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審決分類 |
審判 全部申し立て H05B 審判 全部申し立て H05B |
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管理番号 | 1039493 |
異議申立番号 | 異議2000-71456 |
総通号数 | 19 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 実用新案決定公報 |
発行日 | 2001-07-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2000-04-04 |
確定日 | 2000-12-25 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 登録第2600297号「照明装置」の請求項1、2に係る実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 登録第2600297号の請求項1及び2に係る実用新案登録を維持する。 |
理由 |
1.手続の経緯 本件実用新案登録第2600297号は平成4年5月22日の出願であって、平成11年8月6日に設定登録がなされ、その後、秋山眞一より実用新案登録異議の申立がなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成12年11月6日に訂正請求がなされたものである。 2.訂正の適否についての判断 ア.訂正の内容 請求項2の「調光制御信号が調光上限および調光下限に対応した状態において、増光指令信号および減光指令信号が調光制御部へそれぞれ入力された時に、報知出力部より調光報知音をそれぞれ発生させるようにした請求項1記載の照明装置。」を「調光制御信号が調光上限に対応した状態において、増光指令信号が調光制御部へ入力されたときに、報知出力部より調光報知音を発生させ、調光制御信号が調光下限に対応した状態において、減光指令信号が調光制御部へ入力されたときに、報知出力部より調光報知音を発生させるようにした請求項1記載の照明装置。」と訂正する。 イ.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否 上記訂正事項は、明細書の段落【0020】の「また、既に100%点灯である状態において(ステップS_(2) )、増光信号が入力された場合には、調光制御部2により報知出力部5に指令を出し、第2の報知出力を発生させて(ステップS_(6) )、それ以上の増光操作が不可能であることを知らせる。」、段落【0022】の「また、既に0%消灯である状態において(ステップS_(8) )、減光信号が入力された場合には、調光制御部2により、報知出力部5に指令を出し、第2の報知出力を発生させて(ステップS_(12))、それ以上の減光操作が不可能であることを知らせる。」及び図2の記載に基く訂正であり、請求項2の調光報知音が発生される場合を限定したものであるので、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そして上記訂正は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、また、上記訂正によって、照明の点灯状態が調光上限及び調光下限に達したこと及び調光操作の限界であることを使用者に知らせるという課題に変更を及ぼすものでもないから、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。 ウ.訂正の適否に対するむすび 以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法の一部を改正する法律(平成6年法律)第116号附則第9条第2項の規定により準用され、同付則第10条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第2項及び同条第3項で準用する同法第126条第2項及び3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。 3.実用新案登録異議申立について ア.本件考案 本件の請求項1及び2に係る考案(以下「本件考案1」及び「本件考案2」という。)は、訂正明細書の実用新案登録請求の範囲に記載された次のとおりのものである。 