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審決分類 審判    H04B
管理番号 1339219
審判番号 無効2017-400001  
総通号数 221 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2018-05-25 
種別 無効の審決 
審判請求日 2017-05-01 
確定日 2018-04-02 
事件の表示 上記当事者間の登録第3205151号実用新案「光通信コーデック装置」の実用新案登録無効審判事件について,次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 審判費用は,請求人の負担とする。
理由 第1 手続の経緯
本件の実用新案登録第3205151号についての手続の経緯の概要は,以下のとおりである。

本件出願 平成28年 4月25日
設定登録 平成28年 6月15日
実用新案技術評価請求(他人請求) 平成28年11月18日
実用新案技術評価書(作成日) 平成29年 3月 1日
本件無効審判請求 平成29年 5月 1日
手続補正(審判請求書)(請求人) 平成29年 6月21日
答弁書提出 平成29年 7月26日
審理事項通知(第1回) 平成29年11月 1日
手続補正(審判請求書)(請求人) 平成29年11月13日
口頭審理陳述要領書提出(請求人) 平成29年11月13日
審理事項通知(第2回) 平成29年12月 1日
手続補正(答弁書)(被請求人) 平成30年 1月11日
口頭審理陳述要領書提出(被請求人) 平成30年 1月11日
口頭審理 平成30年 1月25日

平成30年1月25日の口頭審理において,「審判請求の趣旨」及び「請求の理由」については,平成29年11月13日提出の手続補正書により補正された審判請求書,及び平成29年11月13日提出の口頭審理陳述要領書のみを審理の基礎とし,「答弁の趣旨」及び「答弁の理由」については,平成30年1月11日提出の手続補正書により補正された審判事件答弁書,及び平成30年1月11日提出の口頭審理陳述要領書のみを審理の基礎とすることが確認された。



第2 本件考案
実用新案登録第3205151号の請求項1?4に係る考案のうち,請求項4に係る考案は,実用新案登録請求の範囲の請求項4及び引用する請求項1乃至請求項3のいずれかに記載された考案特定事項により特定されるものであるところ,請求項1を引用する請求項4に係る考案(以下,「本件考案」という。)は,次のとおりのものであると認める。
「(A)光通信網に接続されている通信機器との間の通信を制御する光通信制御手段と,
(B)処理するデータをシリアルデータとして送受信するシリアル通信機器を接続するためのシリアル通信インタフェースと,
(C)音響データを送受信する音響機器を接続するための音響機器インタフェースと,
(D)前記光通信網を介して光電話を利用するための光電話接続制御手段と,
(E)デジタル機器で処理可能なデジタルデータを対応するアナログデータに変換するデジタル-アナログ変換手段と,
(F)アナログ機器で処理可能なアナログデータを対応するデジタルデータに変換するアナログ-デジタル変換手段と,
(G)装置の動作を指示するための指示入力可能な指示入力手段と,
(H)装置の状態を視認可能に表示する表示手段とを備え,
(L)前記光通信制御手段が受信する前記デジタル機器で処理可能なデジタルデータにはデジタルIQ信号化されたFM放送波データをさらにIP信号に変換されたデジタル信号が含まれることを特徴とする
光通信コーデック装置。」
([当審注]:上記「(A)」?「(H)」,「(L)」は,当審が便宜上付した分説符号であり,「(A)」?「(H)」は請求項1の記載に対応し,「(L)」は請求項4の記載に対応する。)



第3 請求人の主張
請求人は,実用新案登録第3205151号の実用新案登録請求の範囲の請求項4に係る考案についての実用新案登録を無効とする,との審決を求め,次のような無効理由を主張している。
以下の各無効理由は,請求人の主張する無効理由を,無効理由の具体的な説明の内容に基づいて,当審においてまとめたものである。

1 無効理由1
実用新案登録第3205151号の請求項1を引用する請求項4に係る考案は,甲第1号証に記載された考案に,甲第3号証に記載された事項から導かれる構成及び甲第4号証に記載された事項から導かれる構成を適用することにより,当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから,実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないものである。したがって,本件請求項4に係る実用新案登録は,同法第37条第1項第2号に該当し,無効とすべきである。


2 無効理由2
実用新案登録第3205151号の請求項1及び請求項2を引用する請求項4に係る考案は,甲第1号証に記載された考案に,甲第3号証に記載された事項から導かれる構成,甲第4号証に記載された事項から導かれる構成及び甲第2号証に記載された事項から導かれる構成を適用することにより,当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから,実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないものである。したがって,本件請求項4に係る実用新案登録は,同法第37条第1項第2号に該当し,無効とすべきである。


3 無効理由3
実用新案登録第3205151号の請求項1及び請求項3を引用する請求項4に係る考案は,甲第1号証に記載された考案に,甲第3号証に記載された事項から導かれる構成及び甲第4号証に記載された事項から導かれる構成を適用することにより,当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから,実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないものである。したがって,本件請求項4に係る実用新案登録は,同法第37条第1項第2号に該当し,無効とすべきである。


4 無効理由4
実用新案登録第3205151号の請求項1,請求項2及び請求項3を引用する請求項4に係る考案は,甲第1号証に記載された考案に,甲第3号証に記載された事項から導かれる構成,甲第4号証に記載された事項から導かれる構成及び甲第2号証に記載された事項から導かれる構成を適用することにより,当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから,実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないものである。したがって,本件請求項4に係る実用新案登録は,同法第37条第1項第2号に該当し,無効とすべきである。


5 無効理由5
実用新案登録第3205151号の請求項1を引用する請求項4に係る考案は,甲第1号証に記載された考案に,甲第5号証の1に記載された事項から導かれる構成及び甲第4号証に記載された事項から導かれる構成を適用することにより,当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから,実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないものである。したがって,本件請求項4に係る実用新案登録は,同法第37条第1項第2号に該当し,無効とすべきである。


6 無効理由6
実用新案登録第3205151号の請求項1及び請求項2を引用する請求項4に係る考案は,甲第1号証に記載された考案に,甲第5号証の1に記載された事項から導かれる構成,甲第4号証に記載された事項から導かれる構成及び甲第2号証に記載された事項から導かれる構成を適用することにより,当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから,実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないものである。したがって,本件請求項4に係る実用新案登録は,同法第37条第1項第2号に該当し,無効とすべきである。


7 無効理由7
実用新案登録第3205151号の請求項1及び請求項3を引用する請求項4に係る考案は,甲第1号証に記載された考案に,甲第5号証の1に記載された事項から導かれる構成及び甲第4号証に記載された事項から導かれる構成を適用することにより,当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから,実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないものである。したがって,本件請求項4に係る実用新案登録は,同法第37条第1項第2号に該当し,無効とすべきである。


8 無効理由8
実用新案登録第3205151号の請求項1,請求項2及び請求項3を引用する請求項4に係る考案は,甲第1号証に記載された考案に,甲第5号証の1に記載された事項から導かれる構成,甲第4号証に記載された事項から導かれる構成及び甲第2号証に記載された事項から導かれる構成を適用することにより,当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから,実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないものである。したがって,本件請求項4に係る実用新案登録は,同法第37条第1項第2号に該当し,無効とすべきである。


