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審決分類 審判    A45D
審判    A45D
管理番号 1309592
審判番号 無効2014-400006  
総通号数 194 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2016-02-26 
種別 無効の審決 
審判請求日 2014-05-30 
確定日 2016-01-04 
事件の表示 上記当事者間の登録第3170596号実用新案「つけまつげ用の試着ツール」の実用新案登録無効審判事件について、次のとおり審決する。   
結論 実用新案登録第3170596号の請求項1ないし3、5ないし6、9ないし10に係る考案についての実用新案登録を無効とする。 実用新案登録第3170596号の請求項7ないし8に係る考案についての審判請求は、成り立たない。 審判費用は、その10分の2を請求人の負担とし、10分の8を被請求人の負担とする。
理由 I 手続の経緯
本件実用新案登録第3170596号(以下、「本件実用新案登録」という。)についての出願は、平成23年7月11日に実用新案登録出願され、平成23年8月31日にその請求項1?10に係る考案について実用新案登録の設定登録がなされた。
その後、請求項1?10に係る考案についての実用新案登録に対し、請求人(株式会社コージー本舗)より、平成26年5月29日付けでを無効とする審決を求める無効審判の請求がなされ、被請求人(株式会社ディー・アップ)より平成26年7月24日付けで審判事件答弁書及び実用新案法第14条の2第7項の訂正に係る訂正書(以下、「訂正書」という。)が提出され、被請求人より平成26年8月20日付け口頭審理陳述要領書が提出され、請求人より平成26年9月26日付け口頭審理陳述要領書が提出され、平成26年10月30日に口頭審理が行われ、請求人より平成26年11月10日付け上申書が提出され、被請求人より平成26年11月13日付け上申書が提出され、当審より平成26年11月28日付けで被請求人へ無効理由が通知されるとともに請求人へ職権審理結果が通知され、請求人より平成26年12月25日付け意見書が提出され、被請求人より平成26年12月26日付け意見書が提出された。

II 本件登録実用新案
本件実用新案登録の請求項1?10に係る考案は、願書に添付した実用新案登録請求の範囲に記載された以下の事項により特定されるとおりのものである。なお、請求項4は、訂正書による訂正により削除された(以下、「請求項1?10に係る考案」を「本件登録実用新案1?10」という。)。
「【請求項1】
つけまつげの試着に用いられる試着ツールであって、
使用者によって保持されるグリップ部と、
前記つけまつげの基端部を支持し、前記グリップ部から延びる棒状の支持部と、を有し、
前記支持部は、眼を開いたときの前記つけまつげの装着ラインに沿って延びていることを特徴とする試着ツール。
【請求項2】
前記グリップ部は、平板状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の試着ツール。
【請求項3】
前記グリップ部の幅は、前記支持部の幅よりも広いことを特徴とする請求項1又は2に記載の試着ツール。
【請求項5】
前記支持部は、三次元方向に曲げ形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の試着ツール。
【請求項6】
前記支持部は、黒色を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の試着ツール。
【請求項7】
前記支持部は、前記つけまつげの基端部が挿入される溝を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の試着ツール。
【請求項8】
前記溝は、前記つけまつげの基端部が取り付けられる傾斜面を含むことを特徴とする請求項7に記載の試着ツール。
【請求項9】
前記支持部の先端において、球状部を有することを特徴とする請求項1から8のいずれか1つに記載の試着ツール。
【請求項10】
前記球状部の幅は、前記支持部の幅よりも広いことを特徴とする請求項9に記載の試着ツール。」

III 両者の主張の概略
1 請求人の主張
本件登録実用新案1?5は、甲第1号証に記載された考案と同一であるから、実用新案法第3条第1項第3号の規定により実用新案登録を受けることができないものであり、それらの実用新案登録は同法第37条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。
本件登録実用新案1、5、6は、甲第2号証乃至甲第4号証に記載された技術により、実用新案法第3条第1項第2号の考案であるから実用新案登録を受けることができないものであり、それらの実用新案登録は同法第37条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。
本件登録実用新案1?5は、甲第5号証に記載された技術により、実用新案法第3条第1項第2号の考案であるから実用新案登録を受けることができないものであり、それらの実用新案登録は同法第37条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。
本件登録実用新案6は、甲第1号証に記載された考案及び甲第7号証に記載された周知技術に基づいて、当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないものであり、その実用新案登録は同法第37条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。
本件登録実用新案7、8は、甲第1号証に記載された考案、甲第8号証に記載された周知技術及び甲第9号証に記載された周知技術に基づいて、当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないものであり、それらの実用新案登録は同法第37条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。
本件登録実用新案9、10は、甲第1号証に記載された考案及び甲第10号証に記載された周知技術に基づいて、当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないものであり、それらの実用新案登録は同法第37条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。

〈証拠方法〉
甲第1号証:実用新案登録第3090262号公報
甲第2号証:ウェブサイト「いろは日記」2010年7月6日のブログ
甲第3号証:ウェブサイト「WOMANIA」2010年8月2日のブログ
甲第4号証:ウェブサイト「AFPBB News」2012年5月28日の記事
甲第5号証:ウェブサイト「Odette eye1as cosmetics」2011年5月25日のブログ
甲第6号証:特開2008-272320号公報
甲第7号証:実用新案登録第3116270号公報
甲第8号証:特開2011-106066号公報
甲第9号証:特開2002-300918号公報
甲第10号証:実用新案登録第3075428号公報
参考文献1:実願昭46-66842号(実開昭48-24687号)のマイクロフィルム

2 被請求人の主張
本件登録実用新案1?6は、甲第1号証?甲第5号証に記載された考案と同一ではなく、また、請求項6?10に係る考案は、甲第1号証、甲第7号証?甲第10号証に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案することができたものではないから、本件登録実用新案1?10についての実用新案登録は、実用新案法第37条第1項第2号に該当せず、無効にされるべきものではない。

IV 当審の通知した無効理由の概要
本件登録実用新案1?3は、下記の刊行物1に記載された考案であるから実用新案法第3条第1項第3号の考案に該当し、これらの考案について実用新案登録を受けることができないから、それらの実用新案登録は同法第37条第1項第2号に該当し無効とすべきである。
本件登録実用新案5は、下記の刊行物1に記載された考案であるから同法第3条第1項第3号の考案に該当し、または、下記の刊行物1に記載された考案と刊行物2に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから同法同条第2項の規定によりその考案について実用新案登録を受けることができないものであるから、その実用新案登録は同法第37条第1項第2号に該当し無効とすべきである。
本件登録実用新案6は、下記の刊行物1に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから同法同条第2項の規定によりその考案について実用新案登録を受けることができないものであり、その実用新案登録は同法第37条第1項第2号に該当し無効とすべきである。
本件登録実用新案9、10は、下記の刊行物1に記載された考案と刊行物3に記載された周知技術に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから同法同条第2項の規定によりそれらの考案について実用新案登録を受けることができないものであり、それらの実用新案登録は同法第37条第1項第2号に該当し無効とすべきである。