「【請求項1】 増光および減光をそれぞれ指令する照度設定部と、この照度設定部より出力される増光指令信号および減光指令信号をコードレス送信する信号送信部とからなるリモコン部と、 前記信号送信部から送信される増光指令信号および減光指令信号をコードレス受信する信号受信部と、前記信号受信部より出力される増光指令信号および減光指令信号を調光制御信号に変換する調光制御部と、前記調光制御部より出力される調光制御信号に従って出力を増減する光源調光部と、前記光源調光部の出力で点灯する光源と、前記信号受信部の受信時にアンサーバック音を発生するとともに前記調光制御部より出力される調光制御信号を入力として調光報知音を発生するアンサーバック音発生および調光報知音発生兼用の報知出力部とからなる照明器具部とを備え、 増光指令信号および減光指令信号の前記調光制御部への入力によって調光制御信号が調光上限および調光下限に対応した状態に変化した時に、前記報知出力部より調光報知音をそれぞれ発生させるようにしたことを特徴とする照明装置。 【請求項2】 調光制御信号が調光上限に対応した状態において、増光指令信号が調光制御部へ入力されたときに、報知出力部より調光報知音を発生させ、調光制御信号が調光下限に対応した状態において、減光指令信号が調光制御部へ入力されたときに、報知出力部より調光報知音を発生させるようにした請求項1記載の照明装置。」 イ.申立の理由の概要 実用新案登録異議申立人・秋山眞一は、本件実用新案登録の請求項1及び2に係る考案は、甲第1号証(特開平3-230494号公報)に記載された考案であるから、実用新案法第3条第1項第3号の規定に該当し、あるいは、甲第1号証に記載された考案に基いて、その考案の属する技術の分野における通常の知識を有する者がきわめて容易に考案をすることができたものであり、実用新案法第3条第2項の規定に該当しているので、本件実用新案登録を取り消すべきものである旨主張している。 ウ.甲第1号証記載の考案 本件考案出願前に頒布された刊行物である甲第1号証(特開平3-230494号公報)には、 第3頁左上欄第9行?第17行に、「1は送信部であり、・・・赤外線を媒体とする制御信号を送出するものである。前記操作部は、・・・上昇指令操作部4、下降指令操作部5を有してなるものである」と記載されている。 また、同頁左下欄第18行?同右上欄第12行には、「8は照明器具例えば吊下げ形の照明器具であり、・・・前記受信部10は前記送信部1からの制御信号を受信するものであり、前記点灯制御装置11は前記受信部10にて受信された制御信号に基づいて前記光源9を点灯制御するものである。そして、この点灯制御装置11は、信号処理部12、この信号処理部12からの出力に応じて光源9に対する供給電力を制御する出力可変形の点灯装置13・・・を有してなるものである。」と記載されている。 さらに、第1図には信号処理部12に接続されたブザー15が明示されており、第3頁右下欄第4行?第11行には、「上限でない場合には、ブザー15等にて確認音を発生させる・・・下降制御信号を受けたときはこれと逆に制御するものであるが、第3図から容易に理解さる」と記載され、また、同頁同欄第12行?第14行には、「前記ブザー15等による確認音は、調光点灯状態が変化するときのみ発生する」と記載されている。 また、甲第1号証には他の実施例として、第4頁右上欄第6行?第7行に、「確認音を光出力が上限または下限であっても最初の1回は発生するようにした」と記載されており、また、第7図には、「下限か」又は「上限か」という判断ステップにおいて判断結果がイエスであれば、さらに「第1回目か」という判断ステップを実行し、判断結果がイエスであれば確認音を発生するフローチャートが示されている。 上記によれば甲第1号証には、 「上昇指令操作部4、下降指令操作部5を有する設定部を有し、前記操作部の操作により赤外線を媒体とする制御信号を送出する送信部1と、前記送信部からの制御信号を受信する受信部10と、前記受信部10にて受信された制御信号に基づいて信号処理部12からの出力に応じて光源に対する供給電力を出力可変形の点灯装置13を有する点灯制御装置11と、調光点灯状態が変化するときのみに確認音を発生するブザー15と、からなる照明器具8とを備え、確認音を、光出力が上限または下限であっても最初の1回は発生するようにしてもよい照明装置」が記載されている。 エ.対比・判断 i)本件考案1について 本件考案1と甲第1号証記載の考案を対比する。 甲第1号証記載の考案の「上昇指令操作部、下降指令操作部を有する設定部を有し、前記操作部の操作により赤外線を媒体とする制御信号を送出する送信部」、「受信部」、「信号処理部」、「出力可変形の点灯装置」、「光源」、「確認音」、「ブザー」及び「照明装置」は、それぞれ本件考案1の「増光および減光をそれぞれ指令する照度設定部と、この照度設定部より出力される増光指令信号および減光指令信号をコードレス送信する信号送信部とからなるリモコン部」、「信号受信部」、「調光制御部」、「光源調光部」、「光源」、「調光報知音」、「報知出力部」及び「照明器具部」に相当するため、 両者は「増光および減光をそれぞれ指令する照度設定部と、この照度設定部より出力される増光指令信号および減光指令信号をコードレス送信する信号送信部とからなるリモコン部と、 前記信号送信部から送信される増光指令信号および減光指令信号をコードレス受信する信号受信部と、前記信号受信部より出力される増光指令信号および減光指令信号を調光制御信号に変換する調光制御部と、前記調光制御部より出力される調光制御信号に従って出力を増減する光源調光部と、前記光源調光部の出力で点灯する光源と、調光報知音を出力する報知出力部とからなる照明器具部とを備えた照明装置。」