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審決分類 審判    F16T
審判    F16T
管理番号 1327042
審判番号 無効2015-400006  
総通号数 209 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2017-05-26 
種別 無効の審決 
審判請求日 2015-10-15 
確定日 2017-03-28 
事件の表示 上記当事者間の登録第3184441号実用新案「スチームトラップ」の実用新案登録無効審判事件について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 手続の経緯
本件実用新案登録第3184441号(以下「本件実用新案登録」という。)に係る考案についての出願(以下「本件出願」という。)は、平成25年4月16日の出願であって、平成25年6月5日にその考案について実用新案権の設定登録がなされた。

以後の本件実用新案登録に係る手続の概要は、以下のとおりである。
平成26年 6月13日 実用新案技術評価請求書(他人)
同年 9月 8日 無効審判2014-400008の請求
同年12月 2日 実用新案技術評価の通知
同年12月 8日 答弁書
同年12月 8日 訂正書
平成27年 1月26日 無効審判2014-400008の請求取下
同年10月15日 本件無効審判の請求
同年12月 7日 手続補正書(方式)
平成28年 5月10日 審理事項通知書
同年 5月10日 上申書(被請求人)
同年 6月 6日 口頭審理陳述要領書(請求人)
同年 6月20日 口頭審理

第2 本件考案
本件実用新案登録の請求項1ないし4に係る考案(以下「本件考案1」ないし「本件考案4」という。)は、平成26年12月8日受付の訂正書の実用新案登録請求の範囲の請求項1ないし4にそれぞれ記載された次のとおりのものと認める。

「【請求項1】
空気取り入れ口と、排水口とを有する多流路管体と、
前記多流路管体内に封止されるとともに前記空気取り入れ口と前記排水口との間に位置し、開口と、空気室と、貫通孔と、ノズルと、集水孔と、内縁壁と、第一のリード角とを備え、
前記開口が前記空気室と連通して前記多流路管体の外に凸設されており、前記貫通孔が前記空気取り入れ口と連通し、
かつ、前記ノズル内にベンチュリ管として構成した凝縮水流路と凝縮水排出口とがさらに設けられ、前記凝縮水排出口が前記空気室と連通し、
前記凝縮水流路の一端が前記凝縮水排出口と連通し、
前記凝縮水流路の他端が前記空気取り入れ口と連通し、
前記ノズルが前記貫通孔に密接され、
前記集水孔が前記空気室及び前記排水口と連通し、
前記集水孔と前記開口との距離が前記凝縮水排出口と前記開口との距離より大きく、
前記第一のリード角が前記内縁壁周りに環設されているコンデンシングユニットと、
前記第一のリード角に対応する第二のリード角を有し、
前記第二のリード角が前記第一のリード角に当接しているコンデンシングユニットワッシャーと、
前記コンデンシングユニットの開口に互いに結合して前記コンデンシングユニットワッシャーを押し付けている第一の結合部材と、
を含む、スチームトラップ。
【請求項2】
前記多流路管体は、
前記多流路管体の外に突出して前記コンデンシングユニットと前記空気取り入れ口との間に位置されたろ過部をさらに備え、
前記ろ過部は、
ろ過室と、ろ過口と、第三のリード角と、第二の結合部材と、ろ過部ワッシャーとを有し、
前記ろ過口が前記ろ過室と連通し、前記ろ過室が前記空気取り入れ口と連通し、
前記第三のリード角が前記ろ過口の内縁周りに環設され、
前記ろ過部ワッシャーは前記第三のリード角に対応する第四のリード角を有し、
前記第四のリード角が前記第三のリード角に当接し、
前記第二の結合部材が前記ろ過口に互いに結合して前記ろ過部ワッシャーを押し付けていることを特徴とする請求項1記載のスチームトラップ。
【請求項3】
前記ろ過室内にろ過網がさらに設けられ、
前記ろ過網の一端が前記貫通孔に隣接されていることを特徴とする請求項2記載のスチームトラップ。
【請求項4】
前記第二の結合部材は、
前記第二の結合部材に密接するフィルタプラグをさらに有することを特徴とする請求項2記載のスチームトラップ。」

第3 請求人主張の概要
請求人は、本件実用新案登録の請求項1ないし4に係る考案についての実用新案登録を無効にするとの審決を求め、審判請求書、手続補正書(方式)、口頭審理陳述要領書及び口頭審理を総合すると、概略、以下のとおりの無効理由を主張する。

1 無効理由1(記載不備)について
(1)請求項1の「前記集水孔と前記開口との距離が前記凝縮水排出口と前記開口との距離より大きく」との記載について
集水孔204と開口201との距離、凝縮水排出口2082と開口201との距離が各々どの位置から、どの方向に計測される距離か表示がないため不明確である。即ち、請求項1の記載では、図3で垂直方向の距離の差か、図3の水平方向の距離の差か不明である。請求項1の記載から理解できず、図面や考案の詳細な説明の記載を詳細に検討する必要かあり、不明確な記載である。

