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審決分類 審判    B42D
審判    B42D
管理番号 1345911
審判番号 無効2017-400002  
総通号数 228 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2018-12-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 2017-08-28 
確定日 2018-11-15 
事件の表示 上記当事者間の登録第3143615号実用新案「付箋紙」の実用新案登録無効審判事件について、次のとおり審決する。   
結論 実用新案登録第3143615号の請求項2ないし9に係る考案についての実用新案登録を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 手続の経緯
手続の経緯の概要は以下のとおりである。
平成20年 5月19日 出願(実願2008-3203号)
平成20年 7月 9日 設定登録(実用新案登録第3143615号 )
平成29年 8月28日 本件無効審判の請求,甲第1?10号証(枝 番を含む)が添付
平成29年10月12日 訂正書
答弁書(被請求人),乙第1?6号証(枝番 を含む)が添付
平成29年10月27日 (答弁書の)手続補正書(被請求人)
平成29年11月 6日 (答弁書の)手続補正書(被請求人)
平成29年12月 5日 審理事項通知書
平成29年12月27日 口頭審理陳述要領書(請求人),甲第11号 証が添付
平成29年12月29日 口頭審理陳述要領書(被請求人)
平成29年12月30日 (口頭審理陳述要領書の)手続補正書(被請 求人)
平成30年 1月15日 口頭審理

第2 訂正について
1 訂正の内容
平成29年10月12日に提出された訂正書による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は,本件実用新案登録第3143615号(以下「本件考案」という。)の願書に添付した実用新案登録請求の範囲の請求項1を削除することである。
この訂正は,実用新案法第14条の2第1項第2号に定める,同法第39条第1項における期間内に行われたものである。
また,請求項の削除であるから,実用新案法第14条の2第2項第1号に定める「実用新案登録請求の範囲の減縮」を目的とするものであり,同法第14条の2第3項及び第4項の規定も満たすものである。

第3 請求人の主張及び証拠方法
1 請求の趣旨
請求書による請求の趣旨は,「実用新案登録第3143615号の請求項1乃至9係る考案についての実用新案登録を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求める。」となっているが,平成29年10月12日に提出された訂正書によって,実用新案登録請求の範囲の請求項1が削除されたことに伴い,請求人が請求項1に係る無効理由を取り下げたため,請求書における請求の趣旨は,実質的に以下のようになる。
「実用新案登録第3143615号の請求項2乃至9係る考案についての実用新案登録を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求め」(請求の趣旨),以下の理由により,本件考案2乃至9は実用新案登録を受けることができないものであるから,実用新案法第37条第1項第2号の規定により無効にされるべきである旨主張し,証拠方法として甲第1?11号証を提出した。(以下「実用新案登録第3143615号の請求項2乃至9に係る考案を,請求項の項番にしたがって「本件考案2」,「本件考案3」などという。)

2 請求の理由の概要
(1)無効理由1
本件考案2乃至9は,甲第4号証の1に記載された考案であるから,実用新案法第3条第1項第3号の規定に該当し,実用新案登録を受けることができない。
よって,実用新案法第37条第1項第2号の規定により無効にされるべきである。

(2)無効理由4
本件考案2乃至9は,甲第8号証の1に記載された考案に基いて,当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから,実用新案法第3条第2項第の規定により,実用新案登録を受けることができない。
よって,実用新案法第37条第1項第2号の規定により無効にされるべきである。

(3)無効理由5
本件考案2乃至9は,甲第8号証の1と甲第4号証の1に記載された考案に基いて,又は,甲第8号証の1と甲第5号証の1に記載された考案に基いて,又は,甲第8号証の1と甲第6号証に記載された考案に基いて,当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから,実用新案法第3条第2項第の規定により,実用新案登録を受けることができない。
よって,実用新案法第37条第1項第2号の規定により無効にされるべきである。

なお,無効理由1について,請求書においては「本件考案1乃至9」を対象とするものであったが,請求人が請求項1に係る無効理由を取り下げたため,上記のとおりとする。
また,請求書においては,「本件考案1は,甲第5号証の1に記載された考案であるから,実用新案法第3条第1項第3号の規定に該当し,実用新案登録を受けることができない。」とする無効理由2,「本件考案1は,甲第6号証の1に記載された考案であるから,実用新案法第3条第1項第3号の規定に該当し,実用新案登録を受けることができない。」とする無効理由3が存在していたが,無効理由2及び3は,取り下げられた。

甲第1号証?11号証の概要は以下のとおりである。
(ア) 甲第1号証:実用新案登録第3143615号公報
(イ) 甲第2号証:実用新案登録第3143615号の実用新案登録原簿
(ウ) 甲第3号証:実用新案登録第3143615号の実用新案技術評価書を作成した旨の通知書
(エ) 甲第4号証の1:米国特許第5366776号明細書
(オ) 甲第4号証の2:甲第4号証の1の日本語訳文(請求人作成)
(カ) 甲第5号証の1:米国特許出願公開第2004/0040649号明細書
(キ) 甲第5号証の2:甲第5号証の1の日本語訳文(請求人作成)
(ク) 甲第6号証の1:植林木ペーパー インデックス付箋紙 STICKY NOTE 4色・各100枚(株式会社良品計画)
(ケ) 甲第6号証の2:甲第6号証の1のインデックス付箋紙の1枚
(コ) 甲第7号証:「私的電脳小物遊戯 電脳小物と万年筆,デザイン文房具を中心に・・・」 「無印 週刊誌四コマノートとインデックス付箋紙」2007年12月2日付けのWebサイト上のブログ記事をプリントアウトしたもの
(http://zeak.air-nifty.com/main/2007/12/post_af50.html)
(サ) 甲第8号証の1:米国特許出願公開第2006/0057324号明細書
(シ) 甲第8号証の2:甲第8号証の1の日本語訳文(請求人作成)
(ス) 甲第9号証:実用新案登録第3016284号公報
(セ) 甲第10号証:登録実用新案第3143615号判定請求事件(判定2017-600018)の判定請求書
(ソ) 甲第11号証:「接着・粘着の事典」 山口章三郎監修 1986年2月15日 初版第1刷 株式会社朝倉書店発行 118?119頁,552?553頁

被請求人は,甲第1号証ないし甲5号証,及び甲第7号証ないし甲第11号証の成立を認めている。
被請求人は,甲第6号証の1及び甲6号証の2は,「糊付き付箋紙」であって,裏面に糊が塗布された長方形部分(甲第6号証の2の赤色部分)と,裏面に糊が塗布されていない台形部分(甲第6号証の2の赤色でない部分)からなることを確認した。

第4 被請求人の主張及び証拠方法
被請求人は,「本件審判請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とする」との審決を求め,請求人が主張する無効理由は,理由がない旨主張し,証拠方法として乙第1?13号証を提出した。
乙第1号証?6号証の概要は以下のとおりである。
(1) 乙第1号証:ミダモ-2 インデックスふせんスクエア 6色カラーアソート 20枚×各色2パッド(12パッド) 65×65mm
(2) 乙第2号証:gnotes
(3) 乙第3号証-1:hachimaru gnotes 80 #14 Pastel pink 75×75mm 広範囲糊ふせん紙(製造者 プリントインフォームジャパン株式会社)
(4) 乙第3号証-1:hachimaru gnotes 80 #16 Leaf green 60×60mm 広範囲糊ふせん紙(製造者 プリントインフォームジャパン株式会社)
(5) 乙第3号証-2:POWERS #61 Blue 60×60mm 強粘着ふせん紙(製造者 プリントインフォームジャパン株式会社)
(6) 乙第4号証-1:Repeta リペタ 貼ってはがせる インデックスメモ 70×70mm 50枚入(製造者 株式会社ライオン事務器)
(7) 乙第4号証-2:めいしふせん FS-023 めいしふせん 赤・緑(製造者 株式会社ビバリー)
(8) 乙第4号証-3:FILM STICKY NOTES TO DO For Business Use Knowledge PlasticArts
(9) 乙第4号証-4:Pitta ピッタ ふせんの匠 好きな色から使えるインデックスふせん 15sheets×6color(製造者 クラスタージャパン株式会社)
(10) 乙第4号証-5:Film Sticky Notes 鉛筆やペンで書ける 透明フィルムふせん(製造者 クラスタージャパン株式会社)
(9) 乙第5号証:TACK INDEX (PERMANENT TYPE) タックインデックス タ-23R 60片(製造者 コクヨS&T株式会社)
(10) 乙第6号証:ポスト・イット 見出し 700PR-YN 100枚×5パッド 50mm×15mm(製造者 スリーエムジャパン株式会社)

