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審決分類 審判 全部申し立て   H01P
審判 全部申し立て   H01P
管理番号 1043376
異議申立番号 異議2000-74026  
総通号数 21 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2001-09-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-11-02 
確定日 2001-06-13 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 登録第2604333号「多層ストリップ線路」の請求項1に係る実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 訂正を認める。 登録第2604333号の請求項1に係る実用新案登録を維持する。
理由 1.手続の経緯
本件実用新案登録第2604333号の請求項1に係る考案についての出願は、平成5年4月15日に実用新案登録出願され、平成12年2月25日にその実用新案登録がなされ、その後、雨山範子より実用新案登録異議の申立てがなされ、取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成13年4月4日に訂正請求がなされたものである。

2.訂正の適否についての判断
(1)訂正の内容
ア. 訂正事項a
実用新案登録請求の範囲の請求項1の記載について
「・・・補助マイクロストリップ線路導体とが備えられ、
外側から前記補助マイクロストリップ線路導体の線路長を加減調整することにより、前記主ストリップ線路導体と前記補助マイクロストリップ線路導体とで構成される多層ストリップ線路の線路長を微細調整できるように構成されたことを特徴とする多層ストリップ線路。」とあるのを、
「・・・補助マイクロストリップ線路導体とが備えられ、
前記補助マイクロストリップ線路導体は、コの字状の線路導体とその両脚部を任意の位置で短絡する短絡導体とによって構成され、該短絡導体の位置により該補助マイクロストリップ線路導体の線路長が加減調整され、前記主ストリップ線路導体と前記補助マイクロストリップ線路導体とで構成される多層ストリップ線路の線路長が微細調整されるように構成されたことを特徴とする多層ストリップ線路。」と訂正する。
イ. 訂正事項b
明細書の段落番号【0003】の記載について、「・・・製作後、短絡導線によって線路長を変える・・・」とあるのを、「・・・製作後、短絡導体4によって線路長を変える・・・」と訂正する。
ウ. 訂正事項c
明細書の段落番号【0004】の記載について、「・・・外側から前記補助マイクロストリップ線路導体の線路長を加減調整することにより.前記主ストリップ線路導体と前記補助マイクロストリップ線路導体とで構成される多層ストリップ線路の線路長を微細調整できるように構成されたことを特徴とするものである。」を、
「・・・前記補助マイクロストリップ線路導体は、コの字状の線路導体とその両脚部を任意の位置で短絡する短絡導体とによって構成され、該短絡導体の位置により該補助マイクロストリップ線路導体の線路長が加減調整され、前記主ストリップ線路導体と前記補助マイクロストリップ線路導体とで構成される多層ストリップ線路の線路長が微細調整されるように構成されたことを特徴とするものである。」と訂正する。
エ. 訂正事項d
明細書の段落番号【0005】の記載について、「【実施例】図1は本考案の・・・を実現することができる。」とあるのを、3つの段落【0005】?【0007】に分けて、
「【0005】
【実施例】図1は本考案の実施例を示す部分断面斜視図である。この実施例は3層で形成した多層ストリップ線路であり、図3の従来の多層ストリップ線路の上に、図2の従来のマイクロストリップ線路を合体積層した構成である。図において、1は誘電体基板、2はストリップ線路導体、2’は補助マイクロストリップ線路導体、3は平面導体板(グランド面)、4は短絡導線、5は特定の層間を接続するバイアホールである。
【0006】
図1の実施例に示す如く、本考案の多層ストリップ線路は、下層と中間層の誘電体基板1の間に主ストリップ線路導体2が設けられ、上層の誘電体基板1の表面側に補助マイクロストリップ線路導体2’が設けられている。すなわち、ストリップ線路の大部分は下層と中間層の誘電体基板1に挟まれた主ストリップ線路導体2で構成され、内層の主ストリップ線路導体2とバイアホール5で接続された上表面の補助マイクロストリップ線路導体2’は、図1に示されているようにコの字状の線路導体とその両脚部を任意の位置で短絡する短絡導体4とによって構成され、その線路長は加減調整するために必要な長さにとどめてある。