(2)請求項1のコンデンシングユニットが「第一のリード角」を備え「 前記第一のリード角が前記内縁壁周りに環設されている」との記載、及びコンデンシングユニットワッシャーが「前記第一のリード角に対応する第二のリード角を有し、前記第二のリード角が前記第一のリード角に当接している」との記載について
リード角とは、何かについての説明がなく意味不明である。「角」とは角度が形成される2辺について明確にすべきところ、そのような説明が一切無く、どの「角」なのか特定できない。
「前記第一のリード角が前記内縁壁周りに環設されている」における「角」とはどこに形成される角度であるのか、また、「角が・・・周りに環設されている」とはどういうことか、意味不明である。
「前記第一のリード角に対応する第二のリード角」において、「対応する」とは何が何と対応するのか、意味不明である。また、第二のリード角とはどこの角度かについて不明確である。
「前記第二のリード角が前記第一のリード角に当接している」とはどのような状態を意味するのか不明確である。

(3)請求項2のろ過部が「第三のリード角」を有し、「前記第三のリード角が前記ろ過口の内縁周りに環設され、前記ろ過部ワッシャーは前記第三のリード角に対応する第四のリード角を有し、前記第四のリード角が前記第三のリード角に当接し」との記載について
「第三のリード角」は、どこの角度かについての説明がなく、ろ過口の内縁周りには複数の「角」があり、どの「角」なのか、特定できない。
「リード角が・・・内縁周りに環設され、」の意味が不明である。
「第三のリード角に対応する第四のリード角」、「第四のリード角が前記第三のリード角に当接し」について、第三のリード角とともに第四のリード角の詳細が不明であり、「リード角がリード角に当接」する意味も不明である。

(4)まとめ
請求項1及び2の記載は、以上のとおり、不明確な文言を一部含んでいるから、本件実用新案登録は、実用新案法第5条第6項第2号に規定する要件を満たしていない実用新案登録出願についてされたものであり、同法第37条第1項第4号の規定により、無効とされるべきである。

2 無効理由2(進歩性)について
(1)本件考案1
孔の傾斜段部は、甲第1号証のFig.3のキャップ132の内周壁の段部に開示されるように、一般的なものである(審判請求書3ページ(1-C)欄の「注」)。そして、傾斜段部に対応した傾斜面を有し、他方の面が平坦なテーパーワッシャーの例は、甲第3号証に示され(審判請求書7ページ(1-M)ないし(1-O)欄の「注2」)、或いは、この段部に対応したリード角を持つワッシャー(もしくはガスケット)は、周知技術である(口頭審理陳述要領書11ページ下から2行?12ページ4行)から、本件考案1はきわめて容易に想到できる。
また、甲第2号証の図2の装置10の内部にはベンチュリータイプノズル24が取り付けられている(審判請求書5ページ(1-F)欄の「2.」)。

本件考案1は、甲第1号証ないし甲第3号証にそれぞれ記載された考案に基いて当業者がきわめて容易に考案することができたものであるから、実用新案法第3条第2項の規定に違反して登録されたものであって、本件考案1に係る登録は、同法第37条第1項第2号の規定により無効とされるべきである。

(2)本件考案2ないし4
本件考案2ないし4は、甲第1号証ないし甲第4号証にそれぞれ記載された考案に基いて当業者がきわめて容易に考案することができたものであるから、実用新案法第3条第2項の規定に違反して登録されたものであって、本件考案2ないし4に係る登録は、同法第37条第1項第2号の規定により無効とされるべきである。

3 まとめ
以上のとおりであるから、本件実用新案登録は、実用新案法第37条第1項第2号及び第4号に該当するから、これを無効にすべきである。

[証拠方法等]
甲第1号証:米国特許第5137556号明細書
甲第2号証:米国特許第4745943号明細書
甲第3号証:登録実用新案第3042876号公報
甲第4号証:米国特許出願公開第2009/0044867号明細書

第4 当審の判断
1 無効理由1(記載不備)について
(1)請求項1の「前記集水孔と前記開口との距離が前記凝縮水排出口と前記開口との距離より大きく」との記載について
請求項1には「前記開口が前記空気室と連通して前記多流路管体の外に凸設され」ること、「前記凝縮水排出口が前記空気室と連通」すること、及び「前記集水孔が前記空気室」「と連通」することが記載されている。これらの記載によれば、開口、凝縮水排出口及び集水孔はそれぞれ空気室に連通しており、そのような場合に「前記集水孔と前記開口との距離」及び「前記凝縮水排出口と前記開口との距離」とは、多流路管体の外に凸設された開口と集水孔及び凝縮水排出口との距離を意味することは明らかである。そして、考案の詳細な説明には「作動時に、高圧蒸気が・・・ろ過した後、ノズル208から凝縮水流路2081に進入し、さらに凝縮水排出口2082からコンデンシングユニット20の空気室202に進入し、ノズル208の凝縮水流路2081を通るとき、ベンチュリ管の原理によって、高圧蒸気内部の水分を高圧蒸気自体から分離させ、分離された水分がさらに集水孔204を介して排水口102に連通して排出され、高圧蒸気を保留する目的を達する」(段落【0013】)との記載があり、この記載によれば、作動時に、凝縮水排出口2082から空気室202に高圧蒸気及び水分が進入し、集水孔204から水分が排出されることが理解できる。そして、このように水分を分離させるために、図3に示されるように、凝縮水排出口を集水孔よりも開口201に近づけて配置したことに照らせば、集水孔と開口との距離を凝縮水排出口と開口との距離「より大きく」したことの技術的意義も明らかである。
したがって、請求項1の上記記載は明確である。