刊行物1:実用新案登録3116270号公報
刊行物2:実用新案登録第3090262号公報
刊行物3:実用新案登録第3075428号公報

V 当審の判断
1 引用刊行物
(1)刊行物1
本件実用新案登録の出願前に頒布された刊行物である実用新案登録3116270号公報(請求人の提出した甲第7号証、以下「刊行物1」という。)には、次のとおり記載されている。
(1-1)「【請求項1】
全体が細線状素材で形成されるカウンセリング用具であって、このカウンセリング用具の一端部に、前方に向かって円弧状に膨隆するつけ睫の仮接着部を形成し、この仮接着部の目頭側の端部を目にかからない位置で下方に屈曲して縦軸部を形成し、この縦軸部の下端を目と鼻にかからない位置で目尻側に屈曲して戻り勾配部を形成し、この戻り勾配部の下端をさらに下方に屈曲して延伸把持部を形成したことを特徴とするつけ睫カウンセリング用具。
【請求項2】
前記カウンセリング用具を金属又は合成樹脂製としたことを特徴とする請求項1記載のつけ睫カウンセリング用具。」
(1-2)「【技術分野】
【0001】
本考案は、顧客にとって似合うタイプのつけ睫を選択するために、美容相談員などが当該顧客につけ睫のカウンセリングをする際に、カウンセリングツールとして役立つ、つけ睫カウンセリング用具を得ることを目的とする。

(1-3)「【考案を実施するための最良の形態】
【0015】
以下添付図面に基づいて、本考案に係るつけ睫カウンセリング用具の実施例を詳説する。
図1は本考案のつけ睫カウンセリング用具の右目用の斜視図、図2は同左目用の斜視図、図3は同右目用の正面図、図4は同右側面図、図5は同平面図であり、図6はつけ睫カウンセリング用具につけ睫を仮接着する状態の拡大正面図、図7はつけ睫カウンセリング用具につけ睫を仮接着した状態の拡大斜視図、図8は前図のつけ睫カウンセリング用具を顔にあてがった状態の正面図であり、・・・。」
(1-4)「【第1実施の形態】
【0016】
本考案の第1実施の形態のつけ睫カウンセリング用具10は、全体がアルミニウム、ステンレスなどの金属、あるいは適宜の合成樹脂素材製の細線状素材で形成され、その素材には必要に応じて、好みの色彩、例えば肌色などに着色されるが、素材の地色で仕上られることもある。
【0017】
このカウンセリング用具10の一端部には、前方に向かって円弧状に膨隆するつけ睫の仮接着部1が形成されている。この仮接着部1には、商品たるつけ睫2が適宜の糊材料を介して仮接着される。
この仮接着部1の目頭側Aの端部は目4にかからない位置(被さらない位置のこと)で下方に屈曲して縦軸部3を形成している。この縦軸部3は、垂直状であることが好ましいが、必ずしも垂直状でなくても、それに近い状態であればかまわない。
【0018】
つぎにこの縦軸部3の下端を目4と鼻5にかからない位置(被さらない位置のこと)で目尻側Bに屈曲して戻り勾配部6を形成している。この戻り勾配部6は適宜の傾斜を有する状態で形成されるもので、目4と鼻5に重なり合わない状態となり、かつ目の周囲に圧迫感を与えないことを配慮して適宜設計を変更することも可能である。
【0019】
また本考案では、この戻り勾配部6の下端をさらに下方に屈曲して延伸把持部7を形成している。この延伸把持部7は使用者が自分の指8でつけ睫カウンセリング用具10を摘むための部位であるから、好ましくは摘んだつけ睫カウンセリング用具10を顔にあてがいやすくする位置(例えば、目4の下方中央付近)に来るようにすると一層使いやすい。
【0020】
さらに上記の仮接着部1と延伸把持部7のそれぞれの端縁を、安全上の目的から折り返し部9に形成しておくと、それぞれの端縁が丸みを帯びた状態となり、その端縁で指や顔を刺すような事故が起こりにくくなり、安全となる。
そもそも本考案のカウンセリング用具は、全体形状からその先端が目の前に来るようなことがないため、安全性への配慮が施されているが、折り返し部9の形成は更なる安全を追及して考えられたものである。」
(1-5)「【第4実施の形態】
【0023】
つぎに本考案を使用してつけ睫についてのカウンセリングをする手順を説明する。
ケース1としては、まず商品選定(顧客自身が行なっても、カウンセラーが推奨しても、いずれでも良い)をした後、その選定された商品(その商品と同一の見本でも良い)をカウンセリング用具10,20,30の仮接着部1,31に糊を介して仮接着し、その後カウンセリング用具を顧客の顔の前にあてがい、睫位置が重なり合うようにセットして顧客自身の目でその良し悪しを判断し、良しと判断した場合には商品の買い上げという結果につながり、悪しと判断した場合には、上記の手順を再度繰り返して良しという判断が出るまで何度も繰り返すことになる。」

(1-6)図7の記載から、つけ睫2の長手方向に沿った一側部が仮接着部1上に配置されていることが窺える。
(1-7)図8の記載から、仮接着部1は、眼を開いたときのつけ睫2の装着ライン近傍に配置された状態で伸びていることが窺える。
(1-8)図3と図4の記載を併せてみて、カウンセリング用具10の、縦軸部3と戻り勾配部6と延伸把持部7とからなる部分は、その全体が一つの平面(より具体的には、図3の面。)に含まれる形状であること、仮接着部1の部分は、その全体がもう一つの平面(より具体的には、図3の面に垂直な平面。)に含まれる形状であること、及び、これら2つの平面は略直行して交わる関係にあることが窺える。

上記(1-5)の「ケース1としては、まず商品選定・・・をした後、その選定された商品・・・をカウンセリング用具10・・・の仮接着部1・・・に糊を介して仮接着し、その後カウンセリング用具を顧客の顔の前にあてがい、睫位置が重なり合うようにセットして顧客自身の目でその良し悪しを判断し、・・・。」との記載からみて、カウンセリング用具10はつけ睫2の試着に用いられるものといえる。
上記(1-4)の「この延伸把持部7は使用者が自分の指8でつけ睫カウンセリング用具10を摘むための部位であるから、・・・」との記載からみて、カウンセリング用具10は、使用者によって把持される延伸把持部7を有するものといえる。
上記(1-3)の「図7はつけ睫カウンセリング用具につけ睫を仮接着した状態の拡大斜視図」との記載と、上記(1-4)の「この仮接着部1には、商品たるつけ睫2が適宜の糊材料を介して仮接着される。」との記載と、上記(1-6)の図示内容とを総合してみて、カウンセリング用具10の仮接着部1は、つけ睫2の長手方向に沿った一側部を仮接着するといえる。また、上記(1-4)の「つけ睫カウンセリング用具10は、全体がアルミニウム、ステンレスなどの金属、あるいは適宜の合成樹脂素材製の細線状素材で形成され、」との記載と「この仮接着部1の目頭側Aの端部は目4にかからない位置・・・で下方に屈曲して縦軸部3を形成している。・・・つぎにこの縦軸部3の下端を目4と鼻5にかからない位置・・・で目尻側Bに屈曲して戻り勾配部6を形成している。・・・この戻り勾配部6の下端をさらに下方に屈曲して延伸把持部7を形成している。」との記載とを併せてみて、仮接着部1は、延伸把持部7から延びる細線状のものといえる。したがって、カウンセリング用具10は、つけ睫2の長手方向に沿った一側部を仮接着し、延伸把持部7から延びる細線状の仮接着部1を有するといえる。
上記(1-4)の「このカウンセリング用具10の一端部には、前方に向かって円弧状に膨隆するつけ睫の仮接着部1が形成されている」との記載と、上記(1-7)の、仮接着部1が、眼を開いたときのつけ睫2の装着ライン近傍に配置された状態で伸びているとの図示内容と、一般につけまつげの装着ラインは円弧状であることとを併せてみて、仮接着部1は、眼を開いたときのつけ睫2の装着ラインに沿って延びているといえる。