【0007】
上記のように、補助マイクロストリップ線路導体2’の線路長は加減調整するために必要な長さにとどめてあるので、本考案の多層ストリップ線路の上表面の線路導体2’の面積は、従来の基板表面に設けられたマイクロストリップ線路導体の20?40%の面積となるため、上の表面の余剰面積の部分に他の回路素子を実装することができるので、全体の部品実装密度が高くなって小形化を実現することができる。」に訂正する。
オ. 訂正事項e
新たに段落番号【0008】を設け、段落番号【0008】に「【考案の効果】本考案を実施することにより、外部からストリップ線路長を調整することができ、かつ、基板表面に従来より多くの回路素子を実装することができるため、小形化,高密度実装に寄与すること大であり、実用上極めて著しい効果がある。」と訂正する。

(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
上記訂正事項aは、実用新案登録明細書又は図面に記載した事項の範囲内において、実用新案登録請求の範囲に記載された補助マイクロストリップ線路導体の構成を限定する訂正を求めるものであるから、実用新案登録請求の範囲の記載の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、変更するものではない。
上記訂正事項bは、実用新案登録明細書又は図面に記載した事項の範囲内において、短絡導線を短絡導体4と訂正すること求めるものであるから、誤記の訂正を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、変更するものではない。
上記訂正事項c?eは、実用新案登録請求の範囲と考案の詳細な説明が整合するように、考案の詳細な説明の記載を、実用新案登録請求の範囲の記載に合わせたに過ぎないものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、変更するものではない。

(3)むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成十一年法律第四十一号。以下「平成十一年法」という)附則第十5条の規定による改正後の特許法等の一部を改正する法律(平成六年法律第百十六号。以下「平成六年改正法」という。)附則第9条第2項の規定により準用され、同附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第百二十条の四第三項において準用する平成六年改正法による改正前の特許法第百二十6条第1項ただし書、第二項及び第三項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.実用新案登録異議申立てについての判断
(1)申立ての理由の概要
実用新案登録異議申立人 雨山範子は、本件の請求項1に係る考案は、甲第1号証(特開平4-329705号公報)に記載された考案と実質同一であるから、当該実用新案登録に係る考案は実用新案法第3条第1項第3号に掲げる考案に該当し、同法附則第9条第2項において準用する特許法第13条第1項第2号により取り消されるべきものである旨主張する。

(2)本件の請求項1に係る考案
上記2.で示したように上記訂正が認められるから、本件の請求項1に係る考案は(以下、「本件考案」という。)は、上記訂正請求に係る訂正明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】主ストリップ線路導体と、該主ストリップ線路導体を両側から挟んで積層した第1,第2の誘電体基板と、該第1,第2の誘電体基板の両外側面に形成された第1,第2の平面導体板と、該第1,第2の平面導体板の一方の外側に積層された第3の誘電体基板と、該第3の誘電体基板の外側面に前記主ストリップ線路導体とバイヤホールによって接続され線路長可変機構を有する補助マイクロストリップ線路導体とが備えられ、
前記補助マイクロストリップ線路導体は、コの字状の線路導体とその両脚部を任意の位置で短絡する短絡導体とによって構成され、該短絡導体の位置により該補助マイクロストリップ線路導体の線路長が加減調整され、前記主ストリップ線路導体と前記補助マイクロストリップ線路導体とで構成される多層ストリップ線路の線路長が微細調整されるように構成されたことを特徴とする多層ストリップ線路。」

(3)刊行物記載の考案
