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審決分類 審判 判定 同一 属さない(申立て不成立) B42D
管理番号 1332294
判定請求番号 判定2017-600018  
総通号数 214 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案判定公報 
発行日 2017-10-27 
種別 判定 
判定請求日 2017-04-30 
確定日 2017-09-08 
事件の表示 上記当事者間の実用新案登録第3143615号の判定請求事件について、次のとおり判定する。   
結論 (イ)号製品に示す「好きな色から使えるインデックス付箋」は、実用新案登録第3143615号実用新案の技術的範囲に属しない。
理由 第1 請求の趣旨
本件判定の請求は,イ号製品に示す「好きな色から使えるインデックス付箋」(以下「イ号物件」という。)が,実用新案登録第3143615号の請求項2,5,8,9に係る考案(以下,項番にしたがって「本件考案2」…「本件考案9」という。また,請求項2,5,8,9に係る考案全体に対して「本件考案」という。)の技術的範囲に属する,との判定を求めたものであると認める。

第2 本件考案
1 手続の経緯
平成20年5月19日 本件出願
平成20年7月 9日 設定登録
平成29年4月30日 本件判定請求
平成29年7月 6日 答弁書

2 本件考案
本件考案2,5,8,9は,実用新案登録請求の範囲,明細書及び図面の記載からみて,その実用新案登録請求の範囲の請求項2,5,8,9に記載された事項により特定される以下のとおりであって,本件考案の構成要件を符号を付して分説すると以下のとおりである(以下「構成要件A」などという。)。
なお,この分説は,請求人の判定請求書によるものであるが,争いはなく,妥当と認められるので,そのとおりとした。
「本件考案2
A メモ書き用の空白欄を設けた四角形状の本体と,
B この本体の一辺の直線部の一部を残し,前記一辺の長さより短い範囲で外方に向かって突出するインデックス用の空白欄を設けたインデックス部と,
C 前記本体の裏面の略全体に亘って再剥離性粘着剤が塗布され,
D 前記インデックス部の裏面には粘着剤が塗布されていないことを特徴とする付箋紙。

本件考案5
Q 複数枚ある頁の一枚の頁に目印のために貼り付ける付箋紙であって,
A メモ書き用の空白欄を設けた四角形状の本体と,
B この本体の一辺の直線部の一部を残し,前記一辺の長さより短い範囲で外方に向かって突出するインデックス用の空白欄を設けたインデックス部と,
C 前記本体の裏面の略全体に亘って再剥離性粘着剤が塗布され,
D 前記インデックス部の裏面には粘着剤が塗布されていないものであり,
R 前記再剥離性粘着剤を介して前記頁に貼り付けた前記本体の前記インデックス部より残された前記本体の一辺の直線部と前記頁の端部とが平面視略直線状に配置されることを特徴とする付箋紙。

本件考案8
S メモ書き用の空白欄を設けると共に,周縁部に少なくとも一つの直線部を有する本体と,
T この本体の直線部の延長部位より該延長部位に対して直交する方向で,しかも,外方に突出するインデックス用の空白欄を設けたインデックス部と,
C 前記本体の裏面の略全体に亘って再剥離性粘着剤が塗布され,
D 前記インデックス部の裏面には粘着剤が塗布されていないことを特徴とする付箋紙。

本件考案9
Q 複数枚ある頁の一枚の頁に目印のために貼り付ける付箋紙であって,
S メモ書き用の空白欄を設けると共に,周縁部に少なくとも一つの直線部を有する本体と,
T この本体の直線部の延長部位より該延長部位に対して直交する方向で,しかも,外方に突出するインデックス用の空白欄を設けたインデックス部と,
C 前記本体の裏面の略全体に亘って再剥離性粘着剤が塗布され,
D 前記インデックス部の裏面には粘着剤が塗布されていないものであり,
U 前記再剥離性粘着剤を介して前記頁に貼り付けた前記本体の直線部と前記頁の端部とが平面視略直線状に配置されることを特徴とする付箋紙。」