また,請求人は,証拠方法として甲第1号証?甲第4号証,甲第5号証の1,甲第6号証?甲第8号証を提出している。
甲第1号証:特開2004-242206号公報
甲第2号証:特開2000-295667号公報
甲第3号証:特開2011-114469号公報
甲第4号証:特開2015-198312号公報
甲第5号証の1:「NTT DoCoMo テクニカル・ジャーナル Vol.15 No.1 IP化対応無線基地局装置の開発」
甲第6号証:「ミハル通信株式会社 地上デジタル放送信号IP伝送システム」
甲第7号証:「日本通信機株式会社 製品情報 FM放送システム」
甲第8号証:実用新案登録第3205151号の実用新案登録請求の範囲の請求項1?請求項4に係る考案についての実用新案技術評価書

なお,甲第5号証は甲第5号証の1に差し替えられた。また,甲第8号証の表示名は,請求人の提出した書証に基づき,当審が修正した。



第4 被請求人の主張
被請求人は,平成30年1月11日提出の手続補正書により補正された審判事件答弁書,及び平成30年1月11日提出の口頭審理陳述要領書において,概略以下のとおり主張している。
以下は,被請求人の主張を,その具体的な説明の内容に基づいて,当審においてまとめたものである。

甲第1号証記載考案は,単にネットワークから所望のデータを受信するのみであるから,本件考案の光コーデック装置とは構成上相違しており,また,各甲号証記載考案は課題が同じである記載又は示唆がないから組み合わせることができない。また,甲第3号証記載考案は,解決しようとする課題,基本的な構成,技術分野が相違しており,本件考案をなすに当たって基礎となり得ない。更に,本件考案は,デジタルIQ化されたFM放送波データを更にIP信号化されたデジタル信号が中継される構成を備え,光電話を利用可能に構成されていることに特徴があるが,この両方の構成要件を備える公知文献はない。したがって,請求項4に係る考案は各甲号証に基づいてきわめて容易に考案をすることができたとはいえないから,本件審判請求は理由がない。
(平成30年1月11日提出の手続補正書により補正された審判事件答弁書9葉25行?10葉8行,口頭審理陳述要領書(被請求人)2葉4?26行)



第5 当審の判断
請求項4が引用する請求項の組み合わせ,甲第3号証を用いるか甲第5号証の1を用いるかにより,上記「第3 請求人の主張」の項に挙げた無効理由1?8が存在するが,まず,無効理由1について検討する。

1 無効理由1について
(1)本件考案
上記「第2」の項で本件考案として認定したとおりである。

(2)引用考案等
以下の各甲号証に係る考案又は記載事項には,無効理由1に用いられていないものもあるが,無効理由1?8において複数の甲号証が重複して用いられているため,当項において各甲号証に係る考案又は記載事項を纏めて認定する。

ア 甲第1号証に記載された考案について
本件実用新案登録出願の出願日前に頒布された刊行物である甲第1号証(特開2004-242206号公報)には,図面と共に,以下の事項が記載されている。

(ア)「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,光ネットワークのアクセス装置,アクセス装置の操作入力装置,ならびに,アクセス装置の制御プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
インターネットなどのネットワーク技術の発展に伴い,企業から家庭まで,ネットワークインフラの普及が加速化している。家庭にいるユーザは,これらのネットワークインフラの回線を,例えばPC(Personal Computer)などのアクセス装置と接続して,他端末からコンテンツを受信する環境を享受している。これらのアクセス装置は,例えば,受信する信号の種別,通信の規格,ならびに,ユーザの操作を受けつけるインタフェースなどに応じて,様々なものが提案されている。よって,ユーザは,所望のコンテンツの内容や,インタフェースなどに応じて,複数のアクセス装置を使い分けることとなる。
【0003】
そこで,従来の家庭用情報端末は,インターネットなどから受信する情報系の信号と,TVアンテナから受信する映像系の信号という2種類の信号を入力とする(例えば,特許文献1参照)。そして,その家庭用情報端末は,それらの2種類の信号を,1台のTV受信機に表示させるための変換機能を有している。これにより,ユーザは,2種類の信号を表示させるために,家庭用情報端末という1台の装置を用意するだけで済む。よって,2種類の信号を別々の装置に入力させる方式に比べ,設置場所および消費電力を節約することができる。
【0004】
【特許文献1】
特開2000-181596号公報(段落[0004]等)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
なお,光ファイバ通信によるネットワーク技術の高速化に伴い,光ファイバ通信を使用して情報を高速に通信するためのインフラの整備が,進められている。それらの高速通信のためのインフラの整備は,さらなる普及が見込まれている。そして,家庭から高速通信のインフラを有効に使用するためには,光ファイバの通信に対応したアクセス装置を,家庭側で用意することが必要となる。
【0006】
また,家庭内の各機器を接続してネットワークを構築するホームネットワークの普及も進められている。これらのホームネットワークを構成する家庭内の機器は,同じ家庭内に設置されている機器とだけではなく,家庭外と接続するネットワークを介して,建物の外にある端末と通信することもある。一例を挙げると,家庭の外にいるユーザが,携帯電話などから,家庭内の録画装置に対して,タイマ予約の指示を送信する場合がある。この場合,携帯電話と録画装置とが通信可能となるためには,家庭内に設置されている録画装置は,家庭外の携帯電話のネットワークと接続されていることが必要となる。よって,ホームネットワークを構成する家庭内の各機器と,家庭の外とのネットワークを接続するための通信接続機器(例えば,複数のポートを有するHUB機能を含むルータ装置)も,家庭側で用意することが必要となる。
【0007】
さらに,ユーザが家庭で扱う情報は,IP(Internet Protocol)通信などの情報系の信号だけでなく,TVなどの映像系の信号も存在する。よって,ユーザは,光ファイバの通信により,放送局から映像信号が送信されるようになると,映像を受信して閲覧させるために,光ファイバの通信に適合する専用のチューナを,家庭側で用意することが必要となる。
【0008】
以上のように,光ファイバ通信によるネットワーク技術の高速化に対応してホームネットワークを構築するために,ユーザは,光ファイバの通信に対応する各装置(情報系の信号を扱うアクセス装置,ホームネットワークを構築するための通信接続機器,ならびに,映像系の信号を扱う専用のチューナ)を,それぞれ設置することが必要となる。しかし,これらの各装置を設置することは,設置場所の確保,消費電力の供給,ならびに,機器と接続するケーブルの接続の煩わしさにおいて,ユーザへの負担となっている。なお,特許文献1などの従来のアクセス装置では,光ファイバ通信およびホームネットワークの構築への対処は,不十分である。
【0009】
そこで本発明は,前記に鑑み,光ファイバ通信に適応させて情報系の信号および映像系の信号を,効率的に閲覧させる装置を提供することを,主な目的とする。」(3?4ページ)

