBプラグのメモリカード100は、少なくとも、USBプラグ102、基板116、モジュール118、ピン110及び上、下銘板124、126を組み合わせてなる。この基板116は一つ以上のフラッシュメモリ122及び一つのブリッジチップ120を具え、ブリッジチップ120によりどの種類のインタフェースがデータの伝送を行い、並びにこのフラッシュメモリ122にアクセスするかを判読する。モジュール118は、矩形框体とされ、一体射出成形のゴム/プラスチックとされ、並びに基板116が矩形框体中に固定され、モジュール118の一側辺にピン110が配置され、それは標準50ピンとされる。その側辺の対辺に一つのスロット108が設けられ、USBプラグ102がそのなかに収容され、並びにスロット108の二つの平行框に沿ってUSBプラグ102がモジュール118外に引き出されうる。 ・・・(中略)・・・ これから分かるように、この押し出し式USBプラグのメモリカード100は、双インタフェース(CFとUSB)のデータ伝送機能を有し、大幅にそのうちの任意の一つのインタフェースを運用する全てのディジタル製品とコンピュータ周辺製品を整合することができ、ゆえに新興の保存メディアの寵児となる。」

(サ)「【0018】
図5は本考案のUSBプラグをメモリカード外に回転して露出させる動作を示す。この回転式USBプラグのメモリカード300もまた本考案の実施例である。本実施例と図1の実施例との違いは回転方式で突出させられることである。特に、スロット308の両側框にUSBプラグ302の後端部分の第2回転軸304が固定され、並びにこの第2回転軸304が適当な角度回転させられ(約180°)、回転突出後のUSBプラグ302aが、その他のUSBソケットとの連接に供され、これもまたリムーバブルハードディスクとなる。 ・・・(後略)・・・」

上記(ケ)?(サ)の記載、及び図4、5を参照すると、刊行物4には、下記の考案(以下、「刊行物4に記載された考案」という)が記載されている。

メモリカード本体に、どの種類のインタフェースがデータの伝送を行い、並びに一つ以上のフラッシュメモリにアクセスするかを判読するブリッジチップ、一つ以上のフラッシュメモリ、CFカードとしての規格に属した50個のピン、前記ピンとは反対の対辺に設けられたUSBプラグを有し、前記ブリッジチップ、一つ以上のフラッシュメモリにピン、及びUSBプラグが電気的に接続し、2つのインタフェース(CFとUSB)のデータ伝送機能を有したメモリカードであって、
前記USBプラグは、USBインターフェースを有するディジタル製品とコンピュータ周辺製品と連接されて、
前記USBプラグは、USBプラグの後端部分の第2回転軸304が固定され、並びにこの第2回転軸が適当な角度回転させる、回転の方式で突出させて使用に供する
ことを特徴とする、2つのインタフェース(CFとUSB)のデータ伝送機能を有したメモリカード。

(e)甲第5号証(実願2003-3104(実用新案登録第3098193号)実用新案技術評価書)
甲第5号証は、平成18年2月13日付けで作成された本件登録実用新案の実用新案技術評価書であって、前記実用新案技術評価書には、本件登録実用新案の請求項1乃至6に係る考案について、刊行物3,及び刊行物4に記載された考案と対比判断することで、新規性なしとする評価1、若しくは進歩性なしとする評価2の評価がなされている。

6.当審の判断
A.本件考案1について
(a)対比・判断
本件考案1と刊行物4に記載された考案とを対比すると、
両者は共に、メモリカードであって、
刊行物4に記載された考案の「ブリッジチップ」、及び「フラッシュメモリ」は、それぞれ本件考案1の「コントロールチップ」、及び「メモリチップ」に相当する。
また、刊行物4に記載された考案のメモリカードは、2つのインタフェース(CFとUSB)のデータ伝送機能を有していることから、本件考案1の「多伝送パネルメモリカード」に相当する。
また、刊行物4に記載された考案の「ピン」は、CFカードとしての規格に属した接続用のインタフェースであることから、本件考案1の「メモリカードパネル」とメモリカードインタフェースである点で共通する。
また、刊行物4に記載された考案の「USBプラグ」は、USBインタフェースの規格に属した接続用のインタフェースであることから、本件考案1の「接続パネル」と接続インタフェースである点で共通する。
そして、刊行物4に記載された考案の「ブリッジチップ」、「フラッシュメモリ」、「ピン」、及び「USBプラグ」が電気的に接続されており、本件考案1の「コントロールチップ」、「メモリチップ」、「メモリカードパネル」、及び「接続パネル」が電気的に接続されているものに相当する。