である点で一致しているものの、 報知出力部から発生する音について、本件考案ではアンサーバック音及び調光報知音であるのに対して、甲第1号証記載の考案では調光報知音のみである点(以下、「第1の相違点」という。)、 調光報知音について、本件考案1では調光上限及び調光下限に対応した状態に変化した時に発生されるものであるのに対して、甲1号証記載の考案では調光下限及び調光上限に達するまでは、状態が変化したときにのみ発生されるものである点(以下、「第2の相違点」という。)、 で相違している。 上記相違点について以下検討する。 第1の相違点に係るアンサーバック音に関して、登録異議申立人は、甲第1号証記載の考案における調光上限・調光下限に至らないまでの調光報知音がアンサーバック音に相当するものである旨主張している。 しかしながら、本件考案1のアンサーバック音はリモコン部からの信号を受信した場合に発生される音であるので、調光上限・調光下限に至った後においても、信号受信部がリモコン部からの信号を受信した場合にはアンサーバック音は発生するものであると考えるのが妥当である。 しかして、甲第1号証には、リモコン部からの信号に対して必ず応答するアンサーバック音に関しての記述はなされておらず、また、調光報知音の発生手段として、アンサーバック音発生用の報知手段を利用するとする本件考案1の課題についての記載も認められないものである。 よって、第2の相違点について検討するまでもなく、本件考案1と甲第1号証記載の考案は、解決すべき課題を異とするとともに、少なくとも上記の第1の相違点が存在するものであるので、本件考案1は、甲第1号証に記載された考案であるとは認められず、また、甲第1号証に記載された考案に基いて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものとも認められない。 ii)本件考案2について 本件考案2は、本件考案1の構成を全て備えているから、本件考案1と同旨の理由(上記「i)本件考案1について」参照)により、甲第1号証に記載された考案であるとも、甲第1号証に記載された考案に基いて、当業者がきわめて容易に考案をすることができたものとも認められない。 オ.むすび 以上のとおりであるから、登録異議申立の理由及び証拠によっては本件考案1及び2についての実用新案登録を取り消すことはできない。 また、他に本件考案1及び2についての実用新案登録を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【考案の名称】 照明装置 (57)【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 増光および減光をそれぞれ指令する照度設定部と、この照度設定部より出力される増光指令信号および減光指令信号をコードレス送信する信号送信部とからなるリモコン部と、前記信号送信部から送信される増光指令信号および減光指令信号をコードレス受信する信号受信部と、前記信号受信部より出力される増光指令信号および減光指令信号を調光制御信号に変換する調光制御部と、前記調光制御部より出力される調光制御信号に従って出力を増減する光源調光部と、前記光源調光部の出力で点灯する光源と、前記信号受信部の受信時にアンサーバック音を発生するとともに前記調光制御部より出力される調光制御信号を入力として調光報知音を発生するアンサーバック音発生および調光報知音発生兼用の報知出力部とからなる照明器具部とを備え、増光指令信号および減光指令信号の前記調光制御部への入力によって調光制御信号が調光上限および調光下限に対応した状態に変化した時に、前記報知出力部より調光報知音をそれぞれ発生させるようにしたことを特徴とする照明装置。 【請求項2】 調光制御信号が調光上限に対応した状態において、増光指令信号が調光制御部へ入力されたときに、報知出力部より調光報知音を発生させ、調光制御信号が調光下限に対応した状態において、減光指令信号が調光制御部へ入力されたときに、報知出力部より調光報知音を発生させるようにした請求項1記載の照明装置。 【考案の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この考案は、連続的に調光が可能な照明装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】連続的に調光が可能な照明装置において、調光を行う操作方法として、従来、照度設定を行う操作部に増光指令および減光指令を発生させるボタンを配し、それぞれ操作している時間に応じて徐々に増光あるいは減光を行う方法がある。