(イ)「【0012】
まず,図1に示す地域情報のアクセスシステムは,光ネットワークを用いて地域情報などの情報の配信および閲覧をさせる機能を有する。なお,地域情報は,動画および音声によって構成される映像系の信号101と,IPパケット形式などを用いてやりとりされるデジタルデータの信号である情報系の信号102とを含むものとする。そして,これらの地域情報は,例えば,全国の市町村である自治体によって,作成および運営がなされる行政情報である。このため,地域情報のアクセスシステムは,地域情報のコンテンツを映像形式で配信する映像系サーバ装置1と,計算機で扱われるデジタルデータの形式で地域情報のコンテンツを配信する情報系サーバ装置2と,映像系の信号101および情報系の信号102を表示させるための変換処理を行うアクセス装置5(請求項における“プログラム”によって制御される)と,ユーザからの操作情報を受けつけてアクセス装置5に通知する操作入力装置6と,アクセス装置5から出力される映像の信号を受けて表示する表示装置7と,アクセス装置5と接続して情報系の信号102の入出力を行う周辺機器8と,光ファイバによって構成されるCATV網などのイントラネットである光ネットワーク9とを含んで構成される。なお,映像系サーバ装置1は,CATVの放送装置として構成される。また,周辺機器8は,例えば,紙面を印刷するプリンタ,双方向で音声を通信する電話,撮影の際に使用されるカメラ,ならびに,個人を認証するためのICカード読み取り機が挙げられる。さらに,アクセス装置5は,外部の環境を測定する各種センサ(例えば,水道の使用量を測定する水道センサ)を接続する構成としてもよい。
【0013】
ここで,地域情報のコンテンツの配信の概要について,説明する。まず,光ネットワーク9は,映像系サーバ装置1,情報系サーバ装置2,ならびに,アクセス装置5などを接続するネットワークであり,地域情報のコンテンツの伝送手段として使用される。また,映像系サーバ装置1は,映像系サーバ装置1内に格納する映像系の信号101を,光ネットワーク9上に送受信する機能を有する。さらに,情報系サーバ装置2は,情報系サーバ装置2内に格納する情報系の信号102を,光ネットワーク9上に送信する機能を有する。そして,アクセス装置5は,光ネットワーク9を介して,映像系サーバ装置1から映像系の信号101を受信し,また,情報系サーバ装置2から情報系の信号102を送受信する。そのため,アクセス装置5には,映像系の信号101を受信するためのインタフェースと,情報系の信号102を受信するためのインタフェースとを,少なくとも1本ずつ有する構成となっている。
【0014】
次に,地域情報のアクセスシステムを構成する各装置について,より具体的に説明する。
【0015】
まず,図2に示すアクセス装置5は,アクセス装置5が敷設された建物から外部の装置と光ネットワーク9を介して接続するための外部インタフェース部10と,映像系の信号101および情報系の信号102についての処理を行う処理部20と,アクセス装置5が設置された建物内部の装置と通信するための内部インタフェース部30と,アクセス装置5の各部から共通に使用される共通部40とを含んで構成される。以下,アクセス装置5の各構成要素について,詳細に説明する。
【0016】
アクセス装置5の外部インタフェース部10は,映像系の信号101を受信するインタフェースである映像系信号通信部11Aと,情報系の信号102の送受信を行うインタフェースである情報系信号通信部12Aと,光/電気変換素子により構成されて光信号と電気信号との変換を行う光/電気信号変換部(11Bおよび12B)とを含んで構成される。光/電気信号変換部11Bは,映像系信号通信部11Aにより受信した光信号と電気信号との変換を行う。また,光/電気信号変換部12Bは,情報系信号通信部12Aにより受信した光信号と電気信号との変換を行う。
【0017】
アクセス装置5の処理部20は,受信した映像系の信号101から所定のチャンネルの映像および音声を抽出する映像系信号のチューナ部21と,アナログ信号で入力された映像系の信号101をデジタル信号に変換する映像信号のA/D変換部22と,アクセス装置5内の各部の制御および映像データの生成などの情報処理を行う演算処理部23と,デジタル信号で入力された映像データをアナログ信号に変換する映像信号のD/A変換部24とを含んで構成される。
【0018】
アクセス装置5の内部インタフェース部30は,操作入力装置6から操作情報を受けつけるインタフェースである操作入力部31と,ダウンコンバータなどにより構成されてアクセス装置5で処理された映像データを表示装置7に出力する映像出力部32と,PCおよび周辺機器8とアクセス装置5とを接続するインタフェースである情報系機器通信部33とを含んで構成される。
【0019】
アクセス装置5の共通部40は,アクセス装置5に電力を供給するための電源部41と,アクセス装置5から音声信号を発するための音声部42と,アクセス装置5に接続されるセンサからの情報を通知する処理を制御するセンサ処理部43とを含んで構成される。なお,音声部42は,例えば,スピーカによって構成される。以上,アクセス装置5の各構
成要素について,詳細に説明した。
【0020】
ここで,アクセス装置5の概観図の一例を,図3に示す。なお,図3(A)は,アクセス装置5の背面レイアウトの図を示し,図3(B)は,アクセス装置5の前面レイアウトの図を示す。まず,図3(A)において,“映像系光入力ファイバーコネクタ”は,図2における映像系信号通信部11Aに対応し,“情報系光入力ファイバーコネクタ”は,図2における情報系信号通信部12Aに対応する。次に,“電源ケーブル”は,図2における電源部41に対応する。そして,“プリンタコネクタ”は,図2における情報系機器通信部33に対応し,接続される周辺機器8の一例として,プリンタとの接続を行うための端子である。さらに,“サウンド出力(ステレオ)/映像出力(NTSC)”,“映像出力(S端子)”,ならびに,“映像出力(RF端子)”は,図2における映像出力部32に対応する。また,“LANコネクタ/外部PC接続”は,図2における情報系機器通信部33に対応し,外部のPCとの接続に使用される。次に,図3(B)において,“リモコン受光部”は,図2における操作入力部31に対応している。“電源ランプ”は,図2における電源部41の動作を確認させるためのものであり,電源が投入されている状態を,発光によって,ユーザに通知する。
【0021】
なお,図3の各端子の構成要素について,例えば,“プリンタコネクタ”は,IEEE1284(Institute of Electrical and Electronic Engineers 1284)規格のパラレルポートとして,実現される。また,“サウンド出力(ステレオ)/映像出力(NTSC)”は,例えば,コンポジット端子として,実現される。さらに,“LANコネクタ/外部PC接続”は,IEEE802.3規格のイーサネット(R)として,実現される。なお,以上説明した図3に示される各構成要素の実現手段は,あくまで一例である。よって,図3は,特定の規格または端子の形状を限定するものではなく,適宜変更を行ってもよい。実現手段の変更は,例えば,“プリンタコネクタ”を,IEEE1284規格のパラレルポートによって実現する替わりに,USB(Universal Serial Bus)の規格を用いて実現してもよい。
【0022】
次に,操作入力装置6の構成について,図4に示す概観図を参照して,より具体的に説明する。なお,操作入力装置6は,例えば,図4に示すリモコン装置として,実現される。このリモコン装置は,TVなどで広く普及しているリモコン装置のボタン(チャンネルの変更ボタンなど)に加えて,インターネットなどの情報系の信号102の入力に対応するボタンを付加するものである。よって,ユーザは,TVなどのリモコンで習熟したリモコン操作について,図4に示すリモコン装置でも同様に操作できるので,例えば高齢者であってもなじみやすく,また操作しやすいという利点がある。
【0023】
よって,図4に示す操作入力装置6は,映像出力部32(図2参照)に出力する映像の信号(映像系の信号101または情報系の信号102)をユーザに選択させるための映像切替ボタン6Aと,映像系の信号101に含まれる1つ以上の映像チャンネルから映像出力部32に出力するチャンネルをユーザに選択させるチャンネル選択ボタン6Bと,情報系の信号102である行政情報の取得を要求させるための行政情報ボタン6Cと,情報系の信号102である電子メールを編集させるソフトを起動するための電子メールボタン6Dとを含んで構成される。これらの操作入力装置6の構成要素のボタンがユーザに押されることにより,操作入力装置6は,例えば赤外線などの無線通信により,ユーザのボタンの押下による操作情報を,アクセス装置5に通知する。」(4?6ページ)