(2)請求項1のコンデンシングユニットが「第一のリード角」を備え「 前記第一のリード角が前記内縁壁周りに環設されている」との記載、及びコンデンシングユニットワッシャーが「前記第一のリード角に対応する第二のリード角を有し、前記第二のリード角が前記第一のリード角に当接している」との記載について
リード角とは、つる巻線の接線がつる巻線の軸に垂直な面となす角度(マグローヒル 科学技術用語大辞典 第2版7刷 1994年2月8日)を意味することが通常であるところ、請求項1のリード角について通常の意味とした場合、本件考案1が「ワッシャーの結合された箇所にリード角を有する設計により、漏えいを効果的に抑制」するとの課題(考案の詳細な説明の段落【0004】)を解決することができないことが明らかであるから、請求項1のリード角は通常の意味に解されない。
そこで、考案の詳細な説明を参酌すると、「第一のリード角206がコンデンシングユニット20の内縁壁205周りに環設され」(段落【0011】)との記載及び図3の図示内容に照らせば、請求項1のコンデンシングユニットが「第一のリード角」を備え「前記第一のリード角が前記内縁壁周りに環設されている」との記載は、コンデンシングユニットの内縁壁周りに第一のリード角を備えた傾斜面が環設されていることを意味することが理解できる。
また、考案の詳細な説明の「コンデンシングユニットワッシャー30は第一のリード角206に対応する第二のリード角301を有する」(段落【0011】)との記載、同「コンデンシングユニットワッシャー30の第二のリード角301とコンデンシングユニット20の内縁壁205の第一のリード角206との設計により、コンデンシングユニットワッシャー30を使用時に密接させる」(段落【0013】)との記載、及び図3の図示内容に照らせば、請求項1のコンデンシングユニットワッシャーが「前記第一のリード角に対応する第二のリード角を有し、前記第二のリード角が前記第一のリード角に当接している」との記載は、コンデンシングユニットワッシャーに第一のリード角と同じ第二のリード角を備えた傾斜面を設け、当該傾斜面とコンデンシングユニットの内縁壁周りに第一のリード角を備えた傾斜面とを当接させることを意味することが理解できる。
したがって、請求項1の上記記載は明確である。

(3)請求項2のろ過部が「第三のリード角」を有し、「前記第三のリード角が前記ろ過口の内縁周りに環設され、前記ろ過部ワッシャーは前記第三のリード角に対応する第四のリード角を有し、前記第四のリード角が前記第三のリード角に当接し」との記載について
考案の詳細な説明の「第三のリード角403がろ過口402の内縁周りに環設され、ろ過部ワッシャー50は第三のリード角403に対応する第四のリード角501を有する。また、第四のリード角501が第三のリード角403に当接し」(段落【0012】)との記載、同「過部ワッシャー50の第四のリード角501とろ過口402の第三のリード角403とを密接させ、同様に漏えい抑制の効果を達する」(段落【0013】)との記載、及び図4の図示内容に照らせば、上記(2)と同様に理解できるから、請求項2の上記記載は明確である。

(4)まとめ
したがって、実用新案登録請求の範囲の記載は、実用新案を受けようとする考案を明確に記載したものであるから、実用新案法第5条第6項第2号に規定された要件に適合する。

2 無効理由2(進歩性)について
(1)本件考案1について
ア 刊行物
(ア)甲第1号証
甲第1号証は、本件出願の出願前に頒布された刊行物であり、「Steam condensate drainage device for a steam piping system」(スチームパイプシステム用のスチームコンデンセートドレン装置)に関して、図面(特に、Fig.1ないしFig.6参照)とともに、以下の記載がある。 仮訳は、請求人が平成27年12月7日付けで提出した手続補正書(方式)に添付された翻訳文に拠る。