請求人は,乙第1号証は「糊付きの付箋紙の商品の一例」であること,乙第2号証乃至乙第6号証(枝番を含む)は「平成29年11月6日提出の(審判事件答弁書に係る)「手続補正書」の第12?14頁に記載の「実験」に使用した付箋が実在すること」を確認した。

第5 本件考案
本件の請求項2乃至9に係る考案は,以下のとおりのものと認める。
「【請求項2】
メモ書き用の空白欄を設けた四角形状の本体と,
この本体の一辺の直線部の一部を残し,前記一辺の長さより短い範囲で外方に向かって突出するインデックス用の空白欄を設けたインデックス部と,
前記本体の裏面の略全体に亘って再剥離性粘着剤が塗布され,前記インデックス部の裏面には粘着剤が塗布されていない
ことを特徴とする付箋紙。
【請求項3】
メモ書き用の空白欄を設けた四角形状の本体と,
この本体の一辺の直線部を上下に残し,前記一辺の中途より外方に向かって突出するインデックス用の空白欄を設けたインデックス部と,
前記本体の裏面の略全体に亘って再剥離性粘着剤が塗布され,前記インデックス部の裏面には粘着剤が塗布されていない
ことを特徴とする付箋紙。
【請求項4】
メモ書き用の空白欄を設けた四角形状の本体と,
この本体の一辺の直線部を左右に残し,前記一辺の中途より外方に向かって突出するインデックス用の空白欄を設けたインデックス部と,
前記本体の裏面の略全体に亘って再剥離性粘着剤が塗布され,前記インデックス部の裏面には粘着剤が塗布されていない
ことを特徴とする付箋紙。
【請求項5】
複数枚ある頁の一枚の頁に目印のために貼り付ける付箋紙であって,
メモ書き用の空白欄を設けた四角形状の本体と,
この本体の一辺の直線部の一部を残し,前記一辺の長さより短い範囲で外方に向かって突出するインデックス用の空白欄を設けたインデックス部と,
前記本体の裏面の略全体に亘って再剥離性粘着剤が塗布され,前記インデックス部の裏面には粘着剤が塗布されていないものであり,
前記再剥離性粘着剤を介して前記頁に貼り付けた前記本体の前記インデックス部より残された前記本体の一辺の直線部と前記頁の端部とが平面視略直線状に配置される
ことを特徴とする付箋紙。
【請求項6】
複数枚ある頁の一枚の頁に目印のために貼り付ける付箋紙であって,
メモ書き用の空白欄を設けた四角形状の本体と,
この本体の一辺の直線部を上下に残し,前記一辺の中途より外方に向かって突出するインデックス用の空白欄を設けたインデックス部と,
前記本体の裏面の略全体に亘って再剥離性粘着剤が塗布され,前記インデックス部の裏面には粘着剤が塗布されていないものであり,
前記再剥離性粘着剤を介して前記頁に貼り付けた前記本体の前記インデックス部より上下に残された前記本体の一辺の直線部と前記頁の端部とが平面視略直線状に配置される
ことを特徴とする付箋紙。
【請求項7】
複数枚ある頁の一枚の頁に目印のために貼り付ける付箋紙であって,
メモ書き用の空白欄を設けた四角形状の本体と,
この本体の一辺の直線部を左右に残し,前記一辺の中途より外方に向かって突出するインデックス用の空白欄を設けたインデックス部と,
前記本体の裏面の略全体に亘って再剥離性粘着剤が塗布され,前記インデックス部の裏面には粘着剤が塗布されていないものであり,
前記再剥離性粘着剤を介して前記頁に貼り付けた前記本体の前記インデックス部より左右に残された前記本体の一辺の直線部と前記頁の端部とが平面視略直線状に配置される
ことを特徴とする付箋紙。
【請求項8】
メモ書き用の空白欄を設けると共に,周縁部に少なくとも一つの直線部を有する本体と,
この本体の直線部の延長部位より該延長部位に対して直交する方向で,しかも,外方に突出するインデックス用の空白欄を設けたインデックス部と,
前記本体の裏面の略全体に亘って再剥離性粘着剤が塗布され,
前記インデックス部の裏面には粘着剤が塗布されていない
ことを特徴とする付箋紙。
【請求項9】
複数枚ある頁の一枚の頁に目印のために貼り付ける付箋紙であって,
メモ書き用の空白欄を設けると共に,周縁部に少なくとも一つの直線部を有する本体と,
この本体の直線部の延長部位より該延長部位に対して直交する方向で,しかも,外方に突出するインデックス用の空白欄を設けたインデックス部と,
前記本体の裏面の略全体に亘って再剥離性粘着剤が塗布され,
前記インデックス部の裏面には粘着剤が塗布されていないものであり,
前記再剥離性粘着剤を介して前記頁に貼り付けた前記本体の直線部と前記頁の端部とが平面視略直線状に配置される
ことを特徴とする付箋紙。」

第6 無効理由1について
1 甲第4号証について(甲第4号証の1と甲第4号証の2が提出されたが,甲第4号証の1の日本語訳が甲第4号証の2であって実質的な内容は同じであるため,以下,甲第4号証の1,甲第4号証の2を特定する必要があるときは,「甲第4号証の1」,「甲第4号証の2」と記載するが,総合的には「甲4号証」と記載する。同じく枝番を有する甲第5号証,甲第6号証,甲第8号証についても同じ扱いとする。)
請求人が提出し,本件の出願日前に頒布された甲第4号証の1(米国特許第5366776号明細書)には,以下の記載がある(なお,英文に続く括弧内の和訳については,無効審判請求人が提出した「甲第4号証の2」によった。)。
ア 「FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to sheets used to write notes and that can be used to mark portions of documents, which sheets have repositionable pressure sensitive adhesive coated their rear surfaces by which the sheets are adhered together in a pad prior to use, and by which an individual sheet can be removably adhered to a substrate when the sheet is in use.」(第1欄第2?9行)
(発明の分野 本発明は,メモを書き,それを使用して書類の一部に印を付けたりするシートに関するものであり,これらのシートは,その裏面にコーティングされた再配置可能な感圧接着剤を備え,シート使用時にはパッドに一緒に接着させ,シートの使用時には個々のシートは,被印刷物に取り外し可能に接着することができる。)

イ 「The adhesive on the sheets is preferably a repositionable pressure sensitive adhesive coated in a band along the edge of the sheet opposite the tab portion. Such sheets can be used for making written notes to be removably adhered on a sheet in a multi sheet document, and can be positioned with the tab portion projecting from the edge of the document so that after the document is subsequently closed, the tab portion will indicate the sheets location making it easy to again find the sheet within the document. Alternatively, the adhesive can be located entirely over or in a pattern on the body portion of the sheet; 」(第2欄第5?16行)
(シート上の接着剤は,好ましくは,タブ部分の反対側のシートの縁部に沿って帯内にコーティングされた再配置可能な感圧接着剤である。このようなシートは,複数枚の書類のシートに着脱自在に貼付できるメモを作成するために使用することができ,文書がその後閉じられた後に,タブ部分が文書の縁部から突出するよう位置決めすることができ,タブ部分はシート位置を示して,文書内のシートを再び容易に見つけることを可能にする。また,接着剤はシートの本体部分において全面に設けることができるし,あるパターンで設けることもでき)(下線は,当審で付した。以下同じ。)

ウ 「BRIEF DESCRIPTION OF THE DRAWING
The present invention will be further described with reference to the accompanying drawing wherein the thickness of certain of the various layers is exaggerated to more clearly illustrate structures, like reference numerals refer to like parts in the several views, and wherein:」(第3欄第28?34行)
(図面の簡単な説明 本発明は,添付の図面を参照してさらに説明される。ここで,様々な層のうちある層の厚さは,構造をより明確に示すために誇張されており,いくつかの図において同様の部品には同じ符号が付されている。)