(ウ)「【0025】
なお,図5は,映像系の信号101を,アクセス装置5から表示装置7に表示させる処理を示すフローチャートである。一方,図6は,情報系の信号102を,アクセス装置5から表示装置7に表示させる処理を示すフローチャートである。従って,ユーザは,映像切替ボタン6Aを用いて,上記2つの信号のうち,どちらの信号を表示装置7に表示させるかを,前もって選択しておく必要がある。なお,映像の切替えは,例えば,映像切替ボタン6Aを押す度に,映像系の信号101と情報系の信号102とを交互に切替えるものとする。
(中略)
【0029】
次に,S102(映像系の信号の受信)について,説明する。アクセス装置5は,光ネットワーク9から映像系信号通信部11Aを介して,映像系サーバ装置1から,映像系の信号101を受信する。なお,映像系サーバ装置1は,映像系サーバ装置1内に登録されたコンテンツについて,随時光ネットワーク9に送信し続けているものとする。
【0030】
さらに,S103(電気信号への変換)について,説明する。アクセス装置5は,光/電気信号変換部11Bを用いて,受信した映像系の信号101について,光信号から電気信号に変換する。より具体的には,映像系信号通信部11Aは,映像系信号通信部11Aの受光部を用いて,映像系の信号101を感知して,電圧の強弱の信号へと変換する。そして,映像系信号通信部11Aは,変換された映像系の信号101の電圧が減衰されていることもあり得るので,映像系信号通信部11Aの増幅回路によって,適宜電圧の増幅を行う。
【0031】
そして,S104(映像チャンネルの抽出)について,説明する。アクセス装置5は,映像系信号のチューナ部21を用いて,受信した映像系の信号101に含まれる映像のチャンネルのうち,所定の映像チャンネルの信号を抽出する。なお,チャンネルの抽出は,例えば,受信した映像系の信号101に含まれる映像チャンネルが,波長多重されている場合に,所定の映像チャンネルに対応する波長の信号を抽出する処理である。また,所定のチャンネルとは,任意のタイミングで,操作入力装置6によってユーザが選択した1つ以上のチャンネルである。また,映像系信号のチューナ部21は,受信した映像系の信号101にモザイクなどの特殊処理が加えられている場合,適宜特殊処理を解除する変換を行い,視聴可能にする。
【0032】
また,S105(映像信号のA/D変換)について,説明する。アクセス装置5は,チャンネルが抽出された映像系の信号101について,映像信号のA/D変換部22を用いて,アナログ信号からデジタル信号への変換処理を行う。ここで,変換処理は,所定の周期でアナログ信号の一部を抽出する標本化処理,ならびに,抽出された各アナログ信号を測定し,離散値に近似する量子化処理である。これらの処理は,デジタル信号を扱う演算処理部23に,映像系の信号101を入力するための前処理として行われる。
【0033】
ここで,S106(映像信号のデジタル処理)について,説明する。アクセス装置5の演算処理部23は,入力された映像系の信号101について,所定のデジタル信号処理を行う。なお,所定のデジタル信号処理は,例えば,映像系の信号101をMPEG2(Moving Picture Experts Group2)形式に符号化して,情報系機器通信部33に接続されたPCに転送する処理である。
【0034】
さらに,S107(映像信号のD/A変換)について,説明する。アクセス装置5は,映像系の信号101を表示装置7に表示させるために,映像信号のD/A変換部24を用いて,デジタル方式の映像系の信号101を,アナログ方式に変換する。なお,表示装置7がデジタル方式の映像系の信号101を入力可能な場合には,S107(映像信号のD/A変換)の処理は,省略が可能である。
【0035】
そして,S108(映像信号の出力)について,説明する。アクセス装置5は,映像出力部32を介して,映像系の信号101を表示装置7に出力する。そして,表示装置7は,受信した映像系の信号101を表示する。
(中略)
【0038】
次に,S204(情報信号のデジタル処理)について,説明する。アクセス装置5の演算処理部23は,入力された情報系の信号102について,所定のデジタル信号処理を行い映像化する。なお,映像化の処理は,例えば,HTML(HyperText Markup Language)形式で記述された情報系の信号102から,表示するデータおよびデータへの操作を受けつけるアイコン群(Webブラウザ)を生成する処理である。
【0039】
また,S205(映像信号のD/A変換)について,説明する。アクセス装置5は,映像信号のD/A変換部24を用いて,映像化されたデジタル方式の情報系の信号102を,アナログ方式に変換する。なお,この処理は,図5におけるS107(映像信号のD/A変換)に相当する。」(7?9ページ)

(エ)「【0048】
さらに,図5における映像系の信号101がデジタル形式またはアナログ形式によって伝送された場合の,アクセス装置5の構成を比較する説明図を,図11(A)および図11(B)に示す。なお,図11(A)は,映像系の信号101がデジタル形式で伝送された場合の構成図の一例であり,図11(B)は,映像系の信号101がアナログ形式で伝送された場合の構成図の一例である。図11(A)と図11(B)との差異は,装置内の中央に付された“TV信号変換器”(映像信号のA/D変換部22に対応)の有無である。図11(B)の構成では,演算処理部23において映像系の信号101を処理させるために,“TV信号変換器”が,アナログ形式の映像系の信号101を,デジタル形式に変換している。なお,図11(A)と図11(B)との両方の右側に付された“TV信号変換器”は,映像信号のD/A変換部24および映像出力部32に対応している。」(10ページ)