第3 当事者の主張の概要
1 請求人の主張の概要
イ号物件は,本件考案の「構成要件A」乃至「構成要件D」,「構成要件Q」乃至「構成要件U」を充足する。
イ号物件は,本件考案の構成要件Cを充足しないとした場合であっても,構成要件Cに関して均等の要件を満たすから,構成要件Cと均等な構成を有するものである。
よって,イ号物件は,本件考案の技術的範囲に属する。

2 被請求人の主張の概要
イ号物件は,本件考案の構成要件Cを充足しない。
イ号物件は,構成要件Cに関して均等の要件を満たさない。
よって,イ号物件は,本件考案の技術的範囲に属さない。

第4 イ号物件
1 イ号製品のパッケージの台紙表面には,以下の文字列やイラストが記載されている。
(ア)「Pitta ふせんの匠」
(イ)「好きな色から使えるインデックスふせん」
(ウ)「15sheets×6color」
(エ)「インデックスタイプが1冊になりました」
(オ)罫線が描かれた用紙に当該ふせんを貼付した状態のイラスト。
また,上記(オ)において,ふせんの台形状の突出部を「インデックス部」,インデックス部以外の四角形状の部分を「本体」としたとき,インデックス部が突出する側であってインデックス部より残された本体の一辺の直線部が,罫線が描かれた用紙の上辺に一致するように貼付されている,つまり,本体の一辺の直線部と用紙の端部とが平面視略直線状に配置されることが,該イラストから看て取れる。さらに,インデックス部を有するふせんであるから,複数枚ある頁の一枚の頁に目印のために貼り付けるという使用形態に供せられることは明らかである。
(甲第1号証-1,甲第2号証-1,甲11号証参照)

2 イ号製品のパッケージの台紙裏面には,以下の文字列やイラストが記載されている。
(カ)「Pitta ふせんの匠」
(キ)「好きな色から使えるインデックスふせん」
「15枚×6色×1冊」
(ク)「見出しやメモに便利なインデックスタイプが1冊になりました。」
(ケ)ふせんの色毎のイラスト
(コ)(ケ)におけるイラストの各ふせんの下には以下の記載がある。「“1” 69×45mm 15枚,“2” 69×45mm 15枚,“3” 69×57mm 15枚,“4” 69×57mm 15枚,“5” 69×69mm 15枚,“6” 69×69mm 15枚,(このカギ括弧内における「“」と「”」に挟まれた数字はパッケージにおいては丸囲み数字。)」と記載されている。
(サ)「使用上のご注意」,「問い合わせ先」,「リサイクルマーク」,「バーコード」等。
(シ)「実用新案3200588号」
(甲第1号証-2,甲第2号証-2,甲11号証参照)