エ 「Generally, the pad assembly 10 comprises a multiplicity of flexible sheets 11. Each sheet 11 has front and rear surfaces 12 and 13, a body portion 14 generally of the same size as the body portion 14 of other sheets 11 in the pad assembly 10 and having peripheral edges including first and second opposite edges 15 and 16; and a tab portion 18 smaller in surface area than the body portion 14, which tab portion 18 projects beyond the second edge 16 of the body portion 14. The body portion 14 has a band 17 of repositionable pressure sensitive adhesive coated on its rear surface 13 adjacent its first edge 15, and the sheets 11 are disposed in a stack with the corresponding peripheral edges of the body portions 14 of the sheets 11 aligned, the front and rear surfaces 12 and 13 of adjacent sheets 11 facing each other, and the band 17 of repositionable pressure sensitive adhesive on each sheet 11 adhering that sheet 11 to the adjacent sheet 11 in the pad assembly 10. 」(第3欄下から第12?第4欄第6行)
(通常,パッドアッセンブリ10は,多数の可撓性シート11であり,各シート11は,表面12および裏面13と,パッドアッセンブリ10内の他のシート11の本体部分14とほぼ同じサイズである第1及び第2の対向エッジ15および16を含む周縁を有する本体部分14と,タブ部分18が本体部分14の第2の縁部16を超えて突出する本体部分14よりも表面積が小さいタブ部分18とを含む。本体部分14は,第1の縁部15に隣接してその裏面13に被覆された再配置可能な感圧接着剤のバンド17を有し,シート11の本体部分14の対応する周縁が整列して積み重ねて配置され,シート11の表裏面12,13は,互いに対向して隣接し,各シート11上の再配置可能な感圧接着剤のバンド17は,そのシート11をパッドアセンブリ10内の隣接するシート11に接着する。)(なお,甲第4号証の1において「the front and rear surfaces 15 and 16」,及び甲第4号証の2において「表裏面15,16」としている箇所があり,当審で誤記と認めて上記のとおりとした。)

オ 「An individual sheet 11 may be peeled from the top of the pad assembly 10, and then adhered to the surface of pages in a multi-page document with its tab portion 18 projecting from an edge of the page; whereupon, notes can conveniently be written on the body portion 14 of the sheet, and after the document is closed, a user can easily find the sheet 11 due to its tab portion 18 projecting from the edge of the page to which the sheet 11 is adhered.」(第4欄第6?14行)
(個々のシート11は,パッドアッセンブリ10の上部から剥離され,次いで,タブ部分18がページの縁部から突出している状態で,複数枚の文書のページの表面に接着され得る。シートの本体部分14にメモを書き込むことができ,文書が閉じられた後,ユーザは,そのタブ部分18がシート11のページの縁部から突出しているので,シート11を容易に見つけることができる。)

カ 甲第4号証の1のFig.1から,「本体部分14」は,四角形状であることが看て取れる。

キ 甲第4号証の1のFig.1から,「タブ部分18」は,本体部分14の第2の縁部16の略中央部を超えて突出したものであることが看て取れる。
また,第2の縁部16には,タブ部分が形成されない直線部分が残されていることも看て取れる。

甲第4号証の上記記載事項を含め,甲第4号証の全記載を総合すると,甲第4号証には以下の考案(以下,「甲4考案」という。)が記載されていると認められる。
「複数枚の書類のシートに着脱自在に貼付できるメモを作成するために使用することができ,文書がその後閉じられた後に,タブ部分が文書の縁部から突出するよう位置決めすることができ,タブ部分はシート位置を示して,文書内のシートを再び容易に見つけることを可能にするシートであって,
シートの本体部分14は四角形状であってメモを書き込むことができ,
該本体部分14は,本体部分14とほぼ同じサイズである第1及び第2の対向エッジ15および16を含む周縁を有し,
タブ部分18は,本体部分14の第2の縁部16からタブ部分が形成されない直線部分を残して,第2の縁部16の略中央部を超えて突出し,前記本体部分14よりも表面積が小さいものであって,
第1の縁部15に隣接してその裏面13に被覆された再配置可能な感圧接着剤のバンド17を有し,また,接着剤はシートの本体部分において全面に設けることができる,シート。」

2 対比
(1)本件考案2と甲4考案とを対比する。
後者の「本体部分14」は,メモを書き込むことができるのであるから,空白欄が設けられていることは自明である。
したがって,後者の「本体部分14」は,前者の「メモ書き用の空白欄を設けた四角形状の本体」に相当する。
付箋紙のタブ部分には,インデックスの目的のために,文字や記号,絵柄などを書き込むことができる空白欄が設けられていることは,きわめて一般的な技術事項であって,甲第4号証の1のFig.1乃至6からも,「タブ部分18」に,文字や記号,絵柄などが,あらかじめ記載されているとは認められない。
したがって,後者の「タブ部分18」は,前者の「本体の一辺の直線部の一部を残し,前記一辺の長さより短い範囲で外方に向かって突出するインデックス用の空白欄を設けたインデックス部」に相当する。
後者の「再配置可能な感圧接着剤」は,前者の「再剥離性粘着剤」に相当する。
後者の「再配置可能な感圧接着剤」は,シートの本体部分において全面に設けることができ,後者の「タブ部分18」の裏面には,甲第4号証の1のFig.1から「再配置可能な感圧接着剤のバンド17」が設けられていないことが看て取れ,技術常識からみても,文書の縁部から突出するよう位置決めされるタブ部分の裏面に接着剤を塗布することは考えられないから,後者は,前者の「本体の裏面の略全体に亘って再剥離性粘着剤が塗布され,前記インデックス部の裏面には粘着剤が塗布されていない」に相当する構成を備えていることは自明である。
後者の「シート」は,前者の「付箋紙」に相当する。
以上のことより,両者は,
〈一致点〉
「メモ書き用の空白欄を設けた四角形状の本体と,
この本体の一辺の直線部の一部を残し,前記一辺の長さより短い範囲で外方に向かって突出するインデックス用の空白欄を設けたインデックス部と,
前記本体の裏面の略全体に亘って再剥離性粘着剤が塗布され,前記インデックス部の裏面には粘着剤が塗布されていない付箋紙。」である点で一致し,相違点はない。
したがって,本件考案2は,甲第4号証に記載された甲4考案であるから,実用新案法第3条第1項第3号の規定に該当し,実用新案登録を受けることができない。

(2)本件考案3と甲4考案とを対比する。
甲第4号証に,本件考案2が記載されていることは「(1)本件考案2と甲4考案とを対比する。」で,述べたとおりである。
後者のタブ部分18は,「本体部分14の第2の縁部16からタブ部分が形成されない直線部分を残して,第2の縁部16の略中央部を超えて突出」しているから,前者の「一辺の中途より外方に向かって突出」に相当する構成を備えるものである。
そして,後者のシートに「向き」が定められているとは認められないから,「タブ部分18」は,上下左右のどの方向にも置くことができ,「タブ部分18」を左もしくは右方向に置けば,第2の縁部16のうちタブ部分が形成されない直線部分は,自ずと本件考案3と同じ「本体の一辺の直線部を上下に残」すことになる。
また,後者のシートの「タブ部分が形成されない直線部分」が,上下方向に延在する縁部になり得ない,つまり「タブ部分18」を左もしくは右方向に置けないとする特段の事情も認められない。
とすれば,本件考案3の考案特定事項である「本体の一辺の直線部を上下に残し,前記一辺の中途より外方に向かって突出するインデックス用の空白欄を設けたインデックス部」は,甲4考案に実質的に記載されているといえる。
したがって,本件考案3は,甲第4号証に記載された甲4考案であるから,実用新案法第3条第1項第3号の規定に該当し,実用新案登録を受けることができない。