この方法によれば、使用者は、光源の点灯状態を自分の目で確かめながら増光指令用あるいは減光指令用のボタンを操作して好みの調光状態を作り出すことができる。 【0003】 【考案が解決しようとする課題】しかしながら、実際の照明装置においては、器具形態,光源の種類等が様々であり、例えば100%の全点灯状態と98%程度の点灯状態とでは、見かけ上ほとんど点灯状態の違いがわからず、低いレベルから徐々に増光操作を行った場合、何時100%点灯状態になったのかがわからないために、既に100%点灯状態になっているにもかかわらず、増光操作を続けるということがあった。 【0004】また、0%の全消灯状態と2%程度の点灯状態とでは、見かけ上違いがわからず、減光操作によって0%消灯したつもりが、実は2%程度で点灯していて、知らずに電力を消費していることもあった。この考案の目的は、上記従来例の問題を解決するもので、連続的に調光可能な照明装置において、増光指令および減光指令に基づく調光操作によって、照明の点灯状態が100%点灯あるいは0%消灯に至ったことを明確に使用者に知らせることができ、調光操作を過不足なく行わせることができる照明装置を提供することである。 【0005】この考案の他の目的は、増光指令および減光指令に基づく調光操作によって現在の調光状態が100%点灯あるいは0%消灯であって、それぞれ調光上限あるいは調光下限であること、つまり調光操作の限界であることを明確に使用者に知らせることができ、無駄な調光操作を行わせないようにできる照明装置を提供することである。 【0006】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の照明装置は、リモコン部と照明器具部とからなる。リモコン部は、増光および減光をそれぞれ指令する照度設定部と、この照度設定部より出力される増光指令信号および減光指令信号をコードレス送信する信号送信部とからなる。照明器具部は、信号送信部から送信される増光指令信号および減光指令信号をコードレス受信する信号受信部と、信号受信部より出力される増光指令信号および減光指令信号を調光制御信号に変換する調光制御部と、調光制御部より出力される調光制御信号に従って出力を増減する光源調光部と、光源調光部の出力で点灯する光源と、信号受信部の受信時にアンサーバック音を発生するとともに調光制御部より出力される調光制御信号を入力として調光報知音を発生するアンサーバック音発生および調光報知音発生兼用の報知出力部とからなる。そして、増光指令信号および減光指令信号の調光制御部への入力によって調光制御信号が調光上限および調光下限に対応した状態に変化した時に、報知出力部より調光報知音をそれぞれ発生させるようにしている。 【0007】請求項2記載の照明装置は、調光制御信号が調光上限および調光下限に対応した状態において、増光指令信号および減光指令信号が調光制御部へそれぞれ入力された時に、報知出力部より調光報知音をそれぞれ発生させるようにしている。 【0008】請求項1記載の構成によれば、リモコン部の照度設定部が操作され、増光指令信号または減光指令信号が照明器具部の調光制御部に入力されることによって、調光制御信号が調光上限および調光下限に対応した状態に変化すると、報知出力部が調光報知音を発生して調光制御信号が調光上限および調光下限に対応した状態になったこと、つまり調光操作の限界に達したことを報知する。なお、信号送信部からの送信信号が信号受信部で受信されたときにアンサーバック音が発生し、リモコン部の操作が適正に行われたことが確認できる。 【0009】請求項2記載の構成によれば、調光制御信号が調光上限および調光下限に対応した状態になった場合において、照度設定部が操作されると、報知出力部が調光報知音を発生して増光指令信号または減光指令信号が調光制御部に入力されたこと、つまり調光操作の限界に達しているのにさらに調光操作を行ったことを報知する。 【0010】 【実施例】この考案の一実施例を図1および図2に基づいて説明する。この照明装置は、赤外線等の無線媒体を用いて光源のリモートコントロール調光操作を行うもので、図1に示すように、リモコン部IIと照明器具部Iとからなり、照明器具部Iとリモコン部IIとは切り離されている。リモコン部IIは、増光および減光をそれぞれ指令する照度設定部1と、この照度設定部1より出力される増光指令信号および減光指令信号をコードレス送信する信号送信部7とからなる。