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審決分類 審判 判定 同一 属さない(申立て不成立) B60R
管理番号 1233190
判定請求番号 判定2010-600051  
総通号数 136 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案判定公報 
発行日 2011-04-28 
種別 判定 
判定請求日 2010-08-27 
確定日 2011-02-24 
事件の表示 上記当事者間の登録第2563473号の判定請求事件について、次のとおり判定する。   
結論 イ号写真(写真1ないし写真7)に示す「電動格納式ドアミラー」は,登録第2563473号実用新案の請求項1に係る考案の技術的範囲に属しない。
理由 第1.請求の趣旨
本件判定請求は,イ号写真(写真1ないし写真7)に示す「電動格納式ドアミラー」が登録第2563473号実用新案の請求項1に係る考案の技術的範囲に属する,との判定を求めたものである。

第2.本件実用新案の手続の経緯と本件考案
本件実用新案の手続の経緯は,次のとおりである。
平成 5年 9月20日 実用新案登録出願(実願平5-55339号)
平成 9年11月14日 登録(実用新案登録第2563473号,
請求項の数3)
平成10年 8月20日 異議申立(平成10年異議74134号)
平成10年11月 5日 維持決定
平成22年 8月27日 本件判定請求
平成22年10月18日 答弁書提出

本件判定請求に係る考案は,登録第2563473号実用新案の請求項1に係る考案であり,実用新案登録第2563473号公報(甲第1号証)の記載からみて,その明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものと認める(以下,「本件考案」という。)。本件考案については,その構成要件をAからEに分説して記載し,以下,「構成要件A」などという。
A:電動格納式ドアミラーを格納あるいは復帰位置に回動させる駆動源のモータをフレームに固定し,
B:このモータに嵌合部を凹設し,
C:一方,上記モータに隣接した位置のフレームに接続端子を具備した基板を配設し,
D:前記モータの嵌合部に接続端子を嵌合して基板とモータとを固定する
E:ことを特徴とした電動格納式ドアミラー。

第3.イ号物品
判定請求書によれば,イ号写真に示す「電動格納式ドアミラー」,すなわち,イ号物品は,次のとおりのものである。イ号物品については,その構成をaからeに分説して記載し,以下,「構成a」などという。
a:電動格納式ドアミラーを格納あるいは復帰位置に回動させる駆動源のモータ(M)をフレーム本体(F1)に固定し,
b:モータ(M)に嵌合部(M1)を凹設し,
c:一方,モータ(M)を覆うモータカバー(F2)をフレーム本体(F1)に結合するとともに,モータカバー(F2)の内部空間に,接続端子(T)を具備した基板(K)を収容し,
d:前記モータ(M)の嵌合部(M1)に接続端子(T)を嵌合して基板(K)とモータ(M)とを固定する,
e:電動格納式ドアミラー。

第4.対比・判断
イ号物品の構成a,構成b,構成d,構成eが,本件考案の構成要件A,構成要件B,構成要件D,構成要件Eをそれぞれ充足することは明らかである。
そこで,イ号物品の構成cが本件考案の構成要件Cを充足するか否かについて検討する。
構成要件Cによれば,フレームに基板を配設することが特定されている。ここで,「配設する」の意味は,その文言だけでは必ずしも明確でないところ,以下の点(イ)ないし(ハ)を考慮すると,「固定する」もしくは「取り付ける」との意味に解するのが相当である。
(イ)本件実用新案の願書に添付した明細書の段落【0009】に「【考案の作用】本願考案は,基板とモータ間のワイヤハーネスによる溶接などの作業を排除したので,ワイヤハーネスを接続した基板をフレームに固定して,その接続端子をモータの嵌合部に差し込むだけでモータに通電することができる。」と記載されている。
(ロ)本件実用新案の願書に添付した明細書及び図面に記載された二つの実施例は,いずれも,基板がフレームに一体的に取り付けられたものといえる。
(ハ)本件実用新案の願書に添付した明細書には,以下のとおり,基板とフレームとの関係以外について記述した箇所でも,「配設」との文言が使われた記載があるところ,これらの箇所では,「配設」は「固定」もしくは「取り付け」を意味することが明らかである。
・実用新案登録請求の範囲の請求項2における「パターンの一端にモータの嵌合部に嵌入する接続端子を配設した」との記載
・段落【0004】における「このコネクタ50は,モータ51のケース52に端子53を配設し」との記載
・段落【0014】における「図示しないミラーハウジングを回動自在に支持するフレーム7の上部にホルダー8を配設している」との記載
したがって,本件考案は,基板がフレームに固定される,もしくは,基板がフレームに取り付けられるものであると解するのが相当である。
これに対して,イ号物品は,基板(K)がフレーム本体(F1)に結合されるモータカバー(F2)の内部空間に収容されるものであり,基板(K)とモータカバー(F2)との関係についてみると,基板(K)はモータカバー(F2)の内側に隙間を隔てて配置されると考えられる。また,イ号物品では,モータ(M)の嵌合部(M1)に基板(K)の接続端子(T)を嵌合することによって基板(K)とモータ(M)とを固定し,その後,基板(K)とモータ(M)とを覆うようにモータカバー(F2)をフレーム本体(F1)に取り付けるものと考えられ,基板(K)の取り付け自体に,モータカバー(F2)は関与していないというべきである。したがって,イ号物品は,基板(K)がモータカバー(F2)に固定されるものでも,基板(K)がモータカバー(F2)に取り付けられるものでもなく,そもそも,イ号物品のモータカバー(F2)は,本件考案の「フレーム」に対応するということもできない。
したがって,イ号物品の構成cは,本件考案の構成要件Cを充足しない。

第5.請求人の主張に対して
請求人は,フレーム本体(F1)には,基板(K)の矢印X方向へのズレを阻止する溝部(F11)と,基板(K)の矢印Y方向へのズレを阻止する突起部(F12)とが形成されており,また,モータカバー(F2)をフレーム本体(F1)に結合すると,モータカバー(F2)の上壁(F21)は基板(K)の上縁に対向して,基板(K)の矢印Z方向への移動を阻止するから,フレーム本体(F1)とモータカバー(F2)とによって基板(K)の位置決めがなされるようになり,使用上何ら問題が生じない程度の固定度で基板(K)が保持され,実質的にみれば,「基板(K)はフレーム本体(F1)に固定されている」といえる旨,予備的に主張する。
しかし,イ号物品の基板(K)は,あくまでモータ(M)に固定されるのであって,フレーム本体(F1)に,基板(K)の矢印X方向へのズレを阻止する溝部(F11)と,基板(K)の矢印Y方向へのズレを阻止する突起部(F12)とが形成されているとしても,基板(K)がモータ(M)に固定されていなければ,基板(K)のX方向及びY方向への移動がある程度許容されることを否定できない。Z方向への移動についても同様である。したがって,請求人の上記主張は採用できない。

第6.むすび
以上のとおり,イ号物品の構成cは,本件考案の構成要件Cを充足しないから,イ号物品は,本件考案の技術的範囲に属しない。
よって,結論のとおり判定する。
別掲
判定日 2011-02-14 
出願番号 実願平5-55339 
審決分類 U 1 2・ 1- ZB (B60R)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 水野 治彦  
特許庁審判長 千馬 隆之
特許庁審判官 田口 傑
小関 峰夫
登録日 1997-11-14 
登録番号 実用新案登録第2563473号(U2563473) 
考案の名称 電動格納式ドアミラー  
代理人 菅原 正倫  
代理人 町田 能章  
代理人 磯野 道造  
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