してみれば、本件考案1と刊行物4に記載された考案との一致点及び相違点は以下のとおりである。

〔一致点〕
メモリカード本体にコントロールチップ、メモリチップ、メモリカードインタフェース、接続インタフェースを有し、前記コントロールチップ、メモリチップにメモリカードインタフェース及び接続インタフェースが電気的に接続していることを特徴とする多伝送パネルメモリカード。

〔相違点1〕
「メモリカードインタフェース」に関して、本件考案1が「メモリカードパネル」であるのに対し、刊行物4に記載された考案が「ピン」である点。

〔相違点2〕
「接続インタフェース」に関して、本件考案1が「接続パネル」であるのに対し、刊行物4に記載された考案が「USBプラグ」である点。

(b)相違点についての当審の判断
刊行物3に記載された考案のメモリカードが、その両端に平らにされた薄く扁平な構造(本件考案1の「パネル」に相当)をした、USB信号接触端、及びメモリスティックカード(アプリケーションシステム)のインタフェースを有するように、接続インタフェースとして「パネル」構造は当業者にとって周知である。
したがって、刊行物4に記載された考案のメモリカードの、「ピン」及び「USBプラグ」に前記周知技術を適用することで、本件考案1のような「メモリカードパネル」及び「接続パネル」とすることは、当業者がきわめて容易になし得たものである。
よって、〔相違点1〕及び〔相違点2〕は、当業者にとって格別のものではない。

(c)まとめ
以上のとおりであるので、本件考案1は、刊行物4に記載された考案、及び周知技術に基づいて当業者がきわめて容易に考案できたものである。
したがって、本件考案1は、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないものである。

B.本件考案2について
本件考案2は、本件考案1を前提として、コントロールチップについて、「メモリカードコントローラー、一フラッシュコントローラーユニット、低電圧差信号伝送機能パネル、低電圧差信号伝送ロジック物理パネル、低電圧差信号伝送コントローラーが包括される」ものに限定するものである。

(a)対比
そこで、本件考案2と刊行物4に記載された考案とを対比すると、本件考案1で述べた〔相違点1〕及び〔相違点2〕に加えて、以下の点で相違している。

〔相違点3〕
本件考案2の「コントロールチップ」については、「メモリカードコントローラー、一フラッシュコントローラーユニット、低電圧差信号伝送機能パネル、低電圧差信号伝送ロジック物理パネル、低電圧差信号伝送コントローラーが包括される」のに対して、刊行物4に記載された考案の「ブリッジチップ」については、そのような構成を有するかどうか不明である点。

(b)相違点についての当審の判断
本件考案2と刊行物4に記載された考案との〔相違点1〕及び〔相違点2〕についての判断は上記した本件考案1の〔相違点1〕及び〔相違点2〕についての判断と同じである。

そこで、上記〔相違点3〕について判断すると、
刊行物4に記載された考案は、CFカードとしてのインタフェースを有することからすれば、CFカードとして機能させるためのコントローラー相当の機能(本件考案2の「メモリカードコントローラー」)を有することは、当業者であれば、きわめて容易に想到し得たものである。
同じく、刊行物4に記載された考案は、フラッシュメモリ122を有するからすれば、フラッシュメモリを制御するためのコントローラー相当の機能(本件考案2の「一フラッシュコントローラーユニット」)を有することは、当業者であれば、きわめて容易に想到し得たものである。
同じく、刊行物4に記載された考案が、USB接続インタフェースを有しており、当業者にとってデジタル信号接続技術として低電圧差信号方式が周知であることを勘案すれば、本件考案2のように「低電圧差信号伝送機能パネル、低電圧差信号伝送ロジック物理パネル、低電圧差信号伝送コントローラー」を有するようにすることは当業者であれば、きわめて容易に想到し得たものである。
よって、〔相違点3〕は、当業者にとって格別のものではない。

(c)まとめ
以上のとおりであるので、本件考案2は、刊行物4に記載された考案、及び周知技術に基づいて当業者がきわめて容易に考案できたものである。
したがって、本件考案2は、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないものである。

