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審決分類 |
審判 判定 同一 属さない(申立て不成立) G06K |
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管理番号 | 1198756 |
判定請求番号 | 判定2009-600012 |
総通号数 | 115 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 実用新案判定公報 |
発行日 | 2009-07-31 |
種別 | 判定 |
判定請求日 | 2009-03-12 |
確定日 | 2009-05-27 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第3114827号の判定請求事件について、次のとおり判定する。 |
結論 | イ号物品及びその説明書に示す「クランチングドッグ」は、登録実用新案第3114827号考案の技術的範囲に属しない。 |
理由 |
第1 請求の趣旨 本件判定の請求の趣旨は、イ号物品ならびにその説明書に示すクランチングドッグ(以下「イ号物件」と言う。)は登録実用新案第3114827号の技術範囲に属する、との判定を求めるものである。 第2 本件登録実用新案 本件登録実用新案は、明細書及び図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲の請求項1?請求項3に記載されたとおりのものである。 1.本件登録実用新案の請求項1に係る考案 本件登録実用新案の請求項1に係る考案を構成要件に分説すると次のとおりである。 A.USBのスロットに接続されるフラッシュメモリー本体と B.一体的にキャラクターを形成させ、 C.フラッシュメモリー作動中に、 D.該キャラクターの一部分がコミカルに動作するように構成した E.ことを特徴とするアクションフラッシュメモリー。 2.本件登録実用新案の請求項2に係る考案 本件登録実用新案の請求項2に係る考案の構成要件は、前記請求項1に係る考案の構成要件に、請求項2に係る考案の構成要件を加えたものであるから、前記請求項1に係る考案を構成要件A?Eに加えて、以下の構成要件Fを追加したものである。 F.フラッシュメモリー本体上のキャラクター内に該キャラクターの一部分を動作させるための駆動機構が収納されていること。 3.本件登録実用新案の請求項3に係る考案 本件登録実用新案の請求項3に係る考案の構成要件は、前記請求項1に係る考案の構成要件に、請求項3に係る考案の構成要件を加えたものであるから、前記請求項1に係る考案を構成要件A?Eに加えて、以下の構成要件Gを追加したものである。 G.キャラクターの一部分を動作させるための駆動機構は、モータードライブやマグネット等を利用した駆動機構を含み、駆動電源はフラッシュメモリーのコネクターから取られ、又はキーボード操作の振動を検知して始動すること。 第3 イ号物件 請求人が提出したイ号物件の「イ号物品」並びに「イ号説明書」及び判定請求書中の、「5 請求の理由」の「(5)本件登録実用新案と、イ号物品との技術的対比」、「(6)イ号物品が本件登録実用新案の技術的範囲に属するとの説明」の各記載(備考:前記(5)及び(6)は、判定請求書において丸付き数字の5及び丸付き数字の6として記載されている。)を参考にすると、イ号物件は、次のa?dからなるものとするのが相当と認める。 a.USBポートに接続される接続端子と b.一体的に柴犬のキャラクターを形成させ、 c.前記USBポートに前記接続端子が挿入されている間、 d.前記柴犬のキャラクターが腹筋運動の動作をするように構成した e.ことを特徴とする装飾用玩具。 第4 イ号物件が本件登録実用新案の考案の技術的範囲に属するか否かについて 1.イ号物件が本件登録実用新案の請求項1に係る考案の技術的範囲に属するか否かについて (1)本件登録実用新案の請求項1に係る考案の構成要件とイ号物件との対比 両者を対比すると、請求人が判定を求めるイ号物件の「柴犬のキャラクター」及び「柴犬のキャラクターが腹筋運動の動作をする」は、それぞれ本件登録実用新案の請求項1に係る考案の「キャラクター」及び「キャラクターの一部分がコミカルに動作する」に相当するものであるから、イ号物件の構成b,dは、それぞれ本件登録実用新案の請求項1に係る考案の構成要件B,Dに相当する。よって、イ号物件は、本件登録実用新案の請求項1に係る考案の構成要件B,Dに相当する構成を備える。 本件登録実用新案の請求項1に係る考案の構成要件Aとイ号物件の構成aとは、USBスロット(イ号物件の「USBポート」に相当)に接続される点で一致しているが、本件登録実用新案の請求項1に係る考案は、USBのスロットに接続されるフラッシュメモリー本体を備えるのに対して、イ号物件はUSBポートに接続されるフラッシュメモリー本体を備えていない点において相違している。 