照明器具部Iは、信号送信部7から送信される増光指令信号および減光指令信号をコードレス受信する信号受信部8と、信号受信部8より出力される増光指令信号および減光指令信号を調光制御信号に変換する調光制御部2と、調光制御部2より出力される調光制御信号に従って出力を増減する光源調光部3と、光源調光部3の出力で点灯する光源4と、信号受信部8の受信時にアンサーバック音を発生するとともに調光制御部2より出力される調光制御信号を入力として調光報知音を発生するアンサーバック音発生および調光報知音発生兼用の報知出力部5とからなる。以上に述べたように、この照明装置では、照度設定部1は信号送信部7とともにリモコン部IIを構成しており、また照明器具部Iには、信号送信部7から伝送される信号を受信する信号受信部8が組み込まれ、信号受信部8から調光制御部2へ増光指令および減光指令が伝達される。つまり、照度設定部1と調光制御部2との問の信号伝送が、信号送信部7および信号受信部8を介してコードレスで行われることになる。そして、この実施例のようなリモコン式の照明装置では、通常リモコン信号の受信確認のために、アンサーバック用のブザーを有し、リモコン信号を受信すると、ブザー出力(アンサーバック音出力)を行っているので、上記の報知出力部5をアンサーバック用のブザーと兼用にして調光状態の限界の報知をブザー出力により行うようにしているのである。報知の態様としては、第1の報知出力と第2の報知出力とは全く同じ音でも問題はないが、違った音(時間、回数、周波数等)にすれば、今限界に至ったことと、既に限界であることを、より明確に使用者に知らせることができる。 【0011】上記の照明器具部Iへは、電源部6から給電される。リモコン部IIは照明器具部Iとは別に設けられている。そして、増光指令信号および減光指令信号の調光制御部2への入力によって調光制御信号が調光上限および調光下限に対応した状態に変化した時に、報知出力部5より調光報知音をそれぞれ発生させるようにしている。また、調光制御信号が調光上限および調光下限に対応した状態において、増光指令信号および減光指令信号が調光制御部2へそれぞれ入力された時に、報知出力部5より調光報知音をそれぞれ発生させるようにしている。 【0012】このような構成によって、照度設定部1が操作され、増光指令信号または減光指令信号が調光制御部2に入力されることによって、調光制御信号が調光上限および調光下限に対応した状態に変化すると、報知出力部5が調光報知音を発生して調光制御信号が調光上限および調光下限に対応した状態になったこと、つまり調光操作の限界に達したことを報知する。 【0013】また、調光制御信号が調光上限および調光下限に対応した状態になった場合において、照度設定部1が操作されると、報知出力部5が調光報知音を発生して増光指令信号または減光指令信号が調光制御部2に入力されたこと、つまり調光操作の限界に達しているのにさらに調光操作を行ったことを報知する。以下、この照明装置について、図1および図2を参照しながら詳しく説明する。 【0014】図2はこの照明装置において、照明器具部Iが実行する処理のフローチャートを示している。以下、このフローチャートについて説明する。図2では、まず照度設定部1からの入力が増光指令であるかどうかを判定する(ステップS1)。ステップS1の判定結果がYESのときは、調光制御信号が現在100%点灯に対応する状態であるかどうかを判定する(ステップS2)。 【0015】ステップS2の判定結果がNOのときは、調光制御信号を1段増光する方向に変化させ(ステップS3)、調光制御信号が100%点灯に対応する状態になったかどうかを判定する(ステップS4)。ステップS4の判定結果がYESのときは、第1の報知出力(調光報知音)を発生し(ステップS5)、ステップS1に戻る。 【0016】ステップS4の判定結果がNOのときは、ステップS1に戻る。ステップS2の判定結果がYESのときは、第2の報知出力(調光報知音)を発生し(ステップS6)、ステップS1に戻る。ステップS1の判定結果がNOのときは、照度設定部1からの入力が減光指令であるかどうかを判定する(ステップS7)。 【0017】ステップS7の判定結果がYESのときは、調光制御信号が現在0%消灯に対応する状態であるかどうかを判定する(ステップS8)。ステップS8の判定結果がNOのときは、調光制御信号を1段減光する方向に変化させ(ステップS9)、調光制御信号が0%消灯に対応する状態になったかどうかを判定する(ステップS10)。 【0018】ステップS10の判定結果がYESのときは、第1の報知出力を発生し(ステップS11)、ステップS1に戻る。ステップS10の判定結果がNOのときは、ステップS1に戻る。ステップS8の判定結果がYESのときは、第2の報知出力を発生し(ステップS12)、ステップS1に戻る。 【0019】S7の判定結果がNOのときは、ステップS1に戻る。以上のような処理を行うことにより、図1の照明装置は、以下のように動作する。つまり、照度設定部1にて、例えば増光指令用のボタンが押された場合、調光制御部2では、その信号を受け取り(ステップS1)、まず現在の光源4の点灯状態が100%点灯状態であるかどうかをチェックする(ステップS2)。