(ア-1)2欄34行?4欄16行
(仮訳)
図1を参照すると、本発明の実施形態であるスチームコンデンセートドレン装置を使用するスチームコンデンセート除去ラインを、参照符号10で表わしている。コンデンセート液体とスチームの混合物は、一般に高圧下でパイプ2からY-ストレーナーアセンブリー12に入って左から右に向い、符号4で表わしたパイプに出ていく。本発明の実施形態であるスチームコンデンセートドレン装置を、参照符号14で示している。Y-ストレーナーアセンブリー12は、本体16、本体と一体になって角度をなして形成された第1アームすなわちストレーナーアーム18、本体と一体に形成された第2アームすなわち受け部20を有し、受け部20には、本発明の実施形態であるスチームコンデンセートドレン装置の必須部材がある。受け部20は、パイプ2及び4、本体16及びストレーナーアーム18で作る面に対して好ましくは垂直である。運転中では、パイプ2からのコンデンセート/スチーム混合物が、本体入口22から、ストレーナーバスケット26、ストレーナーバスケット壁28を通り、いずれも本発明の実施形態であるねじ溝のあるコンデンセートドレンノズル40及びガスケットセパレーター30を経て、最終的に本体出口24からパイプ4に出ていき、典型的にはスチームボイラー(図示していない)に行く。
本発明のガスケットセパレーター30は、図1に示したように、ドレンノズル開口46、ドレン通路48、及び突出部50(図示している)と52(図示していない)のあるガスケット44を有している。ガスケットセパレーターの開口46と48は、それぞれ本体16の開口36と38と同じ大きさで、ガスケットセパレーターが設置されたとき、開口36と38が合わさる。突出部は、図1にあるようにガスケットセパレーター30と重なる調節タブ54の動きを制限するものである。調節タブ54は、ドレンコンデンセートノズル開口56と、ドレン通路開口58を有している。調節タブ54の開口56は、開口36及び46と同じ径である。タブの開口58の径は、以下に述べるように通常運転中、内部空間42からのコンデンセートの流れを妨害しないよう、開口48の径より僅かに大きい。
図10に示した本発明の別の実施形態では、ガスケットセパレーター130は、ガスケット144、ドレンノズル開口146及びドレン通路148を有していて、図1のガスケットセパレーター30に代わって使用される。(ガスケットセパレーター130には、ガスケットセパレーター30にある突出部50と52がない。)ガスケットセパレーター30と130のいずれを使用するかで、調節タブ54の使用が選択される。一般に、調節タブ54は、その使用を以下図7を参照してさらに説明するが、ガスケットセパレーター30では使用し、ガスケットセパレーター130では使用しない。
ガスケットセパレーター30は、受け部20の内部、本体16とキャップ32の間に設置され、以下図2により詳細に記載するように内部空間42を形成する。内部空間42は、本発明を構成する機能と交換可能な部材を全て収容する。受け部20は、本体16から離れるように延びていて、図5に見られるように、受け部の端部から本体に向って延びる内壁34にねじ溝が形成されている。受け部20の内部で、本体16は、ねじ溝が形成され、ねじ溝のあるコンデンセートドレンノズル40を受ける開口36と、内部空間42を本体16の出口側に連通するドレン通路開口38を有している。
図1に示すようにコンデンセート装置を組み立てたとき、ノズル40に加えたトルクにより、ノズル40のショルダー60がタブ54に密着し、タブ54がガスケットセパレーター30に密着する。ノズルは、ガスケットセパレーターと直接接触、あるいは調節タブにより間接接触してガスケットセパレータ一に圧力を加え、キャップ32が取外されても、コンデンセート側と装置のスチーム側を分離している。一方、ガスケットセパレーター30は、本体16の壁に密着する。ノズルのショルダー部、調節タブ、ガスケットセパレーター及び本体の間がシールされる結果、コンデンセート(またはスチーム)は、入口22から、ノズル40内の通路78を通ってのみ内部空間42に通り抜けることができる。通路78を、図4(審決注:Fig.4の「58」は「78」の誤記。)に詳細に示す。
キャップ32は、六角ナットアセンブリーであり、ねじ溝が形成された外壁62、受け部端面66と密着するショルダー64、図5に見られるようにキャップ32の遠い面70からキャップ32の内部に延びる中空部68でなっていて、キャップ32を受け部20にねじ込んで運転位置にすると、内部空間42が形成される。キャップ32は、ノズル40のコンデンセート側、すなわち低圧側に内部空間42を形成する。キャップ32は、低圧側、すなわちコンデンセート側のみをシールすることが要求される。ノズル40は、ノズル40の低圧側と高圧側を分けるシールとなる。
図2は、図1のY-ストレーナーアセンブリーの断面図であり、調節タブ54のないガスケットセパレーター130を使用する本発明の別の実施形態を説明している。図2で、ねじ溝が形成されたドレンノズル40のショルダー60は、ガスケットセパレーター30に密着し、コンデンセート及び/またはスチームは、ノズル40内にある縦方向通路78を通ってのみ入口72から内部空間42に通り抜ける。シールは、キャップ32内の如何なる流体も内部空間42を出ないようにし、かつノズル40のねじ部の腐食を防いでいる。キャップ32を入れて所定位置にねじ込んだとき、キャップ32の面70は、ガスケットセパレーター30を環状にシールし、これにより、内部空間42内のコンデンセートあるいはスチームが、キャップ32と受け部20のねじ壁34との接続部に漏れ出るのを防ぎ、同時に内部空間42を形成する。内部空間42に入るコンデンセート及び/またはスチームは、内部空間からドレン通路74を通って排出され、スチームコンデンセート除去装置を出て、コンデンセートリターンパイプ4に流れる。本発明の実施形態である装置が運転されるとき、入口72は圧力P72を、内部空間42は圧力P42を、出口80は圧力P80を持ち、P72がP42より大きく、P42はP80より大きい。