(3)本件考案4と甲4考案とを対比する。
甲第4号証に,本件考案2が記載されていることは「(1)本件考案2と甲4考案とを対比する。」で,述べたとおりである。
後者のタブ部分18は,「本体部分14の第2の縁部16からタブ部分が形成されない直線部分を残して,第2の縁部16の略中央部を超えて突出」しているから,前者の「一辺の中途より外方に向かって突出」に相当する構成を備えるものである。
そして,後者のシートに「向き」が定められているとは認められないから,「タブ部分18」は,上下左右のどの方向にも置くことができ,「タブ部分18」を上もしくは下方向に置けば,第2の縁部16のうちタブ部分が形成されない直線部分は,自ずと本件考案4と同じ「本体の一辺の直線部を左右に残」すことになる。
また,後者のシートにおいて,「タブ部分が形成されない直線部分」を左右方向に延在する縁部として置くことができないとする特段の事情も認められない。
また,後者のシートの「タブ部分が形成されない直線部分」が,左右方向に延在する縁部になり得ない,つまり「タブ部分18」を上もしくは下方向に置けないとする特段の事情も認められない。
とすれば,本件考案4の考案特定事項である「本体の一辺の直線部を左右に残し,前記一辺の中途より外方に向かって突出するインデックス用の空白欄を設けたインデックス部」は,甲4考案に実質的に記載されているといえる。
したがって,本件考案4は,甲第4号証に記載された甲4考案であるから,実用新案法第3条第1項第3号の規定に該当し,実用新案登録を受けることができない。

(4)本件考案5と甲4考案とを対比する。
甲第4号証に,本件考案2が記載されていることは「(1)本件考案2と甲4考案とを対比する。」で,述べたとおりである。
そして,本件考案5は,本件考案2に「複数枚ある頁の一枚の頁に目印のために貼り付ける付箋紙」と,「再剥離性粘着剤を介して前記頁に貼り付けた前記本体の前記インデックス部より残された前記本体の一辺の直線部と前記頁の端部とが平面視略直線状に配置される」の考案特定事項を限定したものであると認められ,上記考案特定事項が本件考案5と甲4考案との一応の相違点となるので,それぞれ相違点1,相違点2として,本件考案5において新たに限定された上記考案特定事項について以下検討する。
後者のシートは,「複数枚の書類のシートに着脱自在に貼付できる」シートであり,該シートの縁部から突出して設けられたタブ部分は,「タブ部分はシート位置を示して,文書内のシートを再び容易に見つけることを可能にする」タブ部分であるから,前者の「複数枚ある頁の一枚の頁に目印のために貼り付ける付箋紙」に相当する。
したがって,相違点1に係る本件考案5の考案特定事項は甲4考案に記載されている。

後者のタブ部分は,「文書がその後閉じられた後に,タブ部分が文書の縁部から突出するよう位置決め」されるものであって,これは書類のシートに貼付された状態において位置決めされたものであることは明らかである。
後者の「第2の縁部16」のうち,「タブ部分が形成されない直線部分」は,前者の「本体の前記インデックス部より残された前記本体の一辺の直線部」に相当することは明らかである。
ここで,本件考案5は,考案であるから付箋紙の形状,構造又は組合わせに係るものであり,相違点2に係る本件考案5の考案特定事項である「再剥離性粘着剤を介して前記頁に貼り付けた前記本体の前記インデックス部より残された前記本体の一辺の直線部と前記頁の端部とが平面視略直線状に配置される」において,「本体の前記インデックス部より残された前記本体の一辺の直線部と前記頁の端部とが平面視略直線状に配置される」とは,「本体の前記インデックス部より残された前記本体の一辺の直線部」が「頁の端部と平面視略直線状に配置される直線部」となることを意味していると解される。
そして,甲4考案は「文書がその後閉じられた後に,タブ部分が文書の縁部から突出する」よう位置決めされており,その場合,上記の「タブ部分が形成されない直線部分」は,貼付対象である「文書(書類のシート)の縁部」と平面視略直線状に配置されるように位置決めできる部分となることは,自明である。
とすれば,後者は,前者の「再剥離性粘着剤を介して前記頁に貼り付けた前記本体の前記インデックス部より残された前記本体の一辺の直線部と前記頁の端部とが平面視略直線状に配置される」に相当する構成を備えているといえる。
したがって,相違点2に係る本件考案5の考案特定事項は甲4考案に記載されている。

以上のことより,本件考案5は,甲第4号証に記載された甲4考案であるから,実用新案法第3条第1項第3号の規定に該当し,実用新案登録を受けることができない。

(5)本件考案6と甲4考案とを対比する。
甲第4号証に,本件考案3が記載されていることは「(2)本件考案3と甲4考案とを対比する。」で,述べたとおりである。
そして,本件考案6は,本件考案3に「複数枚ある頁の一枚の頁に目印のために貼り付ける付箋紙」と,「再剥離性粘着剤を介して前記頁に貼り付けた前記本体の前記インデックス部より残された前記本体の一辺の直線部と前記頁の端部とが平面視略直線状に配置される」の考案特定事項を限定したものであると認められ,上記考案特定事項が本件考案6と甲4考案との一応の相違点となるので,それぞれ相違点1,相違点2として,本件考案6において新たに限定された上記考案特定事項について以下検討する。
後者のシートは,「複数枚の書類のシートに着脱自在に貼付できる」シートであり,該シートの縁部から突出して設けられたタブ部分は,「タブ部分はシート位置を示して,文書内のシートを再び容易に見つけることを可能にする」タブ部分であるから,前者の「複数枚ある頁の一枚の頁に目印のために貼り付ける付箋紙」に相当する。
したがって,相違点1に係る本件考案6の考案特定事項は甲4考案に記載されている。

後者のタブ部分は,「文書がその後閉じられた後に,タブ部分が文書の縁部から突出するよう位置決め」されるものであって,これは書類のシートに貼付された状態において位置決めされたものであることは明らかである。
後者の「第2の縁部16」のうち,「タブ部分が形成されない直線部分」は,前者の「本体の前記インデックス部より残された前記本体の一辺の直線部」に相当することは明らかである。
ここで,本件考案6は,考案であるから付箋紙の形状,構造又は組合わせに係るものであり,相違点2に係る本件考案6の考案特定事項である「再剥離性粘着剤を介して前記頁に貼り付けた前記本体の前記インデックス部より残された前記本体の一辺の直線部と前記頁の端部とが平面視略直線状に配置される」において,「本体の前記インデックス部より残された前記本体の一辺の直線部と前記頁の端部とが平面視略直線状に配置される」とは,「本体の前記インデックス部より残された前記本体の一辺の直線部」が「頁の端部と平面視略直線状に配置される直線部」となることを意味していると解される。
そして,甲4考案は「文書がその後閉じられた後に,タブ部分が文書の縁部から突出する」よう位置決めされており,その場合,上記の「タブ部分が形成されない直線部分」は,貼付対象である「文書(書類のシート)の縁部」と平面視略直線状に配置されるように位置決めできる部分となることは,自明である。
とすれば,後者は,前者の「再剥離性粘着剤を介して前記頁に貼り付けた前記本体の前記インデックス部より残された前記本体の一辺の直線部と前記頁の端部とが平面視略直線状に配置される」に相当する構成を備えているといえる。
したがって,相違点2に係る本件考案6の考案特定事項は甲4考案に記載されている。

以上のことより,本件考案6は,甲第4号証に記載された甲4考案であるから,実用新案法第3条第1項第3号の規定に該当し,実用新案登録を受けることができない。

(6)本件考案7と甲4考案とを対比する。
甲第4号証に,本件考案4が記載されていることは「(2)本件考案4と甲4考案とを対比する。」で,述べたとおりである。
そして,本件考案7は,本件考案4に「複数枚ある頁の一枚の頁に目印のために貼り付ける付箋紙」と,「再剥離性粘着剤を介して前記頁に貼り付けた前記本体の前記インデックス部より残された前記本体の一辺の直線部と前記頁の端部とが平面視略直線状に配置される」の考案特定事項を限定したものであると認められ,上記考案特定事項が本件考案7と甲4考案との一応の相違点となるので,それぞれ相違点1,相違点2として,本件考案7において新たに限定された上記考案特定事項について以下検討する。
後者のシートは,「複数枚の書類のシートに着脱自在に貼付できる」シートであり,該シートの縁部から突出して設けられたタブ部分は,「タブ部分はシート位置を示して,文書内のシートを再び容易に見つけることを可能にする」タブ部分であるから,前者の「複数枚ある頁の一枚の頁に目印のために貼り付ける付箋紙」に相当する。
したがって,相違点1に係る本件考案7の考案特定事項は甲4考案に記載されている。