以上から、刊行物1には、次の考案が記載されている(以下、「刊行物1考案」という。)。
「つけ睫2の試着に用いられるカウンセリング用具10であって、
使用者によって把持される延伸把持部7と、
つけ睫2の長手方向に沿った一側部を仮接着し、延伸把持部7から延びる細線状の仮接着部1と、を有し、
仮接着部1は、眼を開いたときのつけ睫2の装着ラインに沿って延びているカウンセリング用具10。」

(2)刊行物2
同じく、本件実用新案登録の出願前に頒布された刊行物である実用新案登録3090262号公報(請求人の提出した甲第1号証、以下「刊行物2」という。)には、次のとおり記載されている。
(2-1)「【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は販売促進用具に係るもので、商品のつけまつげを実際に使用しなくても、顧客に、あたかも装着した如き観念を与えるよう目視せしめ、その選択の便を図り得るつけまつげの試着表現用具すなわち試着表現ツールに関するものである。」
(2-2)「【0007】
【実施例1】
本考案に係るつけまつげ用試着表現ツールの実施例1は、図1の正面図・図2の底面図及び図3のA-A断面図に示す如く、まぶたを覆い得、且つまぶたの湾曲度に合わせて皿状に湾曲せしめた透明樹脂薄板製のカバー(1)と、前記カバー(1)の下縁を、眼の横幅より稍々広い幅で、開眼時の右眼(2)上まぶたの円弧に合わせた弧状に切断形成してなるつけまつげ構成縁(3)と、前記つけまつげ構成縁(3)に沿って付設したつけまつげ(4)とよりなるものである。
【0008】
したがって、図4に示す如くカバー(1)を右眼(2)に被せ、つけまつげ構成縁(3)が上まぶたに沿って並列する如くなした状態を鏡に映せば、あたかも右眼(2)につけまつげ(4)を装着したかのように看取される・・・。」
(2-3)「【0010】
【実施例3】
本考案に係るつけまつげ用試着表現ツールの実施例3は、図6の正面図・図7の背面図及び図8の底面図に示す如く、つけまつげ構成縁(3)部及びつけまつげ(4)部を除くカバー(1)の前面外周縁に接着してなる厚紙製の枠体(6)と、前記枠体(6)の斜め左上方に適当な幅と長さで連係突設してなる長方形の長方形把持板(7)と、・・・とよりなるものである。
【0011】
本実施例3はこのように構成してあるので、図4に示す如く、使用時にカバー(1)の保持がしづらい実施例1と異なり、図9の使用状態正面図に示す如く、長方形把持板(7)を把持し得るのでカバー(1)の保持が極めて容易である。・・・」
(2-4)「0015】
【実施例6】
本考案に係るつけまつげ用試着表現ツールの実施例6は、・・・図13に示す如く、実施例3におけるカバー(1)のつけまつげ構成縁(3)に沿って適当な幅のつけまつげ保持帯(12)が構成される如く、枠体(6)の内周縁に沿ってカバー(1)内部を切除することにより、前記カバー(1)面に削除孔(13)を形成してなるものである。・・・」

(2-5)図2と図3の記載とを併せてみて、つけまつげ構成縁(3)とつけまつげ(4)の基端部とが接していることが窺える。
(2-6)図4の記載から、つけまつげ構成縁(3)が、眼を開いたときの上まぶたの円弧近傍に配置されていることが窺える。
(2-7)図1と図2の記載を併せてみて、つけまつげ構成縁(3)は、図1においてカバー(1)を見る方向を正面として、正面のみならず、底面から見ても略弧状、すなわち三次元方向に曲がっていることが窺える。
(2-8)図13の記載から、つけまつげ保持帯(12)は、長方形把持板(7)に2つの細長い枠体(6)とカバー(1)とからなる部分を介して繋がっていることが窺える。

上記(2-3)の「つけまつげ用試着表現ツールの実施例3は、図6の正面図・図7の背面図及び図8の底面図に示す如く、つけまつげ構成縁(3)部及びつけまつげ(4)部を除くカバー(1)の前面外周縁に接着してなる厚紙製の枠体(6)と、前記枠体(6)の斜め左上方に適当な幅と長さで連係突設してなる長方形の長方形把持板(7)と、・・・よりなるものである。・・・本実施例3はこのように構成してあるので、・・・図9の使用状態正面図に示す如く、長方形把持板(7)を把持し得るのでカバー(1)の保持が極めて容易である。」との記載と、上記(2-4)の「つけまつげ用試着表現ツールの実施例6は、・・・図13に示す如く、実施例3におけるカバー(1)のつけまつげ構成縁(3)に沿って適当な幅のつけまつげ保持帯(12)が構成される如く、枠体(6)の内周縁に沿ってカバー(1)内部を切除することにより、前記カバー(1)面に削除孔(13)を形成してなるものである。」との記載とを併せてみて、実施例6として記載されたつけまつげ用試着表現ツールは、使用者によって把持される長方形把持板(7)を有するといえる。
上記(2-2)の「つけまつげ構成縁(3)に沿って付設したつけまつげ(4)」との記載と上記(2-5)の図示内容とを併せてみて、カバー(1)のつけまつげ構成縁(3)近傍は、つけまつげ(4)の基端部を付設するといえる。一方、上記(2-4)の「【実施例6】・・・実施例3におけるカバー(1)のつけまつげ構成縁(3)に沿って適当な幅のつけまつげ保持帯(12)が構成される如く、枠体(6)の内周縁に沿ってカバー(1)内部を切除する」との記載からみて、つけまつげ保持帯(12)は、略棒状で、かつ、上記実施例1のカバー(1)のつけまつげ構成縁(3)近傍と同様のものであるといえる。したがって、実施例6として記載されたつけまつげ用試着表現ツールのつけまつげ保持帯(12)は、つけまつげの基端部を付設する略棒状のものといえる。さらに、上記(2-8)の図示内容からみて、つけまつげ保持帯(12)は、長方形把持板(7)から延びるものといえる。よって、実施例6として記載されたつけまつげ用試着表現ツールは、つけまつげ(4)の基端部を付設し、長方形把持板(7)から延びる略棒状のつけまつげ保持帯(12)を有するといえる。
また、上記(2-6)の図示内容から、そのつけまつげ保持帯(12)は、眼を開いたときの上まぶたの円弧近傍に配置されているといえる。

以上から、刊行物2には、次の考案が記載されている(以下、「刊行物2考案A」という。)。
「つけまつげ用試着表現ツールであって、
使用者によって把持される長方形把持板(7)と、
つけまつげ(4)の基端部を付設し、長方形把持板(7)から延びる略棒状のつけまつげ保持帯(12)と、を有し、
つけまつげ保持帯(12)は、眼を開いたときの上まぶたの円弧近傍に配置されているつけまつげ用試着表現ツール。」