C.本件考案3について
本件考案3は、本件考案1を前提として、「メモリチップ」は「複数のフラッシュメモリによって構成される」ものに限定するものである。

(a)対比
そこで、本件考案3と刊行物4に記載された考案とを対比すると、
刊行物4に記載された考案における「フラッシュメモリ」も、「一つ以上のフラッシュメモリ」を有するものであることから、本件考案3と刊行物4に記載された考案とは、本件考案1で述べた〔相違点1〕及び〔相違点2〕で相違しているのみである。

(b)相違点についての当審の判断
本件考案3と刊行物4に記載された考案との〔相違点1〕及び〔相違点2〕についての判断は上記した本件考案1の〔相違点1〕及び〔相違点2〕についての判断と同じである。

(c)まとめ
以上のとおりであるので、本件考案3は、刊行物4に記載された考案、及び周知技術に基づいて当業者がきわめて容易に考案できたものである。
したがって、本件考案3は、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないものである。

D.本件考案4について
本件考案4は、本件考案1を前提として、「メモリチップ」は「複数の読み込みメモリによって構成される」ものに限定するものである。

(a)対比
そこで、本件考案4と刊行物4に記載された考案とを対比すると、本件考案1で述べた〔相違点1〕及び〔相違点2〕に加えて、以下の点で相違している。

〔相違点4〕
本件考案4では、「メモリチップ」は「複数の読み込みメモリによって構成」されているのに対して、刊行物4に記載された考案においては、「フラッシュメモリ」で構成されている点。

(b)相違点についての当審の判断
本件考案4と刊行物4に記載された考案との〔相違点1〕及び〔相違点2〕についての判断は上記した本件考案1の〔相違点1〕及び〔相違点2〕についての判断と同じである。

そこで、〔相違点4〕について判断すると、
メモリチップとして、刊行物1に記載された考案のような「複数の読出し専用メモリー」、または刊行物3に記載された考案のような「メモリアレイのグループ」とすることは当業者にとって周知技術であることを勘案すれば、刊行物4に記載された考案における「フラッシュメモリ」を本件考案4のように「複数の読み込みメモリ」とすることは、当業者であれば、きわめて容易に想到し得たものである。
よって、〔相違点4〕は、当業者にとって格別のものではない。

(c)まとめ
以上のとおりであるので、本件考案4は、刊行物4に記載された考案、及び周知技術に基づいて当業者がきわめて容易に考案できたものである。
したがって、本件考案4は、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないものである。

E.本件考案5について
本件考案5は本件考案1を前提として、「USBもしくはこれと同機能を備える電子電機工程師協会IEEEが制定した1394基準シリーズの接続パネルに連結された」ものに限定するものである。

(a)対比
そこで、本件考案5と刊行物4に記載された考案とを対比すると、本件考案1で述べた〔相違点1〕及び〔相違点2〕に加えて、以下の点で相違している。

〔相違点5〕
本件考案5では、「USBもしくはこれと同機能を備える電子電機工程師協会IEEEが制定した1394基準シリーズの接続パネルに連結され」ているのに対して、刊行物4に記載された考案においては、「USBプラグ」で連結されている点。

(b)相違点についての当審の判断
本件考案5と刊行物4に記載された考案との〔相違点1〕及び〔相違点2〕についての判断は上記した本件考案1の〔相違点1〕及び〔相違点2〕についての判断と同じである。

そこで、〔相違点5〕について判断すると、
刊行物2に記載された考案のメモリカードがUSBコネクタあるいはIEEE1394コネクタを介してコンピュータと連結する構成を有することからわかるように、当業者にとって、USBコネクタあるいはIEEE1394コネクタを有するメモリカードは、周知技術であることを勘案すれば、刊行物4に記載された考案における「USBプラグ」を本件考案5のように「USBもしくはこれと同機能を備える電子電機工程師協会IEEEが制定した1394基準シリーズの接続パネルに連結され」たものとすることは、当業者であれば、きわめて容易に想到し得たものである。
よって、〔相違点5〕は、当業者にとって格別のものではない。

F.本件考案6について
本件考案6は、本件考案1を前提として、「メモリカード本体と接続パネルの相互連結については、当該接続パネルは軸体を円心に回転する」ものに限定するものである。