後者のタブ部分は,「文書がその後閉じられた後に,タブ部分が文書の縁部から突出するよう位置決め」されるものであって,これは書類のシートに貼付された状態において位置決めされたものであることは明らかである。
後者の「第2の縁部16」のうち,「タブ部分が形成されない直線部分」は,前者の「本体の前記インデックス部より残された前記本体の一辺の直線部」に相当することは明らかである。
ここで,本件考案7は,考案であるから付箋紙の形状,構造又は組合わせに係るものであり,相違点2に係る本件考案7の考案特定事項である「再剥離性粘着剤を介して前記頁に貼り付けた前記本体の前記インデックス部より残された前記本体の一辺の直線部と前記頁の端部とが平面視略直線状に配置される」において,「本体の前記インデックス部より残された前記本体の一辺の直線部と前記頁の端部とが平面視略直線状に配置される」とは,「本体の前記インデックス部より残された前記本体の一辺の直線部」が「頁の端部と平面視略直線状に配置される直線部」となることを意味していると解される。
そして,甲4考案は「文書がその後閉じられた後に,タブ部分が文書の縁部から突出する」よう位置決めされており,その場合,上記の「タブ部分が形成されない直線部分」は,貼付対象である「文書(書類のシート)の縁部」と平面視略直線状に配置されるように位置決めできる部分となることは,自明である。
とすれば,後者は,前者の「再剥離性粘着剤を介して前記頁に貼り付けた前記本体の前記インデックス部より残された前記本体の一辺の直線部と前記頁の端部とが平面視略直線状に配置される」に相当する構成を備えているといえる。
したがって,相違点2に係る本件考案7の考案特定事項は甲4考案に記載されている。

以上のことより,本件考案7は,甲第4号証に記載された甲4考案であるから,実用新案法第3条第1項第3号の規定に該当し,実用新案登録を受けることができない。

(7)本件考案8と甲4考案とを対比する。
後者の「本体部分14」は,「四角形状」であるため,「周縁部に少なくとも一つの直線部を有」することとなる。また,メモを書き込むことができるのであるから,空白欄が設けられていることは自明である。
したがって,後者の「本体部分14」は,前者の「メモ書き用の空白欄を設けると共に,周縁部に少なくとも一つの直線部を有する本体」に相当する。
後者の「タブ部分18」は,「本体部分14の第2の縁部16からタブ部分が形成されない直線部分を残して,第2の縁部16の略中央部を超えて突出」するものであるため,「本体部分14の直線部の延長部位より該延長部位に対して直交する方向で,しかも,外方に突出」することとなる。
付箋紙のタブ部分には,インデックスの目的のために,文字や記号,絵柄などを書き込むことができる空白欄が設けられていることは,きわめて一般的な技術事項であって,甲第4号証の1のFig.1乃至6からも,後者の「タブ部分18」に,文字や記号,絵柄などが,あらかじめ記載されているとは認められない。
したがって,後者の「タブ部分18」は,前者の「本体の直線部の延長部位より該延長部位に対して直交する方向で,しかも,外方に突出するインデックス用の空白欄を設けたインデックス部」に相当する。
後者の「再配置可能な感圧接着剤」は,前者の「再剥離性粘着剤」に相当する。
後者の「再配置可能な感圧接着剤」は,シートの本体部分において全面に設けることができ,後者の「タブ部分18」の裏面には,甲第4号証の1のFig.1から「再配置可能な感圧接着剤のバンド17」が設けられていないことが看て取れ,技術常識からみても,文書の縁部から突出するよう位置決めされるタブ部分の裏面に接着剤を塗布することは考えられないから,後者は,前者の「本体の裏面の略全体に亘って再剥離性粘着剤が塗布され,前記インデックス部の裏面には粘着剤が塗布されていない」に相当する構成を備えていることは自明である。
後者の「シート」は,前者の「付箋紙」に相当する。
以上のことより,両者は,
〈一致点〉
「メモ書き用の空白欄を設けると共に,周縁部に少なくとも一つの直線部を有する本体と,
この本体の直線部の延長部位より該延長部位に対して直交する方向で,しかも,外方に突出するインデックス用の空白欄を設けたインデックス部と,
前記本体の裏面の略全体に亘って再剥離性粘着剤が塗布され,
前記インデックス部の裏面には粘着剤が塗布されていない付箋紙。」である点で一致し,相違点はない。
したがって,本件考案8は,甲第4号証に記載された甲4考案であるから,実用新案法第3条第1項第3号の規定に該当し,実用新案登録を受けることができない。

(8)本件考案9と甲4考案とを対比する。
甲第4号証に,本件考案8が記載されていることは「(7)本件考案8と甲4考案とを対比する。」で,述べたとおりである。
そして,本件考案9は,本件考案8に「複数枚ある頁の一枚の頁に目印のために貼り付ける付箋紙」と,「再剥離性粘着剤を介して前記頁に貼り付けた前記本体の前記インデックス部より残された前記本体の一辺の直線部と前記頁の端部とが平面視略直線状に配置される」の考案特定事項を限定したものであると認められ,上記考案特定事項が本件考案9と甲4考案との一応の相違点となるので,それぞれ相違点1,相違点2として,本件考案5において新たに限定された上記考案特定事項について以下検討する。

後者のシートは,「複数枚の書類のシートに着脱自在に貼付できる」シートであり,該シートの縁部から突出して設けられたタブ部分は,「タブ部分はシート位置を示して,文書内のシートを再び容易に見つけることを可能にする」タブ部分であるから,前者の「複数枚ある頁の一枚の頁に目印のために貼り付ける付箋紙」に相当する。
したがって,相違点1に係る本件考案9の考案特定事項は甲4考案に記載されている。

後者のタブ部分は,「文書がその後閉じられた後に,タブ部分が文書の縁部から突出するよう位置決め」されるものであって,これは書類のシートに貼付された状態において位置決めされたものであることは明らかである。
後者の「第2の縁部16」のうち,「タブ部分が形成されない直線部分」は,前者の「本体の直線部」に相当することは明らかである,。
ここで,本件考案9は,考案であるから付箋紙の形状,構造又は組合わせに係るものであり,相違点2に係る本件考案9の考案特定事項である「再剥離性粘着剤を介して前記頁に貼り付けた前記本体の直線部と前記頁の端部とが平面視略直線状に配置される」において,「本体の直線部と前記頁の端部とが平面視略直線状に配置される」とは,「本体の直線部」が「頁の端部と平面視略直線状に配置される直線部」となることを意味していると解される。
そして,甲4考案は「文書がその後閉じられた後に,タブ部分が文書の縁部から突出する」よう位置決めされており,その場合,上記の「タブ部分が形成されない直線部分」は,貼付対象である「文書(書類のシート)の縁部」と平面視略直線状に配置されるように位置決めできる部分となることは,自明である。
とすれば,後者は,前者の「再剥離性粘着剤を介して前記頁に貼り付けた前記本体の前記インデックス部より残された前記本体の一辺の直線部と前記頁の端部とが平面視略直線状に配置される」に相当する構成を備えていることいえる。
したがって,相違点2に係る本件考案9の考案特定事項は甲4考案に記載されている。