また、つけまつげ構成縁(3)が、開眼時の右眼(2)上まぶたの円弧に合わせた弧状に切断形成してなるものであること(上記(2-2)を参照。)、つけまつげ構成縁(3)が、眼を開いたときの上まぶたの円弧近傍に配置されていること(上記(2-6)を参照。)、つけまつげ構成縁(3)が、三次元方向に曲がっていること(上記(2-7)を参照。)、及び、一般につけまつげの装着ラインも円弧状であることを総合してみて、眼を開いたときのつけまつげの装着ラインに沿って配置されるつけまつげ構成縁(3)は、三次元方向に曲がった形状であるといえる。
一方、上記したとおり、実施例6のつけまつげ保持帯(12)は、略棒状であり、また、つけまつげを付設する部分の形状について、上記実施例1のカバー(1)のつけまつげ構成縁(3)近傍の形状と同様である。
以上から、刊行物2には、つけまつげ用試着表現ツールに関し、眼を開いたときのつけまつげの装着ラインに沿って配置される略棒状のつけまつげ保持帯(12)を、三次元方向に曲がった形状とする考案(以下、「刊行物2考案B」という。)が記載されている。

(3)刊行物3
同じく、本件実用新案登録の出願前に頒布された刊行物である実用新案登録3075428号公報(請求人の提出した甲第10号証、以下「刊行物3」という。)には、次のとおり記載されている。
(3-1)「【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、マスカラ使用時に誤って眼球にブラシの先端があたっても、眼球に与える損傷を少なくし、又先端を目立たす事で眼球に当たりにくくする為、先端に衝撃緩和兼視認性向上の為の部材を装着した化粧用具に関するものである。」
(3-2)「【0006】
【実施例】
図1は当該マスカラブラシ全体、1はブラシ、2は軸部、3は衝撃緩和兼視認性向上の為の部材、4はハンドル。4のハンドルを指で持ち、マスカラの中味を1のブラシにつけ、まつ毛に塗布する。3の衝撃緩和兼視認性向上の為の部材がブラシ先端の2の軸部に装着してある為、万一眼球に当たっても損傷を与える危険性が低くなり、視認性も向上するので眼球に当たる可能性が少なくなり、安全性が向上する。」
(3-3)図1の記載から、ブラシ1の先端に円形の部材3が設けられていることが窺える。
上記(3-1)?(3-3)の記載から、刊行物3には、まつげの化粧に関する化粧用具において、眼球に対する危険性を低くするため当該化粧用具の尖った先端部に当該先端部の幅より広い円形の部材を設けることにより安全性を確保することが記載されている。

2 対比・判断
(1)本件登録実用新案1?6、9、10について
(1-1)本件登録実用新案1について
(1-1-1)本件登録実用新案1と刊行物1考案とを対比する。
刊行物1考案の「カウンセリング用具10」は、その構造または機能からみて、本件登録実用新案1の「試着ツール」に相当する。
同様に、刊行物1考案の「つけ睫2」、「延伸把持部7」、「仮接着部1」は、それぞれ、本件登録実用新案1の「つけまつげ」、「グリップ部」、「支持部」に相当する。
同様に、刊行物1考案の「使用者によって把持される延伸把持部7」は、本件登録実用新案1の「使用者によって保持されるグリップ部」に相当する。
また、刊行物1考案の「つけ睫2の長手方向に沿った一側部を仮接着し」、「細線状」は、それぞれ、本件登録実用新案1の「つけまつげの基端部を支持し」、「棒状」に相当する。
したがって、刊行物1考案は、「つけまつげの試着に用いられる試着ツールであって、
使用者によって保持されるグリップ部と、
前記つけまつげの基端部を支持し、前記グリップ部から延びる棒状の支持部と、を有し、
前記支持部は、眼を開いたときの前記つけまつげの装着ラインに沿って延びている試着ツール。」といえるものである。

この点について、被請求人は、本件登録実用新案1の試着ツールについて、「本件登録実用新案1には、「前記つけまつげの基端部を支持し、前記グリップ部から延びる棒状の支持部」と記載されております。この記載の意味するところは、試着ツールが、本件図1?図3に示しますように長尺状の部材であることを特定しております。本件登録実用新案1の試着ツールの形状は、刊行物1のつけ睫カウンセリング用具10の形状とは明らかに異なります。」と主張している(平成26年12月26日付け意見書1頁)。
しかしながら、本件登録実用新案1の試着ツールは、【請求項1】の記載からみても、また、【考案の詳細な説明】における、考案の目的及び作用効果についての「【考案が解決しようとする課題】・・・【0005】
そこで、本考案の目的は、つけまつげの購入者(使用者)が、つけまつげを選択するときに、つけまつげを装着した状態を容易に確認することができる試着ツールを提供するものである。」、「【考案の効果】
【0014】
つけまつげの購入者(使用者)は、本考案の試着ツールを用いて、自分の眼につけまつげを合わせることにより、つけまつげを装着した状態を容易に確認することができる。」との記載に照らしてみても、長尺状の部材に限られるとはいえないから、被請求人の当該主張は理由がない。
また、被請求人は、「このような形状の相違点により、本件登録実用新案1の試着ツールの使用形態は、刊行物1のつけ睫カウンセリング用具10の使用形態とは異なります。
まず、本件登録実用新案1の試着ツールによれば、本件図7に示す形態で試着ツールを使用することになります。
具体的には、本件登録実用新案1の試着ツールが長尺状であることを前提として、本件登録実用新案1の使用形態について、「本件登録実用新案1の試着ツールでは、本件図7に記載していますように、使用者の耳から眼に向かって試着ツールを配置した状態において、試着ツールの支持部に取り付けられたつけまつげを眼に合わせることにより、つけまつげの装着状態を確認するようにしております。
一方、刊行物1では、図8に記載されていますように、使用者の顎から眼に向かって、つけ睫カウンセリング用具10を配置した状態において、仮接着部1に接着されたつけ睫2を眼に合わせることにより、つけ睫2の装着状態を確認するようにしております。
刊行物1のような、つけ睫カウンセリング用具10の使用形態では、使用者の顔の中央につけ睫カウンセリング用具10が配置されることになります(刊行物1の図8参照)。つけ睫カウンセリング用具10の使用者が鏡を使って自分の顔を確認するときには、つけ睫カウンセリング用具10が使用者の顔の中央に位置することになるため、使用者に違和感を与えてしまいます。
本件登録実用新案1の試着ツールでは、上述した使用形態で使用されるため、使用者の顔の中央に試着ツールが配置されることはありません。これにより、試着ツールの使用者が自分の顔を確認したとき、使用者が試着ツールによって違和感を受けることを抑制できます。
このように、本件登録実用新案1は、刊行物1考案とは異なり、刊行物1考案よりも優れた効果を得ることができます。」と主張している(平成26年12月26日付け意見書1?2頁)。
しかしながら、上記したとおり、本件登録実用新案1の試着ツールは長尺状の部材に限られるものではないから、被請求人の、試着ツールは長尺状の部材であることを前提とする主張は理由がない。
また、本件実用新案登録に係る図7に長尺状の部材の試着ツールが記載されているが、当該試着ツールは本件実用新案登録1の実施の形態のひとつにすぎないから、図7に記載の長尺状の部材の試着ツールのもたらす作用効果を本件登録実用新案1特有の作用効果であるとすることもできないから、被請求人の、本件明細書の実施例に基づく主張も理由がない。
よって、被請求人の主張は何れも理由がない。