上記各記載及び図面並びにこの技術分野の技術常識を考慮すると,
a 上記(イ)の【0013】,【0016】の記載,図1,図2によれば,映像系信号通信部11A及び情報系信号通信部12Aを含む,アクセス装置の外部インタフェース部10は,光ネットワーク9に接続されている情報系サーバ装置及び映像系サーバ装置との間で通信を行うといえる。ここで,上記(イ)の【0012】,上記(エ)の記載によれば,当該通信はデジタル通信といえる。
したがって,甲第1号証には,「光ネットワークに接続されている装置との間でデジタル通信を行う外部インターフェース部」を備えるアクセス装置が記載されているといえる。

b 上記(イ)の【0012】,【0021】の記載,図1,図3によれば,アクセス装置は,周辺機器であるプリンタと接続するための「USB規格のプリンタコネクタ」を備えているといえる。

c 上記(イ)の【0012】,【0018】の記載,図1,図3によれば,アクセス装置は,周辺機器である「双方向で音声を通信する電話と接続するためのインタフェース」を備えているといえる。

d 上記(イ)の【0017】,上記(ウ)の【0034】,【0039】の記載,図2によれば,アクセス装置は,「映像信号のA/D変換部」,「映像信号のD/A変換部」を備えている。

e 上記(イ)の【0022】,【0023】の記載,図1によれば,アクセス装置に「アクセス装置の動作を指示するための操作情報が,操作入力装置から通知される」といえる。

f 上記(イ)の【0020】の記載,図3(B)によれば,アクセス装置は,「電源が投入されている状態を発光によってユーザに通知する電源ランプ」を備えている。

g 上記aのとおり,上記(イ)の【0012】,上記(エ)の記載によれば,外部インタフェース部は,情報系サーバ装置とIPパケット形式のデジタルデータである情報系の信号を送受信し,映像系サーバ装置からデジタル形式で伝送される映像系の信号を受信するから,「外部インタフェース部が受信する信号には,IPパケット形式のデジタルデータである情報系の信号及びデジタル形式で伝送される映像系の信号が含まれている」ことは明らかである。

h 上記(ア)の【0001】,【0005】,【0009】,上記(イ)の【0012】?【0013】の記載によれば,甲第1号証に記載された考案は,光ファイバ通信に適応させて地域情報の情報系の信号及び映像系の信号を家庭にて効率的に閲覧させる,光ネットワークのアクセス装置を提供することを目的とするものといえる。

以上を総合すると,甲第1号証には以下の考案(以下,「甲1考案」という。)が記載されていると認める。
「(a)光ネットワークに接続されている装置との間でデジタル通信を行う外部インターフェース部と,
(b)USB規格のプリンタコネクタと,
(c)双方向で音声を通信する電話と接続するためのインタフェースと,
(e)映像信号のD/A変換部と,
(f)映像信号のA/D変換部と,
(h)電源が投入されている状態を発光によってユーザに通知する電源ランプとを備え,
(g)アクセス装置の動作を指示するための操作情報が,操作入力装置から通知され,
(l)前記外部インタフェース部が受信する信号には,IPパケット形式のデジタルデータである情報系の信号及びデジタル形式で伝送される映像系の信号が含まれている,
アクセス装置。」
([当審注]:上記「(a)」等の符号は,本件考案に付した分説と対応し易いように便宜上付した分説符号である。)

イ 甲第2号証に記載された技術事項について
本件実用新案登録出願の出願日前に頒布された刊行物である甲第2号証(特開2000-295667号公報)には,以下の事項が記載されている。

(ア)「【0019】MVPの左側面に備えられた316は,カメラ撮影及び再生に関連したキー(以下,カメラ撮影/再生キーと称する)であり,318はカメラパワーオン/オフのためのスイッチ(以下,カメラパワーオン/オフスイッチと称する)である。カメラ撮影/再生キー316の上部に備えられた314は,RS232Cジャックであって,PCから静止画像がダウンロードされたり,MVPの静止画像をPCにアップロードするためのジャックである。」(5ページ8欄)

(イ)「【0031】本発明の実施形態によるMVPのカメラボード200には,カメラパワーをオン/オフするためのカメラパワーオン/オフスイッチ318,PCから/へのダウンロード/アップロードのためのRS-232Cジャック314が含まれている。前記カメラパワーオン/オフスイッチ318の一端は接地され,他端は携帯電話制御部24のGPIO(CP_CHECK)ポートに連結されたCP_CHECKラインに接続されている。」(7ページ11欄)

上記(ア),(イ)には「RS232Cジャック」及び「GPIO(CP_CHECK)ポート」が記載されており,RS232C,GPIOはシリアルポートのインタフェースの仕様であることは当業者における技術常識である。
したがって,甲第2号証の上記各記載及びこの技術分野の技術常識を考慮すると,「RS232Cジャック及びGPIO仕様のシリアルインターフェス。」は公知であると認められる。(以下,「甲2記載事項」という。)

ウ 甲第3号証に記載された技術事項について
本件実用新案登録出願の出願日前に頒布された刊行物である甲第3号証(特開2011-114469号公報)には,以下の事項が記載されている。

(ア)「【請求項1】
地上デジタル放送の放送信号を通信ネットワーク経由で送信する送信装置であって,
地上デジタル放送のRF信号からOFDMの各シンボルについてキャリア毎に同相成分データ(Iデータ)および直交成分データ(Qデータ)を抽出するIQデータ抽出手段と,
抽出された同相成分データと直交成分データをIPパケット化して通信ネットワーク上に出力するIP出力手段と
を備えたことを特徴とする送信装置。」(2ページ)

(イ)「【0001】
本発明は,テレビジョン放送,特に地上デジタル・テレビジョン放送の放送信号を通信ネットワーク経由で伝送する放送伝送システムに関する。
(中略)
【0008】
このような理由から,既存の通信ネットワークシステムに地上デジタル放送をいかに対応させるかが,大きな課題であった。
【0009】
本発明はこの課題を解決するため,地上デジタル放送を通信ネットワーク経由で伝送する場合に必要な伝送帯域を低減し,かつ,受信装置の回路規模を軽減することを企図する。また,通信ネットワーク経由で地上デジタル放送の多チャンネル同時伝送を現実的なものとすることを企図する。」(4ページ)

上記(ア)の記載及びこの技術分野の技術常識を考慮すると,「RF信号からOFDMの各シンボルについてキャリア毎に同相成分データ(Iデータ)および直交成分データ(Qデータ)を抽出し,抽出された同相成分データと直交成分データをIPパケット化して通信ネットワーク上に出力する送信装置。」は公知であると認められる。(以下,「甲3記載事項」という。)

エ 甲第4号証に記載された技術事項について
本件実用新案登録出願の出願日前に頒布された刊行物である甲第4号証(特開2015-198312号公報)には,以下の事項が記載されている。