以上のことより,本件考案9は,甲第4号証に記載された甲4考案であるから,実用新案法第3条第1項第3号の規定に該当し,実用新案登録を受けることができない。

3 小括
本件考案2乃至9は,甲第4号証に記載された甲4考案であるから,実用新案法第3条第1項第3号の規定に該当し,実用新案登録を受けることができない。

第7 無効理由4について
1 甲第8号証について
請求人が提出し,本件の出願日前に頒布された甲第8号証の1(米国特許出願公開第2006/0057324号明細書)には,以下の記載がある(和訳については,無効審判請求人が提出した「甲第8号証の2」によった。)。
ク 「As shown in FIGS. 1 through 4 , a note-taking device with integrally attached locator tab embodying a preferred embodiment of the instant invention is designated by reference numeral 10 . The device 10 generally comprises a writing portion 70 having an upper edge 72 , lower edge 73 , and left 74 and right 75 side edges with a locator tab portion 71 integrally attached to the upper edge 72 thereof. Preferably, the writing portion 70 and locator tab 71 are die-cut from one sheet of paper stock or flexible polymeric material during manufacture. The front surface of the writing portion forms a writing surface which is adapted for receipt of personal notes created thereon by a user with a typical writing utensil such as a pen or pencil.」(段落[0001]第1?13行)
(図1から4に示したように,本発明の望ましい実施例を具体化した一体的に取り付けられた目印タブを備えたメモ具を,符号10で示している。概略的には,メモ具10は,上端72に一体的に取り付けられた目印タブ部分71を備える上端72,下端73,左側端74,右側端75を有する書き込み部70から成る。望ましくは,書き込み部70と,目印タブ71は,製造時,一枚の製紙原料もしくは柔軟なポリマー材料から,打ち抜きされる。書き込み部の前面は,ペンや鉛筆などの典型的な筆記具を使ってユーザーが創出する個人的なメモを受け入れるように施された書き込み面を形成している。)

ケ 「As shown best in FIG. 2 , the rear surface 80 of the writing portion has a layer of pressure-sensitive adhesive 82 disposed proximate the upper edge thereof that is preferably adapted for releasable attachment to a page of textual material. It is important to note that the rear surface of the locator tab 71 is void of any pressure-sensitive adhesive material for reasons to be described hereinafter.」(段落[0003]第1?7行)
(図2に示した通り,書き込み部裏面80は,望ましくはテキスト資料のあるページに対しての,再配置可能に取り付けし得るよう書き込み部裏面上端近くに配置される感圧接着剤の層82を有している。 但し,目印タブ71の裏面には,下記の理由により,感圧接着剤が,何ら,施されていないという点は,重要な留意点である。)

コ 「The device 10 a is affixed to the page 32 of the book 30 by pressing its upper edge 72 onto the page 32 , wherein the pressure-sensitive adhesive strip 82 , as shown in FIG. 2 , releasably secures the note 10 a in place. Such placement allows the locator tab 71 to protrude beyond the edge of the page 32 . Other devices ( 10 b, and 10 c), shown in operative engagement on other pages 34 of the book 30 , illustrate how the note-taking device 10 of the present invention may be readily located by the user when the book is closed or the book is not currently opened to the page on which the note-taking device is engaged. 」(段落[0005]第3?13行)
(図4は,典型的な書籍30の各ページへ再配置可能に取り付けられている利用開始可能な係合状態のいくつかのメモ具10a,10b,10cを示している。メモ具10aは,書籍30の頁32に上端72を押しつけて固定されている。この場合,図2に示した通り感圧接着剤の層82が,メモ具10aを,再配置可能に,所定位置に固定する。このような位置決めにより,目印タブ71を頁32の端から突出させる。書籍30の他の頁34への利用開始可能な係合状態を示してあるメモ具10b,10cは,書籍が閉じられている場合や,書籍におけるメモ具が係合している頁が現在開かれないときに,いかにして本発明のメモ具10がユーザーにより容易に位置確定され得るかを示している。)

サ 「Since only a relatively small portion of the rear surface 80 proximate the upper edge 72 of the writing portion 70 has a layer of the pressure-sensitive adhesive 82 thereon, indicia on the page of the book may be easily accessed by simply lifting the lower edge thereof without necessitating complete removal of the device 10 from the page.」(段落[0006]末行から第12行?6行)
(書き込み部70の上端72の近くに位置する裏面80の比較的小さな部分だけに,感圧接着剤層を持たせてあるので,その本の当該頁の「しるし」は,そのページからメモ具10を完全に剥がす必要無しに,単にメモ具の下端を持ち上げるだけで,容易に見つけることが出来る。)

シ 「Abbreviated notations may be made on the front surface of each locator tab 71 in order to differentiate among multiple note-taking devices engaged on the book(段落[0006]末行から第3行?末行)
(目印タブ71各々の前面に,簡略した符号や,記号を付すことも可能であり,これにより,当該の本に貼りつける多数のメモ具どうしに差異を生じさせる事も出来る。)

ス 「Although the present embodiment describes a writing portion which is generally rectangular in shape, it is to be appreciated that the writing portion may also be formed into other geometric shapes such as squares, triangles, trapezoids, frusto-circles, and the like. The only limitation for the shape of the writing portion being that the upper edge 72 be generally linear in order to conform to the linear edge of a page of a typical book. Additionally, the locator tab 71 which is shown in the drawings as frusto-circular in shape may also be formed into other geometric shapes.」(段落[0007]第1?10行)
(この実施例は,概略長方形の形状の書き込み部を説明しているが,書き込み部の形状はその他の幾何学形状-例えば,正方形,三角形,台形,円錐台状などにも形成し得ることを認識されたい。書き込み部の形状に関しての唯一の制限は,上端72が,通常の本における各ページの直線状の端部にみあうよう,ほぼ,直線状となっていることである。更には,(図において欠円状に示している)目印タブ71も,他の幾何学形状で形成することもできる。)

セ 「the preferred embodiment describes a locator tab 71 which is disposed substantially at the central portion of the width of the writing portion 70 ; however, the locator tab 71 may also be disposed proximate either the left 74 or right 75 side edge without departing from the spirit or scope of the invention.」(段落[0008]末行から第6行?末行)
(目印タブ71も,本発明の精神や発明範囲からの逸脱無く左端側74もしくは右端側75の直近位置へ配置して良い。)

ソ 甲第8号証の1のFig.1から,目印タブ71は,書き込み部70のほぼ,直線状となっている上端72の略中央部を超えて突出したものであって,該上端72には,目印タブ部分71が形成されない直線部分が残存していることが看て取れる。

甲第8号証の上記記載事項を含め,甲第8号証の全記載を総合すると,甲第8号証には以下の考案(以下,「甲8考案」という。)が記載されていると認められる。
「通常の本における各ページの直線状の端部にみあうよう,ほぼ,直線状となっている上端72に一体的に取り付けられた目印タブ部分71を備える,上端72,下端73,左側端74,右側端75を有する,幾何学形状-例えば,正方形の書き込み部70から成るメモ具10であって,
目印タブ71は,書き込み部70のほぼ,直線状となっている上端72の略中央部を超えて突出したものであって,該上端72には,目印タブ部分71が形成されない直線部分が残存しており,
書き込み部の前面は,ペンや鉛筆などの典型的な筆記具を使ってユーザーが創出する個人的なメモを受け入れるように施された書き込み面を形成し,
書き込み部70の上端72の近くに位置する裏面80の比較的小さな部分だけに,テキスト資料のあるページに対しての,再配置可能に取り付けし得るよう書き込み部裏面上端近くに配置される感圧接着剤の層82を有しており,
目印タブ71の裏面には,感圧接着剤が,何ら,施されていないメモ具10。」

2 対比
(1)本件考案2と甲8考案とを対比する。
後者の「書き込み部70」は,前者の「本体」に相当し,該「書き込み部70」は,正方形であるから四角形状であり,また,ユーザのメモを受け入れるのであるから,「メモ書き用の空白欄」が設けられていることは自明である。
したがって,後者の「書き込み部70」は,前者の「メモ書き用の空白欄を設けた四角形状の本体」に相当する。
付箋紙のタブ部分には,インデックスの目的のために,文字や記号,絵柄などを書き込むことができる空白欄が設けられていることは,きわめて一般的な技術事項であって,甲第8号証の1のFig.1乃至4からも,後者の「目印タブ部分71」に,文字や記号,絵柄などが,あらかじめ記載されているとは認められない。
したがって,後者の「目印タブ部分71」は,前者の「本体の一辺の直線部の一部を残し,前記一辺の長さより短い範囲で外方に向かって突出するインデックス用の空白欄を設けたインデックス部」に相当する。
後者の「感圧接着剤」は,テキスト資料のあるページに対して,メモ具が再配置可能に取り付けし得るようにするためのものであるから,前者の「再剥離性粘着剤」に相当する。
後者の「目印タブ部分71」は,裏面には,感圧接着剤が,何ら,施されていないのであるから,後者の「インデックス部の裏面には粘着剤が塗布されていない」に相当することは明らかである。
後者の「メモ具10」は,前者の「付箋紙」に相当する。
以上のことより,両者は,
〈一致点〉
「メモ書き用の空白欄を設けた四角形状の本体と,
この本体の一辺の直線部の一部を残し,前記一辺の長さより短い範囲で外方に向かって突出するインデックス用の空白欄を設けたインデックス部と,
前記本体の裏面に再剥離性粘着剤が塗布され,前記インデックス部の裏面には粘着剤が塗布されていない
付箋紙。」
である点で一致し,以下の点で相違している。
<相違点>
再剥離性粘着剤が塗布される領域に関して,本件考案2は「本体の裏面の略全体に亘って」いるのに対して,甲8考案は「書き込み部70の上端72の近くに位置する裏面80の比較的小さな部分だけ」である点。