以上のとおりであるから、本件登録実用新案1は、刊行物1考案である。

(1-1-2)本件登録実用新案1と刊行物2考案Aとを対比する。
刊行物2考案Aの「つけまつげ用試着表現ツール」は、つけまつげの試着に用いられることが明らかであるから、本件登録実用新案1の「つけまつげの試着に用いられる試着ツール」に相当する。
同様に、刊行物2考案Aの「つけまつげ(4)」、「長方形把持板(7)」、「つけまつげ保持帯(12)」は、それぞれ、本件登録実用新案1の「つけまつげ」、「グリップ部」、「支持部」に相当する。
同様に、刊行物2考案Aの「使用者によって把持される長方形把持板(7)」は、本件登録実用新案1の「使用者によって保持されるグリップ部」に相当する。
また、刊行物2考案Aの「つけまつげ(4)の基端部を付設し」、「略棒状」、「眼を開いたときの上まぶたの円弧近傍に配置されている」は、それぞれ、本件登録実用新案1の「つけまつげの基端部を支持し」、「棒状」、「眼を開いたときの前記つけまつげの装着ラインに沿って延びている」に相当する。
したがって、刊行物2考案Aは、「つけまつげの試着に用いられる試着ツールであって、
使用者によって保持されるグリップ部と、
前記つけまつげの基端部を支持し、前記グリップ部から延びる棒状の支持部と、を有し、
前記支持部は、眼を開いたときの前記つけまつげの装着ラインに沿って延びている試着ツール。」といえるものである。

この点について、被請求人は、「本件請求項1に係る考案では、・・・1つの部材として構成された試着ツールが、使用者によって保持されるグリップ部と、つけまつげの基端部を支持し、グリップ部から延びる棒状の支持部とを有している。すなわち、試着ツールの一部がグリップ部として機能し、試着ツールの他の一部が支持部として機能する。
一方、甲第1号証の・・・記載から分かるように、カバー(1)と、枠体(6)及び長方形把持板(7)とは、互いに異なる材料で形成された、別々の部材である。この点において、本件請求項1に係る考案は、甲第1号証に記載の考案とは全く異なる。」と主張している(答弁書4頁)。
しかしながら、【請求項1】の記載からみても、また、【考案の詳細な説明】の記載を参酌しても、本件実用新案登録1の試着ツールは、その一部がグリップ部として機能し、他の一部が支持部として機能するものに限られるとは認められないから、被請求人の当該事項を前提とする上記主張は、その前提において理由がない。
また、被請求人は、「本件請求項1に係る考案では、「・・・前記グリップ部から延びる棒状の支持部と、を有し」とあるが、この記載は、グリップ部から一方向に向かって棒状の支持部が延びていることを意味する。すなわち、棒状の支持部の長手方向における両端が、グリップ部と繋がっているわけではなく、支持部の長手方向における一端が、グリップ部と繋がっているだけである。このことは、本件実用新案登録の明細書及び図面から容易に理解できる。
一方、甲第1号証の・・・記載及び甲第1号証の図13の記載から分かるように、つけまつげ保持帯(12)の両端は、枠体(6)に繋がっており、棒状でもない。
このように、本件請求項1に係る考案における「棒状の支持部」は、甲第1号証に記載の「つけまつげ保持帯(12)」とは全く異なる形状を有している。この点においても、本件請求項1に係る考案は、甲第1号証に記載の考案とは異なる。」と主張している(答弁書4?5頁)。
しかしながら、【請求項1】の記載からみても、また、【考案の詳細な説明】における、考案の目的及び作用効果についての「【考案が解決しようとする課題】・・・【0005】
そこで、本考案の目的は、つけまつげの購入者(使用者)が、つけまつげを選択するときに、つけまつげを装着した状態を容易に確認することができる試着ツールを提供するものである。」、「【考案の効果】
【0014】
つけまつげの購入者(使用者)は、本考案の試着ツールを用いて、自分の眼につけまつげを合わせることにより、つけまつげを装着した状態を容易に確認することができる。」との記載に照らしてみても、本件登録実用新案1の支持部は、その長手方向における一端のみが、グリップ部と繋がっているものに限られるとはいえない。したがって、被請求人の本件登録実用新案1の支持部についての当該主張を前提とする上記主張も、その前提において理由がない。
よって、被請求人の主張は何れも理由がない。

以上のとおりであるから、本件登録実用新案1は、刊行物2考案Aである。

(1-2)本件登録実用新案2について
本件登録実用新案2は、考案を特定するために必要な事項として、本件登録実用新案1に、さらに「グリップ部は、平板状に形成されている」を有するものである。
(1-2-1)本件登録実用新案2と刊行物1考案とを対比する。
刊行物1には、「【0020】・・・延伸把持部7の・・・端縁を、安全上の目的から折り返し部9に形成しておくと、それぞれの端縁が丸みを帯びた状態となり、その端縁で指や顔を刺すような事故が起こりにくくなり、安全となる。」(上記2(1-4)を参照。)と記載され、また、この記載に関連して、図3と図4に、延伸把持部7の端部を折り返し部9により仮接着部1の幅の略2倍の幅を形成して平板状とした構造が窺える。
したがって、刊行物1考案は、延伸把持部7の端部がその幅を仮接着部1の略2倍の幅とする平板状に形成されている構造のものといえるから、本件登録実用新案2の「グリップ部は、平板状に形成されている」に相当する構成を有しているものである。
さらに、刊行物1考案における、延伸把持部7がその幅を仮接着部1の略2倍の幅とする平板状に形成されていることが、使用者に保持しやすいとの作用効果をもたらすことは明らかである。
よって、本件登録実用新案2は刊行物1考案である。

(1-2-2)本件登録実用新案2と刊行物2考案Aとを対比する。
刊行物2には、長方形把持板(7)が平板状のものであることが記載されている(上記1(2)の(2-3)欄、図6?9及び13を参照。)
したがって、刊行物2考案Aは、長方形把持板(7)が平板状に形成されている構造のものといえるから、本件登録実用新案2の「グリップ部は、平板状に形成されている」に相当する構成を有しているものである。
よって、本件登録実用新案2は刊行物2考案Aである。

(1-3)本件登録実用新案3について
本件登録実用新案3は、考案を特定するために必要な事項として、本件登録実用新案1または2のいずれかに、さらに「グリップ部の幅は、前記支持部の幅よりも広い」を有するものである。
(1-3-1)本件登録実用新案3と刊行物1考案とを対比する。
上記(1-2-1)に記載したとおり、刊行物1考案は、延伸把持部7の端部がその幅を仮接着部1の略2倍の幅とする平板状に形成されている構造のものといえるから、本件登録実用新案3の「グリップ部の幅は、前記支持部の幅よりも広い」に相当する構成を有しているものである。
よって、本件登録実用新案3は刊行物1考案である。