本件登録実用新案の請求項1に係る考案の構成要件Cとイ号物件の構成cとは、前者が「フラッシュメモリー作動中」であるのに対して、後者は「USBポートに前記接続端子が挿入されている間」である点において相違している。 本件登録実用新案の請求項1に係る考案の構成要件Eとイ号物件の構成eとは、前者が「フラッシュメモリー」であるのに対して、後者は「装飾用玩具」である点において相違している。 (2)判断 本件登録実用新案の請求項1に係る考案の解決しようとする課題は、本件明細書に 「【考案が解決しようとする課題】 【0004】 しかし、上述した「多種のフラッシュメモリーカードにも適用可能なコンパクトフラッシュメモリーカード用のアダプター」では「メモリカード用のアダプターに切手型のフラッシュメモリーカードのデータフォーマットをコンパクトフラッシュメモリーカードのデータフォーマットへ転換する制御回路基板を設置し、コンパクトフラッシュメモリーカードを持つ電子製品などはいくつかの切手型のフラッシュメモリーカードを切り換え、挿入することができる多種のフラッシュメモリーカードにも適用できるコンパクトフラッシュメモリーカード用のアダプター」であって、使い勝手の改良はなされているが、フラッシュメモリー本体に部分的にコミカルに動作するキャラクターを一体的に形成し、フラッシュメモリー自体の機能を利用すると共に、部分的にコミカルに動作するキャラクターの動作を視覚的に楽しみ、使用者に安らぎと遊び心を与えると同時に、特にバックアップとして多量のデータを保存する為に使用する場合はキャラクターの種類で保存データの種類を認識できるように利用するアクションフラッシュメモリーに関する記載は開示されていない。」と記載されているように、フラッシュメモリー自体の機能を利用すると共に、部分的にコミカルに動作するキャラクターの動作を視覚的に楽しみ、使用者に安らぎと遊び心を与えると同時に、特にバックアップとして多量のデータを保存する為に使用する場合はキャラクターの種類で保存データの種類を認識できるようにすることであり、その効果は、本件明細書に 「【考案の効果】 【0007】 部分的にコミカルに動作するキャラクターの動作を視覚的に楽しみ、使用者に安らぎと遊び心を与えると同時に、特にバックアップとして多量のデータを保存する為に使用する場合はキャラクターの種類で保存データの種類を認識できるように利用することのできるアクションフラッシュメモリーを提供するものである。」と記載されたものである。 このように、本件登録実用新案の請求項1に係る考案は、前記構成要件A,C,Eによって、所与の目的を達成していると理解できる。 したがって、本件登録実用新案の請求項1に係る考案の前提となる本質的な部分は、前記構成要件A,C,Eにある。 そして、イ号物件の構成要件a,c,eは、本件登録実用新案の請求項1に係る考案の構成要件A,C,Eとその前提となる本質的な部分において構成を異にするものである。また、本件登録実用新案の請求項1に係る考案とイ号物件の構成の相違は前述したように本件登録実用新案の請求項1に係る考案の前提となる本質的部分に係るものであるから、明らかに均等論適用の要件を欠くものである。 してみると、イ号物件は本件登録実用新案の請求項1に係る考案の技術的範囲に属しないというべきである。 2.イ号物件が本件登録実用新案の請求項2?請求項3に係る考案の技術的範囲に属するか否かについて 本件登録実用新案の請求項2及び請求項3に係る考案は、本件登録実用新案の請求項1に係る考案に対して、それぞれF及びGの構成要件を追加するものである。このF及びGの構成要件は、キャラクターの一部分がコミカルに動作するための機構を限定するものであり、本件登録実用新案の請求項1に係る考案の構成要件A?Eを何ら変更するものではない。従って、イ号物件の構成a,c,eが本件登録実用新案の請求項1に係る考案の構成要件A,C,Eと本質的な部分において構成を異にする以上、イ号物件は、本件登録実用新案の請求項2及び請求項3に係る考案についてもその技術的範囲に属しないというべきである。 第5 むすび 以上のとおり、イ号物件は、本件登録実用新案の請求項1?請求項3に係る考案の構成要件を具備していないから、イ号物件は本件登録実用新案の技術的範囲に属しない。 よって、結論のとおり判定する。 |
判定日 | 2009-05-15 |
出願番号 | 実願2005-6063(U2005-6063) |
審決分類 |
U
1
2・
1-
ZB
(G06K)
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最終処分 | 不成立 |
特許庁審判長 |
赤川 誠一 |
特許庁審判官 |
山崎 達也 石田 信行 |
登録日 | 2005-09-07 |
登録番号 | 実用新案登録第3114827号(U3114827) |
考案の名称 | アクションフラッシュメモリー |
代理人 | 塚田 登 |