上記相違点について検討する。
本件考案2は,相違点に係る考案特定事項を備えることで,「付箋紙のインデックス部が手帳,本,書類,ノ-ト等の頁の一辺より突出するように,付箋紙を手帳,本,書類,ノ-ト等の頁に貼り,例えば,インデックス部を手で摘んでも,本体の裏面の略全体に亘って再剥離性粘着剤が塗布されているため,付箋紙が前記頁から離脱しにくく,付箋紙と付箋紙に貼り付けられた前記頁とが一体的となって,付箋紙の手帳,本,書類,ノ-ト等への保持を確実にすると共に,頁をめくり易くなる。」(考案の詳細な説明の段落【0015】参照)という作用効果を奏するものである。
そして,甲8考案は,「その本の当該頁の「しるし」は,そのページからメモ具10を完全に剥がす必要無しに,単にメモ具の下端を持ち上げるだけで,容易に見つけることが出来る。」(上記摘記事項「ケ」参照)という作用を奏するために,書き込み部70の上端72の近くに位置する裏面80の比較的小さな部分だけに,感圧接着剤層を持たせたものである。
つまり,甲8考案は,「メモ具全体を剥がすことなく,メモ具の下端を持ち上げるだけで,メモ具の下にある当該ページの元々あった文字等が視認可能となり,その際,書き込み部70の上端72の近くに位置する裏面80の比較的小さな部分だけに設けられた感圧接着剤層82によって,メモ具と当該ページの固定された状態は維持される」という機能を有するものと解釈される。なお,請求人は平成29年12月27日付け口頭審理陳述要領書において,上記の解釈を認めている。
よって,再剥離性粘着剤が塗布される領域に関して,本件考案2は塗布される領域を大きくとることで,インデックス部を摘んでも付箋紙が貼付された「頁」をめくり易くしているのに対して,甲8考案は塗布される領域を小さくとることで,「付箋紙(の下端)」をめくり易くしているといえ,本件考案2と甲8考案とは,互いに相反する目的のために定められているともいえる。
ここで,甲8考案における感圧接着剤が塗布される領域を「本体の裏面の略全体に亘っ」た領域にすることは,甲8考案が本来持っている「メモ具全体を剥がすことなく,メモ具の下端を持ち上げるだけで,メモ具の下にある当該ページの元々あった文字等が視認可能」という上記の機能を失うことにつながるから,甲8考案における感圧接着剤が塗布される領域を拡大して「本体の裏面の略全体に亘っ」た領域にすることは,阻害要因があるというべきであり,当業者がきわめて容易になしえる技術事項ではない。
そして,仮に相違点に係る本件考案2の考案特定事項が周知技術であったとしても,甲8考案が相違点に係る本件考案2の考案特定事項を備えることには,同様の理由で,阻害要因があるというべきであり,当業者がきわめて容易になしえる技術事項ではない。
したがって,本件考案2は,当業者が甲8考案からきわめて容易に想到したものではない。

(2)本件考案3乃至9と甲8考案とを対比する。
本件考案3乃至9には,いずれも,本件考案2と甲8考案との相違点に係る本件考案2の考案特定事項を有するものである。
したがって,本件考案2と同じ理由により,本件考案3乃至9は,当業者が甲8考案からきわめて容易に想到したものではない。

3 小括
本件考案2乃至9は,当業者が甲8考案からきわめて容易に想到したものではないから,実用新案法第3条第2項の規定に該当するものではない。

第8 無効理由5について
(1)甲第5号証について
タ 「[0016] FIG. 2 illustrates a front view of sheet 12 . The sheet includes several removable tabs such as 14 , which are removably mounted with adhesive onto the sheet 12 . The tabs such as 14 may be made from a variety of different materials. In one embodiment, the tab 14 is made from a polyester base with a writable material such as paper on an upper edge thereof. In another embodiment, the tab 14 is made from a polyester base with a receptive coating on the entire face of the tab or on an upper edge thereof. In yet another embodiment, the tab 14 is made from a polyester base that has no writable surface but is pre-printed with a color and/or indicia. The tab 14 may also be made of a paper-based substrate .」(段落[0016]全文)
([0016]図2は,シート12の正面図を示す。シートは,シート12上に接着剤を用いてリムーバブルに取り付けられた符号14のようないくつかのリムーバブルなタブを含む。符号14のようなタブは,種々の異なる材料から作製することができる。 一実施形態では,タブ14は,その上端に紙などの書き込み可能な材料を有するポリエステルベースから作られる。別の実施形態では,タブ14は,タブの全面またはその上縁に受容コーティングを有するポリエステルベースから作られる。さらに別の実施形態では,タブ14は,書き込み可能な表面を有さないが,色および/またはしるしで予め印刷されたポリエステルベースから作製される。タブ14は紙ベースの基材で作ることもできる。)

チ 「[0019] FIG. 4 shows several sheets 12 A, 12 B and 12 C, each having a plurality of removable index tabs such as 14 . Each tab 14 includes a writable surface 16 , which may be made from paper or another writable or printable material, or which may be created as by the application of a receptive coating. Writable surface 16 may be adhered to the removable tab 14 by way of a permanent adhesive, or by other affixing means known in the art. The tab 14 is adhered to the sheet 12 A by a layer of removable repositionable adhesive 18 . Alternatively, the adhesive 18 may be a permanent adhesive. Removable, repositionable adhesives and permanent adhesives 18 are generally known in the art. When the tab 14 is removed from the sheet 12 A, the adhesive layer 18 remains adhered to the removable tab 14. 」(段落[0019]全文)
([0019]図4は,それぞれが複数のリムーバブルなインデックスタブ14を有するいくつかのシート12A, 12Bおよび12Cを示す。各タブ14は,紙または他の書き込み可能または印刷可能材料から作製され得る書き込み可能表面16を含み,受容性コーティングの適用によって達成される。書き込み可能な表面16は,恒久的な接着剤によって,または当技術分野で知られている他の固定手段によって,リムーバブルなタブ14に接着されてもよい。タブ14は,リムーバブルで再配置可能な接着剤18の層によってシート12Aに接着される。あるいは,接着剤18は,永久接着剤であってもよい。リムーバブルで再配置可能な接着剤および永久接着剤18は,当該技術分野において一般的に知られている。タブ14がシート12Aから取り外されると,接着剤層18はリムーバブルなタブ14に接着したままである。)

ツ 「 [0021] The individual sheets, such as 12 A, may be removed from the pad and adhered to other surfaces. For example, in FIG. 5 , the sheet 12 A has been adhered onto the interior of the front cover of a book 24 . The user may then remove index tabs from the sheet 12 A as desired. As illustrated in FIG. 6 , for example, the removable tab may be placed at the edge of a sheet, to mark a particular page in a book of interest. As the adhesive backing the tab 14 is typically a repositionable, removable adhesive, the user may reposition the tab after initially applying it, as desired.
[0022] It is noted in FIG. 4 , that the adhesive layer 18 that backs the tab 14 , typically does not extend the entire back of the tab 14 . Instead, the area of the tab corresponding to the underside of the writable portion 16 , is typically not coated with adhesive, thereby creating a tab that a user may grasp for applying and removing the tab. 」(段落[0021],段落[0022]全文)
([0021]符号12Aのような個々のシートは,パッドから除去され,他の表面に接着されてもよい。例えば,図5に示すように,シート12Aはブック24のフロントカバーの内部に接着されている。次いで,ユーザは,必要に応じてシート12Aからインデックスタブを除去することができる。別ウィンドウ(タブ)の大きな表示で見る例えば,図6に示すように,着脱可能なタブは,リムーバブルタブをシート縁に配置して,関心のある書籍の特定のページをマークすることができる。
タブ14の裏の接着剤は,再配置可能で取り外し可能な接着剤であるので,ユーザは,最初に付した後にタブを所望通りに再配置することができる。
[0022]図4に示すように,タブ14の裏面の接着層18は,タブ14の裏面全体には広がっていない。その代わりに,書込み可能部分16の裏側に対応するタブの領域は,接着剤で被覆されておらず,それによって,ユーザがタブを付けたり,除去するために把持するタブを形成している。)