実用新案登録異議申立人が証拠として提出した刊行物(特開平4-329705号公報(甲第1号証))には、その明細書及び図面の記載によれば、以下のような考案(以下、「刊行物記載の考案」という。)が記載されているものと認められる。
「A.ストリップ導体14aと
B.ストリップ導体14aを両側から挟んで積層した誘電体基板10と、
C.誘電体基板10の両外側面に形成された接地導体12,13と、
D.接地導体12の外側に積層された誘電体基板10と、
E.誘電体基板10の外側面にストリップ導体14aとスルーホール16によって接続されトリミングされるストリップ導体14bとが備えられ、
F.外側からストリップ導体14bをトリミングすることにより、ストリップ導体14,14bで構成されるストリップライン14の線路長を微細調整できるように構成された発振器。」

(4)対比・判断
そこで、本件考案と刊行物記載の考案とを対比すると、刊行物記載の考案には、本件考案を特定する事項である、「補助マイクロストリップ線路導体は、コの字状の線路導体とその両脚部を任意の位置で短絡する短絡導体とによって構成され、該短絡導体の位置により該補助マイクロストリップ線路導体の線路長が加減調整され」る構成を備えていないものであって、この構成により明細書記載の作用・効果を奏するものといえるから、本件考案は、刊行物記載の考案と同一でないことはもとより、実質的に同一ともいえないものである。
したがって、本件考案は、刊行物記載の考案ではない。

(5)むすび
以上のとおりであるから、実用新案登録異議の申立ての理由によっては本件考案についての実用新案登録を取り消すことはできない。
また、他に本件考案についての実用新案登録を取り消すべき理由を発見しない。
したがって、本件考案についての実用新案登録は拒絶の査定をしなければならない実用新案登録出願に対してされたものと認めない。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成六年法律第百十六号)附則第9条第7項の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成七年政令第二百五号)第3条第2項の規定により、上記のとおり決定する。
発明の名称 (54)【考案の名称】
多層ストリップ線路
(57)【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 主ストリップ線路導体と、該主ストリップ線路導体を両側から挟んで積層した第1,第2の誘電体基板と、該第1,第2の誘電体基板の両外側面に形成された第1,第2の平面導体板と、該第1,第2の平面導体板の一方の外側に積層された第3の誘電体基板と、該第3の誘電体基板の外側面に前記主ストリップ線路導体とバイヤホールによって接続され線路長可変機構を有する補助マイクロストリップ線路導体とが備えられ、
前記補助マイクロストリップ線路導体は、コの字状の線路導体とその両脚部を任意の位置で短絡する短絡導体とによって構成され、該短絡導体の位置により該補助マイクロストリップ線路導体の線路長が加減調整され、前記主ストリップ線路導体と前記補助マイクロストリップ線路導体とで構成される多層ストリップ線路の線路長が微細調整されるように構成されたことを特徴とする多層ストリップ線路。
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、無線通信機の高周波回路に用いられ、特に、マイクロ波の平面形導波路としてのストリップ線路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マイクロ波帯通信機の高周波回路に平面形導波路として用いられているマイクロストリップ線路は、その広帯域性,量産性,再現性,経済性,小形・軽量化などの利点が生かされて、受動回路はもとより、発振器,増幅器などの能動回路にも広く応用されている。
図2は従来のマイクロストリップ線路の構造例を示す部分断面斜視図である。図において、1は低損失の誘電体基板であり、ガラスエポキシまたはポリイミド樹脂などが用いられる。2は厚さの極めて薄いストリップ状の導体であり、誘電体基板1の表面に集積回路技術またはプリント配線技術を用いてストリップ導体回路が形成されている。3は平面導体板(グランド面)である。
このようなマイクロストリップ線路を増幅器回路などに使用した場合、回路間のインピーダンス整合をとるため、図2に示した短絡導体4のように導波路長を変えて増幅器の入力インピーダンスの微細な調整が行われている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、このような従来のマイクロストリップ線路を用いた無線機回路において、集積化が進み、回路素子はチップ化されるとともに回路がIC化されて小形化され、回路基板上のストリップ線路の占める部分が大きくなってきた。