そして,イ号製品を見ると,ふせんの台形状の突出部を「インデックス部」,インデックス部以外の四角形状の部分を「本体」としたとき,「インデックス部」にも「本体」にも空白欄が設けられており,上記(ク)より,該空白欄に何らかの情報を記入できることは明らかであって,「インデックス部」の空白欄は「インデックス用の空白欄」,本体の空白欄は「メモ書き用の空白欄」であることは自明である。
イ号製品において,インデックス部が突出した本体の周縁部である一辺には,直線部の一部が残されていることより,インデックス部は「本体の一辺の長さより短い範囲で外方に向かって突出」しているといえ,その突出方向は「本体の直線部の延長部位より該延長部位に対して直交する方向」である。
イ号製品において,台紙には「ふせん」と記載されているが,「ふせん」とは,広辞苑によれば「付箋」のことであり,「用件を書きつけて貼る小さい紙。目じるしのために貼りつける紙。貼りがみ。」であって,本件発明の「付箋紙」と同じであることは自明であるから,イ号製品においても,以後「付箋紙」と表記することとする。
上述のとおり,イ号製品は「付箋紙」であるから,「複数枚ある頁の一枚の頁に目印のために貼り付ける」ためのものであることも自明である。
さらに,本体の裏面には再剥離性粘着剤が塗布されているが,その塗布範囲は,甲第12号証-1乃至甲第14号証-4から明らかなように,本体の裏面の略半分弱から略半分強の範囲であって,この点については,請求人と被請求人とに争いはない。
したがって,イ号製品を,本件考案の「構成要件A」乃至「構成要件D」,「構成要件Q」乃至「構成要件U」に対応させて整理すると,イ号製品は,以下の構成を具備するものと認められる(以下「構成a」などという。)。
「a メモ書き用の空白欄を設けた四角形状の本体と,
b この本体の一辺の直線部の一部を残し,前記一辺の長さより短い範囲で外方に向かって突出するインデックス用の空白欄を設けたインデックス部と,
c 前記本体の裏面の略半分弱から略半分強の範囲に亘って再剥離性粘着剤が塗布され,
d 前記インデックス部の裏面には粘着剤が塗布されておらず,
q 複数枚ある頁の一枚の頁に目印のために貼り付けられ,
r 前記再剥離性粘着剤を介して前記頁に貼り付けた前記本体の前記インデックス部より残された前記本体の一辺の直線部と前記頁の端部とが平面視略直線状に配置され,
t インデックス部は,本体の直線部の延長部位より該延長部位に対して直交する方向で外方に突出している付箋紙。」

第5 対比,判断
イ号物件が本件考案の「構成要件A」乃至「構成要件D」,「構成要件Q」乃至「構成要件U」を充足するか否かについて,検討する。
1 本件考案2について
(1)構成要件Aと構成aについて
イ号物件の「本体」は,メモ書き用の空白欄を設けた四角形状をなしているから,本件考案2の「本体」に相当する。
したがって,イ号物件の構成aは,構成要件Aを充足する。
(2)構成要件Bと構成bについて
イ号物件の「インデックス部」は,本体の一辺の直線部の一部を残し,前記一辺の長さより短い範囲で外方に向かって突出するインデックス用の空白欄を設けたものであるから,本件考案2の「インデックス部」に相当する。
したがって,イ号物件の構成bは,構成要件Bを充足する。
(3)構成要件Cと構成cについて
本件考案2は,本体の裏面の略全体に亘って再剥離性粘着剤が塗布されるものである。
一方,イ号物件の「本体」は,本体の裏面の略半分弱から略半分強の範囲に亘って再剥離性粘着剤が塗布されるものである。
したがって,イ号物件の構成cは,構成要件Cを充足しない。
(4)構成要件Dと構成d及びtについて
イ号物件の「インデックス部」は,構成dより,裏面には粘着剤が塗布されないものである。
また,イ号物件は,構成tより,「付箋紙」である。
したがって,イ号物件の構成d及びtは,構成要件Dを充足する。

2 本件考案5について
(1)上記「1 本件考案2について」の(1)乃至(4)のとおりであるから,イ号物件の構成a,b,dは,それぞれ構成要件A,B,Dを充足するが,イ号物件の構成cは,構成要件Cを充足しない。
(2)構成要件Qと構成q及びtについて
イ号物件は,構成tより,「付箋紙」である。
また,該「付箋紙」は,構成qより,複数枚ある頁の一枚の頁に目印のために貼り付けられるものである。
したがって,イ号物件の構成q及びtは,構成要件Qを充足する。
(3)構成要件Rと構成r及びtについて
イ号物件の「付箋紙」は,構成rより,再剥離性粘着剤を介して前記頁に貼り付けた前記本体の前記インデックス部より残された前記本体の一辺の直線部と前記頁の端部とが平面視略直線状に配置されるものである。
また,イ号物件は,構成tより,「付箋紙」である。
したがって,イ号物件の構成r及びtは,構成要件Rを充足する。