(1-3-2)本件登録実用新案3と刊行物2考案Aとを対比する。
刊行物2には、長方形把持板(7)の幅がつけまつげ保持帯(12)の幅より広いことが記載されている(上記1(2)の(2-3)欄、図6?9及び13を参照。)
したがって、刊行物2考案Aは、長方形把持板(7)の幅がつけまつげ保持帯(12)の幅より広い構造のものといえるから、本件登録実用新案3の「グリップ部の幅は、前記支持部の幅よりも広い」に相当する構成を有しているものである。
よって、本件登録実用新案3は刊行物2考案Aである。

(1-4)本件登録実用新案5について
本件登録実用新案5は、考案を特定するために必要な事項として、本件登録実用新案1?3のいずれかに、さらに「前記支持部は、三次元方向に曲げ形成されている」を有するものである。
ところで、本件登録実用新案5における「支持部は、三次元方向に曲げ形成されている」について、被請求人は、(a)「本件請求項5に係る考案では、支持部がグリップ部に対して三次元方向に曲げ形成されることになります。より詳細には、本件実用新案登録の明細書の段落【0027】に記載していますように、支持部は、グリップ部を含む平面(仮想平面)に対して、この平面内の方向とは異なる方向において曲げ形成されております。」(平成26年11月13日付け上申書3頁5?27行を参照。)と主張するとともに、(b)「本件請求項5に係る考案では、本件実用新案登録の明細書の段落【0043】?【0048】に記載していますように、支持部を三次元方向に曲げ形成することにより、グリップ部を回転させてつけまつげの向きを変更しようとしたとき、支持部の先端が使用者の顔から離れにくくしております。」(同3頁28行?4頁24行を参照。)とも主張している。
そこで、本件登録実用新案5における「支持部は、三次元方向に曲げ形成されている」をこれら(a)と(b)の2通りに解釈して検討することとする。

(a)支持部がグリップ部に対して三次元方向に曲げ形成されると解釈する場合
(a-1)本件登録実用新案5と刊行物1考案とを対比する。
刊行物1の「【0017】・・・カウンセリング用具10の一端部には、前方に向かって円弧状に膨隆するつけ睫の仮接着部1が形成されている。」(上記1(1-4)の記載を参照。)との記載と、「カウンセリング用具10の、縦軸部3と戻り勾配部6と延伸把持部7とからなる部分は、その全体が一つの平面に含まれる形状であること、仮接着部1の部分は、その全体がもう一つの平面に含まれる形状であること、及び、これら2つの平面は略直行して交わる関係にあること」(上記1(1-8)の記載を参照。)との図示内容とを併せてみて、刊行物1考案の仮接着部1は、延伸把持部7を含む平面(刊行物1における図3の面)とは異なる方向(刊行物1における図3の面に垂直な平面)において、円弧状に膨隆する形状であると認められる。
そうすると、刊行物1考案も、仮接着部1(審決注:本件登録実用新案5の支持部に相当する。)は、グリップ部を含む平面(仮想平面)に対して、この平面内の方向とは異なる方向において曲げ形成されているといえるから、「支持部は、三次元方向に曲げ形成されている」に相当する構成を有しているものである。
よって、本件登録実用新案5は、刊行物1考案である。

(a-2)本件登録実用新案5と刊行物2考案Aとを対比する。
刊行物2の図6?8及び13の記載からみて、刊行物2には、つけまつげ保持帯(12)が、長方形把持板(7)を含む平面に対して、この平面内の方向とは異なる方向において曲げ形成された形状であることが記載されている。
したがって、刊行物2考案Aは、つけまつげ保持帯(12)が、長方形把持板(7)を含む平面に対して、この平面内の方向とは異なる方向において曲げ形成された形状のものといえるから、本件登録実用新案5の「前記支持部は、三次元方向に曲げ形成されている」に相当する構成を有しているものである。
よって、本件登録実用新案5は刊行物2考案Aである。

(b)支持部を三次元方向に曲げ形成すると解する場合
(b-1)本件登録実用新案5と刊行物1考案とを対比する。
刊行物1考案の仮接着部1(審決注:本件登録実用新案5の支持部に相当する。)は、「その全体がもう一つの平面に含まれる形状であること」(上記(1-8)の記載を参照。)から、三次元方向に曲げ形成したものではない。
したがって、本件登録実用新案5と刊行物1考案とを対比すると、両者は次の点で相違する。
(相違点1)
本件登録実用新案5の支持部が三次元方向に曲げ形成されているのに対し、刊行物1考案の支持部が三次元方向に曲げ形成されていない点。

(相違点1についての判断)
上記1(2)に記載したとおり、刊行物2には、刊行物2考案Bが記載されている。
したがって、刊行物1考案の仮接着部1に、刊行物2考案Bを適用し、仮接着部1を三次元方向に曲げ形成されたものとし、それにより、グリップ部を回転させてつけまつげの向きを変更しようとしたとき、支持部の先端が使用者の顔から離れにくくすることは当業者がきわめて容易になし得る程度の事項にすぎない。
よって、本件登録実用新案5は、刊行物1考案と刊行物2考案Bに基づき、当業者がきわめて容易に考案することができたものである。

(b-2)本件登録実用新案5と刊行物2考案Aとを対比する。
上記1(2)に記載したとおり、刊行物2には、つけまつげ保持帯(12)を、三次元方向に曲がった形状とすることが記載されている。
したがって、刊行物2考案Aは、つけまつげ保持帯(12)が三次元方向に曲がった形状のものといえるから、本件登録実用新案5の「前記支持部は、三次元方向に曲げ形成されている」に相当する構成を有しているものである。
よって、本件登録実用新案5は刊行物2考案Aである。

(1-5)本件登録実用新案6について
本件登録実用新案6は、考案を特定するために必要な事項として、本件登録実用新案1?5のいずれかに、さらに「支持部は、黒色を有する」を有するものである。
一方、刊行物1考案の仮接着部1(審決注:本件登録実用新案6の支持部に相当する。)は黒色を有するといえない。
したがって、本件登録実用新案6と刊行物1考案とを対比すると、両者は次の点で相違する。
(相違点2)
本件登録実用新案6の支持部は黒色を有するものであるのに対し、刊行物1考案の支持部は黒色を有するものではない点。

(相違点2についての判断)
刊行物1には、「【0016】・・・つけ睫カウンセリング用具10は、全体がアルミニウム、ステンレスなどの金属、あるいは適宜の合成樹脂素材製の細線状素材で形成され、その素材には必要に応じて、好みの色彩、例えば肌色などに着色される・・・。」(上記1(1-4)の記載を参照。)と記載されているから、カウンセリング用具10の仮接着部1を着色することが記載されている。
そうすると、刊行物1考案も、仮接着部1が着色されているものであり、しかも、着色するにあたり黒色とすることに格別困難性は認められないから、刊行物1考案において、支持部は黒色を有するものとすることは当業者がきわめて容易になし得る程度の事項にすぎないと認められる。