一方、回路基板そのものもプリント配線板の多層化技術によって多層化されているので、多層プリント配線板の内層にストリップ線路導体を設けることができるようになった。
図3は従来の多層ストリップ線路の断面図であり、内側のストリップ線路導体2を、2枚の誘電体基板1を介在させて挟持し、両側に平面導体板3を配置した構成である。この形状であれば、内側のストリップ線路導体2と対向する平面導体を除く他の部分の平面導体を削除して他の回路素子,部品を実装することができるため、部品実装密度が上がり、無線機の小形化に寄与することができる。
しかし、前述のように、増幅回路などにこのような多層ストリップ線路を利用した場合、製作後、短絡導体4によって線路長を変える微細な調整をしたくても、外側からできないという問題がある。そのため、製作後、不具合が生じたときは、再製作しなければならず、多大の時間と費用がかかるという欠点がある。
本考案の目的は、基板を多層化し、かつ、製作後、外部から調整することのできる多層ストリップ線路を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本考案の多層ストリップ線路は、主ストリップ線路導体と、該主ストリップ線路導体を両側から挟んで積層した第1,第2の誘電体基板と、該第1,第2の誘電体基板の両外側面に形成された第1,第2の平面導体板と、該第1,第2の平面導体板の一方の外側に積層された第3の誘電体基板と、該第3の誘電体基板の外側面に前記主ストリップ線路導体とバイヤホールによって接続され線路長可変機構を有する補助マイクロストリップ線路導体とが備えられ、
前記補助マイクロストリップ線路導体は、コの字状の線路導体とその両脚部を任意の位置で短絡する短絡導体とによって構成され、該短絡導体の位置により該補助マイクロストリップ線路導体の線路長が加減調整され、前記主ストリップ線路導体と前記補助マイクロストリップ線路導体とで構成される多層ストリップ線路の線路長が微細調整されるように構成されたことを特徴とするものである。
【0005】
【実施例】
図1は本考案の実施例を示す部分断面斜視図である。この実施例は3層で形成した多層ストリップ線路であり、図3の従来の多層ストリップ線路の上に、図2の従来のマイクロストリップ線路を合体積層した構成である。図において、1は誘電体基板、2はストリップ線路導体、2’は補助マイクロストリップ線路導体、3は平面導体板(グランド面)、4は短絡導線、5は特定の層間を接続するバイアホールである。
【0006】
図1の実施例に示す如く、本考案の多層ストリップ線路は、下層と中間層の誘電体基板1の間に主ストリップ線路導体2が設けられ、上層の誘電体基板1の表面側に補助マイクロストリップ線路導体2’が設けられている。すなわち、ストリップ線路の大部分は下層と中間層の誘電体基板1に挟まれた主ストリップ線路導体2で構成され、内層の主ストリップ線路導体2とバイアホール5で接続された上表面の補助マイクロストリップ線路導体2’は、図1に示されているようにコの字状の線路導体とその両脚部を任意の位置で短絡する短絡導体4とによって構成され、その線路長は短絡導体4の位置によって加減調整するために必要な長さにとどめてある。
【0007】
上記のように、補助マイクロストリップ線路導体2’の線路長は加減調整するために必要な長さにとどめてあるので、本考案の多層ストリップ線路の上表面の線路導体2’の面積は、従来の基板表面に設けられたマイクロストリップ線路導体の20?40%の面積となるため、上の表面の余剰面積の部分に他の回路素子を実装することができるので、全体の部品実装密度が高くなって小形化を実現することができる。
【0008】
【考案の効果】
本考案を実施することにより、外部からストリップ線路長を調整することができ、かつ、基板表面に従来より多くの回路素子を実装することができるため、小形化,高密度実装に寄与すること大であり、実用上極めて著しい効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本考案の実施例を示す部分断面斜視図である。
【図2】
従来のマイクロストリップ線路の構造例を示す斜視図である。
【図3】
従来の多層ストリップ線路の構造断面図である。
【符号の説明】
1 誘電体基板
2 主ストリップ線路導体
2’ 補助マイクロストリップ線路導体
3 平面導体板
4 短絡導体
5 バイアホール
訂正の要旨 訂正の要旨
ア. 訂正事項a
実用新案登録請求の範囲の請求項1の記載について
「・・・補助マイクロストリップ線路導体とが備えられ、