(ア)「【請求項4】
前記高周波信号がFM信号であって,
前記ダウンコンバータは,前記入力された高周波信号を,10.7MHzよりも高い中間周波数信号に変換することを特徴とする請求項1?3のいずれか一つに記載の信号処理装置。
(中略)
【請求項8】
前記ベースバンド変換部は,前記A/D変換した中間周波数信号を直交復調処理してI信号とQ信号とし,前記D/A変換は,前記I信号とQ信号とを用いて直交変調処理を行い,前記高周波信号を生成することを特徴とする1?7のいずれか一つに記載の信号処理装置。」(2ページ)

(イ)「【0023】
(実施の形態1)
図1は,本発明の実施の形態1に係る信号処理装置の構成を示す図である。図1に示す信号処理装置100は,FM放送の多チャンネル信号(ここでは単にFM信号と称する)から視聴を希望する放送局の周波数信号(希望高周波信号,ここでは希望FM信号と称する)を選択処理して再送信するものである。ここでは,FM信号の周波数帯域は76MHzから90MHzであるとする。したがって,希望FM信号の周波数は76MHzから90MHzの間の値であり,視聴を希望する放送局の周波数である。」(5ページ)

(ウ)「【0036】
A/D変換部4は,IF処理部3から出力されたIF信号をA/D変換してデジタルIF信号とし,直交復調部5に出力する。直交復調部5は,デジタルIF信号を直交復調処理してI信号とQ信号からなるデジタルベースバンド信号を生成する。このデジタルベースバンド信号には,希望FM信号S1のベースバンド信号の他に,隣接チャンネルの信号S2,S3を含め他の信号帯域成分が含まれている。」(7ページ)

上記(ア)?(ウ)の記載及びこの技術分野の技術常識を考慮すると,「高周波信号のFM信号を中間周波数信号に変換し,前記中間周波数信号を直交復調処理してI信号とQ信号からなるデジタルベースバンド信号を生成する信号処理装置。」は公知であると認められる。(以下,「甲4記載事項」という。)

オ 甲第5号証の1に記載された技術事項について
本件実用新案登録出願の出願日前に頒布された刊行物である甲第5号証の1(NTT DoCoMo テクニカル・ジャーナル Vol.15 No.1 IP化対応無線基地局装置の開発)には,図面と共に,以下の事項が記載されている。

(ア)「IP-BTSは,FOMAサービスにおいて屋外基地局からの電波が届きにくいビル内や地下などのエリア品質を向上させるため,柔軟かつ経済的なエリア構築を行うことを目的に開発したFOMA用屋内小型BTSである(写真1).」(8ページ中欄3?9行)

(イ)「3.2 ラインナップおよび装置構成
本装置では,変復調部(MDE:Modulation and Demodulation Equipment)と送信電力増幅部(AMP:AMPlifier),光張出しTRX装置(OF-TRX:Optical Feeder Transmitter and Receiver)の接続を光インタフェースで実現している.OF-TRXタイプは,主にアンテナ直近に屋外設置スペースがある場合に使用され,AMPタイプは,アンテナ直近の屋外設置スペースがないときに使用される.従来装置では,MDEとAMP間のインタフェースは無線周波数(RF:Radio Frequency)のアナログ接続となっていたが,光インタフェースに仕様変更することにより,接続されるAMP,OF-TRXに依存せず共通の信号での処理を可能としている.また,光インタフェースについても標準仕様のCPRI(Common Public Radio Interface)を採用し,共通化を図っている.」(10ページ中欄15行?同右欄12行)

(ウ)「*10 RF光伝送装置:光ファイバを利用してBTSのRF信号を中継する装置であり,親局装置と子局装置から構成される.」(10ページ左欄外脚注10)

(エ)「(3)CPRIプロトコルスタック
(中略)
Layer2は,以下のように定義される.
丸1 IQ Data:ユーザデータをデジタルIQデータとしてマッピングする.」(12ページ中欄2行,同右欄1?3行) ([当審注]:表記上の理由で,丸囲いの数字「1」を「丸1」と記す。)

(オ)「*20 IQ:複素デジタル信号の同相(In-phase)および直交(Quadrature)成分.」(10ページ右欄外脚注20)

(カ)「CPRI区間を伝送する無線送受信信号は,セクタごとに1本のCPRIリンクによってキャリア・ブランチ当り,1/3.84MHz単位の時分割多重(TDM:Time Division Multiplexing)方式のデジタルIQデータとして伝送する.」(13ページ左欄1?7行)

上記(ア)?(カ)の記載及びこの技術分野の技術常識を考慮すると,「変復調部MDEと送信電力増幅部AMP又は光張出しTRX装置OF-TRXとの接続を光インタフェースCPRIで実現し,RF信号であったユーザデータをデジタルIQデータとしてマッピングして伝送するIP化対応無線基地局装置IP-BTS。」は公知であると認められる。(以下,「甲5の1記載事項」という。)

カ 甲第6号証に記載された事項について
本件実用新案登録出願の出願日後に請求人代理人により検索され印刷された甲第6号証(「ミハル通信株式会社 地上デジタル放送信号IP伝送システム」(https://www.miharu.co.jp/catalogue/pdf/leaf/broadcast/TDB_IP_transmission_system.pdf))には,以下の事項が記載されている。

(ア)「地上デジタル放送信号IP伝送システム
(中略)
IPネットワーク網を使用して電波の届かない地域へ地上デジタル放送を伝送します」(1葉目1,4行)

(イ)「2013年11月 M030E」(2葉目欄外)

キ 甲第7号証に記載された事項について
本件実用新案登録出願の出願日後に請求人代理人により検索され印刷された甲第7号証(「日本通信機株式会社 製品情報 FM放送システム」(https://www.nitsuki.com/products/fm_radio/index.html))には,以下の事項が記載されている。

(ア)「本システムは光IP回線またはMNバンド/VHF帯TTL伝送によるFM同期放送が可能です。」(1葉目右下欄)

(イ)「同期方式FM放送におけるIP伝送を行う場合や複数の経路を冗長経路として伝送路を構成する場合,経路切替などによって遅延時間の発生することがあります。本装置は,遅延時間の変動を吸収し,離れた複数箇所での音声信号の出力タイミングの同期を実現出来ます。」(2葉目右下欄)

しかしながら,甲第6,7号証は,本件実用新案登録出願の出願日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能になっていたことが明らかでなく,また,上記カ(イ)の記載は何を意味する日付なのか明らかでなく,甲第7号証には日付に関する記載は存在しないので,本件考案の出願日前の技術水準を示す証拠として採用しない。


(3)対比・判断
本件考案と甲1考案とを対比すると,
ア 実用新案登録第3205151号の登録実用新案公報の【0027】によれば,本件考案の「光通信網」は「インターネット網でデータの授受をIP(インターネットプロトコル)に従って行う構成」を含み,本件考案の「光通信網に接続されている通信機器との間の通信を制御する光通信制御手段」は,「光通信用端子42を介して光通信網に接続されている所望相手先機器との間でデジタル通信を行う」光通信制御部を含むものと認められる。
一方,甲1考案の「光ネットワーク」は「IPパケット形式のデジタルデータである情報系の信号及びデジタル形式で伝送される映像系の信号」を伝送するものである。また,「光ネットワークに接続される装置」として例示される情報系サーバ装置や映像系サーバ装置を「通信機器」と称することは任意である。
してみると,甲1考案の「光ネットワークに接続されている装置との間でデジタル通信を行う外部インターフェース部」は,下記クで論じる受信するデータの差異は別として,本件考案の「光通信網に接続されている通信機器との間の通信を制御する光通信制御手段」に対応する。