よって、本件登録実用新案6は、刊行物1考案に基づき、当業者がきわめて容易に考案をすることができたものである。

(1-6)本件登録実用新案10について
本件登録実用新案10は、考案を特定するために必要な事項として、本件登録実用新案1?8のいずれかにさらに「前記支持部の先端において、球状部を有する」を有するものとした本件登録実用新案9に、さらに「前記球状部の幅は、前記支持部の幅よりも広い」を有するものである。
一方、刊行物1考案の仮接着部1(審決注:本件登録実用新案10の支持部に相当する。)は球状部を有するものではない。
したがって、本件登録実用新案10と刊行物1考案とを対比すると、両者は次の点で相違する。
(相違点3)
本件登録実用新案10は、支持部の先端において、支持部の幅よりも広い幅の球状部を有するものであるのに対し、刊行物1考案は、そのような球状部を有するものではない点。

(相違点3についての判断)
刊行物1には、「【0020】・・・仮接着部1・・・の端縁を、安全上の目的から折り返し部9に形成しておくと、・・・端縁が丸みを帯びた状態となり、その端縁で指や顔を刺すような事故が起こりにくくなり、安全となる。」(上記1(1-4)を参照。)と記載されている。
したがって、刊行物1考案は、仮接着部1の先端に安全上の目的から、端縁を丸みを帯びたものとするための折り返し部9を形成しているものである。
一方、例えば、刊行物3に記載されているように、まつげの化粧に関する化粧用具において、眼球に対する危険性を低くするため当該化粧用具の尖った先端部に当該先端部の幅より広い円形の部材を設けることにより安全性を確保することは、周知技術であると認められる。そして、当該円形の部材を球状のものとすることに困難性は認められない。
したがって、仮接着部1の先端に安全上の目的から端縁を丸みを帯びたものとするための折り返し部9が形成されている刊行物1考案について、その折り返し部9に代えて、仮接着部1の幅より広い球状部とすることは当業者が適宜なし得る程度の事項にすぎない。
よって、本件登録実用新案10は、刊行物1考案及び刊行物3に記載された周知技術に基づき、当業者がきわめて容易に考案をすることができたものである。

(1-7)本件登録実用新案9について
本件登録実用新案9は、考案を特定するために必要な事項として本件登録実用新案10から「球状部の幅」を除いたものである。
そうすると、上記(1-6)に記載したとおり、本件登録実用新案10が刊行物1考案及び刊行物3に記載された周知技術に基づき、当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、本件登録実用新案9も同様に、刊行物1考案及び刊行物3に記載された周知技術に基づき、当業者がきわめて容易に考案をすることができたものである。

(2)本件登録実用新案7及び8について
(2-1)本件登録実用新案7について
(2-1-1)対比
本件登録実用新案7は、考案を特定するために必要な事項として、本件登録実用新案1?6のいずれかに、さらに「支持部は、前記つけまつげの基端部が挿入される溝を有する」を有するものである。
一方、甲第1号証(審決注:上記刊行物2)に記載された刊行物2考案Aのつけまつげ保持帯(12)(審決注:本件登録実用新案7の支持部に相当する。)はつけまつげの基端部が挿入される溝を有していない。
したがって、本件登録実用新案7と刊行物2考案Aとを対比すると、両者は次の点で相違する。
(相違点4)
本件登録実用新案7の支持部はつけまつげの基端部が挿入される溝を有するものであるのに対し、刊行物2考案Aの支持部はそのような溝を有するものではない点。

(2-1-2)判断
a 最初に、甲第1号証、甲第8号証及び甲第9号証について検討する。
(a)甲第1号証には、つけまつげ保持帯(12)に関し、「カバー(1)の下縁を、眼の横幅より稍々広い幅で、開眼時の右眼(2)上まぶたの円弧に合わせた弧状に切断形成してなるつけまつげ構成縁(3)と、前記つけまつげ構成縁(3)に沿って付設したつけまつげ(4)と」(上記1(2)欄の(2-2)を参照。)、「カバー(1)のつけまつげ構成縁(3)に沿って適当な幅のつけまつげ保持帯(12)が構成される如く、枠体(6)の内周縁に沿ってカバー(1)内部を切除することにより、前記カバー(1)面に削除孔(13)を形成してなる」(同欄の(2-4)を参照。)と記載されているにすぎない。
したがって、甲第1号証には、つけまつげ保持帯(12)につけまつげが付設されることが記載されているにすぎないから、つけまつげ保持帯(12)をつけまつげの基端部が挿入される溝を有するものとすることについて記載も示唆もない。

(b)次に、甲第8号証について検討する。
甲第8号証には次のとおり記載されている。
「【0014】・・・第1実施例であるつけまつげ装着用ピンセットは、図1及び図2に示すように、樹脂材(ポリプロピレン、ポリスチレン、ABSなどの熱可塑性樹脂が好ましい)にて、可撓性を有する下部11’で連結されてほぼU字形状に折曲した状態に形成された一対の把持部11,11と、把持部11,11の先端角部からほぼ直交する方向に延在された一対の挟着部15,15と、を備えた、ほぼL字形状をなしている。
【0015】・・・一対の挟着部15,15は、・・・互いに対向する面には粘着阻害処理(例えば、粗面化処理)がなされている。・・・
【0017】・・・一方、図3に示すように、つけまつげ20は、毛部21と基部22とで形成されている周知のものである。そして、一対の挟着部15,15の間につけまつげ20の毛部21の根元を位置させた状態で、一対の把持部11,11を摘むことにより、下部11’の可撓性によって把持部11,11が近接するとともに、一対の挟着部15,15が平行に密着してつけまつげ20を挟着できる。
【0018】・・・この状態で、つけまつげ20の基部22に粘着剤を塗布し、図3に示すように、基部22を瞼に当てることにより、・・・極めて容易に装着することができる。・・・また、挟着部15,15には粘着阻害処理が施されているため、基部22が挟着部15,15に粘着することがない。・・・
【0022】・・・ところで、前記挟着部は、図6(A)に示すように、長手方向に沿って互いに係合する凸形状15a及び凹形状15bが形成されていてもよい。・・・」

上記記載から、甲第8号証にはつけまつげ装着用ピンセットが記載され、また、当該つけまつげ装着用ピンセットの挟着部15,15を凸形状と凹形状とからなるものとすることが記載されていると認められる。
しかしながら、甲第8号証のつけまつげ装着用ピンセットの挟着部15,15は、つけまつげが粘着しないように粘着阻害処理がされたものであり、また、つけまつげ20の基部22でなく毛部21を挟着して支持するものであるから、挟着部15,15は、つけまつげを支持する部材とはいえず、また、挟着部15の凹形状15bはつけまつげの基部22が挿入される溝であるともいえない。
したがって、甲第8号証には、つけまつげの基端部を支持する棒状の支持部に関し、当該支持部をつけまつげの基端部が挿入される溝を有するものとすることについて記載も示唆もない。

