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審決分類 |
審判 全部申し立て B60J |
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管理番号 | 1016814 |
異議申立番号 | 異議1999-71778 |
総通号数 | 12 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 実用新案決定公報 |
発行日 | 2000-12-22 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 1999-04-27 |
確定日 | 1999-10-25 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 実用新案登録第2587880号「ガラスラン」の実用新案に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 実用新案登録第2587880号の実用新案登録を維持する。 |
理由 |
(1)本件考案 実用新案登録第2587880号(平成4年6月30日出願、平成10年10月23日設定登録)の請求項1に係る考案(以下、「本件考案」という。)は、その実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものと認める。 「(請求項1)車両のドアに取り付けられる取付部と、この取付部から突出し、かつドアウインドガラスに対して押圧してシールするとともにドアウインドガラスよりも車両の室内側に位置するシールリップ部と、を有する基体を備えたガラスランにおいて、 上記シールリップ部におけるドアウインドガラスに対して摺動する面から車両の室内側にかけて形成された装着面にわたって接着された被接着部材を備え、 上記被接着部材は、上記ドアウインドガラスが摺動する部位に接着される摺動部と、上記室内側に面した部位に接着される装飾部とを備え、上記摺動部及び装飾部を上記装着面に密着する可撓性のシート材から一体に形成したものであることを特徴とするガラスラン。」 (2)申立の理由の概要 実用新案登録異議申立人宮首一夫は、証拠方法として甲第1号証(特開平2-234841号公報)、甲第2号証(実願昭57-192004号(実開昭59-94919号)のマイクロフィルム)、甲第3号証(特開昭56-120313号公報)、甲第4号証(特開昭63-43823号公報)を提出して、本件実用新案登録は、甲第1?4号証の各刊行物に記載された考案であるから、旧実用新案法第3条第1項第3号により登録を受けることができないものであり、準用する特許法第113条第1項第2号により取り消すべきである。 なお、仮に本件実用新案登録に係る考案が新規性を有するものであったとしても、進歩性まで有するものではない旨主張している。 (3)甲第1?4号証記載の考案 甲第1号証(特開平2-234841号公報)(以下、「甲第1号証刊行物」という。)には、第5頁右上欄第10?20行の記載及び図面の記載内容からみて、未強化硬質ガラス走行溝をもった窓ガラス密封細片に関するものについて、第1図乃至第3図に示すように、密封細片10のリップ50の、窓ガラスと接触する面には低摩擦で耐久性を改善する表面化上げ層53が設けられたものが開示されている。 また、その表面仕上げ層53は、シリコーンやポリウレタンのような適当な材料の被膜でよく、実質的に中間基壁32の上面までにわたっているのが好ましいことが記載されている。 甲第2号証(実願昭57-192004号(実開昭59-94919号)のマイクロフィルム)(以下、「甲第2号証刊行物」という。)には、第2頁第15?20行、第4頁第1?12行の記載及び第3図の記載内容からみて、ガラスランチャンネル7の車室内側のリップ7bを被覆する延長部8bが形成された合成樹脂製の内装部材8が開示されている。また、リップを覆うことで車室内からボディ色が見えることを防止するという目的が記載されている。 甲第3号証(特開昭56-120313号公報)(以下、「甲第3号証刊行物」という。)には、第1頁右下欄第5?6行の記載、第11図及びその図面の関連記載からみて、ナイロンクロス等の植毛布状体3で被覆されたグラスラン15が開示されている。 甲第4号証(特関昭63-43823号公報)(以下、「甲第4号証刊行物」という。)には、第3頁右上欄第12?18行の記載及び図面の記載内容からみて、ドアガラスウエザストリップを構成するベンドリップ11と取付け基部16の外表面が、シール性及び意匠性の見地から植毛仕上げされた態様のものが開示されている。 (4)対比・判断 そこで、本件考案と上記甲第1?4号証刊行物に記載されたものと比較すると、甲第1号証刊行物に記載の「表面化上げ層53」、甲第2号証刊行物に記載の「内装部材8及び延長部8b」、甲第3号証刊行物に記載の「植毛布状体3」及び甲第4号証刊行物に記載の「植毛仕上げされた部分」がそれぞれ本件考案の「被接着部材」に対応しているとしても、上記甲第1?4号証刊行物の各々に記載されたものには、本件考案の構成の一部ずつが記載されてはいるものの、上記甲第1?4号証刊行物に記載の各々には、本件考案の構成の一部である「被接着部材は、上記ドアウインドガラスが摺動する部位に接着される摺動部と、上記室内側に面した部位に接着される装飾部とを備え、上記摺動部及び装飾部を上記装着面に密着する可撓性のシート材から一体に形成したものである」点については備えておらておらず、それらの記載からみて示唆もなされていないものである。 そして、本件考案は、上記構成を有することによって、明細書に記載の作用効果を奏するものである。 したがって、本件考案が、上記点を備えていない上記甲第1?4号証刊行物に記載の各考案と同一であるとも、また、上記甲第1?4号証刊行物に記載のものに基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものとも認められない。 (5)むすび 以上のとおりであるから、実用新案登録異議申立の理由及び証拠によっては本件考案に係る実用新案登録を取り消すことができない。 また、他に本件考案に係る実用新案登録を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 1999-09-30 |
出願番号 | 実願平4-52143 |
審決分類 |
U
1
651・
113-
Y
(B60J)
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最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 今村 亘 |
特許庁審判長 |
浜 勇 |
特許庁審判官 |
黒瀬 雅一 鈴木 法明 |
登録日 | 1998-10-23 |
登録番号 | 実用登録第2587880号(U2587880) |
権利者 |
豊田合成株式会社 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1番地 |
考案の名称 | ガラスラン |