イ 甲1考案の「USB規格のプリンタコネクタ」は,「処理するデータをシリアルデータとして送受信するシリアル通信機器を接続するためのシリアル通信インタフェース」といえるから,この点について本件考案との差異は無い。

ウ 甲1考案の「双方向で音声を通信する電話と接続するためのインタフェース」は,「音響データを送受信する音響機器を接続するための音響機器インタフェース」といえるから,この点について本件考案との差異は無い。

エ 甲1考案の「映像信号のD/A変換部」は,「デジタル機器で処理可能なデジタルデータを対応するアナログデータに変換するデジタル-アナログ変換手段」といえるから,この点について本件考案との差異は無い。

オ 甲1考案の「映像信号のA/D変換部」は,「アナログ機器で処理可能なアナログデータを対応するデジタルデータに変換するアナログ-デジタル変換手段」といえるから,この点について本件考案との差異は無い。

カ 甲1考案の「電源が投入されている状態を発光によってユーザに通知する電源ランプ」は,「装置の状態を視認可能に表示する表示手段」といえるから,この点について本件考案との差異は無い。

キ 実用新案登録第3205151号の登録実用新案公報の【0032】,【0034】によれば,本件考案の「装置の動作を指示するための指示入力可能な指示入力手段」により,装置の動作を指示するための指示入力が指示入力手段から通知されることは自明である。したがって,本件考案と「アクセス装置の動作を指示するための操作情報が,操作入力装置から通知され」る甲1考案とは,以下の相違点2は別として,「指示入力手段から装置の動作を指示するための指示入力がされ」る点で共通する。

ク 上記アのとおりであるから,外部インタフェース部が受信する信号及びコーデックであるか否かに関する以下の相違点3及び相違点4は別として,本件考案の「前記光通信制御手段が受信する前記デジタル機器で処理可能なデジタルデータにはデジタルIQ信号化されたFM放送波データをさらにIP信号に変換されたデジタル信号が含まれる」「光通信コーデック装置」と,甲1考案の「前記外部インタフェース部が受信する信号には,IPパケット形式のデジタルデータである情報系の信号及びデジタル形式で伝送される映像系の信号が含まれている」「アクセス装置」とは,「前記光通信制御手段が受信する前記デジタル機器で処理可能なデジタルデータが含まれる」「光通信装置」の点で共通する。

したがって,両者は以下の点で一致し,また,相違する。
(一致点)
「(A)光通信網に接続されている通信機器との間の通信を制御する光通信制御手段と,
(B)処理するデータをシリアルデータとして送受信するシリアル通信機器を接続するためのシリアル通信インタフェースと,
(C)音響データを送受信する音響機器を接続するための音響機器インタフェースと,
(E)デジタル機器で処理可能なデジタルデータを対応するアナログデータに変換するデジタル-アナログ変換手段と,
(F)アナログ機器で処理可能なアナログデータを対応するデジタルデータに変換するアナログ-デジタル変換手段と,
(H)装置の状態を視認可能に表示する表示手段とを備え,
(G’)指示入力手段から装置の動作を指示するための指示入力がされ,
(L’)前記光通信制御手段が受信する前記デジタル機器で処理可能なデジタルデータが含まれる,
光通信装置。」

(相違点1)本件考案は,(D)「前記光通信網を介して光電話を利用するための光電話接続制御手段」を備えるのに対し,甲1考案には当該構成がない点。

(相違点2)一致点の(G’)「指示入力手段から装置の動作を指示するための指示入力がされ」の「指示入力手段」に関し,本件考案は「光通信コーデック装置」が備える「装置の動作を指示するための指示入力可能な指示入力手段」であって「装置の前面パネルに設けられているテンキーユニット」が含まれるのに対し,甲1考案の「操作入力装置」はリモコンとして実現される点。

(相違点3)一致点の(L’)「前記光通信制御手段が受信する前記デジタル機器で処理可能なデジタルデータが含まれる」における「デジタルデータ」に関し,本件考案は「デジタルIQ信号化されたFM放送波データをさらにIP信号に変換されたデジタル信号」であるのに対し,甲1考案は「IPパケット形式のデジタルデータである情報系の信号及びデジタル形式で伝送される映像系の信号」である点。

(相違点4)一致点の「光通信装置」に関し,本件考案は「光通信コーデック装置」であるのに対し,甲1考案は,光ネットワークに接続されている装置との間でデジタル通信を行う「アクセス装置」であるものの,光通信コーデック装置であることが明らかでない点。

事案に鑑み,まず相違点3について検討する。
甲3記載事項のとおり「RF信号からOFDMの各シンボルについてキャリア毎に同相成分データ(Iデータ)および直交成分データ(Qデータ)を抽出し,抽出された同相成分データと直交成分データをIPパケット化して通信ネットワーク上に出力する送信装置。」は公知であり,また,甲4記載事項のとおり「高周波信号のFM信号を中間周波数信号に変換し,前記中間周波数信号を直交復調処理してI信号とQ信号からなるデジタルベースバンド信号を生成する信号処理装置。」は公知である。しかしながら,これらの公知事項はそれぞれ独立した別個の技術事項であって,これらを組合わせたもの自体が公知であるとする証拠は示されていない。そして,甲1考案と甲3記載事項を組合わせただけでは相違点が解消せず,更に甲4記載事項を組合わせなければならないものを,「きわめて容易になし得た」ということはできない。
また,上記(2)アhのとおり,甲1考案は,光ファイバ通信に適応させて地域情報の情報系の信号及び映像系の信号を家庭にて効率的に閲覧させる,光ネットワークのアクセス装置を提供することを目的とするものといえ,上記(2)ウ(イ)の記載によれば甲3記載事項は,地上デジタル放送を通信ネットワーク経由で伝送する場合に必要な伝送帯域を低減し,かつ,受信装置の回路規模を軽減することを企図したものといえる。したがって,甲1考案と甲3記載事項とは,技術分野も対象となる装置も全く異なるものであり,甲1考案の映像系の信号が地上デジタル放送であるということもできないから,甲1考案に甲3記載事項を組合わせる動機付けは見いだせない。
また,甲3記載事項は,地上デジタル放送を通信ネットワーク経由で伝送する場合の問題点を解決するものであることに鑑みれば,通信ネットワークで伝送しようとする対象のRF信号をOFDMに基づく地上デジタル放送からFM放送に替えることは本末転倒であり,甲3記載事項に甲4記載事項を組合わせる動機付けも見当たらない。
したがって,甲第1号証,甲第3号証,甲第4号証及び当業者の技術常識によっても,相違点3に係る構成を導出することはできない。