(a)対比
そこで、本件考案6と刊行物4に記載された考案とを対比すると、
刊行物4に記載された考案においても、USBプラグは、後端部分の第2回転軸が適当な角度回転させる、回転の方式で突出させて使用に供するような構造となっている。
してみれば、刊行物4に記載された考案における「メモリカード本体」と「USBプラグ」の相互連結については、当該「USBプラグ」は、軸体に相当する「第2回転軸」を中心に、回転する構造となっていると認められる。
そして、本件考案6の「円心に回転する」とは、円の中心として回転するという意味であることを勘案すれば、刊行物4に記載された考案における「メモリカード本体」と「USBプラグ」の相互連結について、当該「USBプラグ」は、軸体に相当する「第2回転軸」を円心に回転する構造となっていると認められる。
してみれば、刊行物4に記載された考案においても、メモリカード本体と「USBプラグ」の相互連結については、軸体を円心に回転するものであることから、本件考案6と刊行物4に記載された考案とは、本件考案1で述べた〔相違点1〕及び〔相違点2〕で相違しているのみである。

(b)相違点についての当審の判断
本件考案6と刊行物4に記載された考案との〔相違点1〕及び〔相違点2〕についての判断は上記した本件考案1の〔相違点1〕及び〔相違点2〕についての判断と同じである。

(c)まとめ
以上のとおりであるので、本件考案6は、刊行物4に記載された考案、及び周知技術に基づいて当業者がきわめて容易に考案できたものである。
したがって、本件考案6は、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないものである。

G.被請求人の主張について
G-1.被請求人は、平成18年10月10日付け提出の答弁書において、上記4.に記載したように、(a)乃至(b)を主張している。

G-2.検討
よって、被請求人の主張について以下に検討する。

(a)について
被請求人の主張「本件実用新案の「メモリカードパネル(84)」と「接続パネル(85)」は、メモリカード本体(80)に対して、互いに反対位置となる両端側に配されているとともに、電気的な接点が互いに反対面に位置するように構成されている(本件実用新案公報の図4及び図5を参照)。」は、本件実用新案の請求項1?6のいずれにおいても、特定された事項ではなく、前記主張は、実用新案登録請求の範囲の記載に基づいたものではない。
したがって、被請求人の主張(a)を採用することはできない。

(b)について
被請求人の主張「本件実用新案の回転連結構造は、段落番号0012の最終2行の「接続パネル285をコンピュータメインマシンに接続して多角度性の変化を与え、空間の制限を設けない」との記載から明らかなように、使用時に際しての空間の有効利用のための構造(適宜角度に折り曲げて接続可能とすることで、狭い空間でのメモリカード本体の使用を可能とする)である。」について、検討する。
本件実用新案の請求項6には「上記メモリカード本体と接続パネルの相互連結については、当該接続パネルは軸体を円心に回転する」とのみ記載されている。
したがって、請求項6記載の構成は、被請求人の主張するような「使用時に際しての空間の有効利用のための構造(適宜角度に折り曲げて接続可能とすることで、狭い空間でのメモリカード本体の使用を可能とする)」に特定したものではなく、単に「軸体を円心に回転する」ことを構成要件としているに過ぎず、前記主張は、実用新案登録請求の範囲の記載に基づいたものではない。
そして、刊行物4に記載された考案においても、前記Fで検討したように、メモリカード本体と「USBプラグ」の相互連結については、軸体を円心に回転するものであり、この点で両者の差異は認められない。
なお、被請求人は、「本件考案と甲第3号証の考案とは、「メモリカード本体と接続パネルの相互連結について、当該接続パネルが軸体を円心に回転する構成」で相違しているので、同一ではなく新規性を有している。」とも主張しているが、上記のとおり、本件考案は、刊行物4(甲第4号証)に記載された考案、及び周知技術から、当業者がきわめて容易に考案できたものである。
したがって、被請求人の主張(b)を採用することはできない。

7.結び
以上のとおりであるので、本件請求項1乃至請求項6に係る考案は、それぞれ、刊行物4に記載された考案、及び周知技術に基づいて当業者がきわめて容易に考案できたものである。
したがって、本件請求項1乃至請求項6に係る考案に係る考案は、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないものである。

よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2007-01-25 
結審通知日 2007-01-29 
審決日 2007-02-13 
出願番号 実願2003-3104(U2003-3104) 
審決分類 U 1 114・ 113- Z (G06K)
U 1 114・ 121- Z (G06K)
最終処分 成立  
特許庁審判長 赤川 誠一
特許庁審判官 青木 重徳
長島 孝志
登録日 2003-09-17 
登録番号 実用新案登録第3098193号(U3098193) 
考案の名称 多伝送パネルメモリカード  
代理人 山口 朔生  
代理人 志村 正和  
代理人 志村 正和  
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