3 本件考案8について
(1)上記「1 本件考案2について」の(3)乃至(4)のとおりであるから,イ号物件の構成d及びtは,構成要件Dを充足するが,イ号物件の構成cは,構成要件Cを充足しない。
(2)構成要件Sと構成a及びbについて
イ号物件の「本体」は,構成aより,メモ書き用の空白欄を設けられている。
また構成bより,「本体の一辺の直線部の一部を残し」ているから,「周縁部に少なくとも一つの直線部」を有することになるのは明らかである。
したがって,イ号物件の構成a及びbは,構成要件Sを充足する。
(3)構成要件Tと構成b及びtについて
イ号物件の「インデックス部」は,構成bより,インデックス用の空白欄を設けられている。
また,イ号物件は,構成tより,「本体の直線部の延長部位より該延長部位に対して直交する方向で外方に突出」しており,「付箋紙」である。
したがって,イ号物件の構成b及びtは,構成要件Tを充足する。

4 本件考案9について
(1)上記「3 本件考案8について」の(1)乃至(3)のとおりであるから,イ号物件の構成d,a及びb,b及びtは,それぞれ構成要件D,S,Tを充足するが,イ号物件の構成cは,構成要件Cを充足しない。
(2)構成要件Qと構成q及びtについて
イ号物件は,構成tより,「付箋紙」である。
また,該「付箋紙」は,構成bより,複数枚ある頁の一枚の頁に目印のために貼り付けられるものである。
したがって,イ号物件の構成q及びtは,構成要件Qを充足する。
(3)構成要件Uと構成r及びtについて
イ号物件の「付箋紙」は,再剥離性粘着剤を介して前記頁に貼り付けた前記本体の前記インデックス部より残された前記本体の一辺の直線部と前記頁の端部とが平面視略直線状に配置されるものである。
ここで,「本体の前記インデックス部より残された前記本体の一辺の直線部」は,「本体の直線部」に他ならない。
また,イ号物件は,構成tより,「付箋紙」である。
したがって,イ号物件の構成r及びtは,構成要件Uを充足する。

5 まとめ
よって,イ号物件は本件考案2,5,8,9が共通して備える構成要件Cを充足しないから,イ号物件は本件考案2,5,8,9の構成要件を充足しないものである。

第6 均等の判断
請求人は,構成要件Cの均等について主張しているので,以下,検討する。
1 均等の要件
最高裁平成6年(オ)第1083号判決(平成10年2月24日判決言渡)は,特許請求の範囲に記載された構成中に対象製品等と異なる部分が存する場合であっても,以下の5つの要件をすべて満たす場合には,対象商品等は,特許請求の範囲に記載された構成と均等なものとして,特許発明の技術的範囲に属するものと解するのが相当であると,判示している。
第1要件:異なる部分が特許発明の本質的部分ではない。
第2要件:異なる部分を対象製品等におけるものと置き換えても,特許発明の目的を達することができ,同一の作用効果を奏するものである。
第3要件:異なる部分を対象製品等におけるものと置き換えることに,当業者が,対象製品等の製造等の時点において容易に想到することができたものである。
第4要件:対象製品等が,特許発明の特許出願時における公知技術と同一又は当業者がこれから出願時に容易に推考できたものではない。
第5要件:対象製品等が特許発明の特許出願手続において特許請求の範囲から意識的に除外されたものに当たるなどの特段の事情もない。

2 第4要件について
事案に鑑み,まず第4要件を検討する。
本件は,「第1 請求の趣旨」に記載したとおり,本件判定の請求は,イ号製品が,本件考案の技術的範囲に属するかについての判定の請求であるから,上記第4要件を実用新案法第3条第2項の規定に対応させると,以下のとおりとなる。
第4要件:対象製品等が,登録実用新案の出願時における公知技術と同一又は当業者がこれから出願時にきわめて容易に推考できたものではない。