よって,他の相違点を検討するまでもなく,本件考案は,甲第1号証,甲第3号証,甲第4号証に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものではない。

(4)まとめ
以上のとおり,本件考案は,甲第1号証,甲第3号証及び甲第4号証に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるとはいえないから,実用新案法第3条第2項の規定に違反してなされたものではない。
したがって,無効理由1は理由がない。


2 無効理由2について
実用新案登録第3205151号の請求項1及び請求項2を引用する請求項4に係る考案と甲1考案との相違点には,上記1(3)で挙げた相違点3が含まれる。
したがって,上記1(3)と同様の理由で,甲第1号証,甲第3号証,甲第4号証及び当業者の技術常識によっても,上記相違点3に係る構成を導出することはできない。
よって,実用新案登録第3205151号の請求項1及び請求項2を引用する請求項4に係る考案は,甲第1号証,甲第3号証,甲第4号証及び甲第2号証に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるとはいえないから,実用新案法第3条第2項の規定に違反してなされたものではない。
したがって,無効理由2は理由がない。


3 無効理由3について
実用新案登録第3205151号の請求項1及び請求項3を引用する請求項4に係る考案と甲1考案との相違点には,上記1(3)で挙げた相違点3が含まれる。
したがって,上記1(3)と同様の理由で,甲第1号証,甲第3号証,甲第4号証及び当業者の技術常識によっても,上記相違点3に係る構成を導出することはできない。
よって,実用新案登録第3205151号の請求項1及び請求項3を引用する請求項4に係る考案は,甲第1号証,甲第3号証及び甲第4号証に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるとはいえないから,実用新案法第3条第2項の規定に違反してなされたものではない。
したがって,無効理由3は理由がない。


4 無効理由4について
実用新案登録第3205151号の請求項1,請求項2及び請求項3を引用する請求項4に係る考案と甲1考案との相違点には,上記1(3)で挙げた相違点3が含まれる。
したがって,上記1(3)と同様の理由で,甲第1号証,甲第3号証,甲第4号証及び当業者の技術常識によっても,上記相違点3に係る構成を導出することはできない。
よって,実用新案登録第3205151号の請求項1,請求項2及び請求項3を引用する請求項4に係る考案は,甲第1号証,甲第3号証,甲第4号証及び甲第2号証に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるとはいえないから,実用新案法第3条第2項の規定に違反してなされたものではない。
したがって,無効理由4は理由がない。


5 無効理由5について
本件考案と甲1考案との相違点には,上記1(3)で挙げた相違点3が含まれる。このため,相違点3について検討する。
甲5の1記載事項のとおり「変復調部MDEと送信電力増幅部AMP又は光張出しTRX装置OF-TRXとの接続を光インタフェースCPRIで実現し,RF信号であったユーザデータをデジタルIQデータとしてマッピングして伝送するIP化対応無線基地局装置IP-BTS。」は公知であり,また,甲4記載事項のとおり「高周波信号のFM信号を中間周波数信号に変換し,前記中間周波数信号を直交復調処理してI信号とQ信号からなるデジタルベースバンド信号を生成する信号処理装置。」は公知である。しかしながら,これらを組合わせたもの自体が公知であるとする証拠は示されていない。そして,甲1考案と甲5の1記載事項を組合わせただけでは相違点が解消せず,更に甲4記載事項を組合わせなければならないものを,「きわめて容易になし得た」ということはできない。
また,甲5の1記載事項は,IP化対応無線基地局装置に係るものであって,甲1考案,甲4記載事項とは,技術分野も,解決しようとする課題も全く異なるものであり,共通する事項は一切見出せないから,甲1考案に甲5の1記載事項を組合わせる動機付けも,甲5の1記載事項に甲4記載事項を組合わせる動機付けも見当たらない。
したがって,甲第1号証,甲第5号証の1,甲第4号証及び当業者の技術常識によっても,相違点3に係る構成を導出することはできない。
よって,本件考案は,甲第1号証,甲第5号証の1及び甲第4号証に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるとはいえないから,実用新案法第3条第2項の規定に違反してなされたものではない。
したがって,無効理由5は理由がない。


6 無効理由6について
実用新案登録第3205151号の請求項1及び請求項2を引用する請求項4に係る考案と甲1考案との相違点には,上記1(3)で挙げた相違点3が含まれる。
しかしながら,上記5と同様の理由で,甲第1号証,甲第5号証の1,甲第4号証及び当業者の技術常識によっても,相違点3に係る構成を導出することはできない。
よって,実用新案登録第3205151号の請求項1及び請求項2を引用する請求項4に係る考案は,甲第1号証,甲第5号証の1,甲第4号証及び甲第2号証に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるとはいえないから,実用新案法第3条第2項の規定に違反してなされたものではない。
したがって,無効理由6は理由がない。


7 無効理由7について
実用新案登録第3205151号の請求項1及び請求項3を引用する請求項4に係る考案と甲1考案との相違点には,上記1(3)で挙げた相違点3が含まれる。
しかしながら,上記5と同様の理由で,甲第1号証,甲第5号証の1,甲第4号証及び当業者の技術常識によっても,相違点3に係る構成を導出することはできない。
よって,実用新案登録第3205151号の請求項1及び請求項3を引用する請求項4に係る考案は,甲第1号証,甲第5号証の1及び甲第4号証に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるとはいえないから,実用新案法第3条第2項の規定に違反してなされたものではない。
したがって,無効理由7は理由がない。


8 無効理由8について
実用新案登録第3205151号の請求項1,請求項2及び請求項3を引用する請求項4に係る考案と甲1考案との相違点には,上記1(3)で挙げた相違点3が含まれる。
しかしながら,上記5と同様の理由で,甲第1号証,甲第5号証の1,甲第4号証及び当業者の技術常識によっても,相違点3に係る構成を導出することはできない。
よって,実用新案登録第3205151号の請求項1,請求項2及び請求項3を引用する請求項4に係る考案は,甲第1号証,甲第5号証の1,甲第4号証及び甲第2号証に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるとはいえないから,実用新案法第3条第2項の規定に違反してなされたものではない。
したがって,無効理由8は理由がない。



第6 むすび
以上のとおり,請求人が主張する無効理由1ないし8によっては,実用新案登録第3205151号の請求項4に係る考案についての実用新案登録を無効とすることはできない。

審判に関する費用については,実用新案法第41条の規定で準用する特許法第169条第2項の規定で更に準用する民事訴訟法第61条の規定により,請求人が負担すべきものとする。

よって,結論のとおり審決する。
審決日 2018-02-19 
出願番号 実願2016-1897(U2016-1897) 
審決分類 U 1 121・ 121- Y (H04B)
最終処分 不成立    
特許庁審判長 北岡 浩
特許庁審判官 川口 貴裕
菅原 道晴
登録日 2016-06-15 
登録番号 実用新案登録第3205151号(U3205151) 
考案の名称 光通信コーデック装置  
代理人 丸山 幸雄  
代理人 磯野 富彦  

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