(ア-2)4欄32行?5欄2行
(仮訳)
本発明のガスケットセパレーターを使用するとき、現場でのテスト及び構成部品の取換あるいは修理は、キャップ32を取外してできる。テストの結果が、今述べたコンデンセート/スチーム排出に適合していないときには、本発明のガスケットセパレーター装置のデザインは、装置中のノズルを、使用している特定伝熱設備により適した別のノズルに取り換えるのを簡単にしている。
図4を参照して、ねじ溝のあるドレンコンデンセートノズル40は、ショルダー60、六角形またはスプラインソケット76に似たヘッドキャップ、及び長さ方向通路78をもつ外観デザインである。図4は、六角形ソケット76が、ドレンノズル通路78の最後に出る通路部分となり、ノズル40を、調節タブ54の開口56、ガスケット44の開口46及び本体16の開口36を通して本体16に取付けるトルクを与える手段となっていることを示している。
図3を参照すると、ワッシャータイプガスケット82を使用しており、このデザインは、本発明のガスケットセパレーターと同じように機能する。しかし、キャップ132を取外したとき、ワッシャー80(審決注:「82」の誤記。)は、紛失したり、破損しがちであり、恐らく再度の取付けができない。本発明のガスケットセパレーターは、これらの問題をなくしている。図1及び2に示すように、本発明のガスケットセパレーターは、ねじ溝が形成されたドレンコンデンセートノズル40が取付けられる。キャップ32を取り外したとき、本発明のガスケットセパレーター30はその場所に残る。テスト後に、取付けてあるノズルを別のノズルに取り換えなければならないと決めたとき、そのノズルを廻し、本体及びガスケットセパレーターの開口36及び46からそれぞれ取り外す。受け部20にあるガスケットセパレーターは、通常その場に留まる。ノズルが取り外され、新しいノズルが開口36及び46に挿入されると、ガスケットセパレーター紛失の機会はなくなり、損傷する可能性も少なくなる。

(ア-3)5欄37行?同欄39行
(仮訳)
ノズル40のコンデンセートドレン能力は、そのデザインのオリフィス寸法と圧力差P72-P42に正比例する。

(ア-4)6欄38行?同欄46行
(仮訳)
図2は、本発明がクレームするキャップ32は、運転状態にあるとき、内部空間42にある腐食性のコンデンセート/スチーム混合物が、キャップ32及び受け部20のねじ部に行かないように、キャップ32の面70が、ガスケットセパレーター30と円形にシールしている。キャップとガスケットセパレーターの間のシールにより、くっつき問題は、例えなくならなくとも、大幅に緩和される。

(ア-5)上記(ア-1)の「本発明の実施形態であるスチームコンデンセートドレン装置を、参照符号14で示している。Y-ストレーナーアセンブリー12は、本体16、本体と一体になって角度をなして形成された第1アームすなわちストレーナーアーム18、本体と一体に形成された第2アームすなわち受け部20を有し、受け部20には、本発明の実施形態であるスチームコンデンセートドレン装置の必須部材がある。」との記載及び同「キャップ32を入れて所定位置にねじ込んだとき、キャップ32の面70は、ガスケットセパレーター30を環状にシールし、これにより、内部空間42内のコンデンセートあるいはスチームが、キャップ32と受け部20のねじ壁34との接続部に漏れ出るのを防ぎ、同時に内部空間42を形成する。」との記載並びにFig.1及びFig.2からみて、スチームコンデンセートドレン装置14は、Y-ストレーナーアセンブリー12内に封止されるといえる。

(ア-6)Fig.1及びFig.2には、開口38と受け部20の端面66の開口との距離が六角ソケット76の端面の開口と受け部20の端面66の開口との距離より大きいことが示されている。

