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審決分類 |
審判 A61H 審判 A61H 審判 A61H |
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管理番号 | 1180852 |
審判番号 | 無効2006-40004 |
総通号数 | 104 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 実用新案審決公報 |
発行日 | 2008-08-29 |
種別 | 無効の審決 |
審判請求日 | 2006-04-27 |
確定日 | 2008-06-06 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第3105923号実用新案「ボディボール(バランスボール)の滑り止めワッシャー」の実用新案登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 1 本件実用新案登録第3105923号の請求項1に係る考案についての出願は、平成16年6月15日の出願であって、平成16年9月22日にその実用新案権の設定登録がなされたものである。 2 その実用新案登録に対して、請求人は、平成18年4月27日に実用新案登録無効審判を請求し、これに対して、被請求人は、平成18年9月21日に答弁書を提出し、請求人は、平成19年5月17日付け(平成19年5月15日差出)で口頭審理陳述要領書を提出し、平成19年5月17日に証拠調べ(当事者尋問)及び口頭審理(無効2006-40003号と併合審理)が行われた。 3 その後、請求人は、平成19年6月29日付けで上申書を提出し、被請求人は、平成19年8月8日付けで上申書を提出した。 4 ところで、本件無効事件については、無効2006-40003号との審理の併合のうえ、平成19年9月26日付けで「登録第3105923号の請求項1に係る考案についての実用新案登録を無効とする。審判費用は、被請求人の負担とする。」との審決が出されているが、該審決書の結論は、無効2006-40003号の結論である。このような場合、上記審決は、無効2006-40003号事件のみに対するものであって、無効2006-40004号事件は、依然として特許庁に係属していることとなるから、無効2006-40004号事件について追加審決を行うことが必要となった(平成18年(行ケ)第10129号参照)。 第2 本件考案 本件実用新案登録第3105923号の請求項1に係る考案(以下、「本件考案」という。)は、実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された事項によって特定される次のとおりのものである。 「中央に円形のボール置き空間が設けられている中空円環状の滑り止めワッシャーであり、前記滑り止めワツシャーには空気をしっかり詰め込んだ空気入れ部が設置されており、ボディボール(バランスボール)を前記滑り止めワッシャーの前記ボール置き空間に置いて、前記ボディボール(バランスボール)が転がって使用者から脱離することを防止したことを特徴とするボディボール(バランスボール)の滑り止めワッシャー。」 第3 当事者の主張 1 請求人の主張 請求人は、本件考案についての実用新案登録を無効にする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、次の理由及び証拠方法(証拠調べ(当事者尋問))から、本件考案についての実用新案登録は、実用新案法第37条第1項第2号及び実用新案法第37条第1項第5号に該当し、無効とすべきものであると主張する。 (1) 無効理由1 本件考案は、本件実用新案出願前に外国において公然実施された考案であるから(甲第1号証?甲第14号証)、本件考案についての実用新案登録は実用新案法第3条第1項第2号の規定に違反してされたものである。 (2) 無効理由2 本件考案は、本件実用新案出願前に外国において頒布された刊行物に記載された考案であるから(甲第1号証、甲第14号証)、本件考案についての実用新案登録は実用新案法第3条第1項第3号の規定に違反してされたものである。 (3) 無効理由3 本件考案は、被請求人が、請求人が製造した見本品に基づいて登録出願したものであるから(甲第2号証?甲第10号証、甲第13号証?甲第17号証)、被請求人による実用新案登録は考案者でない者であってその考案について実用新案登録を受ける権利を承継しないものの実用新案登録出願に対してなされたものである。 <証拠方法> 甲第1号証の1:「文薄 出口貿易商採購電話簿」2002下半 年版(10月出版)台湾文筆有限公司発行 表紙 甲第1号証の2:翻訳対照表 甲第1号証の3:「文薄 出口貿易商採購電話簿」P708 甲第2号証の1:2003年2月15日付け金型設計図案(中国 語) 甲第2号証の2:同上翻訳 甲第3号証の1:平成15年3月12日付け金型設計図案 甲第3号証の2:同上 甲第4号証:同上翻訳 甲第5号証:本件金型イメージ図 甲第6号証の1?3:CR6001,CR7001の金型写真 甲第7号証の1?4:BR20,BR2001の金型写真 甲第8号証の1,2:CR6001,CR7001,BR20, BR2001の金型写真 甲第9号証:取扱説明書 甲第10号証の1:平成15年5月5日付け統一領収書 甲第10号証の2:翻訳対照表 甲第11号証の1:平成16年5月25日付け統一領収書 甲第11号証の2:翻訳対照表 甲第12号証の1:「SPORTS Trader Asia」 表紙 甲第12号証の2:「SPORTS Trader Asia」 P25 甲第12号証の3:「SPORTS Trader Asia」 P217 甲第13号証:名刺 甲第14号証:陳述書 甲第15号証の1:中華民国歴92年(平成15年) 10月14日付け注文書 甲第15号証の2:翻訳対照表 甲第16号証の1:中華民国歴93年(平成16年) 3月1日付け注文書 甲第16号証の2:翻訳対照表 甲第17号証の1:2004年(平成16年) 12月14日付け注文FAX 甲第17号証の2:翻訳対照表 2 被請求人の主張 本件考案は、甲第1号証、甲第12号証に記載されたサークルリングと同じと言うことはできない。