もし、100%点灯状態でなければ、調光状態を1段増光方向にするような調光制御信号を出力し(ステップS3)、光源調光部3を制御する。光源調光部3は、この調光制御信号に従って出力を変化し、光源4を増光させる。 【0020】ここで、100%点灯状態に至った時(ステップS4)は、調光制御部2により報知出力部5に指令を出し、第1の報知出力を発生させて(ステップS5)、100%点灯状態になったことを知らせる。また、既に100%点灯である状態において(ステップS2)、増光信号が入力された場合には、調光制御部2により報知出力部5に指令を出し、第2の報知出力を発生させて(ステップS6)、それ以上の増光操作が不可能であることを知らせる。 【0021】照度設定部1にて、減光指令用のボタンが押された場合、調光制御部2では、その信号を受け取り(ステップS7)、まず現在の光源4の点灯状態が0%消灯状態であるかどうかをチェックする(ステップS8)。もし、0%消灯状態でなければ、調光状態を1段減光方向になるような調光制御信号を出し(ステップS9)、光源調光部3を制御する。光源調光部3は、この調光制御信号に従って出力を変化し、光源4を減光させる。 【0022】ここで、0%消灯状態に至った時(ステップS10)は、調光制御部2により報知出力部5に指令を出し、第1の報知出力を発生させて(ステップS11)、0%消灯状態になったことを知らせる。また、既に0%消灯である状態において(ステップS8)、減光信号が入力された場合には、調光制御部2により、報知出力部5に指令を出し、第2の報知出力を発生させて(ステップS12)、それ以上の減光操作が不可能であることを知らせる。 【0023】以上のような構成により、連続調光が可能な照明装置において、増光,減光の操作によって、照明の点灯状態が100%の全点灯状態あるいは0%の全消灯状態に至ったことを、さらにそれ以上の増光,減光の操作が不可能であることを使用者に対して明確に知らせることができる。 【0024】 【0025】 【0026】 【0027】 【考案の効果】請求項1記載の照明装置によれば、調光制御信号が調光上限および調光下限に対応した状態に変化したときに、報知出力部が調光報知音を発生して調光制御信号が調光上限および調光下限に対応した状態になったこと、つまり調光操作の限界に達したことを使用者に明確に報知することができ、増光,減光の調光操作を過不足なく行うことができる。しかも、報知出力部がアンサーバック音発生および調光報知音発生兼用であり、リモコン部からの信号を受信する照明器具部に元々設けられているアンサーバック音発生用の報知手段を利用することで調光報知音発生のために特別な報知手段を設ける必要がなく、コスト増加も少なく抑えることができる。 【0028】請求項2記載の照明装置によれば、調光制御信号が調光上限および調光下限に対応した状態になった場合において、照度設定部が操作されると、報知出力部が調光報知音を発生して増光指令信号または減光指令信号が調光制御部に入力されたこと、つまり調光操作の限界に達しているのにさらに調光操作を行ったことを使用者に明確に報知することができ、無駄な調光操作を行わせないようにできる。 【図面の簡単な説明】 【図1】この考案の一実施例の照明装置の構成を示すブロック図である。 【図2】図1の照明装置の動作を示すフローチャートである。 【符号の説明】 1 照度設定部 2 調光制御部 3 光源調光部 4 光源 5 報知出力部 6 電源部 7 信号送信部 8 信号受信部 I 照明器具部 II リモコン部 |
訂正の要旨 |
訂正の要旨 訂正事項 特許請求の範囲の請求項2を 「調光制御信号が調光上限に対応した状態において、増光指令信号が調光制御部へ入力されたときに、報知出力部より調光報知音を発生させ、調光制御信号が調光下限に対応した状態において、減光指令信号が調光制御部へ入力されたときに、報知出力部より調光報知音を発生させるようにした請求項1記載の照明装置。」 と訂正する。 |
異議決定日 | 2000-11-17 |
出願番号 | 実願平4-34146 |
審決分類 |
U
1
651・
113-
YA
(H05B)
U 1 651・ 121- YA (H05B) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 槙原 進 |
特許庁審判長 |
田中 秀夫 |
特許庁審判官 |
熊倉 強 藤本 信男 |
登録日 | 1999-08-06 |
登録番号 | 実用新案登録第2600297号(U2600297) |
権利者 |
松下電工株式会社 大阪府門真市大字門真1048番地 |
考案の名称 | 照明装置 |
代理人 | 荒川 伸夫 |
代理人 | 安藤 淳二 |
代理人 | 荒川 伸夫 |
代理人 | 安藤 淳二 |