(c)次に、甲第9号証について検討する。
甲第9号証には次のとおり記載されている。
「【0004】・・・本発明は、つけまつ毛を皮膚に付けるときにつけまつ毛を保持するためのクリップと、クリップで保持するよりも前につけまつ毛の形を整えて仮置きするためのスタンドとから成る。・・・
【0024】図6から図9がスタンドに関する図である。スタンド16はプラスチックの一体成型であって、つけまつ毛21を仮置きするための円弧状表面17は上向きである。円弧状表面17の円周方向に沿って一対の条溝18,18が両側面部19,19の近くに設けられている。条溝は3以上設けてもよく単一でもよい。条溝18,18の断面形状は三角形であって、三角形を構成する2つの斜面中、側面部19に近い斜面20,20の円弧状表面17に対する傾斜角は他方の斜面よりも小さく形成されている。通常はこの斜面20,20につけまつ毛21の粘着性基部を貼り付けて仮置きする。・・・」
また、図6?8の記載から、円弧状表面17は、スタンド16の両側面部19の間に渡って延びる形状であることが窺える。
以上から、甲第9号証には、つけまつ毛を仮置きするためのスタンド16に関し、そのスタンド16の両側面部19の間に渡って延びる円弧状表面17における円周方向に沿ってつけまつ毛21の粘着性基部を貼り付ける条溝18を設けることが記載されていると認められる。
しかしながら、甲第9号証に記載のものと本件登録実用新案7とはいずれもつけまつげに関するものであることが共通するに止まり、前者はスタンド16であるのに対して後者は試着ツールであるから、両者の技術分野は共通するといえない。
また、甲第9号証に記載の条溝18は、スタンド16の両側面部19間に渡って延びる円弧状表面17に設けられるものであるから棒状の部材に設けられるものともいえない。
したがって、甲第9号証には、つけまつげの基端部を支持する棒状の支持部に関し、当該支持部をつけまつげの基端部が挿入される溝を有するものとすることについて記載も示唆もない。

(d)以上から、甲第1号証、甲第8号証及び甲第9号証のいずれにも、つけまつげの基端部を支持する棒状の支持部に関し、当該支持部をつけまつげの基端部が挿入される溝を有するものとすることについて記載も示唆もない。

b 次に、上記以外の証拠である、甲第2号証?甲第7号証及び甲第10号証についてみてみる。
(a)甲第2号証?甲第6号証について
甲第2号証?甲第4号証には、いずれもKOBAKOブランドの「アイラッシュドレス」と呼ばれるつけまつげの基端部を支持する棒状の部分を有するスティック(甲第2号証第4頁、甲第3号証第5頁、第4号証第1頁を参照。)の外観を撮影した写真が認められるにすぎず、当該棒状の部分が溝を有することについての記載はない。
甲第5号証には、つけまつげの基端部を支持する棒状の部分を有する「つけまつげシュミレーター」と呼ばれるものの外観を撮影した写真が認められるにすぎず、当該棒状の部分が溝を有することについての記載はない。
甲第6号証には、アイラッシュカーラーについて記載され、つけまつげについての記載はないから、つけまつげの基端部を支持する棒状の支持部についての記載はない。
したがって、これらの証拠には、つけまつげの基端部を支持する棒状の支持部に関し、当該支持部をつけまつげの基端部が挿入される溝を有するものとすることについて記載も示唆もない。

(b)甲第7号証(審決注:上記刊行物1)について
甲第7号証には、「【0016】・・・つけ睫カウンセリング用具10は、全体が・・・細線状素材で形成され、・・・。
【0017】
このカウンセリング用具10の一端部には、前方に向かって円弧状に膨隆するつけ睫の仮接着部1が形成されている。この仮接着部1には、商品たるつけ睫2が適宜の糊材料を介して仮接着される。・・・」(上記1(1)欄の(1-4)を参照。)と記載されているにすぎない。
したがって、甲第7号証には、細線状素材で形成されたつけ睫カウンセリング用具10の仮接着部1につけまつげが糊材料により接着されることが記載されているにすぎないから、つけまつげの基端部を支持する棒状の支持部に関し、当該支持部をつけまつげの基端部が挿入される溝を有するものとすることについて記載も示唆もない。

(c)甲第10号証(審決注:上記刊行物3)について
甲第10号証には、マスカラブラシについて記載されているにすぎず、つけまつげについての記載はないから、つけまつげの基端部を支持する棒状の支持部についての記載はない。
したがって、甲第10号証には、つけまつげの基端部を支持する棒状の支持部に関し、当該支持部をつけまつげの基端部が挿入される溝を有するものとすることについて記載も示唆もない。

(d)よって、甲第2号証?甲第7号証及び甲第10号証をみても、これらのいずれにも、つけまつげの基端部を支持する棒状の支持部に関し、当該支持部をつけまつげの基端部が挿入される溝を有するものとすることについて記載も示唆もない。

c 小括
以上のとおりであるから、請求人の提出した証拠のいずれにも、つけまつげの基端部を支持する棒状の支持部に関し、当該支持部をつけまつげの基端部が挿入される溝を有するものとすることについて記載も示唆もない。
なお、請求人のその後提出した参考文献1にも、この点についての記載も示唆もない。
したがって、刊行物2考案Aにおいて、支持部はつけまつげの基端部が挿入される溝を有するものであるとすることは当業者がきわめて容易になし得る事項であるとすることはできない。
よって、本件登録実用新案7は、甲第1号証、甲第8号証及び甲第9号証に記載された考案のみならず、その余の証拠に記載された考案によっても、当業者がきわめて容易に考案をすることができたとすることはできない。

(2-2)本件登録実用新案8について
本件登録実用新案8は、本件登録実用新案7の構成をその構成の一部とするものであるから、上記(2-1)と同様の理由により、当業者がきわめて容易に考案をすることができたとすることはできない。

3 まとめ
以上のとおりであるから、本件登録実用新案1?3は、刊行物1考案または刊行物2考案Aであるから実用新案法第3条第1項第3号の考案に該当し、これらの考案について実用新案登録を受けることができない。
また、本件登録実用新案5は、刊行物1考案または刊行物2考案Aであるから同法第3条第1項第3号の考案に該当し、または、刊行物1考案と刊行物2考案Bに基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから同法同条第2項の規定により、その考案について実用新案登録を受けることができない。
また、本件登録実用新案6は、刊行物1考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、同法同条第2項の規定により、その考案について実用新案登録を受けることができない。
さらに、本件登録実用新案9及び10は、刊行物1考案と刊行物3に記載された周知技術に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、同法同条第2項の規定により、それらの考案について実用新案登録を受けることができない。
一方、本件登録実用新案7及び8は、甲第1号証?甲第10号証に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたとすることはできない。

VI むすび
以上のとおりであるから、本件登録実用新案1?6、9及び10は、実用新案法第37条第1項第2号の規定に該当するので、無効とすべきものである。
一方、請求人の主張する無効理由及び証拠方法によっては、本件登録実用新案7及び8を無効とすることはできず、また、他に無効とすべき理由もない。
審判に関する費用については、実用新案法第41条において準用する特許法第169条第2項の規定でさらに準用する民事訴訟法第64条の規定により、その10分の2を請求人の負担とし、10分の8を被請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2015-01-21 
結審通知日 2015-01-23 
審決日 2015-02-03 
出願番号 実願2011-4000(U2011-4000) 
審決分類 U 1 114・ 113- ZC (A45D)
U 1 114・ 121- ZC (A45D)
最終処分 一部成立  
特許庁審判長 高木 彰
特許庁審判官 関谷 一夫
蓮井 雅之
登録日 2011-08-31 
登録番号 実用新案登録第3170596号(U3170596) 
考案の名称 つけまつげ用の試着ツール  
代理人 井出 真  
代理人 吉村 徳人  
代理人 吉村 公一  
代理人 水野 勝文  
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