上記記載事項、認定事項及び図示内容を総合し、本件考案1の記載ぶりに則って整理すると、甲第1号証には、次の発明(以下「甲1考案」という。)が記載されている。

「本体入口22と、本体出口24とを有するY-ストレーナーアセンブリー12と、
前記Y-ストレーナーアセンブリー12内に封止されるとともに前記本体入口22と前記本体出口24との間に位置し、受け部20の端面66の開口と、内部空間42と、開口36と、ノズル40と、開口38と、受け部20の内壁34とを備え、
前記受け部20の端面66の開口が前記内部空間42と連通して前記Y-ストレーナーアセンブリー12の外に凸設されており、前記開口36が前記本体入口22と連通し、
かつ、前記ノズル40内にベンチュリ管として構成した通路78と六角ソケット76の端面の開口とがさらに設けられ、前記六角ソケット76の端面の開口が前記内部空間42と連通し、
前記通路78の一端が前記六角ソケット76の端面の開口と連通し、
前記通路78の他端が前記本体入口22と連通し、
前記ノズル40が前記開口36に密接され、
前記開口38が前記内部空間42及び前記本体出口24と連通し、
前記開口38と前記受け部20の端面66の開口との距離が前記六角ソケット76の端面の開口と前記受け部20の端面66の開口との距離より大きいスチームコンデンセートドレン装置14と、
ガスケットセパレーター30と、
前記スチームコンデンセートドレン装置14の受け部20の端面66の開口に互いに結合して前記ガスケットセパレーター30を押し付けているキャップ32と、
を含む、スチームコンデンセート除去ライン。」

(イ)甲第2号証
甲第2号証は、本件出願の出願前に頒布された刊行物であり、2欄48行?3欄19行には、図面(特に、FIG.1及びFIG.2参照。)とともに、次の事項が記載されている。仮訳は、請求人が平成27年12月7日付けで提出した手続補正書(方式)に添付された翻訳文に拠る。

(仮訳)
図1を参照して、本発明による連続フロースチームコンデンセート除去装置10は、相対する両端に雄ねじ溝14が形成された細長い統合体12である。この統合体12は、雄ねじ溝14部位の間の中央部に、相対する側か平坦面16になった六角形を有していて、図3に示すように、装置10がスチームコンデンセート除去装置の他のねじ部分18との連結を容易にしている。
図2を参照して、統合体12は、統合体の長軸に沿って延びた細長い上流側円筒形コンデンセート集合通路20と、同様に統合体の長軸に沿って延びた下流側円錐台形コンデンセート排出通路22が形成されている。円筒形ベンチュリタイプノズル、すなわちオリフィス24が、統合体12の中、上流側コンテンセート集合通路20と下流側コンデンセート排出通路22の間に設けられ、これら通路の径に比較して小さな径となっている。
環状円錐形テーパー面26が、細長い上流側円筒形コンデンセート集合通路20の入口を囲み、下流方向内部に向けて延び、コンデンセート集合通路への流れを容易にしている。上流側コンデンセート集合通路20は、径を小さくした流量縮小通路28と円錐形相互連結面30によって、ベンチュリタイプノズル24の入口端部に接続されている。同様に、ベンチュリタイプノズル24の出口端部は、実質的に上流側コンデンセート集合通路と同じ径のコンデンセート排出中間通路32及び円錐形状の相互連結面34によって、下流側コンデンセート排出通路22に接続されている。

(ウ)甲第3号証
甲第3号証は、本件出願の出願前に頒布された刊行物であり「鍔部付きテーパーワッシャ」に関して、図面(特に、図1、図3、図5及び図6参照。)とともに、次の事項が記載されている。

(ウ-1)「【0003】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、現場での部品の固着に際し、テーパーワッシャ23のテーパー面23aの傾斜角をチャンネル材10の部材取付け用縁部内面のテーパー面11aの傾斜角に整合させる作業を必要とするが、チャンネル材10のテーパー面11aが低い位置にある場合等では、上記の整合作業が困難になるという問題点がある。
【0004】
また、テーパーワッシャ23のテーパー面23aをチャンネル材のテーパー面11aに整合させた後のボルト締め時に、ワッシャ23が共回りして、ワッシャ23のテーパー面23aの傾斜方向がチャンネル材10のテーパー面11aの傾斜方向とずれてしまい、つまりテーパーワッシャの傾斜角とチャンネル材11の部材取付け用縁部内面のテーパー面の傾斜角とがずれ、ワッシャ23にボルト21,ナット22の締付け力が均等に作用せず、所定の固定力で他の部品をチャンネル材10の部材取付け用縁部11に固定できないという問題点もある。
【0005】
本考案はこのような問題点を解決しようとするもので、チャンネル材等の部材取付け用縁部のテーパー面に簡単かつ容易にテーパー面を整合させることができるようにした、鍔部付きテーパーワッシャを提供することを目的とする。」

(ウ-2)「【0010】
図1に示すように、この実施形態でも、テーパーワッシャ1は、上述の従来のものと同様に平面視ほぼ四角形状に形成され、かつ一方の面をチャンネル材10の部材取付け用縁部11のテーパー面(内面)11aの傾斜(角)と同じ傾斜(角)のテーパー面1aに形成されるとともに、他方の面(ナットの当接する面1c)も水平面に形成されている。さらに、テーパー面1aの厚肉側の端縁部に、チャンネル材10の部材取付け用縁部11の端縁11bに当接する鍔部1dがその全長にわたって突設形成されている。
符号1bはボルトの挿通用の長穴を示している。
なおこの実施形態では、座付きナット22が用いられている。
【0011】
使用に際し、図3に示すように鍔部1dをチャンネル材10の端縁11bに当接させると、テーパーワッシャ1のテーパー面1aの傾斜角を自動的にチャンネル材10の部材取付け用縁部11内面のテーパー面11aの傾斜角に整合させることができ、さらにボルト締め時にテーパーワッシャ1をこの状態に保持することができる。」