外側から前記補助マイクロストリップ線路導体の線路長を加減調整することにより、前記主ストリップ線路導体と前記補助マイクロストリップ線路導体とで構成される多層ストリップ線路の線路長を微細調整できるように構成されたことを特徴とする多層ストリップ線路。」とあるのを、
「・・・補助マイクロストリップ線路導体とが備えられ、
前記補助マイクロストリップ線路導体は、コの字状の線路導体とその両脚部を任意の位置で短絡する短絡導体とによって構成され、該短絡導体の位置により該補助マイクロストリップ線路導体の線路長が加減調整され、前記主ストリップ線路導体と前記補助マイクロストリップ線路導体とで構成される多層ストリップ線路の線路長が微細調整されるように構成されたことを特徴とする多層ストリップ線路。」と訂正する。
イ. 訂正事項b
明細書の段落番号【0003】の記載について、「・・・製作後、短絡導線によって線路長を変える・・・」とあるのを、「・・・製作後、短絡導体4によって線路長を変える・・・」と訂正する。
ウ. 訂正事項c
明細書の段落番号【0004】の記載について、「・・・外側から前記補助マイクロストリップ線路導体の線路長を加減調整することにより.前記主ストリップ線路導体と前記補助マイクロストリップ線路導体とで構成される多層ストリップ線路の線路長を微細調整できるように構成されたことを特徴とするものである。」を、
「・・・前記補助マイクロストリップ線路導体は、コの字状の線路導体とその両脚部を任意の位置で短絡する短絡導体とによって構成され、該短絡導体の位置により該補助マイクロストリップ線路導体の線路長が加減調整され、前記主ストリップ線路導体と前記補助マイクロストリップ線路導体とで構成される多層ストリップ線路の線路長が微細調整されるように構成されたことを特徴とするものである。」と訂正する。
エ. 訂正事項d
明細書の段落番号【0005】の記載について、「【実施例】図1は本考案の・・・を実現することができる。」とあるのを、3つの段落【0005】?【0007】に分けて、
「【0005】
【実施例】図1は本考案の実施例を示す部分断面斜視図である。この実施例は3層で形成した多層ストリップ線路であり、図3の従来の多層ストリップ線路の上に、図2の従来のマイクロストリップ線路を合体積層した構成である。図において、1は誘電体基板、2はストリップ線路導体、2’は補助マイクロストリップ線路導体、3は平面導体板(グランド面)、4は短絡導線、5は特定の層間を接続するバイアホールである。
【0006】
図1の実施例に示す如く、本考案の多層ストリップ線路は、下層と中間層の誘電体基板1の間に主ストリップ線路導体2が設けられ、上層の誘電体基板1の表面側に補助マイクロストリップ線路導体2’が設けられている。すなわち、ストリップ線路の大部分は下層と中間層の誘電体基板1に挟まれた主ストリップ線路導体2で構成され、内層の主ストリップ線路導体2とバイアホール5で接続された上表面の補助マイクロストリップ線路導体2’は、図1に示されているようにコの字状の線路導体とその両脚部を任意の位置で短絡する短絡導体4とによって構成され、その線路長は加減調整するために必要な長さにとどめてある。
【0007】
上記のように、補助マイクロストリップ線路導体2’の線路長は加減調整するために必要な長さにとどめてあるので、本考案の多層ストリップ線路の上表面の線路導体2’の面積は、従来の基板表面に設けられたマイクロストリップ線路導体の20?40%の面積となるため、上の表面の余剰面積の部分に他の回路素子を実装することができるので、全体の部品実装密度が高くなって小形化を実現することができる。」に訂正する。
オ. 訂正事項e
新たに段落番号【0008】を設け、段落番号【0008】に「【考案の効果】本考案を実施することにより、外部からストリップ線路長を調整することができ、かつ、基板表面に従来より多くの回路素子を実装することができるため、小形化,高密度実装に寄与すること大であり、実用上極めて著しい効果がある。」と訂正する。
異議決定日 2001-05-25 
出願番号 実願平5-24956 
審決分類 U 1 651・ 832- YA (H01P)
U 1 651・ 4- YA (H01P)
最終処分 維持    
特許庁審判長 佐藤 秀一
特許庁審判官 山本 春樹
武井 袈裟彦
登録日 2000-02-25 
登録番号 実用新案登録第2604333号(U2604333) 
権利者 株式会社日立国際電気
東京都中野区東中野三丁目14番20号
考案の名称 多層ストリップ線路  
代理人 大塚 学  
代理人 大塚 学  

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