甲第5号証の上記記載事項を含め,甲第5号証の全記載を総合すると,甲第5号証には以下の考案(以下,「甲5考案」という。)が記載されていると認められる。
「その上端に紙などの書き込み可能な材料を有するポリエステルベースから作られるタブ14であって,該タブの全面またはその上縁に受容コーティングを有するポリエステルベースから作られ,
タブ14の裏面の接着層18は,リムーバブルで再配置可能な接着剤18の層によってシート12Aに接着され,かつ,接着剤18は,タブ14の裏面全体には広がっておらず書込み可能部分16の裏側に対応するタブの領域は,接着剤で被覆されていない,シート縁に配置して,関心のある書籍の特定のページをマークすることができるリムーバブルなインデックスタブ14。」

(2)甲第6号証(甲第6号証の1及び甲6号証の2)について
甲6号証は,以下に示すとおりの考案が記載されていると認める。
「裏面に糊が塗布された長方形部分と,裏面に糊が塗布されていない台形部分からなる糊付き付箋紙。」

2 対比
無効理由5は,
本件考案2乃至9は,甲第8号証と甲第4号証に記載された考案に基いて,当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから,実用新案法第3条第2項第の規定により,実用新案登録を受けることができない。
本件考案2乃至9は,甲第8号証と甲第5号証に記載された考案に基いて,当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから,実用新案法第3条第2項第の規定により,実用新案登録を受けることができない。
甲第8号証と甲第6号証に記載された考案に基いて,当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから,実用新案法第3条第2項第の規定により,実用新案登録を受けることができない。
の,3つの理由からなるものであるから,それぞれ検討する。

(1)本件考案2乃至9が,甲第8号証と甲第4号証からきわめて容易とするもの
ア 本件考案2と甲8考案とを対比する。
本件考案2と甲8考案との相違点は,「第7 無効理由4について」で述べたとおりである。
そして,甲第4号証に記載された甲4考案において,上記相違点に係る本件考案2の考案特定事項である「本体の裏面の略全体に亘って再剥離性粘着剤が塗布」について記載されているとしても,「第8 無効理由4について」で述べたように,甲8考案における感圧接着剤が塗布される領域を「本体の裏面の略全体に亘っ」た領域にすることは,甲8考案が本来持っている「メモ具全体を剥がすことなく,メモ具の下端を持ち上げるだけで,メモ具の下にある当該ページの元々あった文字等が視認可能」という機能を失うことにつながるから,甲8考案が相違点に係る本件考案2の考案特定事項を備えること,つまり甲8考案に甲4考案を適用することには阻害要因があるというべきであり,当業者がきわめて容易になしえる技術事項ではない。
したがって,本件考案2は,当業者が甲8考案と甲4考案からきわめて容易に想到したものではない。

イ 本件考案3乃至9と甲8考案とを対比する。
本件考案3乃至9には,いずれも,本件考案2と甲8考案との相違点に係る本件考案2の考案特定事項を有するものである。
したがって,本件考案2と同じ理由により,本件考案3乃至9は,当業者が甲8考案と甲4考案からきわめて容易に想到したものではない。

ウ 小括
本件考案2乃至9は,当業者が甲8考案と甲4考案からきわめて容易に想到したものではないから,実用新案法第3条第2項の規定に該当するものではない。

(2)本件考案2乃至9が,甲第8号証と甲第5号証からきわめて容易とするもの
ア 本件考案2と甲8考案とを対比する。
本件考案2と甲8考案との相違点は,「第7 無効理由4について」で述べたとおりである。
そして,甲第5号証に記載された甲5考案において,上記相違点に係る考案特定事項である「本体の裏面の略全体に亘って再剥離性粘着剤が塗布」について記載されているとしても,「第8 無効理由4について」で述べたように,甲8考案における感圧接着剤が塗布される領域を「本体の裏面の略全体に亘っ」た領域にすることは,甲8考案が本来持っている「メモ具全体を剥がすことなく,メモ具の下端を持ち上げるだけで,メモ具の下にある当該ページの元々あった文字等が視認可能」という機能を失うことにつながるから,甲8考案が相違点に係る本件考案2の考案特定事項を備えること,つまり甲8考案に甲5考案を適用することには阻害要因があるというべきであり,当業者がきわめて容易になしえる技術事項ではない。
したがって,本件考案2は,当業者が甲8考案と甲5考案からきわめて容易に想到したものではない。

イ 本件考案3乃至9と甲8考案とを対比する。
本件考案3乃至9には,いずれも,本件考案2と甲8考案との相違点に係る本件考案2の考案特定事項を有するものである。
したがって,本件考案2と同じ理由により,本件考案3乃至9は,当業者が甲8考案と甲5考案からきわめて容易に想到したものではない。

ウ 小括
本件考案2乃至9は,当業者が甲8考案と甲5考案からきわめて容易に想到したものではないから,実用新案法第3条第2項の規定に該当するものではない。

(3)本件考案2乃至9が,甲第8号証と甲第6号証からきわめて容易とするもの
ア 本件考案2と甲8考案とを対比する。
本件考案2と甲8考案との相違点は,「第7 無効理由4について」で述べたとおりである。
そして,甲第6号証に記載された甲6考案において,上記相違点に係る考案特定事項である「本体の裏面の略全体に亘って再剥離性粘着剤が塗布」について記載されているとしても,「第8 無効理由4について」で述べたように,甲8考案における感圧接着剤が塗布される領域を「本体の裏面の略全体に亘っ」た領域にすることは,甲8考案が本来持っている「メモ具全体を剥がすことなく,メモ具の下端を持ち上げるだけで,メモ具の下にある当該ページの元々あった文字等が視認可能」という機能を失うことにつながるから,甲8考案が相違点に係る本件考案2の考案特定事項を備えること,つまり甲8考案に甲6考案を適用することには阻害要因があるというべきであり,当業者がきわめて容易になしえる技術事項ではない。
したがって,本件考案2は,当業者が甲8考案と甲6考案からきわめて容易に想到したものではない。

イ 本件考案3乃至9と甲8考案とを対比する。
本件考案3乃至9には,いずれも,本件考案2と甲8考案との相違点に係る本件考案2の考案特定事項を有するものである。
したがって,本件考案2と同じ理由により,本件考案3乃至9は,当業者が甲8考案と甲6考案からきわめて容易に想到したものではない。

ウ 小括
本件考案2乃至9は,当業者が甲8考案と甲6考案からきわめて容易に想到したものではないから,実用新案法第3条第2項の規定に該当するものではない。

第9 むすび
以上のとおりであるから,本件考案2乃至9は,無効理由4及び5があるものではないが,無効理由1により無効とすべきものである。
審判に関する費用については,実用新案法第41条により,特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により,被請求人が負担すべきものとする。

よって,結論のとおり審決する。
審理終結日 2018-03-08 
結審通知日 2018-03-12 
審決日 2018-04-03 
出願番号 実願2008-3203(U2008-3203) 
審決分類 U 1 111・ 113- ZA (B42D)
U 1 111・ 121- ZA (B42D)
最終処分 成立  
特許庁審判長 黒瀬 雅一
特許庁審判官 吉村 尚
藤本 義仁
登録日 2008-07-09 
登録番号 実用新案登録第3143615号(U3143615) 
考案の名称 付箋紙  
代理人 上吉原 宏  
代理人 玉田 修三  
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