(エ)甲第4号証
甲第4号証は、本件出願の出願前に頒布された刊行物であり、段落[0019]には、図面(特に、FIG.1及びFIG.3参照。)とともに、次の事項が記載されている。 仮訳は、請求人が平成27年12月7日付けで提出した手続補正書(方式)に添付された翻訳文に拠る。

(仮訳)[0019]バルブ40は、リング状シール42と、もう一方の端部にあって、ハウジング22一端の内周ねじ溝にシール42を挟んで固定された外周ねじ溝のある延長部41と、裾広がりの人口43と、入口43と連通する内部空間44、入口43の前でフィルター30のもう一方の端部を載せるショルダー45と、内部空間44の後部に形成された内周ねじ溝46と、及び、バルブ40の外面から内部空間44に装入されてストッパーとして機能する留めねじ47とからなっている。

イ 対比
本件考案1と甲1考案とを対比すると、後者の「本体入口22」は前者の「空気取り入れ口」に相当し、以下同様に、「本体出口24」は「排水口」に、「Y-ストレーナーアセンブリー12」は「多流路管体」に、「受け部20の端面66の開口」は「開口」に、「内部空間42」は「空気室」に、「開口36」は「貫通孔」に、「ノズル40」は「ノズル」に、「開口38」は「集水孔」に、「受け部20の内壁34」は「内縁壁」に、「通路78」は「凝縮水流路」に、「六角ソケット76の端面の開口」は「凝縮水排出口」に、「スチームコンデンセートドレン装置14」は「コンデンシングユニット」に、「ガスケットセパレーター30」は「コンデンシングユニットワッシャー」に、「キャップ32」は「第一の結合部材」に、「スチームコンデンセート除去ライン」は「スチームトラップ」にそれぞれ相当する。

したがって、両者は、
「空気取り入れ口と、排水口とを有する多流路管体と、
前記多流路管体内に封止されるとともに前記空気取り入れ口と前記排水口との間に位置し、開口と、空気室と、貫通孔と、ノズルと、集水孔と、内縁壁とを備え、
前記開口が前記空気室と連通して前記多流路管体の外に凸設されており、前記貫通孔が前記空気取り入れ口と連通し、
かつ、前記ノズル内にベンチュリ管として構成した凝縮水流路と凝縮水排出口とがさらに設けられ、前記凝縮水排出口が前記空気室と連通し、
前記凝縮水流路の一端が前記凝縮水排出口と連通し、
前記凝縮水流路の他端が前記空気取り入れ口と連通し、
前記ノズルが前記貫通孔に密接され、
前記集水孔が前記空気室及び前記排水口と連通し、
前記集水孔と前記開口との距離が前記凝縮水排出口と前記開口との距離より大きいコンデンシングユニットと、
コンデンシングユニットワッシャーと、
前記コンデンシングユニットの開口に互いに結合して前記コンデンシングユニットワッシャーを押し付けている第一の結合部材と、
を含む、スチームトラップ。」
である点で一致し、以下の点で相違している。

〔相違点〕
前者は、コンデンシングユニットが「第一のリード角」を備え「前記第一のリード角が前記内縁壁周りに環設されて」おり、コンデンシングユニットワッシャーが「前記第一のリード角に対応する第二のリード角を有し、前記第二のリード角が前記第一のリード角に当接している」のに対し、
後者は、スチームコンデンセートドレン装置14及びガスケットセパレーター30が、かかる構成を備えていない点。

ウ 相違点に対する判断
甲第1号証には、ガスケットセパレーター30について、「ガスケットセパレーター30は、受け部20の内部、本体16とキャップ32の間に設置され、以下図2により詳細に記載するように内部空間42を形成する。」(「(ア-1)」)との記載、「ガスケットセパレーター30は、本体16の壁に密着する。ノズルのショルダー部、調節タブ、ガスケットセパレーター及び本体の間がシールされる結果、コンデンセート(またはスチーム)は、入口22から、ノズル40内の通路78を通ってのみ内部空間42に通り抜けることができる。」(同)との記載、「キャップ32を入れて所定位置にねじ込んだとき、キャップ32の面70は、ガスケットセパレーター30を環状にシールし、これにより、内部空間42内のコンデンセートあるいはスチームが、キャップ32と受け部20のねじ壁34との接続部に漏れ出るのを防ぎ、同時に内部空間42を形成する。」(同)との記載、「本発明のガスケットセパレーターは、ねじ溝が形成されたドレンコンデンセートノズル40が取付けられる。キャップ32を取り外したとき、本発明のガスケットセパレーター30はその場所に残る。テスト後に、取付けてあるノズルを別のノズルに取り換えなければならないと決めたとき、そのノズルを廻し、本体及びガスケットセパレーターの開口36及び46からそれぞれ取り外す。受け部20にあるガスケットセパレーターは、通常その場に留まる。」(「(ア-2)」)との記載、「キャップ32は、運転状態にあるとき、内部空間42にある腐食性のコンデンセート/スチーム混合物が、キャップ32及び受け部20のねじ部に行かないように、キャップ32の面70が、ガスケットセパレーター30と円形にシールしている。」(「(ア-4)」)との記載があり、また、Fig.1、Fig.2及びFig.5には、板状のガスケットセパレーター30がキャップ32の面70及び本体16の壁に密着することが示されているが、受け部20の内壁34の周りに所定角からなる傾斜面を環設し、ガスケットセパレーター30に当該傾斜面と当接する所定角からなる傾斜面を設けることについて示唆する記載は認められない。