(1)公知技術
被請求人が,平成29年7月6日付け答弁書において公知技術を示す文献として提出した米国特許公開第2003/0178837号明細書(以下,「乙第8号証」という。)に記載された技術が,本件考案の出願時における公知技術であるかについて,まず検討する。
乙第8号証は,2002年3月22日に出願され,2003年9月25日に公報が発行されたものであるから,平成20年5月19日(2008年5月19日)に出願された本件考案の出願時における公知技術である。

(2)乙第8号証
乙第8号証には,以下の記載がある。(日本語訳及び日本語訳における下線については,当審で付した。)
ア「[0003]
This invention relates in general to note sheets, or pads and other assemblies thereof, which are adherent by means of repositionable adhesive and made of sheet material which permits the passage of light thus allowing a body behind it to be visible. (本発明は,一般に,再剥離可能な接着剤によって接着され,光の通過を可能にするシート材料で作られたシートまたはパッドおよびその他のアセンブリに関する。)」

イ「[0007]
The present invention would solve this problem by allowing valuable books and documents, such as library materials and school textbooks, to be written on, annotated, or highlighted, without defacing them or lowering their value. The note sheet of the present invention, being made of material which permits the passage of light, allows the existing text of the book, document, or other surface, as well as the written notes, annotations, and highlights to be viewed at the same time. The note sheet can also be easily removed at any time by means of its repositionable adhesive, restoring the book, document, or other surface to its former state. After removal, the note sheet of the present invention could be re-adhered to the same page. All notes, annotations, or highlights would be in the same place again. Such note sheets could also be made with index tabs, allowing annotated pages in a book to be easily found. (本発明は,図書館資料や学校の教科書などの貴重な図書や書類を破損したり,価値を低下させたりすることなく,書き込み,注釈,または強調表示することを可能にすることによって,この問題を解決する。本発明のノートシートは,光の通過を許容する材料で作られており,既存の本における本文,文書,またはその他の表面を,注記,注釈,および強調表示と同じように同時に見ることを許容している。ノートシートは,再剥離可能な接着剤によっていつでも容易に取り除くことができ,ブック,書類またはその他の表面を元の状態に戻すことができる。除去後,本発明の紙シートを同じページに再接着することができる。すべてのメモ,注釈,または強調表示はすべて同じ場所に再度表示されます。このようなノートシートは,インデックスタブを備えて作成することもでき,ブック内の注釈付きページを容易に見つけることができる。)」

ウ「[0025]
1 note sheet which permits the passage of light (1 光の通過を許容するノートシート)
[0026]
2 writing surface (2 筆記面)
[0027]
3 repositionable adhesive (3 再剥離可能な接着剤)
[0028]
4 index tab (4 インデックスタブ)」

エ「[0033]
The note sheet as shown in FIG. 1A (top view) is a sheet which permits the passage of light 1 with a writing surface 2 on its top side. (図1A(上面図)に示すノートシートは,上面に筆記面2を有する,光の通過を可能にするシートである。)
[0034]
The note sheet as shown in FIG. 1B (bottom view) is a sheet which permits the passage of light 1 with a repositionable adhesive 3 upon a portion of its bottom side. (図1B(裏面図)に示すノートシートは,裏面の一部に再剥離可能な接着剤3を備えた光を通過させるシートである。)
[0035]
A preferred embodiment of the present invention is the note pad assembly, which is illustrated in FIG. 2. The note pad assembly is comprised of a stack of sheets which permit the passage of light. The top of each sheet has a surface which is receptive to writing, erasing, highlighting and other such uses, with repositionable adhesive on a portion of the bottom side of each sheet. (本発明の好ましい実施形態は,図2に示されているノートパッドアセンブリである。ノートパッドアセンブリは,光の通過を可能にするシートの積み重ねから構成される。 各シートの表面は,筆記,消去,強調表示および他のそのような使用を受け入れる面を有し,各シートの裏面は再剥離可能な接着剤を有する。)」