また、本件実用新案登録は、考案者でない者であってその考案について実用新案登録を受ける権利を承継しない者(すなわち被請求人)による実用新案登録出願に対してなされたという無効原因があるとすることはできない。 第4 当審の判断 1 無効理由1について 請求人の主張の内容の概要は以下のとおりである(平成19年6月29日付けの上申書参照)。 (1)甲第1号証の3に掲載されたCR6001、CR7001の型番を付された商品は、甲第2号証の設計図で作成された甲第6号証の金型で製造されたものである。 (2)甲第10号証によれば、遅くとも平成15年5月5日には甲第6号証の金型が完成し、平成16年5月25日にはBR2001の型番を付した請求人製造に係る商品が、ヨーロッパに輸出されていることが甲第11号証より明らかである。 (3)甲第12号証の2の記載から、甲第12号証の出版時期は平成16年6月であり、その中に掲載された商品は、遅くとも平成16年6月15日から製造されていたことが、経験則上明らかである。 しかしながら、甲第6号証の金型が甲第2号証の設計図で作成されたことは、平成19年6月29日付けの上申書でその主張を撤回していることから、CR6001、CR7001の型番を付された商品が、甲第6号証の金型によって製造されたものであるか明らかでなく、また、甲第1号証の3に掲載されたCR6001、CR7001の型番を付された商品が、本件考案の考案特定事項である「空気をしっかり詰め込んだ空気入れ部」が設置されているかも明らかでない。 また、甲第10号証には、甲第6号証の金型を窺わせる記載はなく、甲第10号証からは、遅くとも平成15年5月5日には甲第6号証の金型が完成していることは明らかでなく、そもそも、BR2001の型番を付した商品が本件考案と同様なものであるか明らかでない(BR2001の記載がある甲第9号証については、原本確認はできておらず、頒布時期も明らかでない。)。 更に、カタログに商品が掲載されているからといって、その商品がいつ製造されたかは明確でないから、甲第12号証の2に掲載された商品が遅くとも平成16年6月15日から製造されていたとはいえない。 上記のことは当事者尋問によっても客観的に明確となったとはいえない。 したがって、本件考案は、本件実用新案出願前に外国において公然実施された考案であるとはいえない。 2 無効理由2について 無効理由1で述べたとおり、甲第1号証の3に掲載されたCR6001、CR7001の型番を付された商品は、甲第6号証の金型によって製造されたものであるか明確でないから、本件考案の考案特定事項である「空気をしっかり詰め込んだ空気入れ部」が設置されているか明らかでない。 したがって、本件考案は、本件実用新案出願前に外国において頒布された刊行物に記載された考案であるとはいえない。 3 無効理由3について 請求人が製造した見本品が本件考案と同一のものであるとの証拠はなく、また、被請求人の妻が、そのサンプル品を受領し、見積書とともに持ち帰ったことを窺わせる証拠もなく、当事者尋問の結果からもこれらのことは客観的に明らかではない。 したがって、本件考案は、被請求人が、請求人が製造した見本品に基づいて登録出願したものであるとはいえない。 第5 むすび 以上のとおり、本件考案についての実用新案登録は、請求人主張の無効理由1ないし3からは無効とすることはできない。 審判に関する費用については、実用新案法第41条の規定で準用する特許法第169条第2項の規定で更に準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人の負担とする。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2007-09-10 |
結審通知日 | 2007-09-12 |
審決日 | 2007-09-26 |
出願番号 | 実願2004-3444(U2004-3444) |
審決分類 |
U
1
114・
112-
Y
(A61H)
U 1 114・ 113- Y (A61H) U 1 114・ 152- Y (A61H) |
最終処分 | 不成立 |
特許庁審判長 |
阿部 寛 |
特許庁審判官 |
北川 清伸 北村 英隆 |
登録日 | 2004-09-22 |
登録番号 | 実用新案登録第3105923号(U3105923) |
考案の名称 | ボディボール(バランスボール)の滑り止めワッシャー |
代理人 | 鈴木 勝利 |
代理人 | 河野 昭 |
代理人 | 佐野 知子 |
代理人 | 穂坂 道子 |
代理人 | 丸山 恵一郎 |
代理人 | 志村 正和 |
代理人 | 増渕 勇一郎 |
代理人 | 崔 宗樹 |
代理人 | 渡邉 宙志 |