また、甲第1号証のFig.3には、リング状のワッシャータイプガスケット82が示されているが、本体16の外壁面に設けられるものであって、「キャップ132を取外したとき、ワッシャー82は、紛失したり、破損しがちであり、恐らく再度の取付けができない」(「(ア-2)」)との問題がある旨記載されており、甲1考案のガスケットセパレーター30とは構造及び配置場所が異なるものである。

次に、甲第2号証ないし甲第4号証を検討する。
甲第2号証には、ベンチュリタイプノズル24が記載されているが、甲第1号証のガスケットセパレーター30に相当する部材は記載されていない。

甲第3号証のテーパーワッシャ1は、チャンネル材等の取付け用縁部のテーパー面に簡単かつ容易にテーパー面を整合させることを課題とし、その一方の面をチャンネル材10の取付け用縁部11のテーパー面11aの傾斜角と同じ傾斜角のテーパー面1aに形成し、テーパー面1aの厚肉側の端縁部に突設形成した鍔部1dをチャンネル材10の端縁11bに当接させることで、テーパーワッシャ1のテーパー面1aの傾斜角を自動的にチャンネル材10の取付け用縁部11内面のテーパー面11aの傾斜角に整合させることができるものである。
そうすると、甲1考案のガスケットセパレーター30はシールに関する部材であるから、甲第3号証のテーパーワッシャ1とは、技術分野及び課題において相違する。

甲第4号証には、リング状シール42について、「バルブ40は、・・・シール42を挟んで固定」するとの記載があり、また、FIG.1及びFIG.3には、リング状シール42がバルブ40の環状の溝に埋め込まれ密着することが示されているが、リング状シール42とバルブ40の環状の溝の側面との間にそれぞれ所定角からなる傾斜面を形成することについて示唆する記載は認められない。

そうしてみると、甲第2号証ないし甲第4号証には、相違点に係る本件考案1の構成が記載も示唆もされていないから、甲1考案に甲第2号証ないし甲第4号証にそれぞれ記載された事項を適用しても、相違点に係る本件考案1の構成とはならない。

エ まとめ
したがって、本件考案1は、甲1考案、甲第2号証及び甲第3号証にそれぞれ記載された事項に基いて、当業者がきわめて容易に考案することができたものでない。

なお、請求人は、孔の傾斜段部は、一般的なものであり、傾斜段部に対応したリード角を持つワッシャー(もしくはガスケット)は、周知技術であるから、本件考案1はきわめて容易に想到できる旨主張するが、甲第1号証のガスケットセパレーター30は、キャップ32の面70及び本体16の壁に密着する板状部材であるのに対し、周知技術のワッシャー(もしくはガスケット)はリング状部材であり、両者は、構造及びシールする部位が異なる。
そうすると、甲1考案に周知技術を適用することはできないから、請求人の上記主張は採用できない。

(2)本件考案2ないし4について
本件考案2ないし4は、本件考案1のすべてを含んだものであるところ、本件考案1は、前記「(1)」に記載したとおり、甲1考案及び甲第2号証ないし甲第4号証に記載された事項に基いて当業者がきわめて容易に考案することができたものでないから、本件考案2ないし4も、同様に、甲1考案及び甲第2号証ないし甲第4号証にそれぞれ記載された事項に基いて当業者がきわめて容易に考案することができたものでない。

3 むすび
以上のとおりであるから、請求人の主張及び証拠方法によっては、本件考案1ないし4に係る実用新案登録を無効とすることはできない。
審判に関する費用については、実用新案法第41条で準用する特許法第169条第2項で準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2016-06-24 
結審通知日 2016-06-28 
審決日 2016-07-11 
出願番号 実願2013-2164(U2013-2164) 
審決分類 U 1 114・ 121- Y (F16T)
U 1 114・ 537- Y (F16T)
最終処分 不成立    
特許庁審判長 森川 元嗣
特許庁審判官 冨岡 和人
小関 峰夫
登録日 2013-06-05 
登録番号 実用新案登録第3184441号(U3184441) 
考案の名称 スチームトラップ  
代理人 山口 朔生  
代理人 特許業務法人共生国際特許事務所  

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