オ「[0037]
FIG. 3A (exploded view) shows a stack of sheets which permit the passage of light 1, have a writing surface 2, and have an index tab 4 along one edge of each sheet. These tabs are placed on each sheet with an offset spacing suitable for differentiation. (図3A(分解図)は,光の通過を可能にし,筆記面2を有し,各シートの一端に沿ってインデックスタブ4を有するシートの積み重ねを示す。 これらのタブは,識別に適した,ずれた間隔で各シート上に配置される。)
[0038]
FIG. 3B (isometric view) shows the note sheets as they might be used in a book. The index tabs of the note sheets throughout the book can be seen protruding from the book's edge. A page is shown lifted from the book, displaying that the page is left in its original condition when the note sheet is removed. (図3B(等角図)は,ブック内で使用されるノートシートを示す。 本の全体にわたって,ノートシートのインデックスタブは,本の端から突出して見ることができます。ノートシートが取り除かれたときにそのページが元の状態のままであることを示すページが本から持ち上げられた状態で示されている。)」

カ 第3図Aより,ノートシートは,空白欄が設けられ,四角形状であることが看て取れる。
キ 第3図Bより,インデックスタブは,空白欄が設けられ,体の一辺の直線部の一部を残し,前記一辺の長さより短い範囲で外方に向かって突出していることが看て取れる。
ク [0034]の「ノートシートは,裏面の一部に再剥離可能な接着剤3を備えた」との記載と,第3図Bの「ノートシートがインデックスタブ側において接着されない」状態を踏まえると,第3図Aにおいて,1枚のノートシートのインデックスタブが設けられた対辺側と二点鎖線に挟まれた領域が,再剥離可能な接着剤が塗布された領域であることが看て取れる。
ケ 一般的なインデックスタブの使用方法を踏まえると,インデックスタブの表面にも裏面にも粘着剤が塗布されていないことは明らかであるであることが看て取れる。
コ [0007]の「ブック内の注釈付きページを容易に見つけることができる」との記載,第3図Bの「ノートシートが本に接着された」状態を踏まえると,インデックスタブは,複数枚ある頁の一枚の頁に目印のために貼り付けられることは明らかであるであることが看て取れる。
サ 第3図Bの「閉じたページに接着されたノートシートにおいてインデックスタブのみが突出して見える」状態を踏まえると,「頁に貼り付けたノートシートのインデックスタブより残された前記ノートシートの一辺の直線部と前記頁の端部とが平面視略直線状に配置」されることは明らかであることが看て取れる。
シ 第3図Aより,インデックスタブは,「ノートシートの直線部の延長部位より該延長部位に対して直交する方向で外方に突出」していることが看て取れる。
ス 「インデックス部」と「本体」に設けられた空白欄は「インデックス用の空白欄」,「メモ書き用の空白欄」であることは自明である。

したがって,乙第8号証には次の発明(以下,「公知技術」という。)が記載されていると認められる。
「メモ,注釈,または強調表示用の空白欄を設けた四角形状のノートシートと,
このノートシートの一辺の直線部の一部を残し,前記一辺の長さより短い範囲で外方に向かって突出する空白欄を設けたインデックスタブと,
前記ノートシートの裏面の一部には再剥離可能な接着剤が塗布され,
前記インデックスタブの裏面には接着剤が塗布されておらず,
複数枚ある頁の一枚の頁に目印のために貼り付けられ,
前記再剥離可能な接着剤を介して前記頁に貼り付けた前記ノートシートの前記インデックスタブより残された前記本体の一辺の直線部と前記頁の端部とが平面視略直線状に配置され,
インデックスタブは,ノートシートの直線部の延長部位より該延長部位に対して直交する方向で外方に突出しているノートシート。」

(3)イ号物件と公知技術との対比
後者の「メモ,注釈,または強調表示」は,前者の「メモ書き」に相当する。
以下同様に,「ノートシート」は,「本体」に,
「インデックスタブ」は,「インデックス部」に,
「再剥離可能な接着剤」は,「再剥離性粘着剤」に,
「接着剤」は,「粘着剤」に,それぞれ相当する。
また,前者の「ノートシート」は「インデックスタブ」と一体であり,全体として「付箋紙」であることは自明である。
以上のことより,両者は,
〈一致点〉
「メモ書き用の空白欄を設けた四角形状の本体と,
この本体の一辺の直線部の一部を残し,前記一辺の長さより短い範囲で外方に向かって突出するインデックス用の空白欄を設けたインデックス部と,
前記本体の裏面に再剥離性粘着剤が塗布され,
前記インデックス部の裏面には粘着剤が塗布されておらず,
複数枚ある頁の一枚の頁に目印のために貼り付けられ,
前記再剥離性粘着剤を介して前記頁に貼り付けた前記本体の前記インデックス部より残された前記本体の一辺の直線部と前記頁の端部とが平面視略直線状に配置され,
インデックス部は,本体の直線部の延長部位より該延長部位に対して直交する方向で外方に突出している付箋紙。」
である点で一致し,以下の点で相違している。
<相違点>
本体の裏面の再剥離性粘着剤が塗布された領域に関して,イ号物件では「(裏面の)略半分弱から略半分強」であるが,公知技術では「(ノートシートの)裏面の一部」であって,「(裏面の)略半分弱から略半分強」とはいえない点。

(4)判断
上記相違点について検討する。
イ号物件と公知技術とは,付箋紙の本体の裏面において,再剥離性粘着剤が塗布された領域と再剥離性粘着剤が塗布されない領域に区分されている点で共通している。
そして,付箋紙の本体の裏面において,再剥離性粘着剤が塗布された領域と再剥離性粘着剤が塗布されない領域の比率をどのように定めるかについては,当業者が貼付対象や使用形態等に応じて適宜定める程度の設計的事項であって,該塗布された領域を,公知技術の「(略半分弱から略半分強とはいえない)一部」から,イ号物件における「略半分弱から略半分強」とすることに格別の技術的困難性は認められない。
また,相違点に係るイ号物件の構成要件としたことによって,イ号物件において格別な作用効果が生じるものではない。
以上を踏まえると,相違点に係るイ号物件の構成要件は,公知技術から,当業者がきわめて容易に想到し得たものである。
そして,イ号物件の構成要全体によって奏される作用効果も,公知技術から,当業者が予測しうる程度のものである。

(5)小括
以上のとおり,イ号物件は,公知技術に基づいて,当業者がきわめて容易に推考することができたものである。
したがって,上記第4要件を満たさない。
請求人は,判定請求書において「イ号製品は,本件登録実用新案の出願時である平成20年5月19日において,公知技術と同一又は公知技術から容易に推考できたものでないことは,実用新案技術評価書において,請求項2以下の全てが肯定的な評価6を得ていることからも明らかであります。」と主張している(判定請求書第18頁第9行乃至12行)。
そもそも,上記実用新案技術評価書は,本件考案に対してなされたものであって,イ号製品に対してなされたものではないところ,上述のとおり,イ号製品は,本件考案の出願時に,当業者が上記実用新案技術評価書に示されない文献に記載された公知技術からきわめて容易に推考できたものである。
よって,上記請求人の主張は,失当である。

(6)まとめ
少なくとも上記第4要件を満たさないから,他の要件について判断するまでもなく,イ号物件の構成cが本件考案の構成要件Cと均等なものであるとはいえない。

第7 むすび
以上のとおり,イ号物件は,本件考案の構成要件Cを充足しないものであり,また,イ号物件の構成cと当該構成要件Cは均等なものともいえないから,イ号物件は,本件考案の技術的範囲に属しない。
よって,結論のとおり判定する。
判定日 2017-08-31 
出願番号 実願2008-3203(U2008-3203) 
審決分類 U 1 2・ 1- ZB (B42D)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 黒瀬 雅一
特許庁審判官 吉村 尚
藤本 義仁
登録日 2008-07-09 
登録番号 実用新案登録第3143615号(U3143615) 
考案の名称 付箋紙  
代理人 上吉原 宏  
代理人 玉田 修三  
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